
★重賞・絆カップは転入初戦のタイセイファントムが勝利
11月5日に行われた重賞・『第7回絆カップ』は、これが転入初戦だったタイセイファントムがラブバレットを退けて優勝。2014年3月以来の勝利を重賞制覇で飾りました。
5番人気メイショウオセアンが逃げ,それをマークする1番人気ラブバレット、2番人気エンパイアペガサスという序盤の展開。しかしエンパイアペガサスは4コーナーを待たず脚色を失って優勝争いから脱落。勝負は先行二騎の争いになったかと思われました。
しかし、メイショウオセアンを交わして先頭に立ったラブバレットをさらに追い上げてきたのがタイセイファントム。粘るラブバレットを捉えてさらに引き離したところがゴール。JRAからの転入初戦で一線級をまとめて破る見事な戦いを見せました。
1番人気ラブバレットは2着。3着には3番人気ヴィグラスムーヴが食い込み、エンパイアペガサスは最後盛り返したものの6着に終わりました。
さて11月6日はいよいよ今シーズン最後の盛岡競馬となりました。来週からは冬の水沢競馬がスタート。盛岡競馬は来春までお別れとなります。盛岡の締めくくりはしっかりと馬券を取って終わりたいものですね。
その11月6日のメインレースは第10R『霜月特別』、A級のダート1800m戦です。JBC協会協賛HITスタリオンシリーズとして優勝馬の馬主にはメイショウボーラー号の種付け権が副賞として贈呈されるレースです。
本命は(7)ベンテンコゾウとしました。岩手所属ながらホッカイドウ競馬の3歳戦線に挑み、惜しくも三冠こそならなかったものの二冠を達成。もう一頭の"北のダービー馬"となりました。その実績、実力は3歳世代でもトップクラスと言って間違いないはずです。
不安材料がないわけではありません。同馬は秋初戦になるはずだった不来方賞をアクシデントで回避しここは仕切り直しの一戦。厳密に言えば「順調さを欠いた」という事になるわけでその点はハンデになるのでしょう。またこれが古馬との初対戦。休み明けで挑むにしてはハードな条件かもしれません。
しかしそれを考慮してもなお、どんな戦いを見せてくれるか魅力大。ここはすんなりと突破してほしいもの。
対抗は(3)ダイワエクシードを。なかなか人気どおりにいかない近況ですが、脚質ゆえに能力以上に負けてしまう事があるタイプだという点は考慮すべきでしょう。すんなり先行が叶えばいつでも粘り込めるだけの力はある馬です。
(9)ハイパーチャージも(3)と同じようになかなか能力通りの結果になりませんが、しかし前回の優勝時のように条件さえ整えば人気は関係無い馬でもあります。外目の枠を引き、内の方に先行タイプが揃った今回は、その「条件が整う」可能性は大きいでしょう。
ヒモはまず(11)アークマイニング。近走の着順ほど不振な感じは無くむしろ状態は悪くないのでは。何かのきっかけひとつで変化があっておかしくない存在。(8)スマートレジェンドは1800mはやや長い可能性がありますが、差し馬の割には相手なりに動けるタイプなので展開次第で・・・ではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(9)、(7)=(11)、(7)=(8)
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★オッズパークLOTO 5重勝/11月6日(対象7R~11R)
7R/評価A:10番 評価B: 1番、 3番 穴:7番
8R/評価A: 1番 評価B: 6番 穴:5番
9R/評価A: 1番、 3番 評価B: 6番 穴:10番
10R/評価A: 7番 評価B: 3番 穴:9番、11番
11R/評価A: 7番 評価B: 1番、 8番 穴:11番
5日メイン「第7回絆カップ」(盛岡ダート1600m)は2011年、悪夢の東日本大震災の年に創設された。
その年、南部杯は特別措置により東京(府中)競馬場で実施され同日、盛岡のメインが「絆カップ」。府中の森に南部杯ファンファーレが流れ、ターフヴィジョンで絆カップが放映されたことが今でも鮮烈に覚えている。
おそらく南部杯の府中開催は日本の競馬史に残る出来事。岩手競馬が継続できたのもJRAを始め、皆さんの支援があったから。絆カップも無事に7回目を迎えた。
そして5日の絆カップが今シーズン盛岡競馬のフィナーレ重賞。翌日6日以降は水沢競馬場が舞台。盛岡競馬場は来年までお休みに入る。
盛岡競馬1年の集大成にふさわしく役者もそろった。見どころ満載だが、一番はラブバレット、エンパイアペガサスの初対決だろう。
ラブバレットは今年1月、根岸ステークス挑戦の反動も少なくなく3ヵ月休養。かきつばた記念で復帰を果たしたが、本調子を欠いて5着。続くさきたま杯も5着に終わった。
しかし、叩かれながら本来の動きを取り戻して栗駒賞、岩鷲賞を連勝。完全復活をとげてJpnIII・クラスターカップへ挑戦。
過去の歴史からJRA優位を伝えられながら逃げたサイタスリーレッドを直線で交わして先頭。そのまま押し切るかと思ったが、外からブルドッグボスが強襲。クビ差2着に惜敗した。
それまで盛岡ダート1200mで1分10秒の壁を破れなかったが、自身の持ちタイムを大幅に更新。1分8秒8のコースレコードで駆け抜けただけに、悔しさも半端ではなかった。
その後は北海道で休養に入ったが、頭部を骨折するアクシデント。復帰が予定より若干遅れたが、絆カップに間に合った。
絆カップを叩いて笠松グランプリ3連覇が陣営の青写真。そのためにも好発進を決めたいところだろう。
エンパイアペガサスはダービーグランプリ2着後、南関東へ移籍。3戦目に重賞・報知グランプリカップを制して岩手へ里帰り。あすなろ賞、みちのく大賞典で2連勝を飾り、岩手トップの座を射止めた。
ところが足元がパンとせず戦列離脱。4ヵ月半の休養を経てようやく復帰する。ラブバレット、エンパイアペガサスが舞台を同じくできるのがマイル=1600m。次走目標・浦和記念に向けて、こちらもいい競馬を見せたいところ。
絆カップをさらに興味倍増させるのが2頭の包囲網。チェリーピッカーは岩手最下級から再出発し、叩かれながら地力も強化。連勝は12でストップしたが、態勢を立て直して3連勝で青藍賞を優勝。重賞初挑戦でタイトルを手にした。
南部杯挑戦は将来のための布石。JRA一線級との戦いが、今後に生かされると陣営は決断した。まだ成長続ける4歳馬。こちらも同期エンパイアペガサスとは初対決となる。
タイセイファントムは崩れないのがセールスポイント。今年のクラスターカップでも1秒差6着にまとめ、以降2戦も1秒差、0秒9差。パンチ力では見劣るが、連下マーク欠かせない。
ヴィグラスムーヴはチェリーピッカーと同様、下級条件からオープンへ出世。15戦13勝2着2回と連対パーフェクトを続けている。ここ2戦の走破タイムは重賞でも勝ち負けレベル。強気の挑戦が見もの。
◎⑬ラブバレット
〇④エンパイアペガサス
▲⑫チェリーピッカー
△⑭タイセイファントム
△⑧ヴィグラスムーヴ
<お奨めの1頭>
4R ノーブルデザイア
このメンバーでは実力上位は明らか。前走3着のうっ憤を晴らす格好の舞台
今シーズンの盛岡競馬も4日(土)から6日(月)の3日間でラストウィークを迎える。4月29日、ゴールデンウィークから始まった盛岡開催も6日でフィナーレ。
毎年思うことだが、競馬に関わっていると季節の変わりが本当に早い。5月頃に始まった新緑が今ではすっかり赤と黄色などに変化。完全に紅葉の季節へ突入した。
おそらく今が盛岡競馬場一番の見ごろ。紅葉が本当にきれいになった。まだ下界は紅葉へ向かう途中だが、盛岡競馬場に入ると紅葉真っただ中。
もちろん生が一番だが、画面越しにでも紅葉が楽しめるはず。2日時点の天気予報では土曜日4日は曇り時々雨、日曜日5日は曇りのち晴れ。そして月曜日6日は晴れ時々曇り。
それを信じれば日曜か月曜日が紅葉の見ごろだが、もし競馬場へ訪れる方は厚着をしてきて下さい。競馬場は下界に比べて2、3℃は低い。体感温度的にはもっと低く感じるかもしれないからだ。
今シーズン最後の盛岡競馬。紅葉のもとで疾走するサラブレッドの姿を堪能してください。天気も晴れることを祈りたい。
4日メインはオープン・盛岡ダート1200m戦「スプリント特別」。有力各馬がそれぞれ不安点を抱え、波乱の可能性も十分考えられる。
主軸にアリッサムを指名。中央0勝2着4回3着2回から南関東1勝・B2から転入。初戦でいきなり重賞・ヴィーナススプリントを逃げ切った。
最大勝因は外から先手を奪えたこと。元々、もまれ弱い面があったが、阿部騎手が巧みなレース運びを見せてくれた。
2戦目・ハーベストカップは芝1000mのスペシャリストが勢ぞろい。コウセンがレコード勝ちを決められたら一たまりもなかった。
今度はダートに戻って1200mが舞台。同型コウユーココロザシが競りかけると微妙だが、枠的にアリッサムが若干有利。強引にでも逃げればそのまま押し切れると見た。
カリスマサンスカイは中央ダート1200m4勝、ダート1300m1勝。オープンに在籍した。南関東移籍後はフジノウェーブ記念の5着最高だが、岩手オープンなら相手有利は明らか。流れが速くなれば一気突き抜ける。
ヴァイサーリッターは中央芝1200m4勝・1600万下から転入。芝1000m重賞を狙っての転入だったが、ハーベストカップ3着、OROターフスプリント7着。案外の結果に終わった。
2戦ともハイタイム決着。追走に手こずったのが敗因か。ダート戦は過去2回と未知数だが、父がデュランダル、母父サクラバクシンオーならこなせる素地はあるはず。
不安は砂をかぶった経験がほとんどないことだが、大外9番枠ならレース運び次第。外目を追走できれば自身の能力を発揮。岩手初勝利がダート戦の可能性も十分ある。
コウユーココロザシは中央500万下から転入初戦の水沢1400mをアッサリ逃げ切って好発進を決めたが、2戦目・ヴィーナススプリントは10着に大敗。逃げの手に出られなかったのが痛かった。今回も同型アリッサムがいて展開は厳しいが、うまく折り合いをつけれれば2頭の行った切りまで。
ナリタスーパーワンは順調さを欠いて今回も2ヵ月ぶりの実戦。ただ激しい気性ゆえ、久々は苦にしないタイプ。体重回復なら格でアッサリ十分。
サンエイホープも使い込めないが、前走マイル戦で見せ場。今なら1200mの方がいいかもしれない。
◎③アリッサム
〇⑦カリスマサンスカイ
▲⑨ヴァイサーリッター
△⑤コウユーココロザシ
△④サンエイホープ
<お奨めの1頭>
6R キリフダ
前走2着ながらタイムが出色。メンバーも手頃になった上、絶好枠を引き当てた
★重賞知床賞はスタークニナガが優勝
10月29日に行われた2歳馬の重賞、北海道岩手交流の『第8回知床賞』は、北海道からの遠征馬スタークニナガが制しました。
逃げた岩手のブレシアイル、それを追った1番人気チャイヤプーンと2番人気ヒガシウィザード。その先行ペースは息の抜けない速い流れが続く展開に。
最後の直線、粘り込みを図るチャイヤプーン・ヒガシウィザードの2頭だったのですが、好位からじりじり迫ってきていたスタークニナガが鋭く伸びて一気に前を捉えた所がゴール。7番人気の低評価の馬とは思えない力強い走りで重賞タイトルを手にしました。
鞍上の山本政聡騎手は当初予定の騎手が負傷のために今日になって急きょ騎乗変更になったチャンスを見事に活かした形。10月だけで重賞3勝目と絶好調です。
ヒモは悩む所ですが、内外なら内の方が有利と考えてまず(3)ピンギット。バリバリの芝馬というよりは芝ダ兼用タイプでしょう。それだけに馬場は合いそうだし先行力が計算しやすいのも魅力。(2)レーヌドコロールはやはり芝が合いそう。出遅れず進めれば粘り込みも、と狙ってみたい存在です。
●11Rの買い目
馬単(9)=(8)、(9)=(6)、(9)=(3)、(8)=(6)、(9)→(2)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/10月30日(対象7R~11R)
7R/評価A: 2番、 5番 評価B: 6番 穴:11番
8R/評価A: 7番 評価B: 6番 穴:1番
9R/評価A: 8番 評価B: 5番 穴:2番
10R/評価A: 1番、 4番 評価B: 3番 穴:7番
11R/評価A: 9番 評価B: 8番、 6番 穴:3番
先週21日、「第7回OROターフスプリント」はコウセンが3馬身差で逃げ切って圧勝。サクラゴスペルの追撃をモノともせず、トライアル・ハーベストカップに続いて重賞2連勝を飾った。
山本政聡騎手「ゲートでおとなしかった分、出負けしてしましたが、二の脚が他の馬とは全然違った。いいペースで逃げることができました。
前回(ハーベストカップ)はすぐに先手を取って我慢させたが、今日は相手が強いので後ろの馬に脚を使わせながらレースを進めました。
芝1000mを使う前は距離が短いのでは...と思っていましたが、機動力がある上、器用さもありますから、マイルより短距離の方が合うかも知れませんね」
そのコメントどおりスタートはひと息だったが、二完歩目からのスピードがけた違い。まさに盛岡芝の申し子的な内容だった。
櫻田康二調教師「3連闘で無理をさせたので当面は疲れを取ることに専念。じっくり休養させたいと思っています」。次走決定を焦らずに待ちたい。
翌日22日、伝統の「第49回不来方賞」はキングジャガーが圧倒的1番人気に応えて逃げ切った。
高橋悠里騎手「イーハトーブマイルのような楽な競馬ができないだろうな...とは覚悟していました。マークがきつくても行くしかないと腹を括り、あとは馬の能力を信じました。
さすがに道中で息が入れられなくて最後は一杯でしたが、よくしのいでくれました。
この馬の持ち味が渋太さとスタミナ。これからもっと強いメンバーと戦うことになるでしょうが、楽しみの方が大きい。今日もいい競馬ができたと思います」
次走については板垣吉則調教師「ダービーグランプリは視界に入っているが、馬の状態とオーナーと相談して決めたい」とのこと。動向に注目してほしい。
29日メインは「第8回知床賞」(盛岡ダート1400m)。重賞へなって以降、5年連続で北海道2歳に軍配が上がってきたが、今年は様相がちょっと違う。
本命チャイヤプーンは北海道3戦2勝馬だが、今回から所属は岩手。立場が替わって遠征馬を迎撃する。
まずは前走タイムに注目してほしい。デビュー2戦目の門別1000m1分1秒7も優秀だが、1700m1分48秒6にビックリ。2歳馬でこのタイムをマークできる馬もめったにいない。初の左回りと輸送さえクリアーなら中心は動かない。参考までにチャイヤプーンはタイ北部の県名。
ヒガシウィザードは北海道勢6連覇を狙う大将格。門別1000m・フレッシュチャレンジを7馬身差で圧勝。以降2、4着と尻すぼみ気味の成績が気になるが、地区レベルが違うのは過去の足跡でも明らか。当然だが、逆転首位まで。
シグラップアモーレは北海道4戦2勝2着1回から南関東へ移籍。初戦を2着にまとめた。今年の岩手2歳は前回の若駒賞で北海道1勝馬ニッポンダエモンが優勝。2勝馬が勝ち負けになるのは確実。
ブレシアイルは岩手生え抜きで6戦4勝2着1回。逃げ一辺倒から脱却したいところだが、盛岡1600m・若駒賞で0秒2差2着。ならば1400m短縮は大歓迎。大外でも攻めの一手。
プリムラジュリアンはかつて岩手で9勝したプリムラジュリアン(父ティンバーカントリー)と同姓同名。門別1000m・新馬戦を完勝した実績は侮れない。
スタークニナガは一戦ごとに地力が強化され、前走で待望の初勝利。小柄な牝馬で軽い走路なら上位あるかも。
◎②チャイヤプーン
〇①ヒガシウィザード
▲③シグラップアモーレ
△⑩ブレシアイル
△⑤プリムラジュリアン
△④スタークニナガ
<お奨めの1頭>
2R ソードヴァルキリー
前走2着ながら走破タイムが出色。メンバーが甘くなって順当に2勝目を飾る