松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 今週から戦いの舞台は盛岡競馬場へ移り、13日(月祝)、「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI)を頂点にクライマックスを迎える。12日メインは2歳重賞「第3回ネクストスター盛岡」(盛岡ダート1400m)。ビギナーズカップを含めて無敗3連勝レジェンドバローズは脚部不安が発生して休養。当面は治療に専念して復帰は来シーズンになるという。
ラウダーティオは新馬戦を1秒8差で圧勝し、2戦目は0秒7差で完勝。続くビギナーズカップはレジェンドバローズとの無敗馬対決で注目を集めたが、1秒2差2着に完敗。加えてパドックから入れ込みが激しく、体力を消耗したことも敗因だった。以降はネクストスター盛岡に照準を絞り、態勢を立て直すことに専念。レジェンドバローズ不在の今回は首位を奪回する絶好のチャンス。
ディオニスは5月、盛岡ダート1000m・新馬戦を1秒6差で圧勝。その後、3ヵ月の休養を経て戦列に復帰。2着に0秒7をつけて完勝。危なげなく2連勝を飾った。前走8月31日、ビギナーズカップがあり、2着ラウダーティオ1分27秒2に対し、ディオニスは1分28秒4。机上の論理では完全に水をあけられたが、休み明けを叩かれて気配アップは確実。逆転首位まで十分。
フォーティチュードは門別・新馬戦2着から2戦目を快勝。4戦1勝2着1回3着1回から岩手入りして初戦をアッサリ逃げ切って好発進を決めた。今回は重賞が舞台。メンバーは骨っぽくなったが、ハイレベル門別2歳戦線で鍛えられてきた経験を前面に、首位争いを演じる。
トゥーナスタディはデビュー2戦目の盛岡ダート1200mを勝ち上がり、芝・若鮎賞、芝交流・ジュニアグランプリで連続2着。JRA・芙蓉ステークスへ挑戦し、しんがり負けを喫したが、好位を追走できたのは収穫。遠征疲れが残っていなければ好勝負必至。
セロームは4戦1勝2着1回3着2回。重賞・ビギナーズカップでは1、2着馬に離されたが、3着を確保した。小柄な牝馬で完成度一目。強力牡馬がそろったが、ここでも持ち味の堅実さを発揮する。
ロジータサンライズはデビュー2戦目の門別1200mを快勝。7戦1勝から転入し、初戦の若駒賞5着。最後方追走から直線で差を詰めただけに終わったが、ワンターンの盛岡の方が合いそうな印象。
◎⑦ラウダーティオ
〇①ディオニス
▲②フォーティチュード
△⑪トゥーナスタディ
△⑩セローム
△③ロジータサンライズ
<お奨めの1頭>
5R プレシャスアセット
岩手の水が合い、JRA交流を快勝し、牝馬三冠目・オータムティアラでも2着確保。オルフェーヴル産駒が一気に素質を開花させた。実績ある芝で首位を奪回する

10月5日(日) 「第12回ヴィーナススプリント」(牝馬オープン 水沢1400m)
リリーコレールが先手を主張し、2番手にチアフルヴォイス、3番手外にドロットニング、4番手インにミニアチュール。その後ろにピカンチフラワー、6番手外にレディブラウン。坦々とした流れでレースが進み、3コーナー手前からレディブラウンが前へ接近。3~4コーナーで逃げるリリーコレールを捕らえ、直線入り口で先頭。そのまま押し切ってチアフルヴォイスに2馬身半差をつけ、重賞挑戦17度目で初タイトルを手にした。
1着・レディブラウン=鈴木祐騎手
「思った以上にスタートが良く、考えていたよりはちょっと前目の位置になった。
レースの流れを見ながら仕掛けていこうとも思っていたが、手応えが素晴らしくいい脚を使ってくれそうな雰囲気。ミニアチュールがちょっと苦しそうな位置にいたから先に動いてリードを取っておこうと早めに仕掛けた。直線に向いてからも最後までちゃんと脚を使い切って走ってくれました」
千葉幸喜調教師
「これまでの重賞で歯がゆい思いをしてきたが、今回はチャンスだと思っていた。鞍上もうまく乗ってくれた調子の変動があまりなく、コンスタントに走ってくれる馬。ここを目標に仕上げてきましたので次戦はゆっくり考えたいが、この先も短距離路線を進むと思います」
レディブラウンは門別1勝から南関東へトレード。浦和・桜花賞で3着に入った実績があったが、久しく勝ち星なし。一昨年12月に岩手へ新天地を求め、9勝2着6回3着2回。相手なりに駆ける堅実さに定評があった。今季未勝利ながら白嶺賞2着、早池峰SS4着、岩鷲賞4着に健闘。今回は最も得意とする水沢1400mで能力をフルに発揮した。
2着・チアフルヴォイスは京都ダート1400m1勝から転入。格付けにも恵まれてあっさり4連勝をマークした。今回は格下からの挑戦、水沢コースも未経験だったが、2番手キープから粘って2着。オープン通用を証明した。
3着・ミニアチュールは前々走の牝馬重賞・フェアリーカップを2秒差で圧勝し、ビューチフルドリーマーカップ2連覇を狙ったが、マークが厳しくローリエフレイバーの5着。今回は地元牝馬の戦いに戻り、メンバー有利と見られていたが、最内1番枠が災い。終始、内に包まれる競馬を強いられ、勝負どころでも反応ひと息。最後は底力で3着を死守したが、レディブラウンに1秒差で完敗。次走に真価を問われることになる。
今週の岩手競馬
10月12日(日) メイン10R「第3回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
10月13日(月) メイン12R「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)
10月14日(火) メイン12R「オクトーバーカップ」(B2級 盛岡ダート1400m)
10月5日に行われた牝馬のスプリント重賞『ヴィーナススプリント』は3番人気レディブラウンが優勝。自身初の重賞タイトルを手にしました。
人気を集めたのはミニアチュールで単勝オッズは1.6倍。しかしそのミニアチュールが1枠1番からのスタートで中盤まで馬群の中から動けなかったのに対しレディブラウンは向こう正面ですんなり外に出して捲っていける位置を確保していました。「手応えが凄く良かったので早めに動いてリードを取っておこうと(鈴木祐騎手)」外3番手から仕掛けた同馬は勢いに乗って4角先頭、そして直線もそのまま後続を寄せ付けないままゴールを駆け抜けて勝利。2歳時から数えて17度目の重賞挑戦、なかなか手に入れる事ができなかった重賞のタイトルでしたが、そんなこれまでが嘘のような圧倒的な強さでの戴冠劇となりました。
2着にはこれが重賞初挑戦のチアフルヴォイスが入り、ミニアチュールはさらに4馬身差の3着まで。このレースでも連覇達成はならず・・・でした。
秋の水沢開催は本日7日まで。前半や終盤はそれなりに気温も高く「秋」という感じがちょっと薄かったですが、ここからは最低気温が一ケタ台になっていくようで秋らしさも急速に強まっていくのでは。
次週からの盛岡開催は初日12日に2歳重賞『ネクストスター盛岡』、2日目の13日には『マイルチャンピオンシップ南部杯』が行われます。盛岡競馬もお楽しみに!
10月7日のメインレースは12Rです。OP・ダート1400mの『スプリント特別』。本命は(2)エスクマを狙います。
前走はマイルの東京カップけやき賞で9着、前々走はマイルのA級二組戦で1着と近走は続けてマイルに出走していますが、その前は1400mで4連勝していたり1200m千でも好走していたりとマイルよりはもうひとハロン短いあたりが良い印象がある戦績でした。短距離重賞で好走している馬もいて相手関係は楽ではないですが時計比較で差はない点に期待してみます。
対抗は(4)ケープライト。こちらも直近2戦は中距離で戦っていますが1400mも苦にしていない戦績です。順調に戦えてきている点も強みになると見てこの評価。
三番手は(3)サンエイウイングを。白星先行ではない近走なのでちょっと目立たないですが短距離ではそれなりの強敵とも大きな差が無く戦えてきており力量は軽視できないものがあるはず。昨年ほどの勢いはないか・・・という今年ではありますがまだ侮るのは危険でしょう。
(5)ロードオブザチェコは重賞でも上位争いをしており実績比較では上位になる存在。過去の戦績からひと叩きして上昇するタイプと考えて今回はここまでの印に留めましたが、この相手関係なら初戦からあっさりも。気配に注目。もう一頭は(7)テングクラブを。なかなか勝つまでに至らないでいますが距離やコース、相手関係にも対応してきている印象。ここで上位に食い込む力はもう備わっていると考えます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(3)、(2)=(5)、(4)=(3)、(2)→(7)
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9月21日(日)、水沢第8R・3歳C2戦でマジカルキャンディに騎乗した関本玲花騎手が1着。地方競馬通算200勝を達成した。岩手競馬の女性騎手最多勝は故・高橋優子さんの209勝。
関本玲花騎手「シーズン前から200勝は意識していましたし、上半期は順調でした。ただ後半に突入してからなかなか勝てない時期が続きました。特に残り10勝からが勝てませんでしたが、残り1勝からサラッと勝てて良かったと思います。200勝達成で、みんなから"おめでとう"と言われました。岩手競馬の女性記録は209勝ですか。年内には記録を更新したいと思っています」
関本玲花騎手は2019年10月5日デビューで今年6年目。翌々日7日、騎乗7戦目で初勝利を飾り、今回200勝を達成した。高橋優子騎手は1970年にリーディング5位、重賞・日高賞を優勝。1972年にはリーディング4位。関本玲花騎手の記録更新の日を楽しみにしたい。
6日メインA級一組「神無月特別」(水沢1600m)。カギを握るのは一昨年の年度代表馬ノーブルサターンの動向。6月29日以来の実戦で当日の馬体重、状態をしっかりチェックしたい。
本命はボウトロイ。シーズン再開当初は伸びを欠いていたが、4戦目3着から本来の動きを取り戻して続く1戦を快勝。以降も安定した取り口を披露して現在まで2勝2着3回3着2回。前走ではマイペースの逃げに持ち込んで0秒6差で完勝。今季2勝目をあげた。順調度が何よりも強み。軸に打ってつけと言っていいだろう。
ノーブルサターンは中央ダート4勝、南関東1勝(名古屋交流)から転入。過去、重賞を6勝をマークして一昨年は年度代表馬に選出された。昨年は未勝利に終わったが、それでも北上川大賞典2着、シアンモア記念3着、桐花賞3着で健在を誇示。今シーズンは赤松杯3着後は伸びを欠いてみちのく大賞典9着後、休養。3ヵ月ぶりの実戦だが、格でアッサリまで。
スズカゴウケツは南関東から再転入後、着外が続いたが、4戦目を快勝。続いて芝へ連続挑戦していしがきマイラーズ5着、OROカップ7着。盛岡芝適性差も出たが、ダートに戻って前走2着。落ち込みなしをアピールした。実力は昨年、重賞・あすなろ賞優勝でも推して知るべし。2頭をまとめて負かす。
ダブルラッキーは今季初戦こそ4着だったが、以降はすべて3着以上。4勝2着3回3着3回と抜群の安定感を誇っている。ここ2戦2、3着と上限も見え隠れし始めたが、自己能力を出し切って上位争いを演じる。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。着実の白星を積み重ねて水沢1400m重賞・ウイナーカップを快勝。続くやまびこ賞5着、オパールカップ4着に終わったが、目下2連勝中。軌道修正できた。
ユウユウコラソンは昨年1勝のみにとどまったが、今季5勝。充実一途をたどり、重賞・イーハトーブマイルを優勝。今回は不来方賞以来の実戦に加え、小回り水沢がネックだが、成長を続ける3歳馬。古馬も突破の構え。
◎③ボウトロイ
〇⑦ノーブルサターン
▲⑥スズカゴウケツ
△②ダブルラッキー
△①リュウノナポレオン
△⑧ユウユウコラソン
<お奨めの1頭>
2R ゴレイジョウ
中央1勝クラスから転入後、圧巻の3連勝。前走は初の水沢850mも難なくクリアーし、連勝を伸ばすのみ

5日メインはオープン牝馬による重賞「第12回ヴィーナススプリント」(水沢1400m)。第1回から第5回まで水沢1300m重賞で行われ、2018年は取り止め。2019年、2020年は盛岡ダート1200mを舞台に準重賞で実施。2021年から重賞へ再格上げされ、昨年から水沢1400mで行われている。
中心はミニアチュールで不動。過去、重賞タイトル数11個。今シーズンは初戦3着、栗駒賞8着に終わったが、シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。牡馬に交じっても好勝負を演じ、牝馬重賞・フェアリーカップを2秒差で圧勝。ビューチフルドリーマーカップ2連覇へ視界良好だったが、ローリエフレイバーの執拗なマークに遭って5着。地区レベルを見せつけられたが、再び地元牝馬が相手。最内枠1番枠が若干ネックだが、能力の違いは歴然。2連覇に王手をかけた。
レディブラウンは一昨年12月、門別A3級から転入。C1編入にも恵まれて9勝マーク。オープンまで上り詰めた。今季は初戦の白嶺賞2着後は馬券対象にはならなかったが、重賞・早池峰スーパースプリント4着、岩鷲賞4着、JpnIII・クラスターカップ8着。そして前走オープンで3着と持ち味の堅実さを発揮している。ミニアチュールは別格に、このメンバーなら次位は死守する。
ポンヌフは中央ダート2着2回、南関東2着1回、名古屋1勝、金沢を経て転入。通算1勝のみだったが、転入前の金沢重賞・クイーン賞で2着確保。その実績はダテではなくフェアリーカップで3着。2着ケープライトとは0秒1差でオープン通用を証明した。右回り1400mは望むところ。
キャンドルベリーは中央未勝利、大井5戦4勝、中央1勝クラスから転入。3勝2着3回3着5回とすべて3着以上にまとめ、安定度抜群。メンバーは骨っぽくなったが、相手なりに駆けるタイプ。マークを欠かせない。
ピカンチフラワーは冬場に大井2戦を使って再転入。3歳牝馬重賞・あやめ賞を快勝し、イーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着。前走・ひまわり賞は1番人気3着だったが、明らかに距離の壁。1800mが長すぎた。今度は古牝馬が相手だが、水沢1400mがベスト条件。
カリュウは中央ダート2勝。当初は苦戦の連続だったが、前走・水沢850m戦で3着。2着グアドループとはわずか首差負けで今後へのメドが立った。ペース速くなれば決め手をさく裂。
◎①ミニアチュール
〇⑦レディブラウン
▲⑨ポンヌフ
△⑪キャンドルベリー
△③ピカンチフラワー
△⑫カリュウ
<お奨めの1頭>
3R ヴァサヴォワール
転入戦は3着止まりだったが、太め残りも敗因。それでも破格タイムをマークした。ひと叩きされて首位を奪取する
