先週15日、「第22回クラスターカップ」は浦和代表ブルドッグボスが優勝。地元期待のラブバレットは惜しくもクビ差2着だった。
しかも2010年、サマーウインドの1分8秒9のレコードも更新。地方馬がワンツーフィニッシュを決めた上、1分8秒8の驚異的なタイムでOROダート1200mを駆け抜けた。
レースはJRAサイタスリーレッドが逃げ、ラブバレットがぴったり2番手外を追走。スタートで出遅れたブルドッグボスは押して4番手インまで進出した。
前半3ハロン34秒4、上がり3ハロンも34秒4。サイタスリーレッドの逃げをラブバレットが馬なりで追走。残り200mで先頭に立ち、11年ぶりの岩手所属馬のグレード優勝なるかと思ったが、外からブルドッグボスが強襲。クビ差捕えて昨年2着の雪辱を果たした。
左海誠二騎手「スタートはあまりうまくないので出遅れは覚悟していたが、追ったのはいいポジションを取りたかったから。あとはこの馬の能力を信じて乗った。直線はあせらず、後ろの動きを意識しながら前にいるラブバレットを追いかけた。結果、レコード勝ち。強い内容だったと思います」
一方、2着に敗れたラブバレット=山本聡哉騎手「2年連続3着から今年はクビ差2着。うまく持ち味を出せて100%に近い競馬だっただけに悔しい。マークした本命馬(サイタスリーレッド)が、思ったより早く止まったのが誤算といえば誤算でした」
結果的に昨年、ダノンレジェンドの2、3着馬が上位を独占。いかにレースレベルが高かったかを証明する一戦となった。
ブルドッグボスは今後、アフター5スター賞→オーバルスプリント→東京盃→JBCスプリントのローテーションで行くという。
ラブバレットの今後は未定だが、おそらくオーバルスプリントで再激突がみられる可能性が高い。ぜひ、ラブバレットが雪辱を果たしてほしい。
21日メインはB2「オーガストカップ」(水沢1600m)。好調メンバーがそろい、楽しみな一戦となった。
主軸はミトノレオ。南関東B3から再転入後、2勝2着1回。オープンでも勝ち負けの地力を見せつけている。流れ遅ければ前でも競馬ができるし、速くなれば差し競馬もこなせる自在脚質が最大の強み。
ブライティアベルは中央から再転入。6戦5勝2着1回といまだ底を見せていない。それは馬体重にもはっきり。移籍当初は460キロ台が現在480キロ。体が一回り大きくなり、さらに力強さを増した。相手強化だが、成長力で突破できる。
オメガスパーキングは6戦1勝2着1回。追い込みゆえムラあるが、破壊力抜群。前走はB2から重賞・すずらん賞へ挑戦6着だったが、走破タイム1分38秒0。馬場差を修正しても勝ち負けできる。
シーセクションは前回4着はマークがきつすぎた。流れ落ち着けば巻き返し十分。
シンボリダムールはあらゆる条件で上位を確保。安定度一目置け、マーク欠かせない。ニシノディアマンは一発マクリを警戒。
◎⑥ミトノレオ
〇⑤シーセクション
▲③オメガスパーキング
△①ブライティアベル
△④シンボリダムール
<お奨めの1頭>
3R ブラストビート
前走3着だったが、見せ場を十分作りタイムも出色。メンバーが大幅に緩和され、首位奪取濃厚
今週20日(日)から水沢競馬場が舞台へ移り、シーズン後半戦に突入した。それに伴い、大きな変化がある。
3歳馬が重賞以外、すべて古馬へ編入した。その際、収得賞金の40%が控除され、5クラス(A、B1、B2、C1、C2)へ格付けされる。
過去の例でいうと控除も含め、3歳馬に有利の傾向。成長力も大きな武器になっているようだ。ただクラスが上がるとその限りではない。古馬が若駒に立ちはだかるケースも多い。
果たして境目となるのはどのあたりか。実際の番組によるだろうが、まずは年齢をチェックしてほしい。3歳馬か、4歳以上か。併せて着順よりも持ちタイムをチェックしてほしい。意外な穴馬が見つかるかもしれない。
20日メインはB1級馬による水沢1800m戦「ムーンライトカップ」。3歳馬の登録はなかったが、上がり馬、格上馬が入り混じり波乱の要素も含んでいる。
オメガブレインを主軸に指名。昨年、中央4勝、園田A級を経て転入。北上川大賞典6着、A級5着でシーズンを終了。
オープンでもソコソコ戦えることを証明したが、今季はB2へ降格。2戦2着、4着1回からB2・メイカップ(盛岡ダート1800m)を6馬身差で圧勝。格の違いを見せつけた。
続くねむの木賞は競走除外だったが、2ヵ月休養から復帰して2着確保。強烈なマクリを披露し、除外の影響がないことを証明した。
差しタイプだけに展開のファクターがつきまとうが、ここは地力に託す手。開催替わりで先行有利の馬場の可能性もあるが、決め手に期待する。
ミュークロールは中央未勝利から園田3勝から再度中央入り。500万下10戦0勝から岩手へトレード。初戦を2着にまとめ、B1通用のメド。前走は伸びを欠いて4着だったが、速いタイム決着にとまどったか。
今回は水沢1800mへ替わるのは基本歓迎。中央時、3着2回をダート1800mでマークし、ゆったりした流れで全能力を発揮できる。
馬格に恵まれたゴールドアリュール産駒の牝馬。まだまだ伸びしろがあり、突破の可能性十分。
クロコダイルロックは中央未勝利ながらダート1800mで2着1回3着3回。南関東3着1回・C1から転入。初戦3着から2戦目はインから伸びて2着を確保した。
持ち味はいい脚を長く使えること。シャープな切れはないが、直線で確実に台頭する。現状は差しタイプだが、前に行けるようになればさらに上を望める。
オールドラゴンは今シーズンA級スタート。2戦3着でメドが立ったが、続く3戦目12着。戦列離脱を余儀なくされ、2ヵ月半後に復帰。B1にも降格したが、いきなり2着を確保した。
前走4着は芝1000mの超ハイペースが合わなかったもの。逆にスーパー短距離を使って反応が良くなる可能性もあり、今度は正念場。あとは体重が回復さえすれば再びA級復活も遠くはないはず。
シャークの評価が難しい。今季2着1回のみ。かつての強じんな粘りと二の脚が見られないのが気がかりだが、内枠圧倒的に有利の水沢1800m戦で絶好の2枠。これを生かさない手はない。
ニーマルキングは芝からダート変更のレインボーカップを逃げ切り、前走も逃げて3着。ようやくスランプから脱出した。ただ、今回はトップハンデ58キロを背負い、外目の6番枠。スンナリ先手が条件。
◎⑦オメガブレイン
〇④ミュークロール
▲①オールドラゴン
△⑤クロコダイルロック
△②シャーク
△⑥ニーマルキング
<お奨めの1頭>
3R パラダイスシップ
2戦連続で3着確保。メンバーが骨っぽかったが、今回は相手緩和。勝機ガッチリとつかむ
★重賞・若鮎賞/ベストロードが2歳最初の重賞ウイナーに
13日に行われた今季最初の2歳重賞『若鮎賞』は9頭立て8番人気のベストロードが優勝しました。
レース直前に大粒の雨が落ちてきたものの馬場状態は良をキープ。ブレシアイルの逃げで流れはややスローになり最後は数頭一団の激戦になりましたが、差し切ったのは大外を回ったベストロードでした。
2着は3番人気コウギョウカナリア、3着は7番人気プリヴィレッジ。1番人気ジョースポーツは5着、2番人気リュウノフェスタゴは4着に終わり、馬番3連単は20万980円の大波乱となりました。
押さえはまず(1)ブルドッグボス。昨年の2着馬が今年は地方代表として登場。前走を見る限り衰えは感じず、昨年のような走りができれば面白い存在に。(10)タイセイファントムは左回り・1200mともに好相性。追い込みに近い差しタイプなので展開面の助けが必要かもしれませんが一概に軽視はできないと考えます。
●10Rの買い目
3連単フォーメーション(6)(9)(13)→(1)(6)(9)(10)(13)→(1)(6)(9)(10)(13)
★第11R 桂樹杯
芝マイルの重賞。本命は盛岡芝での実績最右翼(7)ブレイズアトレイルです。直近では芝2400mの重賞で連続2着があり8歳となった今季もやはり盛岡の芝では堅実です。心配なのは微妙に勝ちきれない点。その意味で「頭」というよりは「軸」なのかも。
対抗は(8)カオスモス。転入後2戦目で盛岡の芝は初出走。そこが読み切れない部分になるのですが、JRA時代の 芝実績は◎と同等以上。実際2015年のパラダイスSではブレイズアトレイルに先着しています。盛岡の芝を苦にしなければいきなり勝ち負けまで。
三番手にピックアップするのが(2)ナリタスーパーワン。どちらかといえばダートが合う血統ですがこの馬自身は芝をそつなくこなしています。叩かれた上積みに期待するなら穴にも手頃では。
ヒモは外枠の2頭、(10)ゴットフリートと(11)キングオブローを。どちらも芝適性に問題なし。内枠の方で混戦になった時に外からすんなり・・・を狙ってみましょう。
●10Rの買い目
3連単フォーメーション(2)(7)(8)→(2)(7)(8)→(2)(7)(8)(10)(11)
★第8R ヤングジョッキーズトライアル盛岡 第1戦
(12)コウギョウヘンリーが本命。前走で今回のライバルの多くに先着していますが、ここでも前走以上の先行激化が想定できるだけに差し脚しっかりのこの馬にとっては非常に好都合。
タイプが似ている(2)スタチューを対抗に。この馬も混戦をくぐり抜けてくるタイプの差し馬です。直近も着順の数字ほど気配悪くは感じず軽視禁物。
穴に面白いと思うのが(8)ハンサムボーイ。前走もそうですが意外に短い距離が得意ですし、やや展開に注文が付いて欲しいタイプの脚質ですからここは嵌まるかも。
あとは念のため先行タイプから(3)マニワッショイ、(4)ギンザジャンヌを押さえ。
●8Rの買い目
3連単フォーメーション(2)(8)(12)→(2)(8)(12)→(2)(3)(4)(8)(12)
★第9R ヤングジョッキーズトライアル盛岡 第2戦
現級上位組で堅実に戦っている(10)ワンドロップに◎を。このメンバーの中では距離・クラスの中での力関係で上位と言える存在です。
ただし逃げタイプですから騎手対抗戦では目標にされる可能性が高い。それでも押しきれるかどうか?は展開面が重要になるでしょう。
とすれば相手は(2)ホクレアネイチャー、三番手は(1)ウップスアデイジイ。流れに乗ってくれば怖いタイプを。
あとはすんなり流れに乗ってしぶとい(6)シーザドナルド、穴ならマイルが意外に悪くない(9)コウギョウマゼラン。
●9Rの買い目
3連単フォーメーション(1)(2)(10)→(1)(2)(10)→(1)(2)(6)(9)(10)
8月15日(火)、JpnIII「第22回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)の枠順が確定した。
△①ブルドッグボス
...②カミノマンボ
...③ガッサンプレイ
...④タッチデュール
...⑤スマートアレンジ
〇⑥ショコラブラン
...⑦イーグルカザン
...⑧ケイリンボス
◎⑨サイタスリーレッド
△⑩タイセイファントム
...⑪タイセイメテオ
...⑫アダムズアップル
▲⑬ラブバレット
△⑭キクノストーム
(*印は松尾予想です)
JRA4頭、地方5頭、岩手5頭のフルゲート14頭で争う。2年連続覇者ダノンレジェンドが引退種牡馬入り。ダート短距離界は群雄割拠の時代に入ったが、サイタスリーレッドが最も近い位置にいると見る。
ダート変更後、圧巻の4連勝。500万下からオープンまで突破できるのは滅多にいない。レースぶりも文句なし。馬群に包まれても怯まず、流れ遅ければ前でも競馬ができる器用さもある。まずはクラスターカップを制し、秋のグレード権利を獲得したいところ。
ショコラブランはかきつばた記念3着、北海道スプリントカップ2着。両レースとも勝ち馬から離されたが、地方ダート経験が強み。
地元期待はラブバレット。昨年はダノンレジェンド、ブルドッグボスに次ぐ3着だが、ダノンレジェンドの外をピッタリ追走し、見せ場十分。大外が若干気になるが、強力な逃げ馬が不在。先手を取る可能性も十分。いずれにせよ今年はラブバレットにもチャンスがありそうだ。
14日メインは「納涼特別」(A級一組 盛岡ダート1800m)。ユッコが帰郷戦を白星で飾る。
中央ダート1勝から転入3戦目の牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップで2着に善戦。ジュエルクイーンに0秒1差まで肉薄。岩手の水が合い、秘めた素質が開花した。
今シーズンは時計のかかる水沢の馬場に手こずったが、3戦目から3連勝。根幹重賞・シアンモア記念を制し、初タイトルを獲得した。
2戦連続で北海道牝馬重賞へ挑戦して4、5着に終わったが、ノースクイーンカップはスローに落とされて不完全燃焼。そのうっ憤を地元で晴らす。
コスモジョイジョイの充実ぶりも目につく。今季2戦目から4連勝を飾り、重賞初挑戦・すずらん賞でもクビ差2着に惜敗。先頭に立ってトボけたところ、イーグルカザンの強襲に屈した。
ベストは盛岡1600mだが、1800mもひとまず守備範囲。仕掛けどころは大坪騎手が手の内に入れて抜かりなし。逆転首位まで。
ハイパーチャージはマーキュリーカップ9着から出走。揉まれるのを嫌うタイプでムラだが、外枠で全能力を発揮。今回の9番枠なら揉まれる心配がなく、転入初勝利を飾るか。
コミュニティの評価に迷うところだが、みちのく大賞典5着後は疲れを取るのに専念。完全にリフレッシュできたはず。盛岡は割り引きが必要だが、マイルではなく1800mなら大丈夫。
リトルキングは今季も堅実ぶり健在。前走も3着を確保し、平場ならいつでもマークが欠かせない。
ヒロノプリンスはせきれい賞6着。2400mがこたえた印象。芝ダート兼用のタイプで1800m短縮で巻き返しに転じる。
◎⑥ユッコ
〇④コスモジョイジョイ
▲⑨ハイパーチャージ
△⑦コミュニティ
△⑧リトルキング
△③ヒロノプリンス
<お奨めの1頭>
5R エアギベオン
転入初戦をアッサリ逃げ切り、笠松B級の地力を誇示。同じ1200mが舞台なら迷わず追いかける手
2歳第一弾の重賞は恒例の「第18回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。毎年お盆開催に行われ、1着馬から3着馬に地方競馬全国交流「第19回ジュニアグランプリ」(M1)の優先出走権が与えられる。
この時期の2歳戦は序列が決まっていないが、今年はさらに輪をかけて難解な一戦となった。一言でいえば主役不在で若鮎賞を迎えた感じだ。
ただ、昨年優勝したメドゥシアナは芝1000m4着から若鮎賞に臨み、強烈な末脚で快勝。デビュー戦で初芝に戸惑いながらも直線でいい脚を使っていた。3連単17万円の高配当を演出したが、のちの活躍を考えれば納得の結果。やはり2歳戦はダイヤモンドの原石を探すのがおもしろい。
主軸にサンエイエンジェルを指名。まず血統背景から入ってみたい。父スウェプトオーヴァーボードはスプリンターズSを優勝レッドファルクスを出したほかにも勝ち上がり率がすばらしく人気種牡馬の1頭となっている。
母リードリズムは現役時代、王冠賞を制し、北海優駿3着、北斗盃2着。またJRA挑戦・UHB賞(札幌芝1200m)で2着などの強豪牝馬。姉リードスターも岩手芝で3勝。新馬戦、はまなす賞、ガーベラ賞を勝っている。
デビュー戦はサンエイヴィーナスの2着だったが、59秒7は好タイム。今季の芝1000m新馬はほぼ1分台の決着となっており、負けても優秀。2戦目・水沢1300mを出走取消したが、ソエなら気にすることはないはず。デビュー戦タイムと血統背景に賭ける。
逆転筆頭はプリヴィレッジ。父ストロングリターンは安田記念をレースレコードで優勝。母スマイルダンサーは中山ダート1200m・2歳新馬戦を快勝。
デビュー戦はブレシアイルの2着だったが、道中でもたついたのが致命傷。それでも直線を向いて一完歩ごとに差を詰めて0秒1差。ゴール前の脚色は完全に上回っていた。
以上のことを考えると、1000mより1600m向き。ペースが落ち着けば追走も楽になり、直線勝負なら決め手が生きる。
リュウノフェスタゴは凱旋門賞2着ナカヤマフェスタ産駒。母も芝で3勝マークし、1000万下へ在籍。芝に替わった3戦目快勝も当然だったか。
有力馬のほとんどが芝1600m未経験に対し、実際に勝っているのが強み。時計は重馬場だったので平凡だが、良馬場でも好勝負必至。
ブレシアイルは父がメイショウボーラー。産駒はダート向きが多いが、自身は芝でも活躍して重賞2勝。朝日杯FSでも2着。母ノルブリンカは未出走だが、兄ビーオブザバンは芝4勝。
デビュー戦は後続を尻目に逃げ切り快勝。距離延長が若干不安だが、1600mで願ってもない1枠を引き当てた。マイペースなら軽視できない。
ジョースポーツは父ジョーカプチーノ。NHKマイルカップほか重賞2勝。産駒リュウノチーノが昨年の若鮎賞で2着を確保した。母はモナーコス産駒の持ち込み馬ココロノスポーツ。叔父にエフワンナカヤマがいる。
デビュー戦を1番人気に応えて3馬身差で圧勝。6月3日以来の実戦が若干気になるが、スケールはまったく引けを取らない。
ベストロードの父はアメリカ生まれのシーキングザゴールド産駒ロードアルティマ。12戦6勝。母トシザコジーンはダート1勝、芝2勝。その父アドマイヤコジーンなら芝は望むところ。
◎③サンエイエンジェル
〇⑦プリヴィレッジ
▲②リュウノフェスタゴ
△①ブレシアイル
△⑧ジョースポーツ
△⑨ベストロード
<お奨めの1頭>
1R ミズサンゼウス
このメンバーでは前走タイムが抜けている。同じ1200m戦なら初勝利はもらった