
今年で43回目を数える牝馬の最高峰「ビューチフルドリーマーカップ」は小岩井農場が輸入した"グレートマザー(偉大なる基礎牝馬)"に敬意を表して創設。
重賞へ格上げされたのは2000年、第26回から。前日にお伝えした菅原雅文騎手(故人)=ラフレシアダンサーが優勝した。
またグランダム・ジャパン(GRANDAME-JAPAN)に組み込まれたのが2010年。初年度は岩手マイネべリンダが逃げ切ったが、北海道5勝、船橋1勝。7年連続で遠征馬に凱歌が上がっている。
今年は遠征馬6頭、岩手4頭の争い。北海道勢が3連覇なるか、船橋勢が3年ぶりの優勝なるか、8年ぶりに地元岩手が優勝するか。
ジュエルクイーンは当初、回避の可能性が高かった。ブリーダーズゴールドカップから中9日。仮に入着を果たしていれば見送ったかもしれないが、急きょ出走が決定した。
ヒダカソウカップ2連覇を果たし、しかもレコードのおまけつき。ノースクイーンカップも完勝と充実一途。なおさら陣営にしてみれば6着は想定外だった。
牝馬に連闘、船移動を含めた長距離輸送は大変だろうが、それでも絶対能力が違うのは明らか。ビューチフルドリーマーカップ2連覇を果たし、グランダムジャパン古馬の暫定トップに立つ。
ユッコは牡馬顔負けのタフさが身上。今年春2戦は時計のかかる馬場に手こずっていたが、3戦目から3連勝。シアンモア記念を制し、待望の初タイトルを手にした。
北海道・ヒダカソウC、ノースクイーンCでジュエルクイーンに完敗4、5着だったが、地元に戻って盛岡ダ1800m戦を逃げ切り勝ち。遠征の反動がまったくなかったことを証明した。
昨年はジュエルクイーンの0秒1差(半馬身)2着。メンバー最速の上がりであわやのシーンを作った。これが地の利。今年はさらにパワーアップしたのは明らかで逆転の目も出てきた。あとは時計のかかる馬場にならないことを祈るのみ。
マテリアメディカは重賞制覇こそないが、積極的にビッグレースへ挑戦。黒潮盃3着、ロジータ記念4着が光る。
昨年末以降はA2で頭打ちのレースを繰り返していたが、兵庫サマークイーン賞で3着。先日、金沢で行われた読売レディス杯を制したプリンセスバリュー(2着 優勝はディアマルコ)に半馬身差まで肉薄した。
地区レベルは厳然とした事実。メンバーが甘くなって首位奪取のシーンまで。
ミラクルフラワーは昨年と同じくトライアル・フェアリーカップを完勝して臨む。昨年は8着だったが、控える競馬で勝負どころから失速。その反省を生かして村上忍騎手が巻き返しを狙っている。
シャインプラチナムは昨年、中央未勝利から北海道へトレード。B級で2勝し、ノースクイーンCで4着。一戦ごとに成長を続けている。父キンシャサノキセキ、母プラチナローズ。姉はもちろんジュエルクイーン。姉妹1、2の可能性も十分ある。
◎③ジュエルクイーン
〇①ユッコ
▲⑥マテリアメディカ
△⑩ミラクルフラワー
△⑧シャインプラチナム
<お奨めの1頭>
2R ビクトリーソング
前々走の中山ダート1200mで1分13秒8をマークして4着。4月以来の実戦だが、能力の違いで圧倒する
岩手競馬の元騎手だった菅原雅文さんが亡くなった。1973年生まれ、43歳の若さだった。
デビューは1991年6月10日。1995年、1996年と桂樹杯(当時・オープン特別)2連覇を果たしたビンゴモルト。1999年、ひまわり賞、2000年にビューチフルドリーマーカップと重賞2勝したラフレシアダンサーが印象深かった。
2004年1月2日、落馬による大ケガで1年9ヵ月もの長期休養から2005年9月17日、奇跡的に復帰。その年7勝、翌年20勝をマークして2007年1月26日に騎手免許を返上した。
勝負服は胴青・袖黄・赤ひし形。この場を借りてご冥福をお祈りいたします。
26日メインはC1級馬による水沢1600m戦「田瀬湖賞」。3歳のエントリーこそなかったが、C1の好調馬が各世代から出走。どの馬が勝っても不思議ないメンバー構成となった。
主軸にセイザンを指名。中央6戦0勝から3歳10月に転入。4勝2着1回の成績を収めて再び中央入り。福島ダート1200m16頭立て11着から再転入。2勝2着3回と連対100%を続けている。
特に前走はワンドロップが逃げ切ったが、とても届かない位置から一気に突っ込んで2着。クビ差まで肉薄し、改めて底力を誇示した。前々走はB2で2着確保。総合力で一歩リードと見る。
ステイブレイズは昨年B2戦2戦3着からC2へ降格。5月までに3勝したが、騎手交流戦3着後、3戦連続で着外。調子を崩してしまったが、前走ハイペースをしのいで快勝。ようやくシャープさを取り戻した。速い時計勝負に一抹の不安があるが、復調を重視。
ヤマニンピエドールは南関東2勝・C2から転入。初戦を2着にまとめ、2戦連続4着。伸びを欠いたが、流れも向かなかった。おそらくマイルがベスト。折り合いさえうまくつけば単まで。
ランフォージンは中央2勝→名古屋→南関東→名古屋→高知と転籍して岩手入り。これまですべて3着以上と抜群の安定感を誇っている。追い込み脚質ゆえ取りこぼしもあるが、直線で確実に台頭。ハイペースで一気。
シンソウノマドンナはずっと凡走の連続だったが、ここ2戦3着。持ち味の先行粘りがよみがえりつつある。しかも逃げたい馬が願ってもない内2番枠。マイペースに持ち込めばシーズン初勝利も夢ではない。
トウカイチャームは近4走2勝2着2回。元A級の格上ぶりを発揮。大外を引いたので割り引いたが、スンナリなら残り目十分。
◎⑧セイザン
〇⑦ステイブレイズ
▲⑤ヤマニンピエドール
△③ランフォージン
△②シンソウノマドンナ
△⑨トウカイチャーム
<お奨めの1頭>
11R チェリーピッカー
連勝は12でストップしたが、前回快勝で軌道修正。ついにオープン入りを果たしたが、1600mまでなら重賞級の大物
★重賞・クラスターカップ/ブルドッグボスがグレード初制覇
8月15日に行われたダートグレード競走『クラスターカップjpnIII』は4番人気の浦和所属ブルドッグボスが優勝しました。
1番人気はJRAで4連勝中だったサイタスリーレッドでしたがレースもそのサイタスリーレッドと地元ラブバレットがスピードをぶつけ合う展開に。いったんは先頭に立ったラブバレットだったのですが先行二騎の後で機をうかがっていたブルドッグボスがゴール目前でラブバレットを交わしてゴール。自身初のグレード優勝はレコードタイムのおまけ付きとなりました。
岩手のファンの期待を集めたラブバレットは同タイムながらクビ差の2着。また1番人気サイタスリーレッドは3着、2番人気ショコラブランは4着に終わっています。
★重賞・桂樹杯/転入初戦コウセンがV
クラスターカップに続いて行われた芝重賞『桂樹杯』は5番人気、これが転入初戦のコウセンが逃げ切り勝ちを納めました。
逃げるコウセンの後ろにはカオスモスやブレイズアトレイルといった人気サイドの馬たちが連なりこれらの馬たちがいつ動くのかが焦点になるのかと思われたのですが、逃げるコウセンの脚色は衰えるどころか4角では逆に後続を引き離す勢い。結果コウセンがそのまま逃げ切り、それも2着以下に4馬身の差を付ける完勝となりました。
★オッズパークLOTO 5重勝/8月22日(対象7R~11R)
買い目:4、7→4→1、2→5、8→4,1
7R/評価A: 4番、 7番 評価B: 8番 穴:3番
8R/評価A: 4番 評価B: 5番 穴:1番
9R/評価A: 1番、 2番 評価B: 8番 穴:6番
10R/評価A: 5番 評価B: 8番 穴:9番、1番
11R/評価A: 4番 評価B: 1番 穴:6番
先週15日、「第22回クラスターカップ」は浦和代表ブルドッグボスが優勝。地元期待のラブバレットは惜しくもクビ差2着だった。
しかも2010年、サマーウインドの1分8秒9のレコードも更新。地方馬がワンツーフィニッシュを決めた上、1分8秒8の驚異的なタイムでOROダート1200mを駆け抜けた。
レースはJRAサイタスリーレッドが逃げ、ラブバレットがぴったり2番手外を追走。スタートで出遅れたブルドッグボスは押して4番手インまで進出した。
前半3ハロン34秒4、上がり3ハロンも34秒4。サイタスリーレッドの逃げをラブバレットが馬なりで追走。残り200mで先頭に立ち、11年ぶりの岩手所属馬のグレード優勝なるかと思ったが、外からブルドッグボスが強襲。クビ差捕えて昨年2着の雪辱を果たした。
左海誠二騎手「スタートはあまりうまくないので出遅れは覚悟していたが、追ったのはいいポジションを取りたかったから。あとはこの馬の能力を信じて乗った。直線はあせらず、後ろの動きを意識しながら前にいるラブバレットを追いかけた。結果、レコード勝ち。強い内容だったと思います」
一方、2着に敗れたラブバレット=山本聡哉騎手「2年連続3着から今年はクビ差2着。うまく持ち味を出せて100%に近い競馬だっただけに悔しい。マークした本命馬(サイタスリーレッド)が、思ったより早く止まったのが誤算といえば誤算でした」
結果的に昨年、ダノンレジェンドの2、3着馬が上位を独占。いかにレースレベルが高かったかを証明する一戦となった。
ブルドッグボスは今後、アフター5スター賞→オーバルスプリント→東京盃→JBCスプリントのローテーションで行くという。
ラブバレットの今後は未定だが、おそらくオーバルスプリントで再激突がみられる可能性が高い。ぜひ、ラブバレットが雪辱を果たしてほしい。
21日メインはB2「オーガストカップ」(水沢1600m)。好調メンバーがそろい、楽しみな一戦となった。
主軸はミトノレオ。南関東B3から再転入後、2勝2着1回。オープンでも勝ち負けの地力を見せつけている。流れ遅ければ前でも競馬ができるし、速くなれば差し競馬もこなせる自在脚質が最大の強み。
ブライティアベルは中央から再転入。6戦5勝2着1回といまだ底を見せていない。それは馬体重にもはっきり。移籍当初は460キロ台が現在480キロ。体が一回り大きくなり、さらに力強さを増した。相手強化だが、成長力で突破できる。
オメガスパーキングは6戦1勝2着1回。追い込みゆえムラあるが、破壊力抜群。前走はB2から重賞・すずらん賞へ挑戦6着だったが、走破タイム1分38秒0。馬場差を修正しても勝ち負けできる。
シーセクションは前回4着はマークがきつすぎた。流れ落ち着けば巻き返し十分。
シンボリダムールはあらゆる条件で上位を確保。安定度一目置け、マーク欠かせない。ニシノディアマンは一発マクリを警戒。
◎⑥ミトノレオ
〇⑤シーセクション
▲③オメガスパーキング
△①ブライティアベル
△④シンボリダムール
<お奨めの1頭>
3R ブラストビート
前走3着だったが、見せ場を十分作りタイムも出色。メンバーが大幅に緩和され、首位奪取濃厚
今週20日(日)から水沢競馬場が舞台へ移り、シーズン後半戦に突入した。それに伴い、大きな変化がある。
3歳馬が重賞以外、すべて古馬へ編入した。その際、収得賞金の40%が控除され、5クラス(A、B1、B2、C1、C2)へ格付けされる。
過去の例でいうと控除も含め、3歳馬に有利の傾向。成長力も大きな武器になっているようだ。ただクラスが上がるとその限りではない。古馬が若駒に立ちはだかるケースも多い。
果たして境目となるのはどのあたりか。実際の番組によるだろうが、まずは年齢をチェックしてほしい。3歳馬か、4歳以上か。併せて着順よりも持ちタイムをチェックしてほしい。意外な穴馬が見つかるかもしれない。
20日メインはB1級馬による水沢1800m戦「ムーンライトカップ」。3歳馬の登録はなかったが、上がり馬、格上馬が入り混じり波乱の要素も含んでいる。
オメガブレインを主軸に指名。昨年、中央4勝、園田A級を経て転入。北上川大賞典6着、A級5着でシーズンを終了。
オープンでもソコソコ戦えることを証明したが、今季はB2へ降格。2戦2着、4着1回からB2・メイカップ(盛岡ダート1800m)を6馬身差で圧勝。格の違いを見せつけた。
続くねむの木賞は競走除外だったが、2ヵ月休養から復帰して2着確保。強烈なマクリを披露し、除外の影響がないことを証明した。
差しタイプだけに展開のファクターがつきまとうが、ここは地力に託す手。開催替わりで先行有利の馬場の可能性もあるが、決め手に期待する。
ミュークロールは中央未勝利から園田3勝から再度中央入り。500万下10戦0勝から岩手へトレード。初戦を2着にまとめ、B1通用のメド。前走は伸びを欠いて4着だったが、速いタイム決着にとまどったか。
今回は水沢1800mへ替わるのは基本歓迎。中央時、3着2回をダート1800mでマークし、ゆったりした流れで全能力を発揮できる。
馬格に恵まれたゴールドアリュール産駒の牝馬。まだまだ伸びしろがあり、突破の可能性十分。
クロコダイルロックは中央未勝利ながらダート1800mで2着1回3着3回。南関東3着1回・C1から転入。初戦3着から2戦目はインから伸びて2着を確保した。
持ち味はいい脚を長く使えること。シャープな切れはないが、直線で確実に台頭する。現状は差しタイプだが、前に行けるようになればさらに上を望める。
オールドラゴンは今シーズンA級スタート。2戦3着でメドが立ったが、続く3戦目12着。戦列離脱を余儀なくされ、2ヵ月半後に復帰。B1にも降格したが、いきなり2着を確保した。
前走4着は芝1000mの超ハイペースが合わなかったもの。逆にスーパー短距離を使って反応が良くなる可能性もあり、今度は正念場。あとは体重が回復さえすれば再びA級復活も遠くはないはず。
シャークの評価が難しい。今季2着1回のみ。かつての強じんな粘りと二の脚が見られないのが気がかりだが、内枠圧倒的に有利の水沢1800m戦で絶好の2枠。これを生かさない手はない。
ニーマルキングは芝からダート変更のレインボーカップを逃げ切り、前走も逃げて3着。ようやくスランプから脱出した。ただ、今回はトップハンデ58キロを背負い、外目の6番枠。スンナリ先手が条件。
◎⑦オメガブレイン
〇④ミュークロール
▲①オールドラゴン
△⑤クロコダイルロック
△②シャーク
△⑥ニーマルキング
<お奨めの1頭>
3R パラダイスシップ
2戦連続で3着確保。メンバーが骨っぽかったが、今回は相手緩和。勝機ガッチリとつかむ