松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 11日メインは2歳交流「第52回南部駒賞」(盛岡ダート1600m)。過去10年は北海道勢6勝、岩手4勝。一昨年はフジユージーンが6年ぶりに岩手勢に優勝をもたらしたが、昨年は北海道バリウィールが完勝した。ただ過去10年で北海道優勝馬は1番人気が1頭もなし。七不思議だが、そのデータも頭の片隅に入れて欲しい。
主軸にレヴェルトディオを指名する。デビュー戦はアタマ差2着。勝ったエイシンイワハシルはその後、園田へ移籍して兵庫ジュベナイルカップ、ネクストスター園田と重賞2連勝中。2戦目はハナ差2着に惜敗し、3戦目を順当勝ちした。続く一戦は3コーナーで不利を受けて8着。前走はスタート後につまづいてもアラモに0秒3差2着で能力の片りんを披露。1勝馬だが、狙いは十分に立つ。
アラモはデビュー戦2着に終わったが、2戦目から3連勝。着差的には派手さがないが、きっちり最先着でゴール。相手なりに競馬ができるのが強味。前走も好位キープから抜け出しを決めて完勝。血統面だけではなく、脚質からも1600m延長も問題なし。今回は満を持して重賞へ名乗りをあげた。
ドライブミーホームはデビュー戦でメンバー最速の上がりを駆使して半馬身差2着。2戦目もスタートひと息だったが、決め手を生かして快勝。続く3戦目3着から2連勝をマークしたが、前々走は出遅れがこたえて5着。前走・ネクストスター門別は相手が強く7着ながら1分14秒5は今回、勝ち負けに持ち込めるタイム。
ディオニスはデビュー戦を10馬身差で圧勝。その後は3ヵ月の休養に入り、復帰戦も完勝。続いて重賞・ネクストスター盛岡へ挑戦してラウダーティオの2着。キャリア差も出た印象だった。実戦を使われながら着実に地力アップ。門別勢は強力だが、伸びしろ十分。
ジェイエルビットは水沢850mの新馬戦を10馬身差で圧勝し、2連勝をマーク。続く一戦2着から重賞・若駒賞3着。前々走は超ハイペースがたたって4着に終わったが、首位を奪回。4戦ぶりに勝利を飾り、上昇ムードにのった。今回は距離経験を生かして上位進出を狙う。
ティーズアライトは一貫して1700mのみを使われて初戦2着から2戦目を快勝。以降は伸び悩んでいたが、前々走1000m戦6着から前回1600m戦を快勝。短距離がいい刺激になった。マイル戦は大歓迎。
◎⑩レヴェルトディオ
〇③アラモ
▲⑦ドライブミーホーム
△②ディオニス
△④ジェイエルビット
△⑪ティーズアライト
<お奨めの1頭>
3R ジェイエルライナー
転入戦は3着止まりだったが、4ヵ月ぶりの実戦も影響した。ひと叩きされて気配アップ確実。今度こそ首位を奪取する

今シーズンの盛岡競馬は次週18日(火)で全日程が終了。残すところ2週間となったが、今週も10日(月)~12日(水)までの変則開催。次週は16日(日)から18日(火)の通常開催に戻りますので、お間違いのないようお願いします。
10日メインはB1級「夢・希望 未来へ前進」(盛岡ダート1400m)。直結するのは10月26日、同じB1級・盛岡1400m戦。再戦ムードが漂い、印の序列も前走結果を重視した。
タイセイアゲインは左回りダートでデビュー2連勝を飾り、JBC2歳優駿13着からJpnI・全日本2歳優駿はアランバローズの4着。翌年に1勝を積み重ねて3勝クラスから南関東へ移籍して1勝マーク。今年3月に岩手入りした。当初は水沢で良績を残し、盛岡コースが課題だったが、2連勝で臨んだ前回快勝。盛岡1400m戦を快勝した。
元々がダート2連勝を飾ったのが中京ダート1800m、東京ダート1600m。南関東の1勝2着3回も船橋と左回りはむしろ望むところ。前回1着で盛岡コースを克服できたのが何よりも強調材料。勢いに乗って4連勝に王手をかけた。
ドルズプライスレスは中央ダート3着2回、門別交流2着1回から転入。8勝2着5回の成績を収めているが、強さとモロさが同居。極端な結果が続いていたが、年齢を重ねるごとに脚質に幅が出てきた。半面、勝ち切れないレースが続き、一昨年11月以降は白星から遠ざかっていた。それを払拭したのが前々走1着。2ヵ月半の休養も功を奏し、久々の美酒を味わった。前走2着だったが、タイセイアゲインとは0秒1差。逆転の可能性は十分ある。
パイアイヤーは中央ダート1400m以下で1勝2着1回3着1回から南関東へトレード。1勝・B2級から岩手入りして3勝3着1回。水沢戦は4着に終わり、左回り=盛岡コース向きは明らか。前走は3着だったが、流れも合わなかった印象。多少でもレースが流れてくれれば2頭に割って入るシーンまで。
メイショウイジゲンは3勝クラスから転入。オープン1勝からB1へ降格した前々走の盛岡1400mを逃げ切った。前走は7着だったが、2走ボケと解釈。格比較ではまったくそん色なく、巻き返しに転じる。
アダマスミノルは順調に使われているのが何よりも強み。夏場に調子を崩したが、寒い季節を迎えて状態アップ。前々走3着から前回快勝した。時計比較では見劣るが、上昇ムードに乗っている。
ツルマルベルは好、凡走の落差が激しいのは追い込み脚質のため。届かないケースも多いが、過去実績から1400mがベスト条件。ハイペースで一気台頭。
◎①タイセイアゲイン
〇⑦ドルズプライスレス
▲⑨パイアイヤー
△④メイショウイジゲン
△⑧アダマスミノル
△③ツルマルベル
<お奨めの1頭>
3R テンリッチスマイル
転入戦は3着だったが、相手が強かった。ここでは走破タイムが抜けており、首位を奪取するチャンス

11月2日(日) 「第48回すずらん賞」(オープン 盛岡ダート1800m)
外枠からヒロシクンが好ダッシュを決め、楽に先手を取ってマイペースの逃げに持ち込む。2番手にミニアチュール、3番手外にファルギュラント、4番手インにヘリオス。以下、スズカゴウケツ、シンヨモギネス、ノーブルサターン、ライアンの隊列で進む。
向こう正面でファルギュラント、スズカゴウケツが徐々に前へ進出したが、ヒロシクンのスピードは衰えない。直線を向いて余裕でゴールに入ると思ったが、4コーナーで外に持ち出したヘリオスが強襲。一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前でヒロシクンを捕らえた。
興味深いのはハロンラップ。スタートから12秒6-12秒1-13秒0-12秒5-11秒5-13秒1-12秒3-11秒4-13秒4。前半3ハロン37秒0、上がり3ハロン37秒1。前後半3ハロンからスローペースに一見見えるが、残り1000mで11秒5とピッチアップ。これが影響してヒロシクンが最後で伸び切れなかった。
1着・ヘリオス=岩本怜騎手
「馬のリズムを大事にしたら4番手インのポジションになった。道中はずっとヒロシクンをマークしてレースを進め、直線を向いて前が開いたところで外に出した。徐々にヒロシクンとの差を詰めることができたが、粘り強かったので交わせるか分からなかった。ゴールでも分からなかったが、ボクの馬が根性を出して捕らえてくれた。ボクが乗った感じでは追走が楽になる1800mがベストだと思います」
千葉幸喜調教師
「青藍賞の時は夏負けの影響が尾を引いていたが、涼しくなってというより寒くなって調子が上がってきた。今回、ヒロシクンを破ることができたのは大きい。ジョッキーもうまく乗ってくれた。まずはすずらん賞が目標だったので、今後についてはオーナーと話しあって次走を決めたいと思っています」
ヘリオスは今年一番の大物転入馬。中央8勝、2022年のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯で逃げ粘ってカフェファラオの惜しくもハナ差2着。重賞勝ちこそなかったが、ダートグレードの常連で名を馳せた。高知1戦1勝から注目の転入戦に水沢1400m・栗駒賞を選び圧倒的1番人気に支持されたが、伸びひと息で4着。続くシアンモア記念も4着に終わり前途に暗雲が立ち込めたが、一線級が不在のあすなろ賞(盛岡ダート1800m)を快勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
続くJpnI・さきたま杯は10着、青藍賞4着、マイルチャンピオンシップ南部杯12着。年齢的な衰えかと思わせたが、すずらん賞で見事な復活劇を演じた。今後についてはコメントどおり未定。動向に注目したい。
今週の岩手競馬
11月10日(月) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1400m)
11月11日(火) メイン12R「第52回南部駒賞」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
11月12日(水) メイン12R「ユーカリ賞」(B1級一組 盛岡ダート1800m)
11月2日に行われた古馬オープンの重賞『すずらん賞』。逃げ切りを図るヒロシクンと追い上げるヘリオスの競り合いに。ゴールまで続いた叩き合いを制したのはへリオス、9歳秋にして自身二つ目の重賞制覇となりました。
ダート1800mのすずらん賞、断然の人気を集めたのはヒロシクンで単勝1.2倍。レースも戦前の予想通り、ヒロシクンがハナに立って開幕します。直後にミニアチュール、内にヘリオス、外からはスズカゴウケツらもヒロシクンをマークしますが、逃げるヒロシクンの脚色に衰えは見えず、4角をまわる頃にはこのまま逃げ切り勝ちかと思われました。
しかし残り200m、後続集団から抜け出してきたヘリオスが前との差を一気に縮めてきます。残り100mでも両馬の差はまだ2馬身ほどありましたが追い上げるヘリオスの勢いは止まらず、ゴールまで残り50mを切ったあたりで馬体が並ぶとゴールではヘリオスが僅かに前に。「最後まで勝ったかどうか分かりませんでした」と振り返っていたヘリオス鞍上岩本怜騎手でしたが、ヘリオスがヒロシクンをクビ差捉えて勝利していました。
今年春に岩手に移籍してきたヘリオスは6月のあすなろ賞を勝って9歳にして自身初の重賞勝ちを達成。今回がそれに続いての2つめの重賞制覇となりました。
11月4日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、ダート1000mの12頭立て。本命は(1)オスカーブレインです。
近3走は敗れている同馬ですが、まず水沢は距離にかかわらずイマイチ走らない。盛岡の短距離なら話が変わる馬ですが、前走や3走前は馬場傾向が味方してくれなかったりあるいは相手がかなり強力だったりの分もありましたが1200mも少し長かったように思います。今回の盛岡1000mはこの馬にとって絶好の舞台、加えて1枠1番。この馬本来の走りを見せての逃げ切り勝ちを期待できる条件が整いました。4走ぶりの勝利を期待しましょう。
相手は(3)ゴールドボンドを。こちらは兵庫で実績を積んできただけに右回りの方が良いイメージがまだ抜けませんが、2走前、盛岡1000mで◎の僅差2着の走りを思い返せばここで十分通用するはず。枠順も手頃。三番手に(12)エイシントルペード。大外枠になった事で印は▲としたものの、近走で見せている逃げなくても戦える走りはなかなか魅力的です。スムーズに流れに乗れれば勝ち負けまであっていいと考えておきたいですね。
以下、(2)テングクラブは現級でなかなか勝ちきれないものの近走の存在感は十分に。千二や千四よりこの距離の方が良いでしょう。もう一頭(9)カリュウも差し脚が活きる展開になれば上位食い込み。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(1)=(3)、(1)=(12)、(1)→(2)、(1)→(9)
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2日メインは11月30日、水沢2500mを舞台に行われる重賞北上川大賞典トライアル「第48回すずらん賞」(盛岡ダート1800m)。一昨年まですずらん賞は1600mで行われていたが、昨年から1800mへ延長。準重賞から重賞へ再格上げされた。
ヒロシクンは昨年度の4歳以上最優秀馬。今季は赤松杯から始動し、フジユージーンの追撃を封じて快勝。続いてシアンモア記念も同様に逃げ切りを決め、春のマイル王に君臨した。続いて一條記念みちのく大賞典2連覇を狙ったが、3歳馬リケアカプチーノとの壮絶なマッチレースの末、惜しくもハナ差2着に敗れた。
マーキュリーカップは中央相手で10着に終わったが、夏休み明けの青藍賞でもフジユージーンを完封。2連覇の偉業を達成した。マイルチャンピオンシップ南部杯はスキップし、すずらん賞は予定どおりのステップ。今後、トウケイニセイ記念、桐花賞を目指すためにも今回は負けられない一戦。
ミニアチュールはオープン牝馬重賞・フェアリーカップを優勝。ビューチフルドリーマーカップ2連覇はならなかったが、牡馬相手にシアンモア記念3着、一條記念みちのく大賞典3着。あすなろ賞でも2着を確保した。前走は3着に終わったが、最内1番枠に入り自分の競馬ができなかったのが敗因。盛岡1800mは5戦4勝2着1回と最も得意とする条件。すずらん賞2連覇を狙う。
ライアンは昨年、芝からダート変更のせきれい賞、ファン投票・桐花賞とビッグレースで2勝。今季も2勝をマークしているが、シアンモア記念6着、みちのく大賞典4着。芝・せきれい賞12着と伸びを欠くレース。前走・青藍賞も5着だったが、スローに落とされたのが致命傷。多少でもペースが速くなれば反撃に転じて不思議はない。
スズカゴウケツは南関東から帰郷後、2勝2着2回。芝にトライして5、7着に終わったが、ダートに戻って2着2回から前回快勝。上昇ムードで臨むのが心強い。理想は好位インをキープできること。うまく脚を貯めることができれば好勝負に持ち込める。
ヘリオスは中央8勝。2022年、マイルCS南部杯ハナ差2着の再現を今年狙ったが、衰えを隠せず12着。それでも一戦ごとに調子を上げているのは確か。盛岡1800mはあすなろ賞快勝で適性を証明済み。
ラストマンは中央ダート4勝、南関東A2から転入。初戦7着だったが、矯正具を使用して軌道修正。6勝2着1回と抜群の勝率。過去にマーキュリーカップ5着の実績があり、格負けは一切ない。
◎⑩ヒロシクン
〇⑥ミニアチュール
▲④ライアン
△③スズカゴウケツ
△②ヘリオス
△⑦ラストマン
<お奨めの1頭>
2R ニルカンタテソーロ
前走1000m戦で強烈なまくり脚をさく裂させて1秒3差で圧勝。これで弾みがついてもう一丁いける
