執念の走りで浜野淳がタイトル死守!
山陽のGIIライジングカップは、地元の浜野淳が速攻を決め後続を振り切った。ブッチ切りの圧勝とはいかなかったが、巧腕の持ち主らしくクレバーな走りを披露した。
スタートは戦前の予想通り早船歩が先行。早々と逃げ態勢を作るかに見えたが、スタートで2番手に出た佐々木啓が1周3コーナーで早船を差し込む。しかし、その直後の展開が圧巻だった。3番手に付けていた浜野が2周1コーナーで早船、佐々木をまとめ差し。一気に先頭に踊り出た。そこからは7周回を先頭で走りきってゴール。その間、ずっと佐々木が隙を窺っていた。更に3番手では浦田が浮上の機会を窺っていた。しかし、浜野はミスなく乗り切った。
4番手以下は大きな動きがなかった。実力者・永井大介も序盤で好位を奪えず苦しい戦いになった。山崎進や西村龍太郎はスタート行けずに苦戦。谷津圭治は道中で踏ん張りを見せ、4着に食い込んだ。
このレースでは改めて浜野の勝負強さを思い知らされた。大勝負では、そのレースのカギとなるポイントがある。今回は2周1コーナーだった。前を走る2車のインに入れると見るや否や、浜野は迷わず突っ込んで行った。この状況判断能力と思い切りの良さが浜野の持ち味。勝負強さがあると言われる所以だ。2001年、2002年あたりが浜野のピークだった。そこから雌伏の時を経て、今再び立ち上がろうとしている。第2のピークが訪れかけている。次のSGオートレースグランプリで、それを証明して欲しい。
浜野淳が地元の期待に応える!
準決と比べてハンデが重くなったのは山崎進。これによって優勝戦は10Mオープンでの戦いになった。記念の優勝戦は8周戦で、通常より2周延びるとは言え、スタート争いが大事なのは変わらない。
まずはスタート予想。エンジン完調の山崎だが、ここに入ると先行は厳しいか。早船歩が好枠を活かして先行しそうだ。それに乗っていくのは西村龍太郎。谷津圭治が3番手に出る。5枠から外も枠ナリか、そうでなければ佐々木啓がやや遅れる程度だと思われる。
逃げ態勢に入る早船はどこまでペースを上げられるか。準決では上がり3・420をマークしており、他の選手と比べても引けを取らない。そのままの押し切りもありそう。単純なタイム比較で言えば、早船を捕まえられるのは浦田信輔。準決で上がり3・405を出しており、早船が逃げたとしても捕まえられる公算大。
ところが前日のタイム通りに事が運ばないのがオートレース。優勝戦ともなるといつも以上の力が発揮されることがある。特に、大舞台で勝負強いのは浜野淳。今回は地元なので、モチベーションはマックス。7月に川口のGIで圧勝した走りを再現してくれるかもしれない。10Mオープンの6枠では、流石にスタートは行けないが、道中で異次元の攻めを披露するとみた。
相手には浦田と永井大介。完全優勝がかかっている浦田は気合満点だろうし、永井もそのプライドから簡単に負けるわけにはいかない。カマシ気味に出るようなら優勝も十分ある。早船も怖い存在。準決では浅香潤の攻めをやり返しての上がり3・420。ちょっかいを出されず、一人で逃げ切っていれば、もっとタイムは出ていただろう。外の3者が競り合えば大金星も夢ではない。最後に推すのは谷津。3日目から動きが一変し、このメンバーでも見劣りしない走りをしている。
◎浜野淳
○浦田信輔
△永井大介
△早船歩
▲谷津圭治
GIIライジングカップ開幕!
山陽で開催されるGIIライジングカップは、27期以前までの選手が参加する大会。若手の開け開けレースもいいが、熟練者による技の競い合いも見ごたえがある。
地元ランクトップは浜野淳。前走の地元5日間ではしっかり優出。優勝戦は6着だったが、それまでの4日間は3連対を外していない。今回も地元走路なので、ある程度セッティングは見えているか。同じ優勝戦に乗っていたのが林弘明。課題のスタートが多少良化され、レース展開も厳しくなくなっている。もちろんエンジンの方も良い状態。今回も活躍が期待される。安定感で言えば岡部聡もマズマズ。前走の地元5日間は最終日の6着以外は、全て3連対に絡む活躍。じっくりと追い込むスタイルは、レース展開が速くならなそうな今回の大会に向いている。佐々木啓は前走の浜松ではいいところがなかったが、今年に入ってからはほぼエンジン安定している。岩崎亮一は前走の浜松で落車したので、初日の試走には要注目だ。松尾啓史や角南一如は、絶好調ではないが戦える状態にはある。前田淳も前走の伊勢崎GIで優出しておりリズムは良い。
対する外来勢でランクトップは永井大介。今年は本来の活躍を見せられていないが、前走の伊勢崎GIでは準優勝。少しずつだが良化の気配は窺える。高い位置でエンジン推移しているのは浦田信輔。前走の浜松は優勝戦で5着だったが、予選道中の動きは問題なかった。このところ5節連続優出中でその内、準優勝が3回。そろそろ優勝が欲しいところだ。その優勝を前回の川口で決めてきたのは篠原睦。3日間開催で全て1着。完全優勝を果たした。勢いだけなら外来勢の中で一番か。その川口の優勝戦で7着だったのは、篠原と同期の木村武之。日によって凡走する時もあるが、おおむねエンジンは良い状態。更に、その川口の優勝戦で3着だったのは中野憲人。予選、準決も連対しておりエンジンは良い。ただし、今回は短ハンデ戦のレースが増えそうで、不安なスタート力をどこまで高められるかが焦点。
エンジン自体はイマイチだが、池田政和や加賀谷建明のパワー駆けには常に注意。混戦になれば東小野正道や五十嵐一夫が突っ込んでくる。雨走路になれば竹谷隆はアタマから狙いたい。
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主な出場予定選手
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浜野 淳〔山陽 S-10(24期)〕
岡部 聡〔山陽 S-14(19期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-17(23期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
川口で初のナイター開催!
今回は一般開催ながらS級選手の参加が多く、更に強力なメンバーが集結した。と言うのも川口で初めてナイターレースが開催されるからだ。通常より90%の消音効果があるマフラーを装着し、激しい戦いが繰り広げられる。優勝戦に進んできそうな選手をピックアップ。
最も有力なのは、やはり中村雅人。8月2日に連勝記録は15でストップしたが、そこからまた立て直している。前々走の飯塚GIで優勝。更に前走の地元開催でも優勝。再び連勝も6まで延ばしている。近況のリズムから優勝候補筆頭に挙げられる。好調度では中村に引けを取ってないのが高橋貢。今年は7月に入ったあたりから調子を上げている。前走の地元GIも素晴らしい走りで制している。強い貢が帰ってきた。この2人がシリーズの中心になりそう。
他のS級でも十分チャンスはある。飯塚からは3車参戦。荒尾聡は前走の地元GIでしっかり優出。ここ一番での勝負強さは健在。好スタートからの素早い仕掛けを見せてくれる。田中茂は逆のタイプ。スタートや序盤の展開はイマイチでも、レース後半になって猛烈に追い込んでくるタイプ。永冨高志もどちらかと言うと田中茂にタイプは似ている。船橋の内山高秀と岩田行雄も状態はマズマズ。今回のような一般開催なら優出してもなんらおかしくない。山陽のS級2車はやや不調。藤岡一樹は雨走路ならいいが、良走路ではパワーを欠いてる状態。人見剛志はシリーズの初日がカギ。初日のエンジン状態がそのまま最後まで続く傾向がある。
迎え撃つ地元勢は、佐藤裕二がランク筆頭。前走の伊勢崎GIでは予選モレしてしまったが、5日間シリーズで3勝を挙げエンジンはソコソコ良い。強気な走りに期待したい。同じく伊勢崎GIに出ていた青木治親は、軽いスランプから脱出できていない。森且行と若井友和の25期両者は前走が地元3日間開催。森は順調に勝ち上がり優勝戦で8着。若井は初日に出残りをしてしまい、勝ち上がり権利を失ってしまった。しかし、エンジン面はマズマズか。平田雅崇は山陽5日間開催で走っていた。肝心の準決だけ3着。それ以外はオール連対を果たす安定感。
A級でも前回優出した鈴木清や、スピード溢れる高橋義弘。絶好調が続いている釜本憲司らが活躍しそう。また、伊勢崎の森村亮がスピード感ある走りを披露しているので注目したい。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
森 且行〔川口 S-19(25期)〕
若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
中村 雅人〔船橋 S-1(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
豪華メンバーでの一般開催!
今回は4日間の一般開催ながらS級選手が多数参加の好メンバー。A級は地元浜松がメインで、伊勢崎からも多数参戦。激しい戦いが展開されそうだ。
地元ランクトップは金子大輔。前走は山陽5日間開催。準決は3着だったが、シリーズを通してエンジンは良さそうだった。今回は地元なので更にパワーアップも可能。外来勢を迎え撃つ一番手になる。地元のS級は他に3人。伊藤信夫と青島正樹は前走が伊勢崎ナイターGI。共に力を出し切れなかったが、今回はいつもの地元で、更に昼間開催に逆戻り。本来の力が出せる状況だ。もう一人のS級・笠木美孝は厳しい現状。前走は船橋だったが、成績は振るわなかった。と言うのも不安材料のドドドが直らないからだ。いろいろ手は尽くしているが、解消の方向には行かないようだ。
外来勢では青山周平と浦田信輔が好調。青山は今年に入り前半は苦しんでいたが、6月に入ったあたりから出場するシリーズでほぼ優出を逃していない。更に優勝する機会も増えてきている。前走の川口でもオール連対での優勝を遂げており、それまでの分も取り戻す勢い。浜松は元々、得意な走路であり、今回も優勝戦まで進んでくると思われる。浦田も状態はかなり良い。前々走の地元GIでは準優勝だったものの、中村雅人に記念タイトルを奪われてしまった。そのリベンジとばかりに臨んだ前走の船橋でも、再び中村に返り討ちにあい準優勝となってしまった。優勝を逃したとは言え、連続で準優勝なのだからエンジン悪いことはない。
他のS級では岩崎亮一と佐々木啓が有力。前走ではやや調子を欠いていたが、それまでは抜群の安定感を誇っていた。速攻がある岩見貴史、レース後半の追い込み鋭い滝下隼平。30期の中でも実力上位の新井恵匠と田村治郎の大駆けにも注意。また、鈴木慶太も一発があるタイプ。
A級では藤波直也と鈴木圭一郎に注目。藤波は前走の山陽で悲願の初優勝を遂げている。元々、スピードには定評があった選手。これを機に更なる飛躍を見せて欲しい。鈴木は前走の伊勢崎GIで優出し3着。シリーズ中に試走29を出すなどエンジンは絶好調。その他でも渡辺篤、渋沢憲司、丹村飛竜などが前走で優出しての参戦。B級ではあるが、岸萌水が今節から1級車乗りになるので期待。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-31(24期)〕
青山 周平〔船橋 S-5(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-21(29期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-12(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-17(23期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕