
20日メインは3歳牝馬による地方競馬全国交流「第25回留守杯日高賞」(水沢1600m)。同レースが"GRANDAME-JAPAN"へ昇格したのが2010年だが、岩手勢が優勝したのは2016年サプライズハッピー、2017年ダンストンレガーメの2頭のみ。ほかの13回は遠征馬に凱歌が上がり、現在、7年連続で遠征馬が優勝中。また過去2度優勝実績がある北海道所属馬は、今年も含めて4年連続で不出走。よって今回も南関東優位は動かない。
フリーダムは大井1200m・2歳新馬戦を6馬身差で圧勝。2戦置いて2勝目、一戦置いて3勝目をマークし、南関東牝馬クラシック路線へ名乗り。ユングフラウ賞4着から一冠目の浦和・桜花賞へ挑戦。スタートで出遅れた上、4コーナーで進路をカットされる大きな不利も重なって10着。不本意な結果に終わった。
直近5年で桜花賞から留守杯日高賞へ向かった出走馬は3勝2着2回3着1回。2023年ワイズゴールド、2021年スマイルミュ、2020年ボンボンショコラが優勝を果たしており、黄金ローテーション。待望の重賞制覇に王手をかけた。
モンゲーキララは川崎で3勝をマーク。重賞も3度挑戦してローレル賞、ユングフラウ賞、浦和・桜花賞とすべて9着だったが、その桜花賞では大外12番枠に入りながらも向こう正面で4番手まで進出。結果はともかく内容は悪くなかった。今回はメンバーが緩和され、勝ち負けに持ち込める。
ファーマビューティは門別2勝2着3回から大井へ転入。3戦目を快勝した。以降3戦は着外に終わったが、枠順にも恵まれなかったのは事実。今回は12頭立ての2番枠に入り、コースロスなくレースを進めることができるはず。やはり有力馬の一角を形成する。
スノーミックスは3戦2勝2着1回から今季初戦でスプリングカップへ挑戦。内に包まれながらも4着に健闘した。その内容からトライアル・あやめ賞で1番人気に支持されたが、3コーナーで失速。初めて大敗を喫したが、経験値の差も出た。今度は脚を貯める競馬に徹し、巻き返しに意欲満々。
フタイテンホイールはデビュー4戦目の盛岡ダート1400mを快勝後、JRAへ移籍。芝1本で走ってクラシック路線を目指す強豪と対戦し続けてきた。帰郷後は2戦4着にとどまったが、パワーの要る馬場に手こずっていた印象。軽い走路、馬体回復なら巻き返し必至。
ステイクラッシーはデビュー戦1着、2戦目・若鮎賞3着、3戦目快勝と好発進を決めた。その後は凡走を続け、南関東でも2戦着外から再転入。あやめ賞では差しに転じて2着を確保した。揉まれない競馬ができれば再現まで。
◎⑦フリーダム
〇⑪モンゲーキララ
▲②ファーマビューティ
△①スノーミックス
△③フタイテンホイール
△⑩ステイクラッシー
<お奨めの1頭>
6R マツリダマスラオ
冬期間に去勢手術を施して復帰。体重が大幅に減りながらも前回完勝。これで軌道に乗った
4月15日(火) 「第50回赤松杯」(オープン 水沢1600m)
注目の先手争いは好スタートを決めたヒロシクンが主導権を握った。それを見てフジユージーンは4番手に控える。2番手外にノーブルサターン、内からボウトロイも前へ押し上げる。勝敗を分けた要因の一つが道中のペースだった。
スタートからのハロンタイムは13秒2-12秒4-12秒9-13秒1-11秒5-11秒3-12秒6-12秒7。前半3ハロン38秒5に対し、上がり3ハロン36秒6。ヒロシクンがスローに落とし、マイペースに持ち込んだ。
残り800mからピッチを上げ、ノーブルサターン、フジユージーンも遅れず追走。ヒロシクンは3~4コーナーで若干もたついたが、これはいつものこと。高松亮騎手が了解済みで交わされないように追い続けた。
直線を向いてヒロシクンが一度差を広げ、外からノーブルサターン、さらに大外からフジユージーンが接近したが、クビ、クビの差でヒロシクンが鮮やかな逃げ切りを決めた。
1着・ヒロシクン=高松亮騎手
「ポンと出て貯めを作りかったので、1~2コーナーまでいい形でいけた。向こう正面でペースを上げたのは想定どおり。アオられているように見えたかもしれないが、自分のレースをしただけ。ゴール前は祈る気持ちで追ったが、馬が頑張ってくれた。今日は年度代表馬フジユージーンとの初対決で楽しみにしてくれているファンも多かったと思います。今後も熱いレースを見せていければ、と思っています」
佐藤雅彦調教師
「冬期間は昨年夏と同じく福島の牧場で休養させた。当初はシアンモア記念へ直行する考えもあったが、状態を見て赤松杯から始動を決めた。ジョッキーには指示は出していません。好きに乗ってこい。思いっきり乗ってこいとだけ伝えましたが、勝ってくれましたからね。今回の勝利は大きいと思います。本当にヒロシクンには参りました(笑)。次走はシアンモア記念。今度はヘリオスも名乗りをあげそうですから楽しみです」
ヒロシクンは昨年、中央1勝クラスから転入。B1級であっさり3連勝を飾り、重賞・一條記念みちのく大賞典へ強気の挑戦。鮮やかな逃げ切りを決め、重賞初挑戦でビッグタイトルを獲得した。以降も青藍賞、トウケイニセイ記念と重賞3勝。桐花賞で4着に敗れるまで地元同士の戦いでは負け知らずだった。今回は年度代表馬と4歳以上最優秀馬の初対決に湧き、見事優勝。先輩の意地を見せた。
2着・フジユージーン
昨年、地方競馬全国交流・楠賞(園田)を優勝。ハイレベルの3歳馬がそろった中、力でねじ伏せた。その後は御殿場の富士ファームで休養し、今年2月に帰厩した。今回は初の古馬相手に加え、スローにも泣いた印象。この経験を生かしてシアンモア記念へ臨む。
3着・ノーブルサターン
昨年は未勝利に終わったが、桐花賞で僅差3着。今回も2番手キープから3着に粘り、古豪健在を誇示した。
今週の岩手競馬
4月20日(日) メイン11R「第25回留守杯日高賞」(3歳牝馬・地方競馬全国交流 水沢1600m)
4月21日(月) メイン12R「桜並木賞」(B1級 水沢1400m)
4月22日(火) メイン11R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)
4月を迎えて水沢競馬場にも桜の季節がやってきました!
・・・なんですけども、今週の水沢競馬場向こう正面の桜並木はまだ開花途上という感じ。昨年は4月の2週目の週末に満開になったのですが、今年は3月下旬頃から寒さが戻ってきたこともあってか、日曜日で3分咲きくらい、月曜日で5分咲きくらいか・・・?という咲き具合に留まっているように見えます。
この13日~15日に行われている桜並木一般開放も、この開花状況から次週の末、20日~22日にも行われることになりました。雨が降って寒いながらもある程度は開花が進んでいるので次の週末には満開のピークを過ぎているかも・・・ですが、なんとか保ってくれて、そしてファンの皆さんに桜並木と競馬を楽しんでいただければ・・・。
さて4月15日のメインレースは12Rです。OP級ダート1600mの重賞『赤松杯』。注目の実績馬たちがここから始動。8頭立てですが見逃せない一戦になりました。
本命は(4)フジユージーンです。
昨年の岩手競馬年度代表馬がいよいよ登場。前走後は御殿場で休養し3月に帰厩、シアンモア記念直行になっても良いからじっくりという前提で調整を進めてきたようですが、この赤松杯に出てきたということは態勢は整ったのだと考えていいでしょう。
もちろん大目標はまだまだ先、ここで100%の仕上げということにはならないでしょうし、昨年11月以来の実戦、初の対古馬戦とクリアすべき課題も残っていますが、それでも・・・と期待して当然の存在。ここは順調に発進してほしいと思いつつの本命視。8頭立てにはなりましたがメンバーは近年の重要な重賞競走を制してきている非常に骨っぽい顔ぶれでもあります。ここを突破すればこの先の展望も・・・という意味でもどんな戦いを見せてくれるか注目。
対抗は(5)ヒロシクン。こちらも3月開催ではなく4月になってから始動という前提でじっくり休養・じっくり調整。3ヶ月開くのは岩手では初めてになりますが以前の戦績を見る限りそれほど苦にしないのでは。それでもやはり休み明けのハンデはあるでしょうが、自分の競馬の形がはっきり固まっている馬。ここでもそれを貫くのみ、貫いた先の活路を狙ってくるでしょう。
三番手は(2)ボウトロイをピックアップしてみます。春初戦の気配の良さから白嶺賞で狙ってみましたが1400mはさすがに短かった。マイルならトウケイニセイ記念の僅差2着もありますし、安定したデキの良さに改めて注目してみます。
以下はまず(3)フレイムウィングス。この馬のベストは直線長い盛岡。それは確かですが、水沢でも、勝てないまでも地力の高さで上位に食い込んできています。馬券圏内の争いでなら可能性は十分。そして(7)スズカゴウケツ。昨秋からの南関移籍は結果に繋がりませんでしたが大きな消耗なく岩手に戻って来た模様。勝った昨年のあすなろ賞より相手の歯ごたえ増していますが、気持ちよく流れに乗れれば上位争いくらいは期待して良いはず。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(5)、(4)→(2)、(4)→(3)、(4)→(7)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
本日の小ネタは4月8日(火)、第6R・B1級戦(水沢850m)。1着⑧ビーバリスタ(5番人気)、2着⑨ユキノマツシマ(4番人気)、3着⑦ミルキー(3番人気)、4着①ビッグヒップルーフ(2番人気)で入線。単勝1650円、3連単89360円の高配当が飛び出した。
注目してほしいのは毛色。9頭中4頭が芦毛だったが、上位4着までを芦毛馬が独占した。2010年、阪神ジュベナイルフィリーズで1着レーヴディソール、2着ホエールキャプチャ、3着ライステレスと芦毛が上位3着を独占するなど決して少なくはないケースだが、岩手で1着から4着まで芦毛が独占は珍しいこと。
しかし昭和54年から始まった川崎競馬場のホワイトクリスマス賞はすべて芦毛、白毛。この名物レースと比較されては気が引けてしまうが、あくまでも岩手競馬。個人的には非常に受けた結果でした。
14日メインはA級二組「若草特別」(水沢1600m)。有力馬は3月18日、菫(すみれ)特別、3月31日、春分特別を使った馬が多くある程度は比較しやすい組み合わせとなった。
主軸にゲンパチプライドを指名する。昨年3月、中央ダート2勝2着1回3着3回から転入。いきなり白嶺賞、栗駒賞でゴールデンヒーラーの2着を確保。地方ダートも問題ないことを証明し、3戦目の盛岡ダート1600mで勝利を飾った。続く2戦4着後、JpnIII・クラスターカップへ挑戦。ドンフランキーの7着に善戦した。
以降、青藍賞8着、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯12着から2ヵ月休養。復帰戦を3着にまとめてシーズンを終えた。今季初戦も3着だったが、3ヵ月半ぶりの実戦でレース勘を取り戻していなかった印象。ひと叩きされて今度は首位を奪取する。
サトノミスチーフは北米リーディングサイアー6度の首位に輝いたイントゥミスチーフ産駒。デビュー2戦目のダート1700mを勝ち上がり、芝2600mで2勝目をマークし、今年転入。初戦の菫特別でロングスパートを決めて快勝した。レースパフォーマンスからパワーの要る地方ダート向きの印象。仮に2連勝を飾れれば重賞へ殴り込みをかける可能性も十分ある。
サンエイブレーヴは昨年5勝2着2回3着2回。気難しい面があるため好、凡走の落差が激しいが、集中力が持続すれば強じんな粘りを発揮する。今季2戦6,2着がその典型例。初戦は大外に入り、終始外目を回されて直線一杯。前走は好枠を味方に逃げ粘った。今回も道中の位置取りと流れがカギ。すんなりなら前走の再現まで。
ヤマニンエステルは盛岡8勝に対し、水沢2勝。適性は盛岡だが、今季は差し競馬に転じて3、4着を確保。スピードと粘りが武器だが、今季は安定した取り口を披露している。爆発力はないが、馬券対象の一角としてマークが欠かせない。
タイセイメガロスは強烈なまくり脚が武器。初戦で後方待機策からひとまくり。3角で先頭に立ち、2着を確保した。逆に前走は後方のまま8着。展開に注文がつくが、一発を常に秘めている。
ホッコーライデンはスロースターター。前半は置かれるが、終いの脚はまずまず。脚質的な不利は否めないが、ペース次第で台頭のシーンがある。
◎⑫ゲンパチプライド
〇⑨サトノミスチーフ
▲④サンエイブレーヴ
△②ヤマニンエステル
△①タイセイメガロス
△⑪ホッコーライデン
<お奨めの1頭>
1R マケン
今季初戦のハンデをモノともせず前回完勝。メンバーは骨っぽくなったが、叩かれてさらに良化確実
今週4月13日(日)から7月15日(火)までの約3ヵ月間、千葉県騎手会所属の山本聡紀騎手が岩手競馬で騎乗する。同騎手はご存じの方も多いと思うが、山本政聡騎手、山本聡哉騎手の弟。1992年3月生まれで現在33歳。2012年4月30日、船橋第5R・マチコセンセイで初騎乗初勝利の快挙を果たし、現在まで2908戦177勝。
勝負服は師匠だった故・佐藤賢二元調教師の騎手時代と同じ胴黄・赤ひと山形一本輪・袖緑。岩手の所属は板垣吉則きゅう舎(水沢)。さっそく騎乗開始の13日から第2R・グッドラックガール、4R・ノーブルジャック、5R・チャオコーリー、6R・インディーフィルム、7R・ジャルディブラック、10R・トーアアネラ、11R・ヤマニンビロー、12R・サイタブラウンと計8鞍に騎乗する。
岩手での騎乗は2013年8月14日、クラスターカップ当日4鞍を皮切りにピンポイントで計4回、盛岡競馬場で騎乗したが、水沢競馬場が今回が初めて。そして山本三兄弟のそろい踏みは13日、第6R・3歳C1級。⑦アークメテオ=山本聡哉騎手、⑩スマートラウンド=山本政聡騎手、⑫インディーフィルム=山本聡紀騎手で激突する。水沢競馬場へいらした方は貴重な写真。ぜひ、騎手整列の瞬間を記録してください。
13日メイン12Rはオープン「スプリント特別」(水沢850m)。7頭立てながら白嶺賞組3頭、転入馬2頭、今季初出走、昨年7月以来の久しぶりなど多士済々のメンバー構成。距離も850mへ替わり、波乱の要素も含んでいる。
ラストバリオンは中京ダート1200m1勝、阪神ダート1200m2着1回から南関東へトレード。大井1000mで5勝、川崎900mで2勝をマークしたスプリンター。初戦の白嶺賞は距離実績のない1400m戦に加え、先行馬が総崩れの展開。3角で早め先頭に立ったが、直線一杯8着に沈んだ。今回は距離が850mへ短縮され、流れも先行有利。コース2度目で首位を奪取する。
カタナは前走は走路悪化のため開催取り止め。今回が仕切り直しの一戦となった。昨年10月、オープンからC1級へ降格後5勝3着2回と活躍。オープン復帰初戦となったが、水沢850mは6勝2着1回3着2回と最も得意とする条件。適性を前面にアッサリのシーンまで。
オスカーブレインは快速を武器に2歳時に門別重賞・サッポロクラシックカップ、3歳時に地方競馬全国交流・ハヤテスプリント(盛岡1200m)を優勝。転入後は4戦とも着外に終わったが、自分の競馬に持ち込めなかったのが敗因。今度は7頭立ての少頭数、好枠と好走要因がそろった。
ラピッドベルは中央ダート1200m~1400mで2着3回。園田1230m3勝から再び中央入りし、園田を経て転入。初戦の白嶺賞は9着だったが、先行競馬がベスト。すんなりなら巻き返し必至。
シアーラインは中央ダート1200m~1400m4勝、高知5勝から8ヵ月の休養を経て岩手入り。久々の実戦、12歳の高齢がネックだが、能力検査を使って態勢整った。
◎⑤ラストバリオン
〇⑥カタナ
▲②オスカーブレイン
△①ラピッドベル
△⑦シアーライン
<お奨めの1頭>
7R デザーヴ
中央未勝利から転入初戦をハイタイムで逃げ切って好発進。1400m延長にも対応でき、もう一丁いける