
8月11日(月) 「第30回クラスターカップ」(JpnIII 盛岡ダート1200m)
ハナを主張したのは内枠からエイシントルペード、サンライズアムール、アドバンスファラオの3頭だったが、枠差を利してサンライズアムール、アドバンスファラオ、3番手インにエイシントルペード。その外にキャンディドライヴがつける。
ハロンラップに注目してほしい。12秒3-10秒8-11秒3-11秒4-11秒0-12秒4。鞍上・高松亮騎手が正確なラップを刻んで逃げ、ラスト1ハロンも12秒4でフィニッシュ。絶妙のペースで逃げ切り、外から伸びてキャンディドライヴの追撃をクビ差で封じた。
1着・サンライズアムール=高松亮騎手
「今日は幸騎手の替わりで急きょ、騎乗依頼が来たので手放しでは喜べないが、代役を果たすことができてホッとしている。調教師さんからゲートをしっかり出して揉まれない位置などを取ってほしい。でも出しすぎるのと掛かるところもあるなど細かく教えてくださったので乗りやすかった。ですから腹をくくって最高のレースをしたいと思って臨んだ。ゴール前で後ろから来た音が聞こえたが、最後は鈍っていたので勝てたかなと思った。まだ優勝した実感はないが、サンライズアムールはいい仔でしたし、スタッフもいい雰囲気で送り出してくれましたから、勝ててとてもうれしいです」
小林真也調教師
「爪の問題などがつきまとうが、重賞を勝てるだけの馬だと思っていた。1週前の追い切りはしっかりできたが、そのあと気にするようなところが出て不安もあった。今回、無事に使うことができたし、ゲートもうまく出してくれた。中央のオープンですと斤量を背負うので、クラスターカップしかないと思ってレースを選んだ。まずは一度休みたいと思っているが、今後はGII、GIを進むことができればいいなと考えています」
サンライズアムールはモーリス産駒でデビュー3戦目、芝からダート路線へシフト。ダート1200m7勝、ダート1400m1勝をマークしたが、近走はリステッドレースで重い負担重量を背負って出走。しかし今回は54キロの軽ハンデで出走できたのも奏功。重賞挑戦2度目で初タイトルを獲得した。また高松亮騎手は盛岡で行われたダートグレードでは2023年、マイルチャンピオンシップ南部杯以来の騎乗依頼。その時は最内枠に入り、5着に終わったが、見事雪辱。岩手競馬所属では史上4人目のダートグレード優勝騎手となった。
今週の岩手競馬
8月17日(日) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1200m)
8月18日(月) メイン12R「秋桜賞」(B1級 盛岡ダート1400m)
8月19日(火) メイン10R「第27回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
8月10日に行われたオープン牝馬の重賞『フェアリーカップ』は1番人気に推されたミニアチュールが人気に応えての大差圧勝。現岩手の女王の貫禄を遺憾なく見せつけました。
逃げたコモリリーガルの二番手につけたミニアチュールは「行ければ自分で、逃げを主張する馬がいればその二番手でも良いと思っていました。ただ前の馬に楽をさせないように、そして無理に矯めて自分の馬のリズムを崩さないように(佐々木志音騎手)」という意図から前にプレッシャーをかけながらの番手追走策。その手応えの差はレース終盤に向かうにつれ拡がり、4コーナー回っても持ったままで後続を引き離していきます。最後は大差、鞍上のガッツポーズと共にゴール。準重賞として行われた昨年に続きこのレース二連覇を達成しました。
続いて8月11日に行われたダートグレードレース『クラスターカップ』。こちらも1番人気サンライズアムールがV。急遽乗り替わりで手綱を取った高松亮騎手が嬉しい初グレードタイトルを手にしました。
近年ほどには抜けた馬がいないと見られていた今年のクラスターカップは単勝の上位人気もコロコロと入れ替わる混戦ムード。そんな中で1番人気に支持されたサンライズアムールはスタート直後の先行争いでハナを主張。後続を従えたまま4コーナーを回ります。直線に向いていったんはリードを拡げた同馬でしたが坂を越えて僅かに脚が鈍る。そこへ外から追い上げるキャンディドライヴ、盛り返してきたアドバンスファラオが迫ってきたもののサンライズアムールがクビ差残してゴール。同馬にとっての初重賞制覇、鞍上の高松亮騎手には自身初のダートグレード制覇となりました。
2着には7番人気の門別・キャンディドライヴ、3着には3番人気アドバンスファラオ。2番人気チカッパは4着でした。
8月12日のメインレースは11RのA級ダート1600m『立秋特別』。暦の上では秋が近づく立秋なのですがこの先も気温が高い日が続くようで秋はまだまだ先のよう。ただ、ここのところ日が沈んだあとの夕方や朝方は肌寒いと感じるくらいの気温にもなってきました。遠いようで秋は徐々に近づいてきているのかも。
さてこのレースの本命は(7)シンヨモギネスを採りました。
岩手に転入してここまで2戦、前走の1000m戦はさすがに距離が短かった印象でしたが転入初戦のマイル戦では2着同着、それがこの馬本来の力量でしょう。今回はその時の上位3頭が再び対決。この馬から見ればその時敗れた馬も登場してきていますが、コース経験を積んだ今なら雪辱を狙えると見ます。
対抗は(8)ボウトロイ。昨年春からここまで、重賞ではちょっと苦戦しますがA級特別では掲示板を外していません。以前よりも安定感を増しているとも思える近況を思えば当然軽視はできない存在。
(9)トーセンマッシモを三番手にしましたが、今回はシンヨモギネスの上積みを見込んで本命に採ったのでこの馬を"勝ち負けできる▲"の意味でここに据えたというだけの事。力量は◎○▲拮抗でしょう。そして、今週ここまで雨が多めで湿り気が多い馬場になっているのはこの馬にとって有利な材料にもなりそうです。前走に続いてこの馬が勝利・・・でも何ら不思議なし。
以下は重賞では苦戦も徐々に勢いを取り戻してきていた(6)ドテライヤツ、実績から見て距離は少し長いかと感じますが南関A2で通用するならの(3)ミズワリヲクダサイ。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(8)、(7)=(9)、(8)=(9)、(7)→(6)、(7)→(3)
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11日メインはJpnIII「第30回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)。今年はJRA5頭、北海道1頭、岩手8頭の計14頭で覇を競う。当然と言えば当然だが、馬券対象はJRA5頭、極論すれば4頭に絞ることができる。あとは序列になるだろう。
チカッパはデビュー3戦目からダート路線へシフト。3戦目に初勝利を飾り、昇竜Sで3勝目をマークしてダートグレード路線へ名乗り。兵庫CS2着からJpnIII・北海道スプリントC(3歳限定)を完勝。続いて古馬相手にJpnII・東京盃を快勝。ダート短距離路線のトップグループに躍り出た。JpnI・JBCスプリント(佐賀)はタガノビューティーの強襲に屈したが、4角で先頭に立って2着に粘った。カペラS6着後、リヤドダートスプリントでサウジアラビアへ遠征。後方のまま10着に終わり、帰国初戦のさきたま杯7着。3戦連続で着外続き。左回り対応、復調度合いがカギを握るが、ワンターンの盛岡1200mで復活ののろしをあげる。
サンライズアムールは3歳3月にデビュー。3戦目からダート路線を歩み、いきなり3連勝。翌年に3勝クラスを卒業し、以降も着実に白星を積み重ねて昨年12月、カペラSで重賞初挑戦。超ハイペースの3番手を追走し、直線半ばで先頭。見せ場を作って0秒2差4着。続く2戦は着外だったが、前走・水無月ステークスを快勝。テイエムトッキュウの逃げをきっちり捕らえた。これまで通算8勝。6歳の円熟期を迎え、初タイトルへ王手をかけた。
アドバンスファラオは父が37年ぶりのアメリカ三冠馬アメリカンファラオ。産駒カフェファラオ、ダノンファラオなどで日本でもおなじみ。デビューから一貫してダート1本で走り続け、2戦目の福島1150mを快勝。以降ダート1400m3勝、ダート1200m1勝。ここ3戦は出遅れ、内に包まれるなどの不利が敗因。先手か、すんなり好位を追走できれば持てる能力をフルに発揮。鞍上・笹川騎手の手腕に託す。
ダノンスコーピオンは芝1600mを舞台にデビュー2連勝を飾り、朝日杯FS0秒2差3着。翌年、GIII・アーリントンCからNHKマイルCを連勝。GIホースの仲間入りを果たした。続く富士S3着後、伸びを欠くレースの連続。今年3月からダートに活路を求めてきた。変更2戦目の東京盃では6着ながらメンバー最速の上がりを披露して0秒3差。前走・東海ステークスは9着だったが、自分の競馬が出来ず終い。ダメージが少なかったことから、レース間隔が詰まってもあえて参戦する。
◎⑥チカッパ
〇④サンライズアムール
▲⑦アドバンスファラオ
△⑨ダノンスコーピオン
△⑭ヒビキ
<お奨めの1頭>
2R ナナドリーム
3ヵ月の休養から復帰後、圧巻の3連勝。能力の違いを見せつけている。迷わず追いかける手
10日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"古馬シーズン/ビューチフルドリーマーカップ・トライアル「第26回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
ミニアチュールは3歳時に牡牝馬クラシック四冠を制して3歳最優秀馬、昨年は最優秀牝馬に選出された岩手を代表する強豪牝馬。今シーズンは初戦3着、栗駒賞は8着に終わったが、元々が叩き良化型。3戦目のシアンモア記念を3着にまとめ、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。牡馬相手に互角の勝負を演じてきた。
今回は牝馬限定戦でメンバーが大幅に弱化。昨年も7馬身差で圧勝し、本番・ビューチフルドリーマーカップでは遠征馬を迎撃。2010年マイネベリンダ以来の岩手優勝を果たした。今年も目指すのはトライアルを制し、BドリーマーC2連覇。今季初勝利を飾り、次走に弾みをつける。
軸は不動。相手が難解だが、筆頭にケープライトを指名。2歳時に若駒賞を制し、3歳時にはイーハトーブマイルを優勝。岩手版オークス・ひまわり賞はミニアチュールの2着、やまびこ賞はルーンファクターの2着を確保した。昨年10月以降、白星から遠ざかり、今季も未勝利だが、2着1回3着2回。近走は短距離をメインに使われ、1800m戦は一昨年、やまびこ賞以来だが、2戦2着2回なら問題ない。
ポンヌフは典型的なアメリカ血統。中央ダート1700m2着2回から南関東2、3着1回から名古屋へトレード。4戦1勝2着2回の成績を残し、金沢へ転籍。勝ち星こそなかったが、転入前の重賞・金沢クイーン賞でリケアマロンの2着を確保した。過去実績からコース広い盛岡、距離延長は望むところ。1勝馬だが、上位争い必至。
ブリーザフレスカは中央未勝利から名古屋へ移籍。10勝をマークして重賞3勝。牝馬交流・秋桜賞では遠征馬を迎撃した。今年1月、2着確保後は苦戦を強いられ、岩手でも2戦凡走したが、前走は1000m戦に出走。これを叩いて変わり身を見せる可能性がある。
コモリリーガルは門別代表で園田プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流2連勝。3歳時には岩手・ひまわり賞を逃げ切った。その後、高知、佐賀で未勝利が気になるが、再転入2戦目。相性のいい盛岡で反撃を狙う。
エイシントゥランは盛岡芝1000m・ハーベストカップ3着、芝からダート1000m変更の交流・OROターフスプリントで2着確保。イメージは短距離馬だが、大井1800mを一度経験。再転入2連勝で波にも乗っている。
◎④ミニアチュール
〇⑧ケープライト
▲⑨ポンヌフ
△⑥ブリーザフレスカ
△②コモリリーガル
△⑤エイシントゥラン
<お奨めの1頭>
7R ペイシャケリー
出走取り消し後の転入戦を破格タイムで圧勝。好発進を決めた。同じ1200mが舞台ならもう一丁いける
8月3日(日) 「第39回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡ダート1800m)
オールニッポンが逃げ、2番手にスマイルプラス、3番手ヴァイスウィッチ、4番手外にコックリサン。1番人気ピカンチフラワーは5番手インで脚を貯め、6番手外にミナトミナイト。坦々とした流れのまま直線を向くとオールニッポン、コックリサンが先頭に立ったが、残り200mでミナトミナイトが交わすとあとは後続を離す一方。4馬身差をつけて初重賞を手にした。
1着・ミナトミナイト=高橋悠里騎手
「位置取りは出たなり。同厩の馬が流れを作っていて、すぐ前にピカンチフラワーがいたので道中もいいポジションだった。ペースが上がったところでもしっかり反応してくれて直線で交わしていく時も余裕があって、そこで勝てるかなと思った。今日は強い競馬をしてくれた。精神的にも成長していて、どこからでも競馬ができるのは強みだと思います」
伊藤和忍調教師
「前回の競馬の内容がすごく良かったので期待どおりの結果を出してくれた。前走後はいい意味で平行線。かなり暑かったのでそのケアをしっかりやった。2歳の頃はちょっとメンタル面で弱いところがあったが、3歳になってからレースを使いながら力をつけて精神面でも成長した。この先については状態を見ながらオーナーと相談しながら決めていくつもりです」
8月5日(火) 「第26回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
グロリアスアスペンがハナを主張し、その外にサンカリプソ。外枠に入ったプチプラージュは馬群が開く瞬間を逃がさず徐々に内に入れる。4番手外にエマリオンレイ、内にダックワーズ。プレシャスアセットは7番手を追走した。勝負どころの3コーナーで逃げたグロリアスアスペンに、サンカリプソが脚をひっかけて落馬。そのあおりをエマリオンレイが受けたが、プチプラージュはうまく内に入ってロスなく進出。直線を入り口でダックワーズがグロリアスアスペンを交わしたが、その外からプチプラージュが抜け出し、外強襲プレシャスアセットの追撃も封じた。
1着・プチプラージュ=渡邊竜也騎手
「返し馬の感じでは芝が合うか分からなかった。外枠に入ったたが、うまくいい位置を取れたことも勝因だったと思う」
笹野博司調教師
「地元に適レースがなかったので、未経験でしたが芝に挑戦してみたいと申し込みをした。金沢遠征の反動もなく、いい状態で臨めた。外枠だったが、ジョッキーがうまく内に入れていいポジションを取ったのも勝因。前回、渡邊騎手が騎乗依頼を受けて、いしがきマイラーズ(芝1600m=シャイニーロック))を勝った経験も大きいと思う。今回も同じような位置でレースを進めていましたからね。次走についてはまったく考えていなかったが、今日の勝利で盛岡芝が合うのを確認できたので、チャンスがあればまた来たいと思っています」
今週の岩手競馬
8月10日(日) メイン11R「第26回フェアリーカップ」(オープン牝馬 盛岡ダート1800m)
8月11日(月) メイン11R「第30回クラスターカップ」(JpnIII 盛岡ダート1200m)
8月12日(火) メイン11R「立秋特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)