
先週23日(月)は台風の影響で盛岡競馬が中止となった。最近では昨年12月17日、降雪のために水沢競馬が中止になって以来のこと。
最も台風が接近した12時ぐらい、大粒で横殴りの雨が盛岡競馬場を襲ってきた。台風の中心が海上に抜けたといっても暴風雨圏内。
当日は帯広ばんえい、船橋、高知とナイター開催のみ。主催者には苦渋の選択だったと思う。本来は昼間開催を独占できる日だった。
3時ごろには雲の合間から日差しが若干だったが、差した時もあった。風もやんだが、あの状態で競馬を開催して公正確保ができたかどうか。早い時間に中止を決定したのは賢明な選択だったと思う。
不幸中の幸い、21日にOROターフスプリント、22日には不来方賞と重賞2連発を無事に実施。コウセン、キングジャガーの2頭のスターホースも誕生した。詳細は明日報告します。
28日メインは「未知の駒会メンバーズカップ」(B1二組 盛岡ダート1600m)。一筋縄ではいかないメンバーがそろって波乱の要素もたっぷり含んでいる。
ミトノレオは総合力でリード。南関東B3から再転入後、2勝2着2回3着2回。馬券対象から外れたのは2度のみと抜群の安定感を誇っている。
ただ転入2連勝を飾ったが、以降は勝ち切れないレースの連続。内容も悪くないが、最後の詰め甘いのがネック。
前走先着を許したトモジャプリマ、オメガスパーキングが不在なら勝機到来と見るのが妥当。
もちろん決め手に不安を抱え、他もつけ入る余地は十分。次位も迷ったが、筆頭はヒデノホープとした。
中央1戦から再転入6戦目3着から2ヵ月半の休養。休み明け2戦目で2着確保した。前走は4着だったが、走破タイム1分40秒4はミトノレオとは0秒4差。流れ合えば単まで十分。
シエロアスールは中央4戦0勝から笠松で8勝2着8回。先行力と粘りが冴え渡り、岩手2戦目でミトノレオの追撃を完封して快勝。前走は初の盛岡に酌量の余地。コース2度目で反撃必至。
グエンザップは北海道から再転入。相変わらずムラな成績だが、門別でも2勝マークした。盛岡コース3戦凡走から印は△だったが、B1でも勝った実績を考えればアッサリも可能。
コスモメイプルは中央芝3着2回、ダートで2着1回。不来方賞が岩手初戦で11着だったが、プラス16キロと太目残り。叩かれた変わり身さえあれば通用するはず。
◎①ミトノレオ
〇⑦ヒデノホープ
▲④シエロアスール
△③グエンザップ
△⑤コスモメイプル
<お奨めの1頭>
5R パッキーノ
転入後2着2回3着2回は相手が強すぎた。今回はメンバーが大幅に緩和され、絶好の勝機
22日メインは伝統の3歳重賞「第49回不来方賞」(盛岡ダート2000m)。
創設は1969年(昭和44年)。49回は岩鷲賞と並び、最も古い歴史を重ねてきたが、岩鷲賞は創設当初はアラブB級の重賞で実施。その後、アラブ4歳重賞、サラブレッド4歳重賞(いずれも当時:現在表記では3歳)、サラブレッド古馬短距離重賞など何度も条件が変更。
一貫して3歳重賞(表記変更前は4歳)で固定されてきたのは「不来方賞」のみ。岩手版ダービーは不来方賞である―とオールドファンが言うのも当然だった。
それはダービーグランプリが創設されても位置づけは不動だったが、岩手ダービー・ダイヤモンドカップの誕生によって微妙な立場になったきたのは事実。
しかし今年は1着賞金が300万円から500万円に増額され、M2からM1へ昇格。3歳秋のチャンピオンシップ2017にも組み込まれ、復権ムード。
不来方賞の重みを見てきた小生にとってはうれしいことだが、残念なのはベンテンコゾウの回避。キングジャガーとの初対決を楽しみにしていただけになおさら。
菅原勲調教師「爪の状態が思わしくないので大事を取りました。ダービーグランプリ前に一度叩いて臨みたいと思っています」。おそらく賞金的に古馬A級戦。復帰を心待ちしたい。
主軸は当然だがキングジャガー。一方のライバル・サンエイリシャールも戦列を離脱。サバイバル模様を呈する中、キングジャガーの順調度がひと際光る。
やまびこ賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを連勝後、自きゅう舎で夏を過ごした。普通ならば放牧か、早めに使い始めるのだが、板垣調教師は3ヵ月休養を決断。それもキングジャガーにはプラスへ働いた。
復帰戦のイーハトーブマイルは久々に加え、マイル対応が課題だったが、あっさりクリアー。パドックでは風格さえ漂っていた。
その一戦を叩いて不来方賞が当初の予定どおり。2000mも水沢だったが、実際に勝っているのだから問題ない。ほぼ死角なしの大本命となった。
相手筆頭はワイルドソング。中央0勝2着1回3着1回から転入初戦を4馬身差で圧勝。B2では地力の違いが明白だった。
中山ダート1800mで2、3着1回なら2000mは問題なし。東京ダート2100mを使っているのも強調材料となる。
興味深いのは血統背景。ワイルドワンダーの父はブライアンズタイム、母父がサンデーサイレンス。また母はフサイチペガサスの持ち込み馬で母父がディンヒル。岩手で化ける可能性は十分にある。
ダンストンレガーメは牝馬からの挑戦。あやめ賞、留守杯日高賞を制し、ひまわり賞4着。牝馬三冠はならなかったが、前後して岩手ダービー4着、牝馬重賞・フェアリーカップ4着。強豪相手に揉まれてきたことが今回につながるのは確実。
コスモメイプルは前々走・新潟ダート1800mでクビ差2着。2000mも芝だったが、2度経験。前走大敗でも狙ってみたくなる。
ソーディスイズラヴは南関東の実績ではキングジャガーに引けを取らない。初芝・はまなす賞で直線一気を決め、能力の高さを証明した。あとは体重回復を期待するのみ。
ウニオミュスティカの評価に迷うところ。血統は2000m歓迎だし、ダートで2着1回3着5回。当然勝ち負けだが、転入前に短距離、しかも1000m戦を使っていたのが気がかり。△評価が妥当ではないか。
◎⑧キングジャガー
〇⑪ワイルドソング
▲①ダンストンレガーメ
△⑨コスモメイプル
△⑦ソーディスイズラヴ
△③ウニオミュスティカ
<お奨めの1頭>
1R ウバトーバン
移籍2戦目を順当勝ち。タイムはツララに劣るが、前に行きたい馬がそろってハイペース必至。展開も味方する
21日メイン「第7回OROターフスプリント」。当初、色モノに見られていた芝1000m戦だったが、年々評価が上がっている。
前身はオープン特別・きんもくせい賞。2008年まで盛岡芝2400mで行われていたが、2009年から芝1000mへ条件変更。
前後してウメノレイメイ(父ヒシアケボノ)という1000mのスペシャリストが頭角を現し、下級条件から芝ダート1000mで活躍。2009年はオープンの壁が厚く7着に敗れたが、翌年優勝。
これを境に芝1000m戦を多くのファンが支持。名称も「OROターフスプリント」に替わり、栄えある第1回優勝がラブミープラチナ。第2回、3回はライトマッスルが連覇。個性派が続々と誕生し、2014年から全国交流に昇格。現在に至っている。
盛岡芝2400mは小回りのため、どうしても坦々としたペースで推移して上がりの勝負に持ち込まれるのに対し、芝1000mは一瞬のスピードで決まる爽快感がある。それが支持される理由。今年も息もつかせない超スプリントの戦いを期待したい。
主軸にコウセンを指名。父アドマイヤムーン、母グリーンヒルマック(母父ダンシングブレーヴ)。祖母はトウカイの女傑と言われたマックスフリート。兄が全日本2歳優駿を制したビッグロマンスと走る背景は十分あったが、3度の長期休養を余儀なくされて中央2勝・1000万下止まりだった。
岩手転入は今年8月、芝1600m重賞・桂樹杯。5番人気に甘んじたが、後続に0秒6差をつけて圧勝の逃げ切り。2戦目・OROカップでも逃げてロゾヴァドリナの3着。盛岡の芝が完全に合った。
前走は芝1000mがネックだったが、またもや逃げ切り勝ち。OROパークの創設年、カツヤマリュウホーがマークした57秒8の盛岡芝1000mレコードを21年ぶりに更新した。
これは中央芝で活躍したネイティヴハートでも果たせなかったレコード。コウセンは自分で競馬を作って57秒7をマークした。
遠征馬は強力だが、素直にレコード勝ちを信じる手。枠順も4枠なら逃げ切り有望と見る。
サクラゴスペルは中央芝9勝。2015年のスプリンターズステークス2着、京王杯スプリングカップ、オーシャンステークス2度制覇など華麗な足跡。北海道移籍初戦の門別1200mも逃げ切って健在を誇示。
前走・朝日岳賞はオヤコダカが相手に加え、1600mが長すぎた。重賞ハンターで名を馳せる田中淳司調教師がここに狙いを定めた。
ヴァイサーリッターは中央芝1200m4勝。芝1000mも2度経験済み。初戦にダート戦を使って芝1000m・ハーベストカップは青写真どおりだったが、レコード決着にとまどって3着。完敗を喫したが一度でも盛岡芝1000mを使われれば変わってくるはず。
ジョーオリオンは中央ダート1勝、芝1400m3勝。南関東移籍は15年5月だったが、勝ち星から見放されっ放し。しかし3走前の川崎1400mを勝ち、これで吹っ切れたか。
ウインミラージュはハーベストカップ2年連続2着。盛岡芝1000m8戦4勝2着3回と絶対の自信を持っている。しかし昨年5着。交流戦ではワンパンチ不足は否定できず、連下止まり。
それならばエイシンヒートの方が怖い。南関東4勝、重賞・優駿スプリントを優勝。北海道でも門別1200m1勝。芝は生涯初めてだが、陣営は適性ありと踏んだに違いない。
◎④コウセン
〇⑧サクラゴスペル
▲⑩ヴァイサーリッター
△②ジョーオリオン
△③ウインミラージュ
△⑨エイシンヒート
<お奨めの1頭>
7R ロードスヴァローグ
中央未勝利ながら東京ダート1400m・2歳新馬戦で1番人気2着。C1編入は恵まれ過ぎた
★重賞若駒賞はニッポンダエモンが優勝
10月15日に行われた2歳馬の重賞、未来優駿『第37回若駒賞』は、北海道からの転入初戦だったニッポンダエモンが優勝しました。
これがホッカイドウ競馬からの転入初戦だったニッポンダエモンはデビューから5戦目の競馬。逃げた1番人気ブレシアイルをマークする形でレースを進め、直線は粘る同馬を振り切っての勝利でした。
ニッポンダエモンは今年のホッカイドウの3歳二冠馬ベンテンコゾウの全弟ということでデビュー時から注目されており、北海道ではデビューから全て1番人気に推されていました。その兄が昨年勝てなかった若駒賞を制し、次戦予定の南部駒賞では兄に続く兄弟制覇を狙います。
対抗は(11)ラスイエットロス。こちらは5月の同条件レースで4着。今回はその時よりは相手関係が楽になっているように見えますから、あとは大外枠から流れに乗りきれるかどうか?がカギになるでしょう。
三番手は(7)プレシャスギフトを。5月の同条件戦3着はタイム面でやや物足りなさを感じるものの、今回は鞍上が減量騎手で50kgの軽ハンデになります。前回の3着時は54kg。今の前残り馬場なら軽量を活かした粘り込みに警戒すべきでしょう。
JRA勢だけでなく岩手勢も芝実績豊富なだけにヒモを絞り込むのがなかなか難しいですが、敢えて拾っていくならまず(6)メルドオール。昨年10月の来盛時は4着、後方からまくり脚を使った点に注目してみましょう。(9)コアレスフェーブルは8月までJRA500万下にいたのですから今回の遠征勢と格の点で大きな差はないはず。二走前の芝1000mが短すぎただけに変身の可能性は十分あるでしょう。穴ならこれ。
●11Rの買い目
馬単(2)=(11)、(2)=(7)、(2)=(6)、(2)=(9)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/10月16日(対象8R~12R)
8R/評価A: 1番 評価B: 3番 穴:8番
9R/評価A: 1番 評価B: 5番 穴:3番
10R/評価A: 1番 評価B: 6番 穴:3番、4番
11R/評価A: 2番 評価B:11番 穴:7番、9番
12R/評価A: 3番 評価B: 7番、 5番 穴:2番
いきなり本題に入りたい。今年の若駒賞はブレシアイルを頭で買うか、それとも馬券から"消す"かのどちらかしかない。
ブレシアイルは5戦4勝。すべて逃げ切りを決め、トライアル・ビギナーズカップを優勝。前走は今回と同じ盛岡ダート1600mも逃げ切ったが、2戦ともサンエイエンジェルに0秒1差まで詰め寄られている。
そして唯一の黒星が若鮎賞8着。プリヴィレッジが3コーナーからスパートをかけて前が総崩れの展開。結果、最後方にいたベストロードが直線一気を決めて快勝した。
この成績を振り返れば芝ダートを問わず、典型的な逃げ馬。果たしてゴールまで持つか、それとも競りかけられて失速するか。両極端のケースが考えられる。
ただ前走・盛岡マイル戦は最後一杯となったが、タイムは悪くない。今時期の2歳で盛岡ダート1600mで1分40秒を切り、1分39秒8をマークできれば優秀。
確かに馬場は軽かった。雨の影響で重馬場で行われ、平均よりも3秒ほど速かったが、昨年、若駒賞を制したサンエイリシャールの走破タイムが1分40秒8。またトライアル・ビギナーズカップも優勝したが、勝ちタイムが1分31秒2。ブレシアイルは同じ良馬場でビギナーズCを1分31秒1で逃げ切っている。
以上のことから世代レベルは決して低くないことをブレシアイルが証明しており、脚質的な不安を抱えていても本命視が妥当。小生の出した結論は『単勝負』でいく。
サンエイエンジェルはデビュー戦(芝1000m)2着後、ソエが出たため3ヵ月休養。復帰戦の若鮎賞7着はその影響が大きく仕方なしの結果だった。
その後は本来の動きを取り戻して3戦連続でブレシアイルの2着を確保。しかもここ2戦は0秒1差まで差を詰め、完全に射程圏に入れている。
半面、5戦未勝利2着4回と安定はしているが、詰めが甘いのも事実。これが解消されないことには重賞制覇は難しいが、他の陣営もブレシアイルの逃げを指を加えて見てる訳にはいかない。
誰から鈴をつけに行ったら、ブレシアイルは失速する可能性も大。そうなれば差し脚堅実なサンエイエンジェルにもチャンス十分。
プリヴィレッジは前走からブリンカーを着用。その効果もあって芝交流・ジュニアグランプリで2着。直線の叩き合いで北海道モリノラスボスに体をぶつけられたことを考えれば負けて強し。
ただ、見立て違いかもしれないが現状はダートより芝向きの印象。砂をかぶることを気にしなくていい大外はプラス材料だが、ダート克服がカギを握る。
ミズサンゼウスはデビュー3戦目の盛岡ダート1200mを完勝してビギナーズカップへ挑戦したが、モロさを出して2秒3差のしんがり負け。キャリア不足もあったが、コース適性も大きかったか。盛岡に替わった前回を快勝し、軌道修正に成功。今度こそ重賞制覇なるか。
ニッポンダエモンはデビュー2戦目の門別1200m戦を完勝。父がサウスヴィグラス、母スタートウショウといえば兄はベンテンコゾウ。4戦1勝にとどまったが、すべて1番人気。初の左回りで割り引いたが、地区レベルを考えるといきなり勝ち負けに持ち込める。
◎⑤ブレシアイル
〇⑨サンエイエンジェル
▲⑩プリヴィレッジ
△⑦ミズサンゼウス
△⑥ニッポンダエモン
<お奨めの1頭>
4R エルミニョンヌ
転入2戦をハイタイムで完勝。距離が1400mへ延長されたが、問題なし。自身の連勝を伸ばすのみ