松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。7月20日(日) 「第38回やまびこ賞」(3歳オープン 盛岡ダート1800m)
リュウノナポレオンが逃げ、圧倒的1番人気に支持されたサンロックンロールが早くも2番手につける。3番手外に2番人気ユウユウコラソン。距離も意識してスローの流れとなった。以下、ジーニーキック、マルケイロジャー、サウザンドマイル、ユウユウスプレマン、タカマキファイブ。
道中の隊列はほぼ変わらなかったが、4コーナー手前でユウユウコラソンが一杯。直線を向いてサンロックンロールがリュウノナポレオンを交わし、残り200mで後続を突き放す一方。2着タカマキファイブに8馬身差をつけて初重賞を獲得した。
1着・サンロックンロール=山本聡哉騎手
「自分で競馬を作りたいと考えていたので中団より前をイメージしていた。今回は状態も良かったし、二の脚を使ってくれたので2番手を取ることができた。後ろにユウユウコラソンがいましたからね。ほぼほぼいい位置だったと思う。ハミを噛んで道中の手応えも良すぎたので最後が心配だったが、しっかりと伸びてくれた。自分自身も昨年8月以来の重賞でしたから、とてもうれしい」
菅原勲調教師
「オーナーがわざわざ応援に来てくれた中、勝つことができてホッとした。内容的にも満足がいくものだった。まだ成長途上なので今後の伸びしろも楽しみ。これで不来方賞の権利を獲得できたが、一度使うと反動が大きいタイプ。ひとまず視界に入れながら、あとは状態を見ながら次走を決めたい」
7月21日(月) 「第29回マーキュリーカップ」(JpnIII 盛岡ダート2000m)
昨年同様、ヒロシクンがハナを主張し、メイショウフンジンも譲らない構え。2頭は3番手以下を5馬身以上も離した。3番手にクラウンプライド、4番手インにライトウォーリア、ディープリボーン、外セラフィックコール。2番手グループからさらに7、8馬身ほど離れてカズタンジャー。
3コーナーでヒロシクン、メイショウフンジンが失速。クラウンプライドが馬なりで先頭に立ち、直線を向いてセーフティリードを取ったが、残り100mで一杯。3コーナー過ぎからスパートをかけたカズタンジャーが強襲。ゴール手前できっちり差し切り、オープン昇級2戦目で重賞タイトルを手にした。
1着・カズタンジャー=川田将雅騎手
「よく届いてくれた。本人が進んでいく気がないので、促すようにしても1コーナーであの位置。気分よく走れるように2000mずっと動かし続けた。前回みたいにゲート内でイライラするところがなく待ってくれて、状態ははるかにいいなと思った。前半は進まなかったが、勝負どころから動いたので、あとはしっかり捕まえてくれと追い続けた。今回は54キロにも恵まれて、その分こちらが勝てた。気難しいが、重賞を勝てる馬。もっとやる気を出すように意識を変化させてあげたいと思います」
新谷功一調教師
「現状、地方競馬なら盛岡がベスト。選定馬発表の時点では補欠だったが、繰り上がりを待っていた。もちろんほかの馬の動向も把握していたし、抜かりなく調整を進めていた。前走は使い詰めで馬の気持ちが後ろ向きだったが、短期放牧でリフレッシュできたのも良かった。次走については未定。理想は東京ダート2100mだが、コース広い大井競馬場もいいかなと思っている。今回で賞金加算ができましたからね。じっくりレースを考えて選択したいと思っている。クラウンプライドは佐賀記念後、山元トレセンで完全リフレッシュ。今回の結果で復活の手ごたえをつかんだので、次はコリアカップ(3連覇)を目指したい」
今週の岩手競馬
7月27日(日) 第10R「第47回せきれい賞」(オープン 盛岡芝2400m)
7月28日(月) 第12R「大暑特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
7月29日(火) 第12R「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
7月21日に行われたダートグレードレース『マーキュリーカップ』は1番人気に推されたカズタンジャーが直線末脚を伸ばしきって勝利。自身初の重賞挑戦でタイトルを掴み取りました。
戦前の想定通りヒロシクンとメイショウフンジンが激しく競り合う先行争い。その二頭を向こう正面で捉えた後続勢からまず抜け出したのは昨年の覇者クラウンプライドで、その時点ではカズタンジャーは馬群の中団、先頭からは10馬身ほど差のある所。
昨年のように直線抜け出したクラウンプライド、しかし外から追い上げてくるカズタンジャーが一完歩毎に差を詰め、そして捉えて交わした所がゴール。
当初は補欠選定だったカズタンジャーでしたが「他の馬の動向もチェックしながら出走できる前提で調整は抜かりなくやってきていた」と管理する新谷調教師。次走は「コースを選ぶ馬だから良い条件を探して考えたい」とのことでした。
7月20日に行われた3歳馬の重賞『やまびこ賞』はこちらも1番人気の支持を受けていたサンロックンロールが人気に応えてV。そしてこちらも自身初の重賞制覇となりました。
道中は2番手から競馬を進めたサンロックンロール。「ある程度前でとは思っていたが2番手は想定以上に前。いつもより前に出る気持ちが強かったのでちょっと心配しましたが、今日は強い競馬をしてくれました(山本聡哉騎手)」。直線は後続を全く寄せ付けない8馬身差の圧勝。リケアカプチーノとの再戦に向けて強烈アピールの勝利でした。
7月22日のメインレースは12Rに行われる2歳芝の重賞『若鮎賞』。今年はここまで順調に行われている芝でのレースですが、2歳の芝戦はここまで1戦しか行われていないため出走馬のほとんどが「芝は未経験」で挑む形になっています。
今年は昨年の今頃とは全く反対に空梅雨、ここまで雨がほとんど降っていない状態で、おかげで芝も良い状態を保っています。例年よりも短めに刈り込んでスピードの出る馬場、前残り傾向が強い印象があるのもそのせい。若鮎賞でも、過去の勝ち馬はスピード性能の高さが芝適性云々を上回っていた印象があります。芝未経験でもスピードを優先しての評価がベターでしょう。
ということで本命は(4)ポデローサです。
ここまで3戦して1賞2着2回。もうひと押し勝ちきれなかった結果ではありますが前走は実力馬にこそ敗れましたが自身の後ろは7馬身引き離しており地力の高さ、スピードは現時点での世代上位と言えるでしょう。軽い脚さばきから芝をこなせそうな印象がありますし、芝になれば距離も対応できると判断しての本命視です。
対抗は(12)セイクリスティーナ。前走の水沢ダート戦では今回も戦うライバル達を10馬身ちぎって勝っており力量比較では上位に。芝も合いそうな走りを見せています。課題は大外枠ですが、ゲートの中で落ち着かない馬ゆえに最後の枠入りになる大外は好都合。
(11)ジュエルレジーナが三番手。こちらはこれまでの戦績からするとまずはここで通用するかどうか?なのですが、血統や走りぶりから芝での変化に期待して狙ってみます。
以下、(10)デンコウセッカはメンバー中唯一の芝での新馬戦勝ち馬。経験や適性で一歩リードしているのは間違いない存在。ただ走りの印象からは短距離がベストかと考えて印は4番手。
もう一頭は(9)トゥーナガラリエ。この馬も戦績からはあまり強気にはなれませんが、芝は合いそうな印象ですし、なにより距離が伸びても相手なりに戦える強みがあります。伏兵として評価してみたいですね。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(12)、(4)=(11)、(12)=(11)、(4)→(10)、(4)→(9)
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21日メインはJpnIII「第29回マーキュリーカップ(メイセイオペラ記念)」(盛岡ダート2000m)。今年は昨年の覇者であり、海外3勝クラウンプライド、JpnIホース・ライトウォーリア、JpnII2勝セラフィックコール、生きのいい上がり馬など多士済々のメンバー。10頭立てながら非常に楽しみな一戦となった。
セラフィックコールはデビュー戦から圧巻の5連勝。GIII・みやこステークスも制した逸材。続くチャンピオンズカップは10着に終わったが、ダイオライト記念を0秒8差で圧勝した。以降3戦は5着が最高。G/JpnIの壁は厚かったが、今年3月、ダイオライト記念2連覇を果たした。前走・名古屋グランプリ6着だが、水の浮く極端な不良馬場と名古屋が合わなかったか。コース広い左回り=盛岡に替わって首位を奪回する。
ディープリボーンは実戦を使われながら着実に地力アップ。これまで12戦5勝2着3回。前々走、プロキオンステークスへ挑戦して8着だったが、ブリリアントSで競り合いを制し、オープンの壁を突破した。マーキュリーCとブリリアントSの連動性は高い上実績馬が58キロ以上を背負うのに対し、54キロで出走できるのが魅力。初重賞を制し、秋のビッグレースにつなげたい。
クラウンプライドは昨年、かしわ記念12着から参戦。超ハイペースの中、2番手を追走し、ゴール前は一杯となったが、後続の追撃をしのいで優勝。コリアカップ2連覇の偉業達成につなげた。気になるのは佐賀記念の大敗だが、以降は体調回復に専念した。盛岡ダート2000mは3歳時・JBCクラシック2着、昨年マーキュリーC1着と相性抜群。復活を賭ける。
カズタンジャーは4勝2着3回3着6回。近走は追い込みに徹し、2勝2着1回3着1回。前々走はダート2100mで驚異の上がり34秒9の脚を駆使して一気突き抜けた。前走はスレイプニルSへ駒を進めてアタマ差2着に敗れたが、オープンクラスでも通用を証明。ペースが速くなれば自慢の切れを発揮。
ライトウォーリアは中央ダート5勝から2022年、川崎へ移籍。南関東重賞3勝からJpnI・川崎記念を優勝。2024年度のNAR年度代表馬に選出された。以降は勝ち星から遠ざかっていたが、前走・大井記念を快勝。久しぶりの勝利を飾った。59キロのトップハンデを背負うが、完全復活して参戦する。
メイショウフンジンは地方ダートグレードを主戦場に走り、今年2月に佐賀記念を快勝。重賞挑戦14度目にして悲願のタイトルを獲得した。マーキュリーCは過去3度参戦して7、3、8着。昨年は1番人気に支持されたが、ヒロシクンに出鼻を叩かれて8着。今年こそマイペースの逃げに持ち込んで雪辱を果たすか。
<お奨めの1頭>
4R ダークファンタジー
南関東C2から転入戦をハイタイムで完勝。能力の違いを見せつけた。同じ1200m戦ならもう一丁いける
20日メインはJpnII・不来方賞トライアル「第38回やまびこ賞」(盛岡ダート1800m)。1着馬に優先出走権が与えられる。今年は1着賞金が700万円にグレードアップ。昨年、500万円、一昨年まで350万円。2年前に比べると1着賞金が倍増された。なお、やまびこ賞は10R(発走17時35分)ですのでお間違いのないようお願いします。
サンロックンロールは門別1100m・新馬戦2着。1着エイシンハリアーは園田移籍後、兵庫ユースカップ優勝、ネクストスター西日本はジュゲムーンの2着の強豪。以降は6ヵ月あまりの休養を経て佐賀へ移籍。圧倒的な強さで4連勝を飾った。続く一戦で出遅れた上、初の1750m延長もこたえて3着。直後に岩手入りして初戦を快勝し、東北優駿2着。リケアカプチーノに離されたが、初の2000mもこなした。今回は同厩リケアカプチーノは不来方賞へ直行するため絶好の勝機。重賞初制覇に王手をかけた。
ユウユウコラソンは岩手2勝から冬場に南関東へトレード。3戦を使って里帰りして2戦目から3連勝。イーハトーブマイルも制し、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。メンバーが強化された東北優駿でも3着に踏ん張って成長をアピールした。前走・ハヤテスプリントは1200mの忙しい競馬が合わず6着。今度は適距離1800mに替わるのは好材料だが、カギは前走のダメージが残っていないかどうか。調子キープなら好勝負必至。
サウザンドマイルはデビュー3戦目、芝からダート変更した若鮎賞を1秒差で圧勝。ネクストスター盛岡2着後、骨折が判明して休養に入ったが、今年5月に復帰。2戦連続4着だったが、一戦ごとに立ち直り気配。得意の盛岡、状態アップと好走要因がそろった。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。5戦2勝2着2回からウイナーカップへ挑戦。鮮やかな直線一気を決めた。晩成型を多く輩出するレイデオロ産駒。弾みついて重賞2連勝を狙う。
キングミニスターは門別在籍時、芝からダート変更の交流・ジュニアグランプリを優勝。南関東移籍後は精彩を欠き、岩手入り後も3戦連続3着。伸びを欠いているが、徐々に良化ムード。
タカマキファイブは昨年1勝のみにとどまったが、今年2勝2着1回。ここにきて成長ぶりが目を引き、前回も完勝。メンバーは一気に強化されたが、マーク欠かせない。
◎⑦サンロックンロール
〇⑫ユウユウコラソン
▲⑨サウザンドマイル
△③リュウノナポレオン
△⑪キングミニスター
△⑩タカマキファイブ
<お奨めの1頭>
11R レライタム
B2級とは言え、実質A級のメンバーがそろって楽しみな一戦。レライタムは南関東3勝から転入し、初戦を9馬身差で圧勝。一躍、注目の1頭となった

7月13日(日) 「第57回岩鷲賞」(オープン 盛岡ダート1200m)
スプラウティングは包まれることを嫌い手をしごいて先手を主張しようとしたが、外からエイシントルペード、ロードオブザチェコのスタートダッシュが上回った。それを見てスプラウティングは3番手に控え、ウラヤは中団を追走した。エイシントルペードは直線を向いて遊びながらも先手を譲らず、そのままゴールへ。ウラヤはメンバー最速の上がりを駆使したが、1馬身差及ばなかった。
1着・エイシントルペード=山本聡紀騎手
「この馬の場合、ゲートを出てみないと分からないタイプだが、前走よりうまく出てくれたので行きたいと思った。早池峰(SS)で相手関係がある程度は把握していたので、あとは馬の気持ちが持続するかだけ。4コーナーで2番手が離れたら遊んでいた。気性的に難しくてハミをカチッと取らないので直線ではフワフワしていたが、後ろからくるとまた伸びますからね。そのまま押し切ってくれた。今日の感じからすると1200mぐらいがベストだと思います」
板垣吉則調教師
「ゲートは決して速い訳ではないが、二の脚がいい。できれば行ってほしいと思っていたら行ってくれたので、勝てるかなと思った。園田はテンが速いのでなかなか自分の競馬をさせてもらえなかったが、岩手2戦とも自分の競馬ができたのが勝因。今日のレースを見ると1200mがベスト。クラスターカップの優先出走権を獲得したが、次走についてはオーナーと相談して決めたい」
7月15日(火) 「第5回いしがきマイラーズ」(オープン 盛岡芝1600m)
大外からグレートキャンベラがハナを主張し、2番手にソルエストレーラ、3番手にスズカゴウケツ。シャイニーロックはその3頭の動きを見ながら4番手インに控えた。2コーナーを回り、スローの流れを見てカナオールウェイズが一気に進出。2番手まで押し上げてペースを上げる。直線を向いて内から外に出したシャイニーロックは鋭く反応。あっと言う間に突き抜け、6馬身差で圧勝した。
1着・シャイニーロック=渡邊竜也騎手(笠松)
「ハナに立つことも少し考えたが、きゅう舎スタッフから馬のリズムで運んでほしいと言われたので、無理せずリズムを優先させた。途中でムキになるところもあったが、それは想定内。うまく折り合いがついて我慢してくれた。3コーナーでも脚が貯まっていたから、どこからでも動ける手応え。直線でうまく外に出したら弾けてくれた。JRAで何度か芝は経験したが、盛岡芝は初めて。芝で弾けてみたいと思っていたから、勝つことができて最高の気持ちです」
佐々木由則調教師
「格下からの挑戦だったが、芝は走ると思っていたので申し込んだ。思った以上に体重が減っていたのは暑さの影響もあったが、今日は芝だったので逆に良かったのかもしれない。盛岡の芝が合うことが確認できましたからね。また芝重賞に挑戦してみたいと思っています」
今週の岩手競馬
7月20日(日) メイン10R「第38回やまびこ賞」(3歳 盛岡ダート1800m)
7月21日(月) メイン12R「第29回マーキュリーカップ(メイセイオペラ記念)「JpnIII 盛岡ダート2000m)
7月22日(火) メイン12R「第26回若鮎賞」(2歳 盛岡芝1600m)