
みちのくレース岩手競馬の興行も無事に冬休みへと入りました。馬と共に歩んだ主催者・関係者の皆さま、そして競馬場・テレトラックやPCモニターの前で応援し続けて下さいましたファンの皆さま、まずはお疲れ様でした。
ところで冬休み期間中のこのブログですが、どのように更新するのか、実はまだ決まっておりません。もともと周辺ネタを取り上げている私はいいのですが、レースの予想や<次走へのメモ>を書いている松尾編集長と横川はネタが無いわけですからね。
これについては、方針が決まりましたらこの場でご連絡するつもりです。
さて、今日の盛岡はこの冬にしては珍しく大粒の雪が舞っています。このままだと久しぶりに本格的な積雪になるかも。昨年12月の始めに交換した新品のスタッドレスタイヤにも、ようやく出番がまわって来そうです。
それにしても今年の暖冬は相当なものですね。去年の今頃はテシオ編集部のある会社の駐車場も10cmほどの氷に覆われ、さらにその上に毎日々々雪が積もってスタックする車が続出。除雪にも人力では間に合わず重機が出動していたのですが、今年は早朝にうっすらと氷が張ると「今日は寒いですねぇ」という言葉が出る程です。
盛岡というところは本来、県庁所在地では最も冬の寒さが厳しいところ。より北に位置する青森市のほうが寒いと思われがちですが、実際は内陸にある盛岡市のほうが、雪は少ないものの気温は低いんですね。平年の今頃だと10度ぐらいは珍しくなく、20度に迫ることもしばしばなのですが…(あ、念のため言っておきますが、この時期の岩手人は気温の「マイナス」を略して話しますので)今年は水道管凍結による破損を心配しなくてもいいし、自動車のスリップ事故も激減するでしょう。そういえば岩手競馬の開催中止・延期が一日も無かったのは何年ぶりでしょうか。少なくともここ10年は無かったような気がします。
一方で、スキー場や冬季イベント関係者は大変でしょうね。そして暖冬の年はその後も天候不順が続くといいますから、「暖かくていいね〜」とばかり言ってはいられないのかも知れません。しかしこの異常気象の原因が太平洋の遙か南方、赤道付近の海面温が2〜3度上昇しているからと聞かされてはどうにも手の出しようがありませんね。
せめて私たちに出来ることは、四季が順調に巡るよう祈ることと、二酸化炭素の排出を少しでも減らすよう、アイドリングストップやゴミの分別を心掛けることぐらいでしょうか。
(文・佐藤 到)
盛岡商業高校全国高校サッカー優勝おめでとう!!!
いきなり競馬の話題から離れてすいませんが、いま岩手・盛岡はこの話題でもちきりです。決勝戦はちょうど水沢競馬場でトウケイニセイ記念が行われていた時間と被っていて、関係者も事務所のテレビを気にしながら仕事をしている状態。もちろん私も撮影の合間に応援していましたし、おそらくジョッキーたちも控え室で声援をおくっていたのではないでしょうか。
たぶん、サッカーや野球でいわゆる強豪校のある地区の方にはこの感覚はわからないでしょうね。それでは岩手出身の有名人を考えてみて下さい。宮沢賢治、石川啄木、あるいは原敬…。文人や政治家は輩出しているのですが、体育系で全国に名が知れ渡った人といえば、サッカー日本代表のMF小笠原満男さんとアルベールビル冬季五輪ノルディック複合団体金メダリストの三ヶ田礼一さん(皆さま覚えていらっしゃいますか?)ぐらいではないでしょうか。とにかく岩手というところは、スポーツではあまり盛り上がることのない県なのです。
もちろん各選手達はがんばっているのでしょうし、立派な結果を出している種目もあるのですが、このような日本中に生でテレビ中継されるような大会となると、岩手県民はどこか他人事のような感覚があると思います。サッカーでも野球でも、どうせ勝つのは有望選手をスカウトで集めた有名校でしょ、と。
昨年は遠野高校がベスト4まで進出しました。それも相当スゴイことだったハズですが、夕方のローカルニュースで多少の時間を割いたぐらいで、それほどの盛り上がりは見られませんでした。ところ今年は準々決勝突破という報が伝わり、「おや?これはもしかすると…」と俄然注目を集め、そして県民が見守るなか見事な戦いぶりで優勝・全国制覇!もちろん部員全員が地元から通常の試験を受けて入学、授業も普通に受けて放課後の部活に励む、普通の岩手の公立高校生たちです。ここが素晴らしいです。
岩手に住んで18年、このような喜びに立ち会うことはなかなかありません。巷ではラグビーの新日鉄釜石以来、と言われていますが、それは私が岩手県民になる以前の話。だから私は、「メイセイオペラJRAGI制覇以来の快挙!!」と思っています。
さて、いよいよ今年度の岩手競馬も残りあと僅か。次週と年度末に、重特の予定がない平場のみの開催がありますがこれは昨年度、「特別競馬」を追加開催したのと同じ日程が今年度は当初からスケジュールされていたという格好。近年はトウケイニセイ記念でシーズン終了、というリズムになっていただけに何となく調子が狂う気もしますが、リーディング争いは騎手・調教師ともにもつれ込みそうですし、なによりプラス6日間も競馬ができるのですから、十分に楽しみたいと思います。
(文/写真・佐藤 到)
新しい年、皆さま、明けましておめでとうございます。
岩手は穏やかな正月を迎えました。というと普通は良いことなのでしょうが、これほどの暖冬となるとやはりどこか不安になってしまいます。夏の暑さにしろ冬の寒さにしろ、自然の中では無いほうが良いものなどは無く、過ごしやすいのを喜びつつも農作物への影響などを心配しなければなりません。以前聞いた話によると、岩手県内における家電やカメラなどの高額消費財の売り上げは、農作物の豊作凶作と少なからぬ連動が見られるとか。なんだかんだ言ってもやっぱりこの地域の経済基盤は農業が支えているのだなぁと思いました。やはり冬は凛として寒く、しっかりと雪が積もるのが本当なのでしょう。それに私たちも雪景色を楽しむぐらいの気持ちを持たないと、こんな寒さの厳しいところに住んでいられないというのもありますしね。
しかし競馬場にとっては馬場管理の苦労が減り、開催中止の心配をする必要もなくお客さんも来やすいということで大助かりです。苦しい時期のこの岩手競馬に、多少なりとも天の加護があったのかもしれません。
前回に続いて馬場管理のお話を。厳寒時には馬場が凍結するとは言いますが、もちろん舗装道路の凍結のようにツルピカになるわけではありません。そのかわり水分が砂を抱え込むように固まり、ゴロゴロとしたダマになって非常に走りにくい馬場になるんですね。この状態で無理に走ると馬の脚に負担が大きく怪我をしやすいので、固まりを砕いて砂に鋤(す)き込むように、係員が何度もトラクターで往復します。
そして日中、気温が上がってくると、今度はこの水分が解け出し日当たりの良い場所から次第に水が浮くようになってきます。これが水沢名物の「泥田のような馬場」で、実際に手や足先で触れてみると、たぷたぷとした柔らかいプリンかゼリーのような状態。迂闊に足を踏み入れると人間一人の体重でもずぶずぶと足首までハマってしまいます。馬にとってこれは「脚抜きのいい馬場」となり、レースタイムは速くなるというわけです。
しかし水浸しの馬場をそのままという訳にはいきませんから、浮いた水分を排水しなければなりません。この方法がちょっと面白いのですが、砂に溝を切るという手法がとられています。これは走路に対して横方向に、トラクターに装着した機械またはグラウンド整備に使う「トンボ」に幅広の鍬(クワ)の刃が付いたような道具を使って人力で、10cmぐらいの深さに何本も溝を刻んでゆくのです。すると両側の砂から水分が流れ込み、川のようになって走路脇の排水溝に流れて行くのです。この流れはまさに実際の川のミニチュアで、三角州や浸食崖、河原などが見られ、小学校の理科を思い出します。当然この川も実際の川と同じように大量の砂を運び去りますので、この手法を何度か施したら走路に砂を補充しなければならなくなります。
ファンの皆さんは、午前中の時計のかかる凍結馬場と昼からの田んぼ馬場という変化をよく読んで予想して下さいね。
(文/写真・佐藤 到)
ラストスパート中のみちのくレース岩手競馬。恒例の年末年始特別開催ですが、今年は曜日の関係から特にタイトで、29日から3日間の開催が一日の休みを挟んで3セット連続となっています。当然、出走馬も不足がちになるためこの間は一日10レースという日が多くなるようですね。本当はひとつでも多くのレースをファンの皆様に提供したいところなのでしょうけれども、この時期は体調面や馬場状態の影響で故障を発生しやすいですから無理はできません。
一方、休み無しのでづっぱりとなるのが我々報道も含めた関係者。このようなスケジュールのイベントに関わっていると、毎年、開催が一段落するまで正月が来たような気分になれません。私はこの原稿を30日に書いていますが、まだ年賀状の準備も終わっていないという状態です。あ、それは単に自分が怠けているだけなんですけどね。
しかし開催日にやって来て写真を撮る、という仕事をしている私はまだいいのですが、馬場管理を担当している職員はこの時期もっと大変です。気象業者から届く天気予報や天気図・レーダー図とにらめっこしながら、ハローがけの深さや凍結防止剤(環境への影響が少ない物だそうです)の散布量を調節し、場合によっては砂を入れたり削ったり。雪が降れば除雪と調整作業で徹夜になることもしばしばで、天候によっては元旦も関係なく仕事に追われるかもしれないそうです。彼らのおかげで私たちは楽しく競馬観戦できると思うと、本当に頭が下がりますね。
余談ですが、他の競馬場では馬場整備用にメルセデスベンツ社のウニモグという荒地作業車を使っているのを良く見かけますが、岩手では主に農業用の大型トラクターを使用しています。また積雪・凍結時用には、スキー場でもよく使われているピステンが登場することも。これらは全て岩手独自で考えた工夫なのだそうです。
さて桐花賞の結果はどうだったでしょう?みなさまは懐暖かく年を越せそうですか?
ことし4月からお付き合いいただいたオッズパーク「テシオブログ」もあっという間に8ヶ月。誤愛読、…もとい御愛読いただき誠にありがとうございました。今年度年明けの1・3月開催、そして来年度も岩手競馬とテシオをよろしくお願いします!
(文/写真・佐藤 到)
またしても遠征競馬の難しさを味わうことになってしまいました。13日に川崎競馬場で行われたダート2歳馬の頂点競走、全日本2歳優駿GIに岩手から参戦したパラダイスフラワーでしたが、残念ながら9着。私も撮影+応援に現地へ行きましたが、若干入れ込み気味だったせいなのか、いつもの力強さをまったく出せずに終わってしまいました。
期待を膨らませて応援する私たちはついつい忘れがちになってしまいますが、競走馬という生き物にとって、何処ともわからない場所に連れて行かれ見知らぬ環境の中で競馬をするというのは大変なこと。西に東に飛び回り、どの競馬場でも力を出し切って戦える馬のほうがスゴイのであって、実力の半分も出せないのが当たり前といえば当たり前なのだ。ということを改めて教えられた先週と先々週でした。
ところで勝ったフリオーソ。この馬、馬っけは出すわヒンヒンいななくわでとても力を発揮できる状態には見えなかったのですが、それであの強い競馬で勝ってしまうのですからとんでもないですね。岩手の馬たちもこのぐらいの精神的タフさを身につけないと全国で結果を出すのは難しいということなのでしょう。もちろん、パラダイスフラワーもサイレントエクセルも、そしてオウシュウクラウンもまだまだこれからの馬。次の大舞台ではきっといいところを見せてくれるものと信じています。
さて先週の水沢競馬は時折、大粒の雪に見舞われました。といってもまだまだ本格的な雪降りではなく、地面がうっすらと白くなる程度でしたが、こうなるといつ開催が中止になるような天候の日があるやもしれません。冬の岩手競馬は、走路整備が追いつかないぐらいの降雪で人馬の安全が確保できないとき、視界不良により安全および競走の公正が確認できないときは主催者の判断で中止となります。皆さま、水沢本場にお出かけの際は公式ホームページ等の告知をご確認の上、出発して下さいね。
下の写真は18日(月)のメインレース、エクセレント競走のゲイリーエクシード。レースは菅原勲騎手騎乗のチュードサンデーが9ヶ月ぶりの白星を挙げましたが、先行有利の馬場でゲイリーエクシードもよく追い込んでクビ差の2着となりました。私の撮影ポジションからはどちらが前でゴールしたか判断しかねるので1・2着馬両方撮ったのですが、鉛色の空から降る白い雪と、その中を駆ける芦毛の馬体が照明に包まれ、なかなか雰囲気のある写真になりました。関係者には惜敗の写真を公開してしまって申し訳ないのですが、きれいに撮れたということでお許しを。
(文/写真・佐藤 到)