松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。9月15日(月)「第45回若駒賞」(2歳 水沢1600m)
1番人気セイクリスティーナが絶好のスタートを切ったが、イタズラベガが枠差を利して先手を主張。2番手インにウェズン、その外にジェイエルビット、セイクリスティーナは4番手外をキープした。門別1勝から転入ロジータサンライズは3番人気に支持され、最後方を追走した。
坦々とした流れでレースは進み、3コーナー過ぎからセイクリスティーナがイタズラベガ、ジェイエルビットに接近。プレッシャーをかけながら4角手前で先頭に立ち、あとは後続を突き放す一方。直線は独走状態に持ち込み、2着イタズラベガに6馬身差をつけてゴール。芝重賞2勝に続き、ダートでも圧勝。自身の重賞連勝を3に伸ばした。
1着・セイクリスティーナ=山本聡哉騎手
「ゲートに不安があるので出方次第だったが、いいスタートを切って理想的なポジションを取れた。ペースが流れていたから仕掛けどころを考えていたが、3コーナーで反応を見たらハミを取ったので大丈夫だなと思った。今回もしっかり能力を示せたと思う。あくまでもテンション次第だが、相当レベルの馬だと見ています。ダートも距離もまったく問題ありませんので、今後も楽しみです」
佐々木由則調教師
「テンションが上がる性格なんだが。それがレースでいい方向に出るんでしょうね。今日は速いタイム決着だったから(同厩の)ジェイエルビットに有利かなと踏んでいたが、思った以上に強かった。見た目は迫力がないように映るが、レースセンスがすばらしい。次走はプリンセスカップを考えています」
セイクリスティーナはデビュー戦の盛岡ダート1000mは出遅れもあって2着に敗れたが、2戦目の水沢1300mを1秒6差で圧勝。続いて芝に駒を進めて若鮎賞、交流・ジュニアグランプリを連勝。今回は地元同士の戦いに戻り、6馬身差で圧勝。牡馬はレジェンドバローズ、牝馬はセイクリスティーナが断然のトップを突っ走っている。
ただ課題は気負いすぎること。今回もパドックで当初は落ち着いて回っていたが、徐々に気合いアップ。コースに入ってからさらにテンションが上がったため、山本聡哉騎手は落ちかせるためにゲート前にグルグル周回させていた。加えて今回は大外枠だったため、ゲート入りして直後にスタート。これも勝利を後押しした。次走は2歳牝馬の全国交流・プリンセスカップ。どの枠順を引き当てるか―をチェックしたい。もちろん陣営は織り込み済みだが、正直に言うと気になるところである。
今週の岩手競馬
9月21日(日) メイン11R「第33回青藍賞」(オープン 水沢1600m)
9月22日(月) メイン12R「焼石岳賞」(C1級 水沢1400m)
9月23日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 水沢850m)
9月15日に行われた2歳マイルの重賞『若駒賞』は1番人気に推されたセイクリスティーナがV。芝・ダートをまたいで重賞3連勝を達成しました。
2番人気イタズラベガを先頭として前7頭・後ろ2頭に分かれた形で進んだ序盤、セイクリスティーナは有利とされない水沢マイルの大外枠からのスタートでしたが外3番手を確保。前の集団のやや速めの流れにすんなり乗ります。
3コーナー手前、馬群がさらに割れて3頭-4頭-2頭となったところで外から仕掛けたセイクリスティーナ。終始スリーワイドの位置を回りながらもイタズラベガ・ジェイエルビットをあっという間に突き放してゴール。直線だけで6馬身差、ダートでも強さを見せつける勝利を挙げました。
同馬はこれで4連勝、重賞は3連勝。このあとは10月26日プリンセスカップで再び遠征勢を迎え撃つ予定です。
今週から水沢競馬場に舞台を移した岩手競馬。日中の気温はまだ30度近いこともありましたがお昼頃の一番暑い時間を過ぎればあとはひんやり肌寒いくらいになって、真夏は過ぎたなと感じます。今日16日も日中32度まで上がる予報ですがこの先は急速に秋の気配になっていく模様。東北の夏はついに終わったのか・・・な?
さて予想に行きましょう。9月16日のメインレースは12Rの『夢・希望 未来へ前進』、B1級一組ダート1600mの12頭立て本命は(3)ゴールドモーションです。
岩手転入後は2連勝、いずれも大きな差ではありませんでしたが直線しっかりとした決め手を発揮しての勝利で走破タイム以上の強さを感じさせるもの。前走も緩いペースに落とされながらも差し切っており、横並びの時計比較では不利に見えますが実質は互角と見ていいはずです。今回は初水沢、そしてほぼ1年ぶりの右回り戦。広いコース向きの馬かなと言う印象は確かにありますが、中盤早めに前に取り付いていける機動力を見せており水沢でも対応可能と判断しました。まだまだありそうな伸び代に期待しての本命視。
対抗は(4)ツアーモデル。岩手ではほとんどがマイル戦、コースや馬場状態を問わない堅実な戦績を残してきています。タイプとしては◎と近いもので上がり3ハロンはメンバー最上位クラス、ただ展開に左右され気味な分で僅差の負けもある・・・というのがこの馬のイメージなのですが、◎が上位に食い込む展開になるのならこの馬も同じように・・・を期待していいはず。
(5)タイキクラージュも基本的には決め手勝負タイプ、ここまでなんと7戦連続2着なのは勝ち切れなさの印象も否めないですが、夏までは盛岡・水沢とも差しタイプにあまり有利な馬場傾向でなかったことは考慮していいでしょうし、◎○が好走する展開になればこちらにも、は同様。
以下も(2)ヤマニンビロー、(8)ノースハマナスと差しタイプに重点を置いた印を。先行しそうな馬がマイルは少し長そうな感じでもあり、少々スローになっても自力で前に取り付ける、ある程度早めに動き始めることができるタイプに展開利があると見ました。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(5)、(3)=(2)、(4)=(5)、(3)→(8)
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15日メインは2歳重賞「第45回若駒賞」(水沢1600m)。1着馬から3着馬に11月11日、地方競馬全国交流・南部駒賞の優先出走権が与えられる。ビギナーズカップ上位馬はそろってスキップ。大きな理由は実施時期の前倒し(2022年は9月20日)。例年は10月中旬で1ヵ月ほど早くなった。
本命はセイクリスティーナ。デビュー戦の盛岡ダート1000mは出遅れて2着に敗れたが、続く水沢1300m戦を1秒6差で圧勝。輸送のない地元水沢で持てる能力をフルに発揮した。
3戦目に芝重賞・若鮎賞を選び、鮮やかなまくりを決めて快勝。地方競馬全国交流・ジュニアグランプリでは遠征馬を一蹴。芝重賞2連勝を飾った。ただテンションが上がったため、ゲート内で立ち上がって一瞬ヒヤッとするシーンもあったのは事実。今回はゲート難を解消できるかも陣営の課題となったが、実力は折り紙付き。いずれ対決するであろうレジェンドバローズ打倒に向けて足元を万全にする。
ロジータサンライズは新馬戦4着から2戦目の門別1200m戦を快勝。以降は目だった成績はないが、4走前に門別1600m、転入前は門別1700m(4着)を使って距離対応は問題なし。何よりも激戦区・門別2歳戦線で戦ってきたのが強味。地区レベル比較を考えればあっさり首位まで十分。
ジェイエルビットは500キロの雄大な馬格を駆使してデビュー2連勝。初戦は逃げ切りを決め、2戦目では豪快なまくりを披露した。前走は2着に敗れたが、勝ったラウダーティオはビギナーズカップ2着。初の盛岡も影響したか。今度は2戦2勝の水沢に替わり巻き返し必至。
アドレニコルは東京芝1600m・2歳新馬戦9着から転入。あっさり2連勝を決めた。メンバーは強化されたが、父マクマホン、母父ゴールドシップなら1600m延長は望むところ。岩手2戦とも逃げ切りだったが、控える競馬もこなせる印象。上位の一角を形成する。
キララカはいい脚を長く使えるのが魅力。デビュー3戦目5着以外はすべて3着以上。相手かまわず上位争いを演じている。前走もジェイエルビットとは0秒2差3着。流れが速くなれば、ここでもマークを欠かせない。
イタズラベガはミスチヴィアスアレックスの初年度産駒。デビュー戦タイム差なし2着から2戦目を完勝。芝に替わっても前々走2着、ジュニアグランプリでも3着に健闘した。器用さを兼ね備えている。
◎⑨セイクリスティーナ
〇⑥ロジータサンライズ
▲③ジェイエルビット
△⑦アドレニコル
△⑧キララカ
△④イタズラベガ
<お奨めの1頭>
3R トレイルリッジ
B1級からC2へ降級して1秒4差で圧勝。格の違いを見せつけた。今度は水沢1300mに替わるが、迷わず追いかける手

今週14日(日)から舞台が替わり、10月7日(火)までの約4週間にわたって水沢競馬が行われる。毎回のことだが、開催替わりは手探り状態。前回(6月8日~7月1日)の水沢競馬と比較して時計が速いのか、時計がかかるのか。馬場の内側が有利か外が有利か。手探り状態で臨む。
さらに前開催から格付け再編成され、格上馬が降格。時計比較も単純にできないのが頭を悩ませるところ。一つの例を上げると第1RはC2・850m戦だが、名古屋A級を経て岩手B1から降格2戦目ビップアクア、7月以来の実戦だが、B2から降格エイシンゲッコウが人気を集めるレース。通常のC2戦とは趣(おもむ)きが違い、時計比較が難しい。それでも基準を作ることが先決。馬場が軽ければ50秒台、逆にパワー競馬になったら51秒台以上が想定タイム。
予測展開は外目でもエイシンゲッコウが逃げ、2番手ビップアクア。行った切りが想定だが、そのとおりになるか否か。また1着はどちらか、それとも第3の馬が勝つのか。みなさんも仮説を立てながら馬券検討をしてほしい。
メイン11RはB2級馬による特別「セプテンバーカップ」(水沢1600m)。前走1着馬が3頭いるが、コース替わりも影響しそうなメンバー構成。ひとまず格重視で予想を組み立ててみた。
本命にドテライヤツを指名する。南関東3勝、門別4勝。2022年には瑞穂賞を優勝し、道営記念4着の格上馬。昨年12月に転入し、当初は苦戦続きだったが、赤松杯5着からA級で3着3回。前走からB2へ降格して1番人気に支持されたが、アナザークイーンの逃げ切りに屈して2着。岩手初勝利はならなかったが、今度は右回り水沢が舞台。今度こそ首位を奪取する。
クールファイブは中央ダート中距離2勝から南関東、名古屋B級を経て転入。初戦はC2最下級に編入して完勝。2戦目はB2へジャンプアップしたが、競り合いを制して2連勝。中央2勝馬の実力を見せつけた。直線で鋭く伸びる決め手が武器。ペース速くなれば逆転3連勝まで十分。
ストロングフーヴスは今季1勝3着3回。成績が示すとおり盛岡は3着3回が最高に対し、水沢3勝2着2回。実績の低い盛岡戦を3着にまとめ、得意コースを迎えたのが心強い材料。
アナザークイーンは前走4番人気だったが、絶妙の逃げに持ち込んでドテライヤツ以下の追撃を封じて完勝。前々走は差し競馬で3着だったが、持ち味の先行粘りを披露した。マークがきつくなるが、好調キープ。
テンフェリーチェは岩手デビュー2連勝から中央入り。1勝クラスでは荷が重かったが、里帰り後も2連勝。岩手の水が合う。C2からB2昇級がネックだが、勢いに乗っている。
バインドロックは門別C2から転入戦のB2でクールファイブにタイム差なし2着。クラス通用を証明した。
◎③ドテライヤツ
〇⑥クールファイブ
▲④ストロングフーヴス
△⑤アナザークイーン
△⑧テンフェリーチェ
△②バインドロック
<お奨めの1頭>
2R フェズカズマ
中央ダート短距離2勝から園田を経て転入。最下級C2編入は明らかに恵まれた格付け。初戦からいける

9月7日(日) 「第51回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
逃げが想定されていたザオが出遅れを喫し、4番手外に押し上げる。各馬がけん制し合いながらクイーンカードが先手を取り、2番手に1番人気ミニアチュール、3番手外にローリエフレイバー。マテリアルガールは5番手、2番人気ラブラブパイロは7番手を追走した。
残り1000mでクイーンカードが一杯となって失速。替わってミニアチュールが先頭に立ち、その外をローリエフレイバーがぴったり追走。終始、プレッシャーをかけ続け、4コーナー手前で外に並び、直線入り口でクビ差ほどリード。ミニアチュールも渋太く粘ったが、ローリエフレイバーがラスト1ハロンで振り切り、外から伸びてきたザオ、ラブラブパイロの追撃を封じた。
1着・ローリエフレイバー=野畑凌騎手
「理想の競馬ができたが、最後まで分からなかった。気難しい女の子なので機嫌を損なわないようにレースを進めた。相手はミニアチュールだけ。それを相手にレースを進め、4コーナーで突き抜けると思っていたが、最後は後から詰め寄られました。今日もまだ力を出し切っていない。出し切ってくれれば、もっと強い競馬ができると思います」
月岡健二調教師
「ここ2走はいい競馬ができなかったから、今回勝ててホッとしました。前々走(エンプレス杯)はグレードレース、前走(中原オープン)は男馬が相手。その後はビューチフルドリーマーカップに合わせて北海道のファンタストクラブで休養。リフレッシュして臨めたし、馬はできていた。この馬は切れるというより長くいい脚を使えるタイプ。次走はレディスプレリュード。再度、強豪と戦うが、どのような競馬ができるか楽しみ」
ミニアチュールはトライアル・フェアリーカップを2秒差で圧勝。今季初勝利を飾り、Bドリーマーカップ2連覇を狙って出走。1番人気に支持されたが、ローリエフレイバーに徹底マークされる展開。さすがにラスト1ハロンで一杯となったが、終始プレッシャーをかけられたのは貴重な経験になったはず。次走以降への糧としてほしい。
今週の岩手競馬
9月14日(日) メイン11R「セプテンバーカップ」(B2級 水沢1600m)
9月15日(月) メイン12R「第45回若駒賞」(2歳 水沢1600m)
9月16日(火) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)