既にスポーツ紙の情報や掲示板のウワサでご存じの方も多いと思いますが、10月に予定されているマイルチャンピオンシップ南部杯にブルーコンコルドが出走意志を表明。また、今月末に行われる芝の重賞競走・オーロカップにはコスモバルクが参戦を検討しているという情報が流れています。
ブルーコンコルドは昨年の南部杯を2番人気から制しそれまでの「千四専用」のイメージを払拭。その後のJBCマイル・東京大賞典制覇へと繋がったのは記憶にはっきりと刻まれています。秋の始動を盛岡からというのは昨年と同じパターン。そしてその初戦をきっちりと仕上げてくるのも去年同様でありましょう。
一方のコスモバルクは、秋の最大目標である天皇賞に向けてステップとなる中央のレースに賞金の関係で出られないのだとか。そこでJRA以外で唯一芝競走を行っている盛岡でひと叩きということのようです。もしコスモバルクが盛岡にやってくればホッカイドウ以外の地方競馬に初登場となり盛り上がりは必至。それに中央以外でも芝を走れる・中央のグレードレースに直結しているという盛岡芝コースの存在意義が再確認されることになりますので、ぜひとも実現して欲しいと思っています。
さてそのブルーコンコルドも出る予定の南部杯で、おそらくは地方馬の筆頭格に推されるであろうサイレントエクセルとテンショウボスが日曜の青藍賞で激突しました。結果や騎手コメントは松尾編集長の「次走へのメモ」を読んで頂くとして、いや〜久々にシビレるレースになりましたね。特に4コーナーを立ち上がって直線に向いたところで人気馬4頭がほぼ横一線、しかも鞍上が岩手を代表する騎手3名+勢いのある若手1というのも良かった。結果は6月のみちのく大賞典とは逆で、サイレントエクセルが切れ味を見せテンショウボスを突き放してゴールしましたが、その瞬間、板垣騎手のガッツポーズのカッコよかったこと!シビレるレースの締めくくりとして最高でした。
カメラ目線ガッツポーズというと『得意技はファンサービス』の内田利雄騎手の十八番ですが、板垣さんもけっこうやってくれるんです。初めて決めてくれたのは04年のせきれい賞をサイレントグリーンで勝ったときだったでしょうか。その後エスエヌハヤテのオパールカップ、そしてサイレントエクセルの大活躍と続くのですが、こうして勝利の喜びをストレートに表現してくれると、カメラマンとして大変嬉しいものです。多くのジョッキーはよほど会心の勝利の時しかガッツポーズをしませんが、もっと沢山やってくれるとレースの印象も強くなってファンも盛り上がると思うんですよね。
2007.9.9 青藍賞優勝・サイレントエクセル号
オマケ(^^;)
7月29日に高松亮騎手が地方競馬通算100勝を達成したときのガッツポーズは、後で本人が「四位騎手の(日本ダービー)を真似ました」と言っていましたよw
(文/写真・佐藤 到)
久しぶりに岩手に台風が向かって来ています。こちらは日本海を進む台風の影響で風の被害がでることはまれにありますが、直撃を受けることは滅多にありません。なので西日本の方々に比べると警戒心が薄く、こころのどこかで「ま、大したことね〜べ」という感じがあるのですが(私だけですかね?)、今回の9号はそれほど大型でないとはいえ、モロに東北縦断コース。しかも岩手県は台風の東側に入る可能性が高いので、かなりの風雨に見舞われるかもしれません。あまり大きな影響が出なければ良いのですが。
しかも今週から岩手競馬は盛岡開催。土曜日にはオープンの芝レースが予定されており、雨量が多くなればダート変更も検討されます。こちらにも影響のないよう祈るとともに、もしダートになったときには馬券検討の修正をお忘れなく。
さて、こちらも久々ですが「馬名蘊蓄(うんちく)」コーナーをいきたいと思います。今日はオリオンザモルゲンを。
「オリオン」はギリシャ神話に登場する狩人の名で、冬の星座を代表するオリオン座で有名ですね(それともビールの銘柄でしょうか?)。一方、「モルゲン」はドイツ語で「朝」「新しい」という意味のようです。朝の挨拶『グーテン・モルゲン』(Guten Morgen)という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
ではなぜ定冠詞が独語のderではなく、英語でオリオン“the”モルゲンなのかということはおいといて、私はこの名前を聞くと、夏の早朝、東の空にようやく昇ってきたオリオン座が朝焼けの中に消えていく光景が頭に浮かびます。オリオン座というと冷え冷えとした冬の夜空で光り輝く派手な星座の印象が強いですが、日の出直前に昇ってくるのは、星座早見板を回してみますと7月下旬〜8月上旬ごろ。日中には30度を超えるような真夏なのに、人々がまだ寝ている早朝には冬の星々がちらりと顔を見せているというのがなんだか不思議な感じです。…といっても寝坊助の私は滅多にそんな光景を目にすることは無いのですが。
さらにオリオン座つながりで話を進めます。9月1日の土曜日に行われた新馬戦で、ダンストーンリゲルという名の馬がデビューしました。ダンストーンリゲルはテシオPOGの 募集番号19番ダンストーンチャンプ(幼名)であり、その馬名も宮城県伊具郡のペンネーム・ファイアマンさんの「岩手で有名なダンストン一族にはダンストンシリウスもいるので、同じく冬の夜空に輝くオリオン座のリゲルを」という応募が採用されたもの。ファイアマンさんと、ペーパーオーナーに応募された名古屋市の堤さん他皆様、おめでとうございました。
この新馬戦には、テシオPOG馬が他にも、5番ミュウジックコロンの17ミュウジックヘイロ、8番フェアリーリングの17ギンバンジョオー、17番ニッポージュリアンの2005ピンクゴールドと大挙4頭が揃い踏み。この中から1番人気ピンクゴールドが、小林俊彦騎手の手綱に導かれ見事1着でデビュー戦を飾りました。こちらも読者の投稿による命名で、北上市のBLACK STORNさんが、所属厩舎の主戦・小林俊彦騎手をイメージして考えた名前だそうです。ちなみにBLACK STORNさんの応募が採用されたのは、リュウノフリーダム(こちらの由来は「犬井ヒロシ」だそうです ^^;)に次ぎ2頭目。そして2頭とも新馬勝ちしているのがすごいですね。
他の3頭は成績表の下の方を占めてしまい、特に大差となったミュウジックヘイロは、スタートはしたものの行き脚が全くつかずにそのままゴールとなってしまいました。しかし初めてのレースに戸惑ったものでしょうから、これから経験を積んでいって欲しいと思います。まずは無事のデビュー、各馬ペーパーオーナーの皆様おめでとうございました!
ご協力/岩手県馬主会及び馬主の皆様
※投稿による馬名を採用して頂いた馬主の方々には大変感謝いたします。
(文/写真・佐藤 到)
盛岡・水沢の競馬場を訪れた人から、岩手の競馬場はキレイでファンのマナーも良いという声を聞くことがあります。スタンドに並ぶベンチの座面に土足で立っている人などを見ると、これで?と思うこともありますが、しかし確かに他所では地面にハズレ馬券が敷き詰められているかのような光景にお目に掛かったこともありますので、岩手の競馬場は比較的に良い状態なのでしょうか。
こんな事を思い出したのは何故かというと、最近、水沢競馬場の馬券購入窓口周辺にいくつかの貼り紙が出ているのに気が付いたからです。曰く、『ハズレ馬券等は、最寄りのゴミ箱にお捨ていただき、場内美化にご協力下さるようお願いします。』『取りすぎたマークカードや使用済みの鉛筆は、元の場所へ戻すようお願いします。』
なんだか小中学校の廊下の注意書きみたいだなぁ、とも思ってしまいますが、考えてみれば散らかした馬券やマークカード、そのほか新聞や飲食物のゴミなどなどを清掃するために掃除のおばちゃんたちが雇われ、相当の時間と労力を費やして場内をキレイにしているんですよね。とすれば、ゴミをゴミ箱へ入れるという簡単な行為が、従事員の負担を減らし、ひいては競馬組合の経費削減にいくらかは協力出来るということでしょうか。
ついでに思い付くのはマークシート。書き損じや気が変わって、記入したけど使わなかったマークシートってありますよね。あれって思わずクシャクシャにしたり、机の上に投げだしたりしてしまいますが、「取消」にマークを入れれば空いている欄や裏面をまだ使えます。私はよく放置されたマークシートを、レース番号や式別の記入を確認し取消マークを入れて使っています。1枚1円なるかどうかのみみっちい話ですが……
もちろん我々ファンが一番に出来ることは勝馬投票券を購入することです。でもまぁ手間も面倒もそれほど掛からずに、岩手競馬と地球環境に協力できるのならばと思っています。読者のみなさまのなかで競馬場やテレトラックにおいでの方、ちょっとだけ覚えておいていただけませんか?
話は変わりまして、「テシオPOG」のご報告です。
先々週には2歳初めてのダート特別「ビギナーズカップ」が行われ、我らがPOG馬も3頭が参戦しました。しかし結果は4着のビューティドリームが最高で、序盤先頭集団につけたバトルアイが7着、1番人気だったセイントアスリートは距離の問題か大差シンガリ負けに終わりました。各陣営立て直しを図り、次のレースへ向かっていただきたいと思います。
この特別戦で2歳戦線の一区切りとし、現在の順位を発表します!
馬名 収得金額
バトルアイ 3,122,000
リュウノフリーダム 2,000,000
セイントアスリート 2,000,000
フジプライド 1,760,000
ビューティドリーム 697,000
ハルカゼゴールド 605,000
マツリダミラクル 100,000
アフターバーナー 46,000
エース 0
ファイアアラーム 0
ブループライム 0
---以下未出走---
馬名未登録 (セイザンハヤテの17)
ミュウジックヘイロ (ミュウジックコロンの17)
カネショウプルート (タハラミドリの2005)
ギンバンジョオー (フェアリーリングの17)
ノーマディック (オーミディア2005)
フラッシュナイト (エンリッチ2005)
ピンクゴールド (ニッポージュリアンの2005)
ダンストーンリゲル(ダンストーンチャンプ)
ダンストンプリマ (マルカカルメン2005)
というわけで現在の1位は、募集番号18、ハドリセンプーの17「バトルアイ」です!!応募者のみなさま、オメデトウゴザイマス\(^O^)/ そして新馬戦勝馬のリュウノフリーダム、セイントアスリートも2番手に並んで追走中。まだまだ先はわかりません。
これからもテシオPOG馬たちをよろしく!
(文/写真・佐藤 到)
2週間ぶりのご無沙汰でした。
この間、競馬界はインフルエンザ問題で大激震となり、ついにこちらでも感染馬が発見されてしまいました。岩手ではJRAからの第一報があった直後に、中央から転入してきたばかりの競走馬を検査(結果は陰性)。もちろんその後の馬の転入・転出を凍結するなどの自衛をしていましたが、しかしそれでも完璧な防疫というのは難しいのだと思います。
もうみなさんも良く知っていると思いますが、馬インフルエンザは極めて感染力の強いウィルス性呼吸器系疾患で、現在では全ての競走馬と多くの乗用馬がワクチン接種を受けています。しかしこのウィルスは変異型が発生しやすく、今回流行したウィルスとはワクチンの型が合わなかった模様。また型が合ったとしても4割程は感染してしまうという報告もあり、相当やっかいなものです。
馬インフルエンザウィルスは、発症馬の死亡率は0.1%程度と死に至ることは少ない反面、潜伏期間は1〜3日と短く爆発的な感染力を持ち、発症した馬の治療には2〜3週間を要するそうです。また最近の報道では空気感染すると言われていますが、学術書によると飛沫感染、つまり唾液や鼻水の飛散により伝染するとされています。とはいえおそらくは呼気中の水分だけでも伝搬されるでしょうから、競走馬の厩舎のような密集した状態では同じ空気を吸っているだけでもうつると思った方が良いのかも知れません。
今週末の岩手競馬は、出走馬に対する検査・陽性馬隔離などの対策を施した上で開催されることになりました。いまはただ、全ての関係者が適切な対応をし、岩手競馬や他全国の中央・地方競馬場で一日も早い終息宣言が出されることを祈るのみです。
8月15日に行われたクラスターカップ、今思えばJRAから馬インフルエンザの発生報告がされるまさに前日におこなわれ、普通に開催されたのは“滑り込みセーフ”といったところでしたね。レースを圧勝した武豊騎手は水沢グレード競走初勝利。これに気を良くしたわけではないでしょうが、たくさんファンサービスをしてくれました。この日競馬場を訪れ、武騎手の笑顔に魅了されたファンも多かったのではないでしょうか。
武騎手も、「こっちは(前日に騎乗した)佐賀より暑いですね。このところ岩手からは明るいニュースが聞こえて来ませんでしたが、ファンも熱く、とてもいい競馬場だと思います。本当に頑張って欲しいですね」とのコメントを残していきました。「今ある日本の競馬場は全て騎乗した」と言う武豊騎手。芸能人並みの扱いを受ける中央のスター騎手でありながら、どんな小さな地方の競馬場でも乗鞍があれば飛んでいき、行かないときでも気に掛けているとは、さすがですね。
全国にはこのように岩手を気に掛けていてくれる騎手や関係者、そしてファンの皆様がたくさんいるのだということを肝に銘じ、私も頑張って生きたいと思います。
(文/写真・佐藤 到)
※参考文献・獣医感染症カラーアトラス 文永堂出版(株)
関東以南ではすっきりと暑い夏になっているようですが、こちら東北、特に北東北では暑いながらも雨の多い日が続いております。なんだか7月のほうが夏らしかったような …でもじめじめっとして暑いは暑いんですよね。そういえば梅雨は明けたんだっけか?なんだかすっきりしない日々になっていますが…
そんな気候にはおかまいなしにカレンダーはフツーに進み、来週はお盆開催。今年度2つめのグレードレース、クラスターカップ・JpnIIIがやってきます。オーローパーク開設を機に設立されたこのレースですが、ご存じの通り今年は史上初めて水沢1400mで行われます。う〜ん、これはどうなんでしょうね。これまで行われてきた盛岡1200mは向正面2コーナー付近からスタートし、3〜4コーナーを回ってゴール。地方の競馬場でこのコースをとれるところは少なく、2002年に大井に次いで2番目のJBC開催場となったのも、その高い存在価値があったからだと思っているのですが。(昨年、川崎競馬場で行われたとき“短いほう”がマイルで実施されたのは記憶に新しいところですね)
まぁそれはともかく、水沢で短距離の中央・地方交流レースが行われるのは初めてのこと。これまで全国地方交流でグレード級の馬が出走したことはありますが、中央のスプリンターが水沢でどんなダッシュを見せるのか、という楽しみもありますよね。
ここからはテシオPOG馬のご報告。
土曜日8月4日の第1レースは2歳一般戦が行われ、ファイアアラーム、アフターバーナー、バトルアイが出走。この3頭のうち圧倒的1番人気に支持されたバトルアイは、7枠スタートから先頭に立つと直線余裕の手応えで後続を振り切り、2着に3馬身、3着には9馬身の差をつけて勝利しました。現在、ダートでは2歳トップクラスの力を示しているバトルアイ。自走はビギーナーズカップに登録しています。
ビギナーズカップはお盆開催5日目の8/17メインレースに組まれている、今年度最初のダート2歳特別戦。このレースには他にもセイントアスリート、ビューティドリームが登録しており、ペーパーオーナーの方は必見。もちろんオーナーでなくても、今後の2歳戦そして来年の3歳戦線に繋がる目が離せないレースですよ。
日曜には新馬戦が3つ行われましたが、2レースでは「トニーブライドの2005」、フジプライドがデビューしました。横浜市の勝又さん、倉敷市の54#さんほか応募者の皆様、まずはおめでとうございます!ただ、この日都合により撮影に行けませんでしたので写真がありません。ゴメンナサイ。レースでは1番人気でスタートしたフジプライドでしたが、前の2頭からやや離された3着という結果でした。
続いて月曜日の6日、2レース組まれたホープフル競走に1頭ずつ、マツリダミラクルとビューティドリームが出走し、それぞれ7着、5着でした。今後に期待です。
もうひとつ。未出走組の1頭に「フェアリーリングの17」がおりますが、この馬の近況が担当厩務員さんのブログにアップされているのを見つけました。茨城県古河市・佐藤さんの応募が採用されギンバンジョオーと名付けられたその馬は(佐藤さんオメデトウゴザイマス!)、ちょっと神経質な面があるらしく厩務員さんが苦労なさっているようですが、なんとか能力試験に合格し、来る8月18日には新馬戦を迎える予定とのことです。本当はここにリンクしようと思ったのですが、サイト的にマズそうなので(笑)、「水沢」「厩務員」「ブログ」などのキーワードで検索してみてください。
(文/写真・佐藤 到)