
先週16日、水沢1600mを舞台に行われたトウケイニセイ記念・トライアル「第26回白嶺賞」はイーグルカザンがイン強襲を決め、重賞3勝目を手にした。
前半は後方2番手インでレースを進め、向う正面から徐々に進出。直線でも内を突っ込み、大坪騎手の気迫に応えてワットロンクンをねじ伏せた。
大坪慎騎手「前でレースを進めたかったが、外から被せられて後方からの競馬になった。今回は一線級がそろって、しかも内枠だったから包まれても仕方ないと開き直りました。
直線を向いて勝つには最内しかないと思い、狭かったのは覚悟の上で突っ込んだが、馬も怯まないで伸びてくれた。
これまでM3重賞ですが、今度はM2以上のタイトルを取ってみたいですね」
それを受けて橘友和調教師「前回同様、いい状態で臨めました。今回は大坪騎手の好騎乗も光ったと思います。次走は桐花賞へ向かいたいと思っています」
そう、次のターゲットはファン投票・桐花賞、グレードM1。転入後はマイル以下をメインに使われ、1800mは盛岡・あすなろ賞4着。2000mが微妙だが、折り合いさえつけば距離もこなせる可能性もある。好レースを期待したい。
24日メインは「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」(B2 水沢1600m)。好調馬がそろって激戦必至。加えて乗り替わりによる影響も少なくなく、非常に楽しみな一戦となった。
本命はユイノムテキ。南関東から里帰り初戦のイーハトーブマイルを2着にまとめ、1勝2着3回。2000mが長すぎた3歳重賞・不来方賞9着以外はオール連対を果たしている。
前走・ディセンバーカップでは出遅れて後方を追走。掛かり気味になりながら3コーナースパートに反応。クビ差2着に惜敗したが、改めて成長確かなことを証明した。
今度は1900mから1600m短縮され、条件ベスト。首位奪回の絶好機を迎えた。
タイセイヴィクターは中央未勝利ながらダート1800mで3着1回。北海道移籍後もなかなか勝てなかったが、最終戦を快勝して岩手入り。余裕の逃げ切りを決め2連勝を飾った。ここはタイム以上に内容を重視。ひと叩きされた上昇度も加味すれば逆転単まで。
メイショウサギリは11月12日以来の実戦だが、それ以前に圧巻の7連勝。すべてワンサイドで圧勝した。久々は絶対能力でカバーできると判断した。
タイセイオーシャンはここにきて復調明らか。4戦3勝2着1回と本来の安定感を取り戻した。相手強化だが、巧みなレース運びで突破十分。
ナンブホマレはディセンバーカップを快勝。もっと強い印も必要かと思ったが、マイルの忙しい競馬では取りこぼしもあり、△評価。
むしろ怖いのはシンソウノマドンナ。ディセンバーCはコアレスフェーブルに早めに交わされたが、直線でもバテず0秒7差5着。距離短縮は望むところ。
◎⑪ユイノムテキ
〇④タイセイヴィクター
▲⑩メイショウサギリ
△⑫タイセイオーシャン
△⑥ナンブホマレ
△⑨シンソウノマドンナ
<お奨めの1頭>
7R ヴェニット
前走2着は850m適性の差。1400mに戻って勝利をがっちりモノにする
12月31日(日)、大晦日恒例の「第43回桐花賞」(M1 水沢2000m)のファン投票結果が発表された。
1位・コミュニティ
2位・ユッコ
3位・キングジャガー
4位・チェリーピッカー
5位・エンパイアペガサス
6位・コスモジョイジョイ
7位・ダイワエクシード
8位・イーグルカザン
9位・ベンテンコゾウ
10位・アントニオピサ
11位・ワイルドロジャー、12位・シャーク(以下略)
報道推薦 ヴィグラスムーヴ(14位)、トーホクアロー(17位)。
ファン投票1位に選ばれたコミュニティは4年連続で出走。2014年には"帝王"ナムラタイタンを破る金星を挙げ、翌年は2着、昨年3着。前走・北上川大賞典2着で復活したことが支持された。
第2位ユッコは岩手の根幹重賞・シアンモア記念を優勝。遠征にも積極的に出かけた。3位・キングジャガーは岩手二冠を達成。現在は佐賀に移籍したため回避の可能性が高い。また5位にはみちのく大賞典馬エンパイアペガサス、9位に北海道二冠馬ベンテンコゾウが入った。
報道推薦はヴィグラスムーヴ、トーホクアローが選ばれた。ヴィグラスムーヴは中央から転入後、17戦14勝2着2回3着1回。一線級がそろった絆カップが重賞初挑戦だったが、3着に善戦した。
トーホクアローは自身の桐花賞連続出場を6に伸ばすことになる。2013年に3着を確保し、4着3回5着1回と一度も電光掲示板を外していないのが勲章。12月31日、激突の日を楽しみにしてほしい。
23日メイン9RはB1級・水沢1600m「銀嶺賞」。どの馬が勝っても不思議はなく、伯仲メンバーが顔をそろえた。
主軸は実績上位サインズストームに落ち着く。今季着外に沈んだのはJRA条件交流6着のみ。また4着2回は夏の休養明けの2戦のみ。ほかはすべて馬券対象を果たしている。
気になるのは前走・ひいらぎ賞3着。1枠に入り、外から次々と被せられて中団からの競馬。結果、先行決着に持ち込まれて3着に終わった。
今回もよりによって1番枠。負担重量1キロ増は大型馬ゆえさほど影響ないと思うが、またしても馬群に包まれる可能性がでてきた。その時にどう対応できるか、いずれ道中のポジションが勝敗を左右しそうだ。
サチノリーダースは中央芝2勝から転入。初戦の芝1000mを快勝し、2戦目は芝1600m・秋嶺賞(B1)でも2着に善戦した。
前々走6着は岩手で初ダートにとまどったが、前回快勝。これでダートも問題ないことを証明した。マイル延長は今の芝向き馬場なら大丈夫。
ピンギットは芝ダートで岩手6戦3勝2着3回。昇級戦もクリアーし、依然底を見せていない。不安は大外12番枠に入ったこと。前半で脚を使わらざる負えないし、外を走らされるロスもある。それが▲評価とした理由。
シャスールニングは金沢B1から転入初戦で豪快なまくりを披露。周囲をアッと言わせた。同じ芸当ができるか半信半疑な面があるが、金沢から移籍して成功する例は多々。そのパターンにはまるか興味深い。
グランドエンジェルは南関東B2から転入2戦3着。距離が短かった点に敗因を求めることができ、マイル延長で本領を発揮するか。
ウインバーニングは水沢に替わって好走。前走は大外に入り、外を回る不利も大きかった。3番枠なら自分の競馬ができるはず。
◎①サインズストーム
〇④サチノリーダース
▲⑫ピンギット
△⑪シャスールニング
△⑩グランドエンジェル
△③ウインバーニング
<お奨めの1頭>
5R スターギア
寒菊賞は勝ったチャイヤプーンが強すぎた。強豪不在の今回は確勝の鞍=クラ。
★重賞・白嶺賞/イーグルカザンが今季3つめの重賞タイトル獲得
12月16日に行われた重賞『白嶺賞』は6番人気のイーグルカザンが優勝。今シーズン3つめの重賞タイトルを手にしました。
レースはコウセンの逃げをワットロンクンがマークする形で進行。短距離ほどの圧倒的なスピードではないコウセンは4コーナーあたりでワットロンクンに捉えられ後退しはじめます。
そこからは先頭に立ったワットロンクンにタイセイファントムが迫る形。二頭の競り合いはゴールまで続き、ワットロンクンが凌いだかに見えましたが、最内を突いたイーグルカザンが頭を出した瞬間がゴール。イーグルカザンは赤松杯・すずらん賞に続いての重賞3勝目を挙げました。
1番人気タイセイファントムは3着、2番人気コウセンは5着でした。また、1着馬~3着馬にはトウケイニセイ記念の優先出走権が与えられます。
12月18日のメインレースはA級一組・ダート1800mの『冬至特別』。今年の実際の冬至の日は12月22日だそうですね。ここのところ強い寒気が入り込む日が続き今まさに真冬ど真ん中という感じの日々ですが、暦の上ではこれから徐々に日が長くなり、春へ向かっていく事になります。そうですねえ、もう少し穏やかな空模様の日が続けば良いなあ。
さて冬至特別。本命は(8)ハイパーチャージとしました。
今季の転入直後は着順の上下の幅が大きく、安定しない、馬券的には信用しづらい結果が続きました。しかしそれも近走では6戦連続掲示板確保など、一進一退ではあるものの上位安定するようになってきています。前走の北上川大賞典は距離が長すぎた事による8着敗戦。1800mの今回なら話は変わるはずですし、外目の枠になった点も計算しやすい材料になったのではないでしょうか。
対抗は(6)ワイルドロジャー。近年は南関東と北海道を行き来しながらキャリアを重ね、今年は北海道のA級で好走、昨年は南関東のB級で勝ち星を挙げたりしているのですから力量的には足りるはず。加えて距離経験が豊富な点も魅力的。
三番手は(4)ガッサンプレイでどうでしょうか。短距離中心に使われてきた馬ゆえ1800mは全くの初めて。その点は不透明なのですが、岩手でのここまでを見ての印象では短距離でもマイルでも極端に内容が変わる感じはありません。この距離でも前走くらいの粘り強さは見せてくれるのでは。
ヒモは(1)サプライズハッピーから。4月の、複数頭がからむ落馬に巻き込まれてから初めての実戦復帰。その点が気がかりですが、馬自身は使い込まれて良くなると言うよりは休み明けでフレッシュなほど走るタイプ。状態に問題なければ好結果も。(9)マルタカシクレノンは6着・5着とスローながらも長期休養明け後を徐々に良化中。いきなり一変・大変身とまではいかないまでも変化を見込んでよいのではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単(8)=(6)、(8)=(4)、(6)=(4)、(8)→(1)、(8)→(9)
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★オッズパークLOTO 5重勝/12月18日(対象7R~11R)
7R/評価A:10番 評価B: 4番 穴:9番
8R/評価A: 6番 評価B: 2番 穴:8番
9R/評価A: 5番 評価B: 4番、 9番 穴:10番
10R/評価A: 8番 評価B: 6番、 4番 穴:9番
11R/評価A: 1番 評価B: 6番 穴:4番
17日から始まる「ゴールデンジョッキーズシリーズ」。全3戦の合計ポイントで優勝が決まるスタイルが導入されて6年目。
2012年は第3戦が降雪のために中止。第2戦でトップに立っていた高橋悠里騎手がボーナス50万円を手にした。
2013年は山本政聡騎手、14年は南郷家全騎手、15年は陶文峰騎手が優勝。第2戦まで最下位だったが、大逆転で総合優勝を果たした。
昨年は山本政聡騎手が2度目の優勝。第2戦まで5位だったが、これまた逆転劇を演出した。
このシリーズは第1戦が1400m、第2戦が1600m、最終第3戦が1900mで実施。距離が大きく勝敗を左右することも逆転につながっていると思う。
果たして50万円のボーナスを手にするのは誰か。今年も最終戦まで目が離せないに違いない。
「ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦」はC1・1400m条件だが、出走頭数が11頭。残念ながら現在リーディング12位の南郷家全騎手は抽選モレ。規定によりレース結果7位と同じ5ポイントが与えられる。
当初、16頭の登録があったが、有力馬が次々と回避。順当戦が一気に混戦ムードとなった。
主力に浮上したのが菅原俊吏騎手=ネオヴァモス。夏に去勢手術を施し、その効果が徐々に出始めて3走前2着から前々走快勝。ワンランク上を望めるきっかけができた。
前走・錦秋湖賞は7着に終わったが、距離が長かった上、絶対的に不利と言われる大外も敗因。今回は守備範囲の1400mに替わって首位奪回のお膳立てが整った。
山本政聡騎手=プレミアムフレンチは8月に1勝した以降、久しく鳴りを潜めていたが、前回快勝でようやく両目を開けた。ムラなタイプだが、これで弾みついたと解釈。走破タイムも上々なら凡走覚悟で対抗格とした。
山本聡哉騎手=ホホエムオンナも8月以降、勝ち星がないが、条件にも恵まれなかった。前走も1600mが長く6着。しかし大負けしている訳ではなく、評価ダウンは禁物。今回は距離短縮は好材料だし、外枠でもその気になれば逃げの手が打てるメンバー構成。
鈴木祐騎手=モントは前回快勝。1400m短縮も味方した。この1勝を含めて水沢1400mは<1.3.0.0>と連対パーフェクト。相手強化でも軽視できない。
坂口裕一騎手=タイムアラウドはここにきて復調気配は明らか。前走も出遅れながら直線鋭く3着に突っ込んだ。ペース速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
阿部英俊騎手=チョーハッピーは850m快勝。短距離で本領発揮するタイプだが、流れ合えば1400mも問題にしない。揉まれない大外も歓迎。
◎⑧ネオヴァモス
〇⑥プレミアムフレンチ
▲⑩ホホエムオンナ
△②モント
△①タイムアラウド
△⑪チョーハッピー
<お奨めの1頭>
3R ブリッジオーヴァー
転入2戦とも逃げ切り圧勝。能力の違いを見せつけている。相手はミーヤリープリー1頭、馬連4-6の一点勝負
16日メインは「第26回白嶺賞」(水沢1600m)。8頭立てながら、実力伯仲。どの馬にも勝つチャンス十分の一戦となった。
実は白嶺賞、荒れる重賞で定評がある。2011年、ベルモントダイヤ(6番人気)が優勝して3連単76万1780円。
以下、2010年、1着・ダイメイジュエリー(8番人気)で44万3300円。2008年、1着・アンダーボナンザ(3番人気)で26万7700円。2007年、1着・ダイワフォーチュン(7番人気)で11万1290円と過去10年で10万馬券が4度も飛び出した。
ほかに3万馬券3回、万馬券1回と10回中8回が万馬券となっている。
ただ、一昨年ワットロンクン、2013年ドリームクラフトが1番人気で優勝。2度は堅く収まっているが、その反動か、昨年は降雪のために休止。
今年が仕切り直しの一戦だが、果たして人気サイドの決着になるか、またしても大波乱か。とても興味深い。
この流れで本命を指名するのは若干気が引けるが、コウセンを主軸視する。
阪神芝1800m・2歳新馬戦を勝ち上がったが、3歳5月から1年3ヵ月の休養。その後も4歳3月から1年2ヵ月、5歳8月から半年と3度の長期休養を余儀なくされた。
レースキャリアが7歳のわりに少なかったのはそのため。岩手へ新天地を求めたのが3ヵ月休養をはさんで8月、芝1600m・桂樹杯だった。
レース間隔が開いて5番人気にとどまったが、アッサリ逃げ切りを決めて快勝。続くOROカップは3着だったが、芝1000m・ハーベストカップをレコード勝ち。交流・OROターフスプリントも連勝し、持てるスピードを如何なく発揮した。
その後は歴戦の疲れを取るためにひと息入れ、水沢850m戦で復帰。地方ダートは未経験だったが、5馬身差で圧勝。ダートも問題ないことを証明した。
今回はマイルが舞台だが、ダート1700m、1800mで2着1回3着2回。芝だが桂樹杯を勝っていれば大丈夫。ここも天性のスピードで圧倒する。
タイセイファントムから入る手も十分。今年8月、JpnIII・クラスターカップへ中央代表で参戦。1秒差6着にまとめた。
転入初戦の絆カップはラブバレット、エンパイアペガサスなどがエントリー。人気の盲点となったが、豪快なまくりで完勝。早め先頭ラブバレットをアッサリ交わし、中央6勝の底力を披露した。
今回はコース広い盛岡から水沢に替わり、同じ戦法では厳しいと思うが、中央時代に先行して勝ったケースもあり、積極策に出れば克服十分。重賞2連勝を狙う。
チェリーピッカーは中央未勝利から15戦14勝2着1回から青藍賞へ挑戦。重賞初挑戦で優勝の快挙をやってのけた。
以降は南部杯8着、絆カップ7着、前走2着と勢いが薄れてきた感もあるが、前走は外枠とスローに泣いた印象。今回はメンバー的に速い流れは確実なら、自慢の末脚を存分に発揮できるはず。
イーグルカザンはそのチェリーピッカーの追撃を完封。積極的なレース運びも功を奏した。岩手3勝は水沢盛岡を問わず1600m戦。ベストの舞台で赤松杯、すずらん賞に続く重賞3勝目なるか。
メイショウオセアンは快速が持ち味だが、最後のひと踏ん張りが足りず岩手未勝利。ここではパンチ力不足は否定できないが、南部杯で岩手最先着7着。控える競馬で活路を開きたい。
◎⑥コウセン
〇③タイセイファントム
▲④チェリーピッカー
△②イーグルカザン
△⑤メイショウオセアン
△⑧ワットロンクン
<お奨めの1頭>
5R ジェネスレーヴ
転入初戦は出遅れながらも5馬身差で圧勝。能力の違いを見せつけた。相手強化感もなく、アッサリ2連勝を飾る