
まずはテシオPOGのご報告から。
先の日曜日、8日に行われた新馬戦フューチャー競争に募集番号3番「ビューティオペラ2005」(父シャーディー)が、ビューティドリームの名で登場! 3番人気でスタートしたビューティドリームはするすると先頭に立つとそのままゴール前まで粘り、最後は1番人気のテンショウベストに交わされたものの2着と大健闘しました。ご応募下さった秋田市の石井さん、おめでとうございます。
ビューティドリームは今年の3月、私がPOG馬の取材で盛岡の厩舎を回った際ちょうどその日に入厩したということで写真を撮りに行きました。そのときは大雪の日に見慣れぬ土地にやって来たばかりで馬房の隅でおどおどしていた彼女。しかし馬群を引っ張ってレースを戦う姿は見違えるように立派でしたね。
左:2着でゴールするビューティドリーム 右:3月12日、到着したばかりの馬房にて
さて、いよいよ次週は今期最初のグレードレース、マーキュリーカップJpn.IIIですね。このJpn.格付けってどうもまだ馴染めないのですが、世界の競馬界の中で、日本の存在が確固たるものとなった証しとして受け入れるべき時なのでしょう。OROの2000mを舞台に、熱き戦いが繰り広げられる!さ〜ぁみなさん盛り上がっていきましょ〜!! ……といきたいところですが、ワタクシいま個人的にテンション下がってます。理由は、岩手馬の大将格がはっきりしないから…ではなく、自分のパゾコンが壊れたから。私的なことでスミマセン m(_ _)m
我が家にはWindowsとMac2台のパソコンがあって、万一の時にも仕事が出来るようになっていたのですが、どういうわけか今回は次々に逝ってしまいました。泣)何かに祟られているのか…
そこで急遽、知り合いの店でお蔵入りしていた古いPCを借りてきたのですが、これがふた昔程前のマシンなので、処理速度は遅いし、サイズの大きな画像ファイルを複数同時に扱うなんて無理。さらにはUSBが1.1なので、競馬で一日撮影したデータをコピーするのに30分から1時間近くもかかってしまいます。貸してもらっておいて言うのもなんですが、ほんの数年前まで現役だったはずの機械でも、いまの時の流れのなかではあっという間に古道具になってしまうのですね。まぁそれでもこうして仕事ができるだけでもありがたいのですが。
というわけで今回はこのへんで。あ、マーキュリーまでにはテンションあげて臨みますので、みなさんも見に現地やライブ中継に見に来てくださいね。
(文・写真/佐藤到)
先週末は誘導馬の廃止に加え、さらに馬名入り重賞ゼッケンの廃止が決行されました。これまで重賞用の青いゼッケンは馬番と馬名をアップリケ式に入れたものをレース毎に作成していましたが(費用は1枚およそ3000円と聞いています)、岩鷲賞では使い回し可能な数字のみのゼッケンになっていました。これが登場するのは99年以来のこと。その時は不評のためシーズン途中で元に戻したのですが、今回はどうなりますか…
コスト削減が必要なのは重々わかっていますが、なんだか真っ先に目についてガッカリするようなことから実行されているような気がするなぁ…
さて、暗い話題ばかりではなんですので、前向きに2歳戦の話でもしましょうか。
昨年のテシオ冬号において、岩手県馬主会による補助馬を対象にペーパーオーナーゲーム(POG)の募集を行いました。ところが、たくさんのご応募を頂いたにもかかわらず本誌「テシオ」が休刊……。 これにはスタッフ一同大変申し訳なく思っているのですが、その一方で対象馬のほうは、仕上がった馬から順調にデビューを果たしています。
まず今期最初の新馬戦となりました6月10日の1レースに、「ハドリセンプーの17」(父バトルライン)が登場。1枠1番からスタートしたその馬バトルアイは好位から抜け出しを決め、見事デビュー戦を優勝で飾りました。バトルアイはこの後、6月23日に行われた2歳級一般戦でも勝利し、早くも2戦2勝という素晴らしい戦績としています。
またバトルアイが優勝したのと同レースに出走予定だった「キイロイハンカチの2005」(父メイセイオペラ)は残念ながら感冒のため出走取消となりましたが、こちらハルカゼゴールドは6月24日のフューチャー競走に無事出走。3着に入賞しました。そしてこのレースには他にも「アサケロードの17」(父クリプティックラスカル)と「パワフルプリンセス」(父コマンダーインチーフ)の2頭がそれぞれリュウノフリーダム、アフターバーナーの馬名でデビューし、このうちリュウノフリーダムが2着に6馬身差で圧勝しています。リュウノフリーダムという名前は、今回のPOGと同時に募集した馬名候補の中から、北上市のBLACK STORNさんの応募作が採用されたもの。当日もスタンドで大声をあげて応援していたBLACK STORNさんは、喜びもひとしおだったのではないでしょうか。
左から ハルカゼゴールド・リュウノフリーダム・アフターバーナー
好素質を見せているテシオPOG馬。今後もこの場をお借りして各馬の様子をお伝えしていこうと思っています。
(ご協力/岩手県馬主会及び馬主のみなさま)
(文/写真・佐藤 到)
先の土曜日、競馬場内で行われた県競馬組合運営協議会において、収支計画の見直しと新たなコスト削減案が承認されたことが報道されました。その記事をみたところ、コスト削減の具体案として書かれていたのは出走頭数の制限(重賞以外で10頭以下に)、水沢内馬場の車載型映像スクリーン(ムーヴィジョン)の廃止、ファン優待バスの本数を削減など。例としてあげられていたのがいずれもファンにとってマイナスな、はっきり言えばファンの岩手競馬離れを加速させかねない内容ばかりで驚いてしまいました。もちろん人件費や事務費など内部のお金も減らすのでしょうが…
より良い案を持っている訳でもない私がここで言っても口先だけになりますが、レースやサービスがお客様の目に見えて低下するとなると、何かとても不安になってしまいます。
先週の続報になりますが、この削減案の中で誘導馬の廃止もひとまず決定してしまいました。なんと!こちらは即実行ということで、先日の25日月曜の11レースが最後の誘導となってしまいました。
話は少し逸れますが、今シーズン、馬場入場のあと逆回りで返し馬を行う出走馬が増えたことにお気づきでしょうか?気性の問題で入場しても行進ができない馬は、これまでほとんどはスタンドと反対方向(盛岡・水沢とも1コーナー方向)へ走り去っていましたが、最近はスタンドの前を通過して4コーナーのほうへ逆走することが多くなりました。これはファンからの「レース前の馬の動きを近くでよく見たい」との声に組合が応え、厩舎側に協力を要請したのだそうです。このような対応は大変良いことだと思うのですが、誘導馬の廃止はこれに逆行することになるでしょう。基本的に出走馬は並歩(なみあし)で行進、Uターンして駆歩(かけあし)で戻ることになっており、脚さばきを吟味するにはこれが一番良いわけですが、比較的おとなしい馬でも誘導馬がいないことで落ち着いて行進が出来なくなる可能性が少なくないからです。
これまで誘導馬として働いていたのはティエッチマインド号とエイダイラビ号。ティエッチマインドは元岩手のA級馬ですからこの馬のファンだという方もおられるのではないでしょうか。そして12歳のマインドはともかく、お年寄りのラビ君は、おそらくもう行くところが無いかも…
今までみんなにお馴染みだったものが、告知も無く突然消えてしまうというのはちょっと寂しすぎますよね。廃止が致し方ないのであれば、せめてちょっとした引退式でもやってもらえないのでしょうか。
組合では来週から誘導馬無しでやってみて、出走馬の様子やファンの反応を見るそうです。誘導馬やその他の削減案についてご意見やアイディアをお持ちの方は、岩手競馬公式ホームページの下の方にある、「ご意見・お問い合わせはこちらから」のバナーをクリックして下さい。
(文/写真・佐藤 到)
「岩手競馬ルネッサンス」の一環かどうかわかりませんが、盛岡開催になってからレースの中継映像のなかに、向正面の馬群を正面から捉えた映像が流されるようになりましたね。あれ?以前もありましたっけ? 私の記憶違いでなければ、今までは審議があった際に公開されるだけだったと思うのですが。
正面から望遠で撮影した映像は、実際より遠近感が圧縮されて見えるという特徴があります。これは競馬の場合どうなるかというと、直線をまっすぐこちらに向かってくる馬群の中で進路変更をした馬がいると、実際には十分な距離をとっていても画面上では後続馬の鼻先をカットしたように見えかねないということ。これを恐れて、従来パトロールカメラの映像は審議のときにも場内に流さなかったのですが、これが昨年あたりから公開されるようになり、そして今年は通常の中継の中でも数秒間だけですが映るようになりました。あるものを使おう!と組合の方が思ったのかどうかはわかりませんが、せっかくの迫力ある構図をファンのみなさんに見せないのは勿体ないですよね。
ところで、先日ちょっと小耳に挟んだのですが、一連のコスト削減の流れの中で“誘導馬”が廃止されるかもしれません。
現在、組合ではなんとか削れるところはないかと懸命に頭をひねっているところですから、「廃止反対!」と声を挙げるつもりはありません。ですが馬好きのひとりとして、そして一度きりとはいえ誘導を経験した者としては、もし廃止になったらとても寂しいでしょうね…
しかし誘導馬のいない競馬場ってあるんでしょうか? “見た目として格好がつかない”というのはおいといても、誘導する馬がいなければ先頭の出走馬自身が行進を先導することになるわけで、それって馬によっては結構な負担になるんではないですかね。
私が乗馬を習っていたときの話ですが、2〜3頭が隊列を組んで歩く練習がありました。自分が後にいて前の馬についていくとき、馬はスムーズに指示に従い楽々と動いてくれるのですが、先頭を交代したとたんに私の乗った馬は歩くスピードが落ち、進行方向も定まらなくなってしまいました。もちろんこれは私が下手だからなのですが、考えてみればもともと馬は群れで行動する草食動物。ごく限られたリーダー格以外の個体は、ただ前についていくという性質なのです。元騎手の某調教師も「誘導馬がいてくれて何度も助けられた」と語っていました。
存廃は今週の競馬会議で決められるそうです。別にアメリカの競馬場みたいに出走馬ごとに各1頭の誘導馬がいるわけじゃないんだから、と思ってしまいますが…そういう問題じゃないんでしょうね。
(文/写真・佐藤 到)
公式ホームページや地元テレビのローカルニュースでは既に報道されていますが、6月10日日曜日のレース終了後、オーロパークの馬場を使って「さんさ太鼓パレードギネスに挑戦」というイベントが行われました。私は以前に勤務していた写真店の関係で、公式記録係のひとりとしてこのチャレンジを撮影することになっていました。
“さんさ”というのは盛岡地方伝統の夏祭り。むかし、この辺りを荒らしまわっていた羅刹という鬼が退治されたのを喜んだ人々が踊りを踊ったのが起源といわれ、現在では8月のはじめに盛岡市役所前から大規模なパレードが行われています。普通、お祭りの太鼓というと伴奏の役割となりますが、さんさでは太鼓は重要な主役の一部。全ての踊り手の半数近くが太鼓を抱え打ち鳴らしながら踊りまくります。夏のさんさパレードは4日の期間中に交代で参加しますが、今回はそれに出場するさんさ太鼓が一度に集結。目標2000個で募集され、これをクリアすればこれまでの世界記録1951個を抜いて新記録になります。
当日、オーロパーク上空には雷雲が発生し、時折激しい稲妻が走るのが見え最終レースの頃にはにわか雨も降り出しましたが、浴衣姿の踊り手はそれにもめげず次第に増えてきました。レース終了後、演舞者は出走馬よろしく装鞍所を通ってパドック入りし、ここで太鼓の確認と台帳への署名を行います。そしていよいよチャレンジの舞台となる練習走路へダートコースと芝コースを横切って入場。参加者の中には初めて競馬場に来たという方も多いとみえ、あちこちで「へぇ〜ここを馬が走るんだぁ〜」とか「芝と砂があるんだね」などという声が聞こえました。
練習走路には、輓馬大会を開催するための障害がつくられていますが、今回はこの小山の上で“リード太鼓”が踊り、演舞者はこれを見ながら太鼓を叩くという手はずになっています。というのも、障害を中心に練習走路に広がった参加者は全長約200m、つまり1ハロンにわたり、そのまま耳で合わせようとすると音が伝わるコンマ3秒程の時間ぶん遅れが生じてしまうのです。ギネスの記録はけっこう厳密なもので、ちゃんと揃った演技が3分間続かないと記録として認められません。実際には参加者100名にひとりの監視員が付いて演技をチェックし、動きが合わない演舞者は人数から除外されるのです。そこで中央のリード太鼓の他に4ヶ所のやぐらが等間隔に組まれ、この上に立つ補助演奏者がリード太鼓に合わせ、その周辺の参加者がやぐらの補助演奏者にあわせるという手はずになっていました。
いよいよ夕闇に包まれたオーロパークで、さんさ太鼓の演奏が始まりました。2度の練習のあと、本番として叩かれた演目「七夕くずし」はぴたりと揃い完璧な演技。念のためあと2回繰り返された演奏もすべて上手くいき、チャレンジは見事に成功しました。老若男女さまざまな団体や個人で参加した太鼓の叩き手の気持ちがひとつになった瞬間でした。集計を終え発表された人数は、計2596人!これによって従来の記録を620個上回る新記録が達成されました!!
このとき私は、ギネス申請用の全景写真を撮るためスタンドの4階にいました。はじめは特別観覧席のベランダで撮ろうと思ったのですが、行ってみるとあまりに幅が広すぎて画角に入り切りません。どこか斜めから撮影できるポジションはないかと考えた末、結局、パドック側の建物外側にあるキャッツウォークに梯子を伝って出ることにしたのです。
自分は高所恐怖症ではないですが、ここはさすがに怖かったですね。なにしろ脚元がメッシュで下がまるみえ。それだけならまだしも、その金網が歩くとゆわんゆわんとたわむんですから… でもおかげで良い記録写真が撮れました。そのときの写真が↓これです。すごい人数ですよね。
さて記録達成の後、参加者は家路につくわけですがこれがまたすごかったです。なにしろ2千6百人余が一斉に移動するのですから大変です。パドックが馬ではなく人で埋め尽くされる(馬で埋め尽くされることもあり得ませんが)というのを初めて見ました。それでもあとからあとから浴衣の人たちが走路から出てきます。ここで改めて2千6百人という数の凄さを実感しました。
それから遅い時間のイベントとなったにもかかわらず、スタンドで記録達成の瞬間を見守った見物客の多かったことにも驚かされました。スタンドの座席はほぼ満員だったのではないでしょうか。ちょっとした交流重賞並の人数でした。このなかから少しでも、競馬場って面白そうだから今度は馬が走るのを見に来てみようかな、と思ってくれればいいですね。
(文/写真・佐藤 到)