松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 9月21日(日)、水沢第8R・3歳C2戦でマジカルキャンディに騎乗した関本玲花騎手が1着。地方競馬通算200勝を達成した。岩手競馬の女性騎手最多勝は故・高橋優子さんの209勝。
関本玲花騎手「シーズン前から200勝は意識していましたし、上半期は順調でした。ただ後半に突入してからなかなか勝てない時期が続きました。特に残り10勝からが勝てませんでしたが、残り1勝からサラッと勝てて良かったと思います。200勝達成で、みんなから"おめでとう"と言われました。岩手競馬の女性記録は209勝ですか。年内には記録を更新したいと思っています」
関本玲花騎手は2019年10月5日デビューで今年6年目。翌々日7日、騎乗7戦目で初勝利を飾り、今回200勝を達成した。高橋優子騎手は1970年にリーディング5位、重賞・日高賞を優勝。1972年にはリーディング4位。関本玲花騎手の記録更新の日を楽しみにしたい。
6日メインA級一組「神無月特別」(水沢1600m)。カギを握るのは一昨年の年度代表馬ノーブルサターンの動向。6月29日以来の実戦で当日の馬体重、状態をしっかりチェックしたい。
本命はボウトロイ。シーズン再開当初は伸びを欠いていたが、4戦目3着から本来の動きを取り戻して続く1戦を快勝。以降も安定した取り口を披露して現在まで2勝2着3回3着2回。前走ではマイペースの逃げに持ち込んで0秒6差で完勝。今季2勝目をあげた。順調度が何よりも強み。軸に打ってつけと言っていいだろう。
ノーブルサターンは中央ダート4勝、南関東1勝(名古屋交流)から転入。過去、重賞を6勝をマークして一昨年は年度代表馬に選出された。昨年は未勝利に終わったが、それでも北上川大賞典2着、シアンモア記念3着、桐花賞3着で健在を誇示。今シーズンは赤松杯3着後は伸びを欠いてみちのく大賞典9着後、休養。3ヵ月ぶりの実戦だが、格でアッサリまで。
スズカゴウケツは南関東から再転入後、着外が続いたが、4戦目を快勝。続いて芝へ連続挑戦していしがきマイラーズ5着、OROカップ7着。盛岡芝適性差も出たが、ダートに戻って前走2着。落ち込みなしをアピールした。実力は昨年、重賞・あすなろ賞優勝でも推して知るべし。2頭をまとめて負かす。
ダブルラッキーは今季初戦こそ4着だったが、以降はすべて3着以上。4勝2着3回3着3回と抜群の安定感を誇っている。ここ2戦2、3着と上限も見え隠れし始めたが、自己能力を出し切って上位争いを演じる。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。着実の白星を積み重ねて水沢1400m重賞・ウイナーカップを快勝。続くやまびこ賞5着、オパールカップ4着に終わったが、目下2連勝中。軌道修正できた。
ユウユウコラソンは昨年1勝のみにとどまったが、今季5勝。充実一途をたどり、重賞・イーハトーブマイルを優勝。今回は不来方賞以来の実戦に加え、小回り水沢がネックだが、成長を続ける3歳馬。古馬も突破の構え。
◎③ボウトロイ
〇⑦ノーブルサターン
▲⑥スズカゴウケツ
△②ダブルラッキー
△①リュウノナポレオン
△⑧ユウユウコラソン
<お奨めの1頭>
2R ゴレイジョウ
中央1勝クラスから転入後、圧巻の3連勝。前走は初の水沢850mも難なくクリアーし、連勝を伸ばすのみ

5日メインはオープン牝馬による重賞「第12回ヴィーナススプリント」(水沢1400m)。第1回から第5回まで水沢1300m重賞で行われ、2018年は取り止め。2019年、2020年は盛岡ダート1200mを舞台に準重賞で実施。2021年から重賞へ再格上げされ、昨年から水沢1400mで行われている。
中心はミニアチュールで不動。過去、重賞タイトル数11個。今シーズンは初戦3着、栗駒賞8着に終わったが、シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。牡馬に交じっても好勝負を演じ、牝馬重賞・フェアリーカップを2秒差で圧勝。ビューチフルドリーマーカップ2連覇へ視界良好だったが、ローリエフレイバーの執拗なマークに遭って5着。地区レベルを見せつけられたが、再び地元牝馬が相手。最内枠1番枠が若干ネックだが、能力の違いは歴然。2連覇に王手をかけた。
レディブラウンは一昨年12月、門別A3級から転入。C1編入にも恵まれて9勝マーク。オープンまで上り詰めた。今季は初戦の白嶺賞2着後は馬券対象にはならなかったが、重賞・早池峰スーパースプリント4着、岩鷲賞4着、JpnIII・クラスターカップ8着。そして前走オープンで3着と持ち味の堅実さを発揮している。ミニアチュールは別格に、このメンバーなら次位は死守する。
ポンヌフは中央ダート2着2回、南関東2着1回、名古屋1勝、金沢を経て転入。通算1勝のみだったが、転入前の金沢重賞・クイーン賞で2着確保。その実績はダテではなくフェアリーカップで3着。2着ケープライトとは0秒1差でオープン通用を証明した。右回り1400mは望むところ。
キャンドルベリーは中央未勝利、大井5戦4勝、中央1勝クラスから転入。3勝2着3回3着5回とすべて3着以上にまとめ、安定度抜群。メンバーは骨っぽくなったが、相手なりに駆けるタイプ。マークを欠かせない。
ピカンチフラワーは冬場に大井2戦を使って再転入。3歳牝馬重賞・あやめ賞を快勝し、イーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着。前走・ひまわり賞は1番人気3着だったが、明らかに距離の壁。1800mが長すぎた。今度は古牝馬が相手だが、水沢1400mがベスト条件。
カリュウは中央ダート2勝。当初は苦戦の連続だったが、前走・水沢850m戦で3着。2着グアドループとはわずか首差負けで今後へのメドが立った。ペース速くなれば決め手をさく裂。
◎①ミニアチュール
〇⑦レディブラウン
▲⑨ポンヌフ
△⑪キャンドルベリー
△③ピカンチフラワー
△⑫カリュウ
<お奨めの1頭>
3R ヴァサヴォワール
転入戦は3着止まりだったが、太め残りも敗因。それでも破格タイムをマークした。ひと叩きされて首位を奪取する

9月28日(日) 「第6回オータムティアラ」(3歳牝馬 水沢1900m)
サンカリプソが好スタートを決め、すんなり先手を奪う。2番手にミナトミナイト、3番手に1番人気クラリティー、4番手外オールニッポン、5番手インにプレシャスアセット。ナムラクレープは外から被せられるのを避け、後方に下げて9番手からの競馬となった。
3歳牝馬には未知の1900m戦。ペースはスローに落ちて2コーナー過ぎからクラリティーが手をしごいて前へ接近。ナムラクレープも徐々に進出した。一方、先行グループはサンカリプソの1馬身後ろをミナトミナイトがピッタリ追走。4コーナーまで持ったままと抜群の手応えで直線入り口で先頭。プレシャスアセットも早めにスパートをかけたが、。ミナトミナイトが4馬身差で完勝。ひまわり賞(オークス)に続いて牝馬二冠を達成した。
1着・ミナトミナイト=高橋悠里騎手
「先行馬がそろっていそうなメンバーだったが、自分は馬のリズム重視。ゲートの出方次第では2、3番手もありだなと考えていた。向こう正面からペースが上がったが、距離を保たせるように心がけた。4コーナーあたりでは勝てるかなと思ったが、直線半ばで外から馬が来た時にもうひと伸びしてくれた。2歳の頃から乗せて貰っているが、とにかく性格が素直。ひまわり賞前のレースを勝ったあたりからレースに対する考え方が変わってきて、ひまわり賞を勝ってさらに精神的に成長したように感じた。これからももっと良くなっていくと思います」
伊藤和忍調教師
「前走(ビューチフルドリーマーカップ)で強い馬にぶつけたのが今回に繋がったと思う。道中の手応えが良さそうだったし、仕掛けてペースが上がったところで後ろも離れたので、これなら大丈夫だという感じで見ていた。やはり春からだいぶ成長したなという感じがする。ここまで成長する馬もそうそういないので、自分も毎回のレースを楽しみに見ている。次走以降はロジータ記念も視野に入れています」
ミナトミナイトは2歳時5戦2着3回。未勝利に終わったが、今季2戦目で初勝利。以降は足踏みが続いたが、3歳B2戦、重賞・ひまわり賞を連勝。一気に素質を開花させた。伊藤和忍調教師のコメントにもあるとおり、前走で古牝馬交流・ビューチフルドリーマーCへ挑戦した経験がプラスに大きく作用。この勝利で3歳牝馬ナンバー1を確定させた。
2着プレシャスアセットは中央3戦とも大敗に終わって岩手入り。初戦2着以降は伸び悩んでいたが、芝をきっかけに覚醒。3歳芝交流・オパールカップで3着に健闘し、3歳B1(盛岡ダート1400m)、JRA交流(芝1700m)を連勝。オータムティアラでも優勝馬とは4馬身差があったが、2着を確保。オルフェーヴル産駒らしい目覚ましい成長力を見せた。
3着ナムラクレープは中央未勝利から高知へトレード。2戦目から連勝を飾って直後に転入。初戦を快勝し、今回2番人気に支持されて3着。メンバー最速の上がりをマークしたが、結果的に先行有利の流れ。ペースにも泣いた印象だった。
今週の岩手競馬
10月5日(日) メイン12R「第12回ヴィーナススプリント」(牝馬オープン 水沢1400m)
10月6日(月) メイン12R「神無月特別」(A級一組 水沢1600m)
10月7日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 水沢1400m)
9月28日に行われた3歳牝馬三冠路線の最終戦『オータムティアラ』は3番人気ミナトミナイトが4馬身差で勝利。ひまわり賞に続いて牝馬二冠を獲得しました。
逃げたサンカリプソの2番手につけたミナトミナイト。鞍上・高橋悠里騎手にとっては「ゲートの出方次第では2,3番手でもいいと考えていた。スタートが決まったのでそのまま馬のリズムで行こうと思いました」とそれも想定の範囲内。2周目の3コーナーで外からプレシャスアセットが迫ってきた時も「馬が見えたらまたひと伸びしてくれた」ミナトミナイトが競り合い寄せ付けず、最後は4馬身まで差を拡げてゴール。ひまわり賞に続いて二冠目を手にしました。
2着はプレシャスアセットが確保、3着には2番人気ナムラクレープが直線浮上する形。4着に7番人気オールニッポン、1番人気クラリティーは5着でした。
早くも9月最終日。秋の水沢開催も後半戦の半ばを過ぎて残すは今日と次週の3日間。盛岡開催に変わればすぐに南部杯ですし、朝晩の冷え込みもはっきりしてきましたし、今シーズン自体も終盤戦に入ってきた印象ですね。
さて9月30日のメインレースは12Rに行われるB1級一組ダート1600mの『アレキサンドライト賞』。本命は(4)タカマキファイブです。
既にお気づきの方もおられるでしょうがこの開催から3歳馬が古馬と同じ格付けに編入されており、このタカマキファイブもここが初の対古馬戦となります。
活きの良い3歳馬が組み込まれて大活躍・・・なのですが、その多くはC級以下の下級条件で、B級やA級になるとベテラン古馬の壁はそれなりに高く厚い・・・というのが例年の傾向。なので3歳馬の本馬がここでどれだけやれるか?は過信はできないのですが、直近のタイムでみてこのメンバーと互角、夏前頃から力を付けて重賞でも2着に食い込むくらいの成長を見せていた点、これらをみれば古馬B1級に入っても通用の期待をかけてみたいもの。逆に言うとこの馬のここでの走りがこの後に続く"上位クラスに入った3歳馬"たちの走りを占う事にもなるでしょう。
対抗は(1)タイセイモンストルを狙ってみます。芝ではもうひと押しが足りなかったですがダートに挑んだ前走が、自身としては二度目のダート戦でしたが、これがなかなか悪くない走り。ダートの長めの距離の方がこの馬の持ち味である粘り強さを活かせそうな手応えがありました。なので距離は、マイルよりもっと長い方がより良いとは思いますが、前走をフロック視するのは危険と考えての敢えての対抗評価。
(9)メイショウタニカゼが三番手。どうしても展開に左右されるタイプ、そして今季は水沢も盛岡もあまり差し馬に優しい馬場傾向ではなかった点は考慮するべき点。時計比較で差は無いようにもっとやれて良い馬。
(6)クリコマも降級してあっさりと強い競馬を見せており、▲にちかい△の一番手。もう一頭は(2)サンエントジアスタ。水沢だと外目の枠の方が流れに乗りやすいのではと考えて印はここまでに留めましたが、力量では全く遜色ない存在です。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(9)、(4)=(6)、(4)→(2)
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9月24日(木)、園田競馬場で「第32回ゴールデンジョッキーズカップ」(全3戦)が行われ、岩手から山本政聡騎手、山本聡哉騎手が参戦した。兄弟ジョッキーの出場は安藤光影騎手、安藤勝己騎手(当時、笠松競馬所属)以来のことだったという。
優勝は矢野貴之騎手(大井)、2位・戸崎圭太騎手(JRA)、3位・笹川翼騎手(大井)。山本聡哉騎手は総合6位、山本政聡騎手は11位に終わったが、同騎手は第3戦目・チャンピオンジョッキー賞(園田1400m)で外枠に入りながらハナを主張。1番人気タンバブショウ(笹川翼騎手)に早めに交わされ、直線一杯となって11着に終わったが、見せ場は作った。全国トップジョッキーとの対決を今後に生かしてほしいと思う。
29日(月)メイン12Rは「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級、水沢1400mの条件で行われ、実力伯仲。展開一つで着順が替わりそうなメンバー構成となった。
タイセイアゲインは中央ダート3勝、JpnI・全日本2歳優駿4着。その後、南関東1勝・A2級から転入。移籍3戦目の水沢1400m戦を快勝。以降は白星から遠ざかっていたが、前走は水沢に戻って首位を奪回。その勝利を含めて水沢1400mは2勝2着1回3着1回とすべて馬券対象。適性の高さを誇っている。格上馬が復活なら連勝濃厚と考えるのが妥当。
コンチトーホクは門別1勝、中央1勝クラス、南関東3勝・C1を経て岩手入り。出走取り消しをはさんで3連勝をマークした。前走2着に敗れ連勝はストップしたが、1着タイセイアゲインとのタイム差は0秒1。水沢コース2度目で逆転を狙う。
アメイジングスターは今季3勝2着2回3着1回。精彩を欠いた時期があったが、近4走を2勝2着1回3着1回にまとめて軌道修正。いい脚を長く使える持ち味が冴え渡っている。流れ速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
パイアイヤーは東京ダート1300m1勝、川崎900m1勝。南関東B3級から転入し、ハイタイムを連発して2連勝を飾った。右回りに若干不安を抱えているが、底見せなし。勢いに乗って3連勝十分。
メイザーキックは前回快勝。中央2着4回、岩手2着7回の成績からデビュー36戦目で悲願の初勝利をあげた。今回は外目の枠順がネックだが、逃げてこそのタイプ。強気に攻める。
ユラノグラフィアは相手なりに駆ける堅実さが身上。3走前、4走前に二けた着順に沈んだが、近2走は連続2着。本来の動きを取り戻した。
◎②タイセイアゲイン
〇⑦コンチトーホク
▲⑥アメイジングスター
△④パイアイヤー
△⑨メイザーキック
△⑪ユラノグラフィア
<お奨めの1頭>
3R ベルレオーネ
中央未勝利に終わったが、東京ダート1300mで4着、転入前の中山ダート1200mで1分13秒5をマーク。C2編入は恵まれた
