松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 7日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"「第51回ビューチフルドリーマーカップ」(盛岡ダート2000m)。今年は遠征馬4頭、地元岩手6頭の計10頭で覇を競う。
ローリエフレイバーはデビュー2戦目から4連勝を飾り、東京2歳優駿牝馬を快勝。翌年は東京プリンセス賞2着。秋にはロジータ記念を優勝した。今年は休み明け2戦目・スプリングヒロインカップ(A1以下)を5馬身差で圧勝。今回の遠征馬をすべて一蹴した。前走・中原オープン10着大敗の評価が微妙だが、以降はレース間隔を開けて立て直しに専念。実績を前面に重賞3勝目に王手をかけた。
ミニアチュールは3歳時、牡牝馬クラシック四冠制覇。昨年はシーズン6戦目から5連勝。ビューチフルドリーマーカップで遠征馬を迎撃。2010年、マイネベリンダ以来の地元優勝を果たし、最優秀牝馬に選ばれた。今季はシアンモア記念3着、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着からフェアリーカップを2秒差で圧勝。待望の今季初勝利を飾り、BドリーマーC2連覇を狙う。
ラブラブパイロは9勝2着5回3着8回。なかなか重賞タイトルを手にできなかったが、昨年7月に門別・ノースクイーンカップを完勝。続いてビューチフルドリーマーカップで牝馬重賞2連勝を狙って参戦。1番人気に支持されたが、ミニアチュールの2着に敗れた。以降は精彩を欠いたが、3走前3着から前々回快勝。今年はノースクイーンC2着から昨年の雪辱を果たす。
ザオは昨年、東海クイーンカップ(名古屋)2着、JpnIII・マリーンカップ3着。古馬編入後はオープンで2戦10着に終わったが、B級で2勝。前走は再びオープン入りを果たし、0秒4差4着に粘った。ペース落ち着けば好勝負に持ち込める。
マテリアルガールは中央未勝利から南関東へ移籍。7勝をマークしてロジータ記念3着。昨年のBドリーマーカップでも3着を確保した。以降は苦戦が続いたが、金沢・読売レディス杯3着で復調ムード。
ケープライトは3歳、ひまわり賞でミニアチュールの2着だったが、2歳時に若駒賞、3歳時にイーハトーブマイルと重賞2勝。昨年10月以降は白星から遠ざかっているが、徐々に良化気配。地の利を生かす。
◎⑩ローリエフレイバー
〇⑥ミニアチュール
▲⑧ラブラブパイロ
△⑦ザオ
△⑨マテリアルガール
△④ケープライト
<お奨めの1頭>
1R キタノセレナード
中央2勝クラス、大井B1から転入し、岩手C2へ編入。格付けに恵まれて地力の違いを見せつける

9月2日(火) 「第57回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)
メイショウズイウンが若干つまづいたが、ほかは一斉。各馬がけん制し合う中、大外からナルカミが馬なりで先頭に立ち、2番手にルヴァンユニベール、3番手外にハグ、4番手にメイショウズイウン。先団4頭から5馬身ほど離れてロードラビリンスが追走。
スタートからハロンタイムは12秒0-11秒5-11秒6-12秒8-12秒9-12秒4-12秒7-11秒8-10秒6-12秒9。リケアカプチーノは経験がなかったハイラップ競馬にとまどい7番手につけるのがやっとだった。
残り3ハロンからピッチが上がり、ハグ、メイショウズイウンがナルカミに接近を図ったが、4コーナーまで持ったまま。直線を向いて鞍上・戸崎騎手がゴーサインを出すと、ナルカミが鋭く反応。10秒6の脚を使い、あとは余裕でゴール。2着ハグに2馬身半差をつけて初重賞を獲得。ダート三冠目・ジャパンダートクラシックの優先出走権を獲得した。
1着・ナルカミ=戸崎圭太騎手
「この馬はフットワークが大きい馬。ごちゃつくと心配だったが、今回は大外だったので問題なかった。ポジションはゲートを出てから。ほかの様子を見ながら併せる形よりもリズムを優先させたら、いいペースで行けた。道中の手応えが良かったし、仕掛けてもまだまだ余裕があったので、強いレースだったと思う。まだ揉まれた経験がないのでそこだけが未知だが、左回りも2000mも特に問題ない。次走も楽しみです」
田中博康調教師
「デビュー2戦後にうちのきゅう舎に来たが、左右のバランスが気になった。それが左回りでパフォーマンスを出せなかった要因だったのではないかと思った。不来方賞を選んだのは左回りでも走りやすいだろうと考えたから。思った以上にしっかり応えてスタミナ、ストライドとも最後まで力尽きなかった。新馬戦をあれだけに勝ち方をするのだから、ポテンシャルが相当高いと思っていた。今回はジャパンダートクラシックから逆算して臨んだローテーション。無事に権利を取りましたから、大井へ行きたいと思っています」
6着・リケアカプチーノはJRAの壁が厚かったが、自身の走破タイムは2分2秒9。気になって調べてみたら2014年、JBCクラシックでコパノリッキーが樹立した2分00秒8の盛岡2000mレコード時、ナムラタイタンがマークした2分2秒6が岩手所属馬での最高タイム。それを考えれば3歳時点でリケアカプチーノは破格タイムで走ったことになり、一條記念みちのく大賞典優勝も納得。入着は果たせなかったが、大健闘といっていいだろう。
9月7日(日) メイン11R「第51回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
9月8日(月) メイン12R「白露特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
9月9日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)
8月31日に行われた2歳馬の重賞『ビギナーズカップ』。岩手では実は今季最初のダートでの2歳重賞となったこのレースはレジェンドバローズが人気に応える完勝でタイトルを獲得。デビューから3連勝、今年の岩手の2歳馬の頂点へ向けて大きく前進しました。
レース前の評価ではレジェンドバローズが単勝1.5倍、同じく2戦2勝で駒を進めてきたラウダーティオが同2.5倍で人気を分け合うような形。レースもこの2頭の一騎打ちの形になりました。
ハナに立って後続を引っ張ったラウダーティオとその先行グループの外目を追走したレジェンドバローズ。3コーナーを過ぎるあたりで並んだこの2頭が早くも後続を引き離し、直線に向く頃に3着以下を5馬身以上離した所での2頭のせめぎ合いに。しかし残り200m、レジェンドバローズが引き離しにかかると差はすぐに拡がってあっという間にレジェンドバローズの圧勝体勢。終わってみれば、このラストひとハロンだけでラウダーティオを7馬身引き離したレジェンドバローズがその強さを見せつける結果となりました。
ラウダーティオもしかし2着はしっかり確保。さらに8馬身離れた3着争いは2頭接戦の末セロームがフォーエバートライをハナ差退け、ネクストスター盛岡の出走権に繋がる貴重な3着を獲得しました。
これで3戦3勝としたレジェンドバローズは次走はネクストスター盛岡へ直行の予定。この馬の強さがさらに際立つか、あるいは追い上げる馬が現れるか?そんな注目度も大きく高まる今回の勝利と言えるでしょう。
9月2日のメインレースは10Rです。今季3つめのグレードレースは3歳馬によるJpnII『不来方賞』。12頭立てで地方他地区からの遠征馬は無く、JRA勢5頭・岩手勢7頭の戦いになりました。今年も1着馬にはジャパンダートクラシックの優先出走権が与えられますが、出走馬の中には現時点で同レースの出走権を確定させている馬はいないだけにこの先を目指す馬にとっては力が入る一戦でもあります。
さてこのレースの本命は(7)ハグを採りました。
ここまで7戦して2勝、敗れた時は大きく敗れている一方で勝った時は僅差でもしぶとい強さを見せている馬。勝っても人気にならずに来ていますが5番人気で勝った鳳雛S、10番人気で4着だったレパードS、どちらもフロック視の必要はない戦いぶりだと見ました。
ごちゃごちゃ揉まれ込んだりするのは嬉しくないタイプですがここでは包まれて動けなくなるような事は心配しなくていいでしょう。であれば距離を気にせず自力で動いていける豊富なスタミナが武器になってくるはず。ヨーイドンの決め手勝負になってしまうと不利。自力で積極的に押し通してしまえば・・・想像しての本命視です。
(5)ルヴァンユニベールが対抗。この馬も大トビでゴチャついた所にハマってしまうと捌けない事があった馬でしたが、前走では馬群を捌いて2着に食い込んできてこれまでとは違う姿を見せました。それが馬場や展開の影響による一戦だけのものなのか馬が成長した分なのか?ですが、後者であればここでも警戒が必要なはず。
(12)ナルカミは3番手としました。他のJRA勢がそれぞれ何度か対戦していて勝ったり負けたりをしてきている中でこの馬だけはちょっと別路線から来た印象。その分、重賞・リステッドクラスでしのぎを削り合ってきた他に比べるとここまでの相手がやや軽めだった印象もあります。左回りは心配しませんが大外枠はあまり良い材料ではないような気もしての▲の評価。
以下はまず(10)リケアカプチーノ。勝ち負けとなるとかなり時計を詰めなくては・・・でしょうがこの馬も当面の課題を前走でクリアしています。まだ時計を詰めていけるはず。(11)メイショウズイウンは先頭に立つのが早いとフワフワするという点を鞍上がカバーしながら強くなってきた印象。ここでも最大の脅威は"盛岡巧者"の鞍上でしょう。もう一頭は(8)ロードラビリンス。前走の敗因はあくまでも不良馬場。本来の立ち回りの巧さでは他と遜色ないはず。(横川典視)
●10Rの買い目
馬単(7)=(5)、(7)=(12)、(5)=(12)、(7)→(10)、(7)→(11)、(7)→(8)
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9月2日(火)、「第57回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)の枠順が発表された。今年はJRA5頭、岩手7頭の計12頭によって覇を競う。
①ユウユウコラソン
②サンロックンロール
③タカマキファイブ
④コックリサン
△⑤ルヴァンユニベール
⑥キングミニスター
△⑦ハグ
〇⑧ロードラビリンス
⑨フタイテンホイール
△⑩リケアカプチーノ
▲⑪メイショウズイウン
◎⑫ナルカミ (印は松尾予想)
昨年はサンライズジパングが3馬身差で完勝。2着カシマエスパーダ、3着にサトノフェニックスが入り、JRA勢が上位3着までを独占。地元期待のフジユージーンは4着に終わった。
今年もJRA勢の優位は動かないが、リケアカプチーノがJRA5頭にどんな競馬ができるのかも焦点。菅原勲調教師「ダイヤモンドカップ(2着)の時はまだ腰がパンとしなかったが、東北優駿で一変した。その後、さらに状態が良くなったので一條記念みちのく大賞典に挑戦したが、ヒロシクン相手に勝利。本物になりましたね。その後は滋賀県の吉澤ステーブルWESTで休養させて8月上旬に帰郷。無事に夏を過ごして順調そのものです。JRA相手だが、電光掲示板に載りたいと思っている。不安より楽しみの方が大きいです」。健闘を祈りたい。
9月1日メインは「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 盛岡ダート1600m)。今開催から格付けが再編成され、クラス移動が激しい。特に最下級C2が顕著だが、このレースも上のクラスから降格組が有利。もちろん、どのレースにも当てはまる。
本命はドテライヤツ。南関東3勝から2022年4月、門別へトレード。同年、重賞・瑞穂賞を制し、道営記念4着。その後も堅実さを発揮して門別4勝後、昨年12月に転入。当初は苦戦を強いられたが、今年は赤松杯5着から3着3回。ようやく岩手の水にも慣れてきた。勝ち味の遅さは相変わらずだが、今回はA級からB2級へ降格。メンバーが大幅に甘くなり、待望の岩手初勝利を飾る。
ストロングフーヴスは今季1勝3着2回。成績が安定しないのがネックだが、前走7着でもタイム差は0秒9。岩手3勝2着2回はすべて水沢戦であげたもの。盛岡コースは3着2回が最高だが、いずれも今シーズンにマーク。揉まれない外枠に入ったのも好材料。
スピリットクークスは今季2勝2着2回。馬券対象が1400m以下に限られているのが気になるが、ここ2戦は1600mで連続4着。距離克服のメドが見えてきた。先行粘りを身上とし、2番枠は絶好。すんなりの流れに持ち込めば残り目十分。
アナザークイーンは中央1勝クラス、大井2勝・B3級から転入。好走が続かないのがネックだが、岩手2勝2着1回3着2回。好メンバーがそろったC1特別・御所湖賞で3着に健闘したのは評価に値する。
ブルーシャトーは南関東C3級から転入後、5戦目から2連勝マーク。C1昇級後は3着2回止まりだが、うまく流れに乗れれば上位進出。
セイウンアーテルは前回快勝。C2からB2へジャンプアップしてメンバー強化だが、好調サイクルをキープ。
◎⑥ドテライヤツ
〇⑧ストロングフーヴス
▲②スピリットクークス
△③アナザークイーン
△①ブルーシャトー
△⑤セイウンアーテル
<お奨めの1頭>
3R スマートセラヴィー
前走、クラスターカップへ出走して最下級C2降格は恵まれすぎた。この相手なら首位を譲れない

8月31日メインは2歳重賞「第43回ビギナーズカップ」(盛岡ダート1400m)。2歳ダート第一弾の重賞レースで、1着馬から3着馬に10月12日に行われる1000万円レース・ネクストスター盛岡の優先出走権が与えられる。
本命はレジェンドバローズにした。昨年のオータムセール出身馬で兄は岩手、南関東で活躍フレッチャビアンカ(父キンシャサノキセキ)。3歳時に東北優駿、不来方賞、ダービーグランプリと3歳重賞3連勝。南関東移籍後も東京記念、金盃を制した。デビュー戦は7月6日、盛岡ダート1000m。あっさり逃げ切りを決め、2着に1秒6差で圧勝。盛岡ダート1000mで行われた2歳新馬戦で初めて1分を切り、59秒4のレースレコードを樹立した。
2戦目はゲート内で暴れていた時に開いたために出遅れ。それでも2番手まで押し上げて0秒7差で完勝。反応ひと息のシーンもあり、課題を残す内容だったが、それでも勝つのが実力の証。ラウダーティオも強力だが、スケール上位の見方。3連勝を飾り、ネクストスター盛岡へ弾みをつける。
ラウダーティオはレジェンドバローズから2週間後にデビュー。4番人気に甘んじたが、エンジンの違いを見せて逃げ切り圧勝。2着コンバットスネルに1秒8差をつけた。2戦目も1番人気に支持されなかったが、4コーナーまで持ったままで3角で早々と先頭。圧巻の2連勝を飾った。馬場は違うが、走破タイム1分27秒7はレジェンドバローズを0秒1上回るもの。レジェンドバローズが9頭立て9番枠に対し、ラウダーティオは2番枠。主導権を握る可能性が高く、逆転首位まで十分。
セロームは下河辺牧場生産で叔父にマイルチャンピオンシップ(GI)優勝ダノンシャークがいる良血馬。デビュー戦の芝1000mは3着止まりだったが、2戦目の盛岡ダート1400mを0秒9差で圧勝。これで弾みがついたと見て間違いない。
コンバットスネルは能力検査で水沢850m51秒4の破格タイムをマーク。当然のように1番人気に支持ざれたが、ラウダーティオに完敗2着。2戦目はレジェンドバローズの0秒8差3着と上位2頭との水は開いているが、3着候補は横並び。この馬も馬券圏内に位置する。
フォーエバートライはデビュー戦で出遅れながらも0秒9差で逃げ切り勝ち。2戦目は初の水沢輸送がこたえてマイナス21キロ。結果も7着だったが、地元に戻って3、4着に反撃。折り合いに課題を抱え、今回はメンコを着用。効果が出る可能性がある。
デンコウセッカは芝1000m・新馬戦を快勝。2戦目の芝重賞・若鮎賞は6着に終わったが、3戦目は出遅れもあり後方からの競馬で3着。ダート未経験だが、タワーオブロンドン産駒ならこなせる素地はある。
◎⑨レジェンドバローズ
〇②ラウダーティオ
▲④セローム
△③コンバットスネル
△⑤フォーエバートライ
△⑥デンコウセッカ
<お奨めの1頭>
6R ペイシャケリー
中央未勝利から転入後、ハイタイムで2連勝中。今度は1400mに舞台が替わったが、問題にしない
