24日メインは岩手県知事杯の冠がつく芝交流「第19回OROカップ」(M1 盛岡芝1700m)。
創設は1999年。当初2回は芝2400mで行われ、全国交流となったのは実質2003年(第5回)から。前の年は降雪の影響(11月10日)で芝からダート変更され、トーヨーデヘアが優勝。第5回は地元トミケンブライトが優勝したが、以降は各地区から優勝馬が誕生。
これまで岩手5勝、大井3勝、北海道3勝、川崎3勝。特にロゾヴァドリナは一昨年、昨年と2年連続で優勝。史上初のOROカップ3連覇の期待がかかる。
2歳・ジュニアグランプリはパーティメーカーの2着に敗れたが、翌年の3歳芝交流・オパールカップを皮切りにOROカップと盛岡芝3勝2着1回。抜群の適性を誇っている。
前走は4ヵ月はぶりの実戦。結果5着だったが、戦法に注目してほしい。ハイペース覚悟の上で逃げて0秒3差。これは吉原寛人騎手がOROカップをにらんでの逃げ。ある程度、先に行けないと優勝は難しいと判断したに違いない。
叩かれて上昇は確実。昨年は4番手からの競馬で快勝して先行有利のレースに持ち込んだ。"優勝請負人"の計算に手抜かりはない。
3連覇に待ったをかけるのがサンエイゴールド。今年はダートに見向きもせず5月から始動。アッサリ3連勝を飾った。馬体重も500キロ台の大台に乗ったが、まったく太くは映らない。背が伸びて全身が一回り、いや二回り大きくなった。
これが結果にもつながっているのは確実。本質的には長丁場向きと思うが、今の成長力をもってすれば優勝も十分可能だろう。
同じ4歳馬ジャストフォファンも侮れない存在だ。3歳芝・オパールカップで逃げて2着。サンエイゴールドに0秒2差だったが、最後まで渋太く粘っていた。
そして今年のせきれい賞は後方からの競馬。久々の芝にとまどった面もあったと思うが、3コーナー過ぎからスパート。直線で馬群を割って抜け出し、0秒1差3着。メンバー最速の上がりを披露し、差し競馬も問題ないことを証明した。
ジャストフォファンも前走、逃げの手に出ている。結果、3秒1差5着に敗れたが、OROカップを考えれば収穫があったはず。今度はどんな戦法に出るのか興味深い。
ブレイズアトレイルは中央芝5勝、鳴り物入りで転入。初戦で貫禄の違いを見せつけて完勝したが、2戦目・かきつばた賞(芝2400m)2着以降は凡走の連続。スランプに陥った。
その後、南関東で2戦使って再転入。現在、重賞で3連続2着と復調の兆しは明らか。しかも今回に限って言えば1枠は願ってもない枠。インの経済コースを走って影を消せれば直線一気の可能性も十分。村上忍騎手が一発を狙っている。
パーティメーカーは昨年のせきれい賞を優勝。2歳時にもジュニアグランプリを制し、盛岡芝の適性は相当高い。ただ、ズブさが出てきており芝1700m対応がネック。楽に追走できれば争覇圏内に位置する。
コウセンは中央芝2勝・1000万下から転入初戦・桂樹杯を逃げ切って快勝。絶妙のペースに持ち込んだ。現在7歳だが、3度の長期休養があり馬体の衰えなし。ひと叩きされた上積みも怖い。
◎⑨ロゾヴァドリナ
〇⑧サンエイゴールド
▲⑩ジャストフォファン
△①ブレイズアトレイル
△⑫パーティメーカー
△⑦コウセン
<お奨めの1頭>
7R レオエタニティー
一戦ごとに上昇一途をたどり、目下2連勝中。距離延長、初の盛岡も問題にしない
先週17日、2歳芝交流「第19回ジュニアグランプリ」(M1)が行われ、北海道代表モリノラスボスが岩手プリヴィレッジとの叩き合いを制して快勝。デビュー5戦目で重賞制覇を果たした。
父はエスポワールシチー。南部杯を佐藤哲三騎手で2度、故・後藤浩輝騎手で1度の計3度優勝。また震災の年(2011年)、東京競馬場で行われた南部杯を含め、5年連続出走の記録を持っている。
エスポワールシチーは優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度110頭にしたが、第一世代からイノセントカップ(9月14日 門別1200m)に続いて2頭目の重賞ウイナーを誕生させたことになる。
しかも今回は芝での勝利。芝ダートをこなせれば鬼に金棒。今後も産駒から目が離せない。
23日メインは「秋分特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)。不来方賞馬ダイワエクシードが岩手へ戻ってきた。
JRA東京ダート2100m1勝から岩手へトレード。不来方賞を獲るために移籍し、そのとおり6馬身差で逃げ切った。続くダービーグランプリ10着、以降3、2着から南関東へ移籍。B3で1勝マークし、その後は北海道へ。A級で3勝したが、今年5月から勝ち星なく、再び岩手へ戻ってきた。
550キロを超すダイワメジャー産駒でマイペースで逃げると粘り発揮するが、自分の競馬ができないとモロさを出す。
展開に注文がつき全幅の信頼を置けるタイプではないが、今回は6頭立ての少頭数に加え、楽に先手が取れるメンバー構成。好走条件がそろった。
スズカセクレターボは中央ダート1200m~1800mで5勝。オープンから鳴り物入りで転入。初戦を9馬身差で圧勝し、一躍注目の的となった。
2戦目・あすなろ賞、3戦目・岩鷲賞で2番人気に支持されたが3、7着。案外の結果に終わり、夏負けの影響もあって2ヵ月休養。今回、戦列に復帰した。
久々の実戦は激しい気性ゆえ問題なし。盛岡マイルも初戦圧勝で適性を証明済み。ここなら格でアッサリ十分。
プリンスダムは中央芝1勝、ダート2勝・1000万下から障害1勝を経て転入。初戦の水沢1800mを逃げ切り、好発進を決めた。
ただ好枠からスローに落とし、ペースにも恵まれた印象。今回も少頭数だが、真価問われる一戦。盛岡もこなせれば今後の視界も明るくなる。
ハイパーチャージはポテンシャルは相当高く、みちのく大賞典3着に気を吐いたが、以降は気難しい面をのぞかせている。どこかで弾けると思うが、現状は押さえに落ち着く。
プリムラブルガリスは転入初戦を圧勝し、シアンモア記念2着。これでメドが立ったと思ったが、その後は尻すぼみの成績。恵まれた際の連下まで。
◎⑥ダイワエクシード
〇⑤スズカセクレターボ
▲②プリンスダム
△①ハイパーチャージ
△④プリムラブルガリス
<お奨めの1頭>
2R マテラグローバル
転入初戦3着ながら、ここではタイムが出色。メンバーが大幅に緩和され、順当に勝機をつかむ
★重賞・イーハトーブマイル/ダービー馬キングジャガーが秋緒戦を快勝
9月16日、開催が替わった初日の盛岡競馬場で行われた3歳馬の重賞『イーハトーブマイル』はキングジャガーが人気に応えて快勝しました。
春のダービー馬・キングジャガーはこれが休み明け初戦。しかし序盤から手応えに余裕を持って先行、後続の追撃も難無く振り切って優勝し、このあとに続く不来方賞、そしてダービーグランプリへ順調なスタートを切りました。
2着は5番人気ユイノムテキ、3着には8番人気トーホクコルトが食い込み、一方2番人気サンエイリシャールは4着、3番人気ダンストンリアンは5着。1番人気馬が優勝したものの馬番3連単は9万5300円の波乱となっています。
★重賞・ジュニアグランプリ/北海道モリノラスボスが優勝
9月17日に行われた2歳馬の芝重賞『ジュニアグランプリ』は北海道のモリノラスボスが制しました。
3番人気コウギョウカナリアの逃げを2番人気のモリノラスボスが追う展開。ややスローで流れた終盤、モリノラスボスに外からプリヴィレッジが迫って最後は2頭の叩き合いに。
この間に起きた事象について審議になりましたが、結果はモリノラスボスが優勝となり、このレースでは3年ぶりに北海道馬に勝利をもたらしました。
★オッズパークLOTO 5重勝/9月18日(対象8R~12R)
8R/評価A: 7番 評価B: 2番 穴:10番
9R/評価A: 3番 評価B: 5番、 1番 穴:7番
10R/評価A: 7番 評価B: 2番 穴:1番、9番
11R/評価A: 1番 評価B: 5番 穴:2番
12R/評価A:10番 評価B: 7番 穴:1番
先週10日、南部杯トライアル「第25回青藍賞」を優勝したチェリーピッカーの話。
父カフェオリンポスはグランドスラム産駒の持ち込み馬。ジャパンダートダービー(JpnI)を制して種牡馬入り。当初は茨城で繋養され、その後、北海道へ移動。数少ない産駒からチェリーピッカーが誕生した。
チェリーピッカーは中央デビューしたものの、8戦未勝利に終わり昨年10月に岩手へトレード。持ち賞金が"0円"だったため、C2最下級からスタート。
そこから快進撃を続け、8戦8勝でシーズンを終了。直後にテンコートレセンへ移動して坂路で鍛え直して帰郷。連勝は12でストップしたが、再び2連勝を飾り、ついに重賞へ名乗り。初挑戦で青藍賞を制する快挙をやってのけた。
3着コスモジョイジョイはともかく、2着メイショウオセアン、4着以下イーグルカザン、ガッサンプレイらは中央オープン、準オープン馬。未勝利馬が格上をナデ切りした。
しかし、決して順風満帆だったわけではない。やんちゃで攻め馬を担当した山本聡哉騎手は何度も落とされかけたというし、担当厩務員も苦労の連続。今季強くチェリーピッカーの"わがまま"に付き合った。
勝利騎手インタビューで「中央から転入後、ずっと調教も乗っていた馬なので喜びもひとしお。感慨深いものがあります」と山本聡哉騎手が語ったのも納得がいくと思う。
もう一つ象徴するのがパドック。一見するとおとなしく周回している印象を受けるが、毎回二人引き。いつ何をするか分からない―。それがチェリーピッカーなのだ。
17日メインは2歳芝交流「第19回ジュニアグランプリ」(盛岡芝1600m)。カギを握るのは北海道2騎モリノラスボス、ドリームスイーブル。
特にモリノラスボスは4戦2勝2着2回。距離経験が1200mまで。芝未経験。父はダートで活躍したエスポワールシチー。しかも輸送もあるなど、不確定要素が多い。それでも一連の走破タイムが優秀だし、底を見せていない。ひとまず初芝を考慮して〇=対抗としたが、アッサリまで十分考えられる。
本命はコウギョウカナリアとした。デビュー戦の水沢850m戦は辛勝だったが、ハナ差で1着から芝・若鮎賞へ挑戦した。
距離が倍の1600m。しかも芝。さらには出遅れて直線でも前がふさがる不利。大外ベストロードの強襲に屈したが、0秒1差2着なら上出来。同じ轍を踏まなければ首位奪取は濃厚と判断した。いずれスムーズな競馬を期待したい。
ベストロードは若鮎賞を直線一気で快勝。それ以前は2着2回、4着1回だが、パワーのダート、不良馬場の芝に手こずったため。良馬場で持てる能力を存分に見せつけた。あくまでも馬場が渋らないことが前提で重賞2連勝まで。
プリヴィレッジはビギナーズカップから連闘が若干気になるが、若鮎賞で積極的に攻めて3着。先行馬が総崩れだったが、強じんな粘りを披露した。スンナリなら上位に食い込める。
リュウノフェスタゴは前々走でベストロードを完封。不良馬場だったが、強さが際立っていた。ベストロードとは逆に雨が降れば怖い存在となる。
リュウノムーンはデビュー戦を圧勝。2ヵ月ぶりの実戦、初芝などが不安だが、潜在能力は引けを取らない。
◎③コウギョウカナリア
〇④モリノラスボス
▲②ベストロード
△⑧プリヴィレッジ
△⑤リュウノフェスタゴ
△⑥リュウノムーン
<お奨めの1頭>
3R ヤマニンアルバス
転入初戦を圧巻の強さで逃げ切り勝ち。好調馬がそろったがスケール一枚上
今週から戦いの舞台は盛岡競馬場=OROパーク。9月16日(土)から11月8日(月)までビッグレースが目白押し。約1ヵ月半の盛岡劇場をお楽しみください。
コース替わりで毎回悩まされるのが馬場傾向。特に開催替わり3日間はやっかいだ。先行有利か差し有利か、内有利か外が有利か。当のジョッキーも手探り状態で意外な先行馬が残ったり、有力差し馬が後方のままに終わるケースも結構ある。
対策は一つ。前開催までの水沢成績は一旦白紙、クリアー。まずは前半レースで傾向をつかむこと。加えて時計がかかっているか遅いか。遅かったらパワー勝負。速い決着なら持ちタイムが有力な手掛かりとなる。
ただ1Rは中央からの転入馬が5頭中4頭、2Rは5頭中3頭。ちょっと把握しづらいメンバー構成だが、ひとまず基準は盛岡ダート1200m1分14秒台の決着なら普通。1分15秒以上かかったら馬場が深いと見ていいはず。我々、予想する側も手探りだということを念頭に入れてほしい。
盛岡初日メインは3歳「第5回イーハトーブマイル」(盛岡ダート1600m)。春の3歳重賞戦線の主役を演じてきたキングジャガー、サンエイリシャールが激突する。
1600mが舞台ならサンエイリシャールが上位。昨年、重賞2勝。ベンテンコゾウが2歳最優秀馬に選ばれたが、唯一黒星をつけたのが若駒賞=サンエイリシャール。
今シーズン開幕のスプリングカップを快勝し幸先のいいスタートを切ったが、やまびこ賞アタマ差2着、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ0秒7差3着。いずれもキングジャガーが制し、主客が完全に逆転してしまった。
しかし、やまびこ賞は体重が大幅減。ダイヤモンドCは2000mも長く、勝負付けが完全に済んだわけではない。
前走、古馬A級挑戦は1秒差3着と完敗だったが、相手は後に青藍賞を優勝したチェリーピッカーなら悲観材料ではなく、貴重な経験となったはず。舞台は2戦2勝の盛岡ダート1600m。首位奪回する絶好のチャンス。
キングジャガーは南関東で揉まれた効果が絶大。スプリングカップこそ2着だったが、やまびこ賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを連勝。ダンシングブレーヴ2×4の血統が見事花開いた。
その後、どんなローテーションを組むかと思ったら自きゅう舎で夏を過ごし、ずっと水沢で調教。秋始動をイーハトーブマイルを考えていたそうで、予定どおりの行動。3ヵ月ぶりの実戦でも乗り込み不足はまったくない。
それでも対抗としたのは1600m適性。キングヘイロー産駒だが、長丁場でこそ持ち前の先行力と強じんな粘りを発揮。忙しいマイルは若干割り引きが必要ではないかと踏んだからだが、地力でアッサリまで。
ダンストンリアンの成長力も目覚ましい。シーズン初めはオープンで頭打ちだったが、ウイナーカップ2着からハヤテスプリント(盛岡ダート1000m)を快勝。
続いて1000mから倍の2000m・ひまわり賞でも3着に善戦し、古馬B1では大本命ヴィグラスムーヴ相手に見事逃げ切った。
何よりも魅力は54キロの軽ハンデ。有力馬が58キロを背負うのに対し、4キロのアドバンテージは強力だ。
オールザベストは4走前のやまびこ賞が初の盛岡戦。終始、外にモタれて8着。コース適性に暗雲が立ち込めたが、前々走の1200m1着で克服のメド。今回の1600mもコーナー2つだけ。好調度で上位争い必至。
グラマシーはダイヤモンドC10着、ウイナーカップ8着と凡走したが、ひまわり賞で逃げて2着。再び牡馬が相手だが、勢い取り戻して軽視できない。
ユイノムテキは南関東2、3、4着から再転入。岩手2勝の強さが際立っていたし、激戦区で揉まれたキャリアを生かせるかも。
◎⑧サンエイリシャール
〇⑤キングジャガー
▲⑥ダンストンリアン
△④オールザベスト
△⑨グラマシー
△③ユイノムテキ
<お奨めの1頭>
7R ヴァーサス
伏兵がそろって油断できないが、B2で足踏みする器ではないはず。スッキリ勝利をモノにし、今後に弾みをつける