いや〜惜しかったですねネバーオブライト。25日の船橋で行われた南関東G3・平和賞に参戦したネバーオブライトと村松学騎手でしたが、直線追い上げきれずに4着。しかし初の遠征ですし、レースも完全に力負けしていたとは思えませんので、まだまだ今後に期待しますよ!
一方、先週の盛岡2歳戦では嬉しいニュースがありました。土曜日のフューチャー競走でデビュー戦を迎えたチョコクッキーが、芝1000mを逃げ切って優勝。チョコクッキーは今年、初年度産駒がデビューした岩手の英雄トーホウエンペラーの仔で、岩手ではエンペラー産駒の初勝利となりました。トーホウエンペラー産駒は各地で続々と勝ち星を挙げているようですが、なぜかこの岩手でなかなか勝てずにいたので、これをきっかけにどんどん強い馬が出て欲しいと思います。
話は変わりますが、23日月曜日の5レース発送直前、オーロパークは突然の停電に見舞われました。不思議なことにスタンドや馬場管理施設内の照明は消えているのにテレビはついている。しかし場内映像は切れて砂嵐状態。それではオーロヴィジョンの大画面はと思って見てみると電力も映像も通常通り映っているという、一体どういう電源系統になってるの?という状態でした。競馬場には非常用の自家発電施設もありますが、幸いすぐに電力が復旧し、念のための点検で発走が数分遅れただけで通常通り競馬が行われました。めでたしめでたし。
が、私個人の突発事故はこれで終わりませんでした。直後に撮影しようとした5レース、1着ゴールするマーメイズアイ号を捉えてシャッターを切ったところ、なんと連写の途中でカメラがフリーズ!パネルにはエラーの表示が…。最近のコンピューター化したカメラではどうしても避けられないトラブルですが、これが例えば南部杯のゴール撮影時に起こったら…と思うとゾッとします。それにしても連続して起こった電気的事故、まるで強力な電磁波にさらされたようで、思わず核実験の影響か地震の前兆では?と携帯電話やパソコンを点検してしまいました。幸い他には何ともありませんでしたが、なんだか不安なご時世ですね。
(写真・文/佐藤 到)
オーロパークでレースがあるとき、盛岡所属の出走馬は、競馬場に隣接する厩舎地区から担当の厩務員と一緒に歩いて競馬場にやってきます。
写真は10月16日の午後、第8レースに出走する馬たちがやってくるところ。ここは私の好きな風景のひとつで、奥の方にあるそれぞれの厩舎からやってきた馬たちの列は、ここで写真左手の方に曲がって装鞍所の方へ向かいます。写っているのは一番手前が田村光則厩舎のディアブロハンター、次が桜田浩三厩舎のミチノクレット。自転車で厩舎へ戻る晴山厚司調教師の姿も見えます。
右の壁の向こうは採尿所で、3着までの馬は必ずこの中に入って薬物などの検査を受け、そのあとでようやく自分の寝床のある厩舎へと帰ります。出走馬とその担当厩務員がこの道を歩いて来るとき、ある者はのんびりと、ある者は必勝の気合いを胸にめいめいばらばらやってきて、レース後は上位入着馬とそうでない者がはっきり分けられて帰ってゆくわけですね。
ごらんのとおり、オーロではもう紅葉が始まっています。最近の良く晴れた朝には結構な寒さを感じるようになってきており、もう最低気温がマイナスになるのも目の前という感じです。ところで、紅葉の色は最低気温と最高気温の差が大きいほど鮮やかになるというのをご存じでしょうか。今年の紅葉はというと、いま色づいている木々を見る限りあまりきれいにはならないようで、寒くなったとはいえこの時期にしてはまだまだ冷え込みが足りないようですね。
というか、ここ十年かあるいはもっと前から「今年の紅葉はきれいだね、色鮮やかだね」という声をほとんど聞いた覚えが無く、記憶の彼方にあるような山全体が燃えるような紅葉というのを長い間見ていないような気がします。これも大気汚染や温暖化で、地球環境が変わって来ているせいなのかも知れません。
(写真・文/佐藤 到)
すみません、こんな画像しかありませんでした…
先日、東京からやってきたカメラマンが岩手の競馬新聞を見ていて、「あれ?ゼントヨーヨーズってここにいたんだ!?」と言っていました。何のことか聞いてみると、とあるテレビ番組の中で命名された馬なのだそうです。
とりあえずネットで調べてみると、今や全国区となった北海道の地タレ(地元タレント)・大泉洋さんが地元北海道でやっているローカルのバラエティー番組、「1X8いこうよ!」内で視聴者投票により名付けられた馬なんですね。ゼントヨーヨーズは、父アブクマポーロ、母父シンボリルドルフという地方に縁の深い血統で、門別の牧場で生産され能検前から番組で応援していた馬のようです。さすがは北海道のテレビ局ですなぁ。残念ながら番組ホームページにはデビュー戦6着以降のことが載っていないのでその後の経緯はわかりませんが、ゼントヨーヨーズは北海道と東海の間を往復した後、現在は水沢の高橋眞久厩舎に籍を置いています。
話は変わりますが、岩手で地タレといえば、「ふじポン」ですよね。いや、彼女の場合はロコドル(地元アイドル)と言っておきましょうか。県内と、岩手の放送電波が届いている範囲外の方は知らないかもしれませんが、こちらでは知らない人はいない、…たぶんほとんどいない有名タレントさんでありまして、CMにイベントにと大活躍中の方なのですが、これがまた開催日に仕事がなければ100%競馬場に来てるというくらい岩手競馬の大ファンなのです。
ふじポンもいつか大泉洋さんのように全国放送に出るようなタレントor女優になって、全国放送で岩手競馬を宣伝してくれたらいいなぁー、などと考えてしまいました。みなさんも岩手競馬サポーター・ふじポンを応援して下さい。(笑)
今週は、こんな↑写真を皆様にご覧頂きましょう。これは盛岡競馬場の管理棟玄関ホールに展示されている、ダートコースと芝コースの“カットモデル”。見ればわかると思いますが、右が芝、左がダートの走路です。
驚くのは、馬が走れるように砂が敷きつめてありさえすれば良いようなダートコースであっても、相当に深いところからしっかりと造成されているということ。この深部にある砕石層のおかげで、盛岡のコースは水はけが良く保たれているのですね。そして砂の部分も、同じ砂と言っても芝とダート、表層と基礎部分で質の違うものを使い分けているのがわかります。おそらく各地の砂を比較吟味した上で、適切なものを選定したのでしょう。余談ですが、表示されている3種の砂の産地、雫石町・大和町・協和町はいずれも内陸の土地。自然のまっただ中にあるオーローパークは環境への影響に最新の注意を払って造られたと聞いていますので、塩分を含んでいて、流れ出すと周辺の山林や農地に悪影響を及ぼす海砂は使わないようにしたのだと思われます。
芝コースの方を見ますと、芝の品種が書かれているのが興味深いですね。ペレニアルライグラス・ケンタッキーブルーグラス・トールフェスクというと、なんだかとっても素敵な名前に聞こえますが、これらは全て牧草としてポピュラーな種類。放牧場、採草地の多い岩手ではたくさん植えられていますし、ケンタッキーブルーは公園の芝生などでもよく使われますので、種子が飛んで道端などに生え、「雑草」として日常的に皆さんの目にもとまっているハズです。
岩手競馬にはもうひとつ、水沢にもダートコースがありますが、関係者によりますと両競馬場の表面のクッション砂は同じものなのだそうです。しかし実際にそれぞれの競馬場でコースを見てみると、盛岡の方が白く明るい色をしており同じ物には思えません。私は撮影で露出を決めるとき、よく砂をカメラの内蔵露出計で測って参考にするのですが、このとき盛岡と水沢では、経験上、絞り半分〜一段分は明るさに差があります。とすれば、盛岡の方がより水はけが良く、含水率が少ないために、表面の“反射率”が高くなっているということなのでしょう。確かに水沢は雨が続いたり、あるいは蒸発量が少なくなる冬期間には水気が多く溜まって田んぼのような馬場になりますが、盛岡がそこまでなることはほとんどありません。
今年の盛岡開催もあと1ヶ月ほどで終わりますが、水沢に開催場が移ると、もう馬場はほとんど重〜不良。すると芝でしか良績の無い馬が突然激走ということがあり、これも冬の水沢名物(?)のひとつになっています。馬券検討の際には思い出して下さいね。
(文・写真/佐藤 到)
私が盛岡や水沢の撮影に行くとき、持ち物はけっこう多くなります。
競馬で使う撮影機材は、カメラが一眼レフ2台にレンズ6本。これはカメラマンとしては多い方ではないですが、やはり通称サンニッパと呼ばれる大口径の望遠レンズが大きくて重い。一方、広角レンズは競馬ではほとんど使いませんが、しかし無いときに限って競馬場の風景写真が撮りたくなったりするので、後悔しないように一応持って行きます。同じくフラッシュも念のため。ノートパソコンは撮影した画像データをバックアップするために使います。これも別に帰宅してからでもいいのですが、メモリーカードが壊れてしまうと撮ったものが全てパーになってしまうので少しでも早く安全にという意味と、撮影しないレースの間には以前撮った画像を整理したりするので。
これに雨具や昼メシ(手弁当だったり、前日にスーパーで買った見切り品のパンだったり)も加わり、コーヒーやカップラーメンが作れて便利な熱湯入りのステンレスボトルなどなど、撮影道具以外にも荷物は増えてしまいます。これらを背中のザックと大袈裟なウエストバッグ、右肩にPCバッグを下げ、一番かさばる300mm望遠レンズはラーメン屋のおかもちにも似た専用のトランクケースで左手に。別にこのまま山に登ろうという訳ではなく、駐車場から記者席や馬場管理室まで歩けばいいのでたいしたことはありません。しかし体中に大荷物をくっつけて歩く姿は、見る人にはインパクトが強いようですね。いろいろな方に「うわっ、カメラマンって大変だねぇ」と心配して頂いております。
かのイーストマン・コダック(フィルム会社の創設者で、撮影旅行に現像用品一式を背負って行ったというエピソードがある)ほどではないですが、まぁ地元での仕事の時はスリム化の努力をするよりいろいろと余計な物まで持参しますね。そこで、いつもの道具を全て身につけ体重計で総重量を測ってみました。結果は89kg。私自身の体重は60kg弱ですから、約30kgの道具を積載して歩いているということになります。これでも400mm、500mmといったもっと長い望遠レンズを持ち歩くよりはよほど軽いですね。ああいうレンズ、私も欲しいことはとっても欲しいのですが、その質量以上にサイフに対して負担重量になるので、当分は我慢です。
ところで先日、同じく機材満載の状態で、競馬場にある馬体重計測用の秤に乗ってみました。するとこちらの表示はジャスト90kg。サラブレッドの500kg前後の体重を量る機械ですから、100kg未満はもっと精度が落ちるだろうと思ったのですが、なかなかどうして正確に量れるものだなぁと感心しました。
装鞍所入り口にある、馬体重を計量するところ。
正式には「馬衡所」(ばこうじょ)と呼ばれています