松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。11月23日勤労感謝の日の3レース、満を持してフサイチギンガが初陣を迎えました。現在連載中の某漫画に出てくるメイセイオペラ産駒のように片側ブリンカーを装着して望んだレースの結果は、もう皆さんご存知でしょう。写真で見てもかなり馬群から離れてしまっているのが分かりますね↓
上の写真を撮った後、私はレンズを1着の馬に向けてゴールシーンを撮影し、次いで遅れてゴールするフサイチギンガを撮ろうとカメラを振りファインダーでギンガを探しました。すると驚いたことに、ギンガはもうすぐそばまで来ているではないですか。予想以上に近くて撮れませんでした。私の頭の中では「あれだけ蛇行したからもっと遅れて入線するだろう」と瞬間的に想定していたのですが、結果は勝った馬から僅かハナ・3/4身差。いやぁ〜確かにポテンシャルはありますね。これからが楽しみです。
話は変わりますが、このレースで脚光を浴びるフサイチギンガの陰でアスベルという馬もデビューしました。そのアスベルという名前を新聞で目にしたとき、はて、どこかで聞いたような……なにかの物語の登場人物だったような……と気になって帰宅してからネットで検索してみました。みなさんは分かりましたか?宮崎駿作品の大ファンという方ならすぐに思い当たったかも知れませんね。答えはアニメ映画『風の谷のナウシカ』に登場する、ペジテ国の王子(長の息子)でした。国を滅ぼされた怒りに駆られ、腐海上空でトルメキア軍の飛行艦隊を襲撃した、そう、あの少年ですよ!って、興味の無い方にはぜんぜん面白くないですよね、スミマセンm(_ _)m
今回は『馬名蘊蓄』シリーズというより、ただのマニアッククイズみたいになってしまいましたね。しかし日本のアニメーションは子供向けの娯楽という枠を超て文化として定着し、いまや世界に影響を与えるまでになっています。またアスベルがデビューしたこの日、初の「全国総合アニメ文化知識検定試験(アニメ検定)」が実施され、アニメオタクも資格(?)として認められるまでになりました。
マニアックといえば競馬の世界も相当マニアックな方が多数いらっしゃいますが、「競馬知識検定」なんてあっても面白いんじゃないでしょうかね。さらには「競馬検定・岩手版」とかっていいかも。「陶文峰騎手の名前を中国語では何と読む?」「オーロパークの4コーナーで三野宮通騎手・現調教師をラチ外まで飛ばした馬の名前は?」なんて……(^^)
今週の日曜日、南部駒賞のレースが終わって水沢競馬場の記者席にいた私に、盛岡からメールが届きました。
「いま雪降ってる。」
…!! 来ました〜この季節。そうこうしているうちに水沢でも雪が舞い始め、帰りの高速でもチラホラ。幸い『テシオ』の社用車は既にスタッドレスタイヤに交換してあったし、盛岡に着いてもまだ積雪とまではいっていなかったので全く焦る場面はありませんでしたが、いよいよ覚悟しなければならない時期になりました。私は冬という季節が大好きなのであまり冬をしんどく感じることはないのですが、やはりいろいろと支障をきたしますからねぇ。交通渋滞とか、水道管の凍結とか…もちろん競馬開催への影響も大きいです。
明くる月曜朝起きてみると、初雪にしてはこれがなかなかの積雪で場所によっては数cmほど積もっていました。この日は自車で水沢へ向かいながらふとラジオをつけてみると、東北自動車道は水沢の南で通行止めとのこと。水沢はそんなに降っているのか?と思わず岩手競馬テレホンサービスに確認してしまいました。結果、レースは通常通り行われたのですが、これからは時々こんな心配をしなければならなくなりますね。そういえば、通常行われている勝馬投票券の前日発売ですが、天候不良による開催中止の可能性を考えて、今シーズンはもうやらないそうです。ご利用のみなさまはお気を付けくださいませ。
さてそんな水沢競馬場。月曜日の雪景色をパノラマ写真風に撮ってみました。困りものとはいえ、やっぱりいいですね雪景色は。特に遠くの山にさらっと積もった雪が太陽の光に輝いているあたりがきれいです。これからどんどん雪が多くなると思いますが、やはり冬はこうでなくては。去年のような暖冬だと、地球が暖かくなってるんじゃないかと心配になりますしね。
ところで、この写真。5枚の写真を横につないで合成しています。合成には某社の画像結合ソフトを使ってみましたが、いやいや、きれいに繋がるもんですね。歪みが少ないレンズで水平にパンして撮影するという、いちばん繋ぎやすい条件とはいえ、つなぎ目がまったく見えないじゃないですか。昔、アナログ銀塩写真の時代はプリントした写真を重ねてカッターで切り、切り口を黒く塗って…と相当苦労したことが、今では画像を選択して実行ボタンをクリックするだけとは!
って、こんなこと言ってるとオジサンになっちゃいますよね。ある写真家はカメラを上下左右にズレの無いように振る装置を開発し、縦横にたくさんの画像を合成して作品をつくっています。(1作品が10ギガとかになるそうです)新しいことをいちはやく取り入れる能力は見習わねばなりません。
パノラマ結合ソフトはデジカメを買うとオマケで付いてきたり、ネット上でフリー配布されているものもありますよ。興味を持った方は試してみては。
(文/写真・佐藤 到)
土曜日の朝、晴れ渡った盛岡の空に下に立つ岩手山のてっぺんは、うっすらと白く雪化粧していました。これで今季2度目の冠雪。
もうこの季節がやってきましたね。平地の木々はまだ紅葉になりきっていないなぁと油断していると、あっという間に冬が山から降りて来ます。以前、桜前線が一気に駆け抜けるので写真を撮る者としては春は何かに追い立てられるような気がする、と書きましたが、秋も全く同じ。四季のメリハリが明確な日本という国の、中でも季節の移ろいを印象深く感じられる北国ならではの、ありがたい“焦燥感”でしょうか。
さて例年この時期になりますと、みちのくレース岩手競馬は水沢競馬場へと舞台を移します。これから年明けまで、約2ヶ月半のロングラン。季節ではないですが、やはり岩手競馬は性格の異なる2つの競馬場で交互に開催するのが面白いですね。回りが違う、コース形態が違う、砂の重さが違う。特に冬の水沢は水捌けが悪く、気温が氷点に近づくと特殊な馬場になります。そのあたりも考慮して馬券の「読み」を利かせるのが醍醐味というわけです。
今年度の水沢最終開催は華々しく開幕しました。5日月曜に行われたオッズパーク&楽天競馬プレゼンツ・レディースジョッキーシリーズの第1ラウンドには、地方9名・中央2名の女性騎手が来場し、装鞍所や騎手検量室のあたりはいつもと全然違った雰囲気になりました。全国の精鋭人馬が集まる統一グレードレースも緊張感があって良いですが、こういうのも大変楽しかったです。図々しくレンズを向けさせてもらった女性騎手のみなさん、ご免なさいね(^^;)
そして!地元民としてはとても嬉しいことに、我らが皆川麻由美騎手が水沢ラウンド優勝を飾りました。いつも写真を撮ろうとすると“ヘン顔”でおどける皆川チャン。この日はレディースの前に行われたシルバーステッキ賞から良い馬ばかりを引き当て、ガチガチに緊張してしまっていたのですが、全体として素晴らしい結果になったのではないでしょうか。
もっとも本人はLJS第2戦の内容が不満でちょっと落ち込んだ表情も見せていましたが、優勝インタビューでは気合いの入ったファイティングポーズで「次も頑張って逃げ切ります!」と力強く叫びました。きっと荒尾・浦和からも吉報を届けてくれると思います!!
(文/写真・佐藤 到)
今年の紅葉はちょっと遅いようですね。例年なら盛岡開催の最後のあたりは真っ赤な山々に彩られているのですが、今年はまだ緑が残っているうちにラストを迎えてしまいました。
というわけで、またこの季節が巡って来てしまいました。「今シーズンの」盛岡開催終了、とカギカッコ内を強調して言わなければなりません。私個人の意見は昨年同時期ここに書いたとおり、岩手には競馬が存在するべきだということで変わってはいませんが、しかし去年はあれから土俵際まで寄り切られそうになり、なんとか持ちこたえたもののその後も相変わらず苦しい状況。まったく暗いニュースばかりでみなさんも気が滅入ることしばしばでしょう。
その一方、このところの岩手競馬は外部から明るい話題がもたらされていますよね。コスモバルク、タイガーマスク、スタリオンシリーズ、オッズパークグランプリなど、どれも本当に有り難いことです。これらの期待に応えるために自分は何をすればよいのか?私の貧弱な頭脳では良案浮かばず非常に歯痒い思いがするのですが、でもせめて私の周囲やネットで私の話を聞いてくれる方々に、岩手の競馬はいいよ、面白いよ、ということを伝えていきたいと思います。
話は変わりますが何年か前のシーズン終了後、岩手競馬ファンが集うある組織が、その年のベストレースを投票で決定したことがありました。そのときの一位は、ウツミジョーダンとトニージェントが死闘を演じた北上川大賞典。
さてシーズン途中ですが、今年度ここまでで、後にベストレースに推されるようなレースはと考えると、すぐには思いつかないという感じでした。もちろんいいレースはたくさんあって、例えばサイレントエクセルの活躍やマツリダワルツの末脚、豪雨のダービーグランプリなどが頭に浮かぶのですが、04年の北上川大賞典のような強烈な印象のレースというと、ちょっと物足りないかなと。ところがここ最近は大変見応えのあるレースが続いているように思うんですよね。サイレントエクセルが不利を跳ね返してゴール直前差し切った桂樹杯や、牝馬クルセイズの意外な粘りをボスアミーゴが捉えたきんもくせい賞、4歳どうしのライバルが4コーナーからデッドヒートを見せた赤松杯など。メインレース以外でも大逃げや思い切った後方待機策をとる騎手がしばしば見られています。先ほどは外から活気が注ぎ込まれているということを書きましたが、これは騎手や厩舎関係者など、岩手の現場の人間たちが良いレースを見せようと頑張っている現れなのではないでしょうか?
岩手の危機を身近に感じ、手を差し伸べてくれる外部の人々。賞金が下がり、先行きも不透明で不安と戦いながらも頑張っている現場の人々。私も些細ながら出来ることをやらねばと感じます。あとは“お上”が真剣になってくれると良いのですが…
(文/写真・佐藤 到)
競馬にはまったく関係ありませんが、先週、真昼岳という山に登ってきました。真昼岳は岩手の西側にびっしりと連なる奥羽山脈のまっただ中にある1000mちょっとの山で、東北道沿いから見ると花巻のちょうど西方向に位置します。
岩手山や須川岳(栗駒山の岩手側での呼び名です)などの有名どころが並ぶ奥羽山脈にあって、真昼岳なんて聞いたことがないという方も多いと思います。正直、私も名前を知っている程度で、県境の峠から比較的楽に登頂できるということがわかったので「山行きのシーズンもそろそろ終わりだし、カル〜く行ってみようかな〜」ぐらいの気持ちだったのですが、これがなかなか面白い山でした。
真昼岳山頂は標高1060m。岩手と秋田を結ぶ林道の県境にある峰越峠の登山口まで来ると、標高差は150mほどしかありません。な〜んだ楽勝!かというとそう甘くはなく、いくつかのピークを登っては下るという、縦走コースの定番パターンになっていてそれなりの手応えというか足応えがあります。しかも稜線づたいの登山道は左右とも風雨による長年の浸食を受け所々切り立った崖になっていて、場所によっては植物の根っこでなんとか土を押さえているだけで、ほとんど地面じゃない!というようなところも……。スリルを楽しみながら足下に注意して歩きます。
この日は天気にも恵まれ、岩手・秋田の県境を進む登山道からは両県がよく見渡せました。秋田側は眼下に米どころ仙北平野の田んぼが広がり、大曲や角館の市街が確認できます。平地から急激に立ち上がるこの山はものすごく眺めが良く、その高度感は2000m級の山でもなかなか味わえないほど。今にも地面を蹴って空中に飛び出せば、そのまま滑空して美郷町あたりの田んぼのどこかに上手に着地できそうな、そんな錯覚に捕らわれかけます。(危ない危ない(^^;)
対して岩手側は山また山。旧沢内村の集落と、遠くかすかに北上市街が見えるものの、視界を占めるのは何重にも重なった山ばかりで、改めて岩手って山の多い県なんだな〜と思います。
休憩したり写真を撮ったりしながらゆっくり歩いて、頂上まで約2時間。行ってみるまで知らなかったのですが、東北のド真ん中に位置するこの山からは沢山の名峰を望むことが出来ました。もっとも目立つのは東北最高峰の鳥海山。その向こうにうっすら見えているのは月山でしょうか。かすかに見える秋田市街の先には男鹿半島の寒風山も望めます。ということは日本海まで見えているはずですが、残念ながら霞んで分かりませんでした。岩手側に目を転じれば、ウスユキソウで有名な早池峰山。南には須川岳と、水沢の方には馴染み深いであろう焼石岳も見えます。盛岡の方向を見ると、姫神山に紫波三山。紫波三山の中には、岩手競馬の特別レース名にもなっている南昌山があります(少しは競馬関係の話も書きませんとね^^)。北隣の和賀岳の向こうには秋田駒ヶ岳と、そして我らが岩手山も辛うじて見えました。岩手山は和賀岳の上からてっぺんだけをちょろっとのぞかせ、あの雄大な山容はすっかり隠れています。よくもまぁこんな絶妙な位置関係になったものです。
紅葉にはちょっと早いようでしたが、穏やかな秋の日に素晴らしい眺望を味わうことができ、とても得した気分になりました。登山コースとしてはマイナーな山ですが、アウトドアレジャーに興味ある方ならここはホントお勧めですよ。
(文/写真・佐藤 到)