
5月4日(日)「第45回ダイヤモンドカップ」(3歳・東日本交流 盛岡1800m)
バリウィールが先手を取り、2番手に1番人気シーソーゲーム、3番手外にアサマ、4番手インにリケアカプチーノ、5番手ゴールドモーニン、内にラヴェイ。スタートから13秒0-11秒8-13秒9-13秒1。バリウィールがスローペースに落とし、前半は団子状態だったが、5ハロン目から12秒6-12秒4-12秒2-11秒2-13秒0。一気に流れが速くなり、バリウィールは厳しいプレッシャーをかけられた。
直線を向いてバリウィールが一杯となり、替わってシーソーゲームが先頭。あとは後続を突き放す一方で4馬身差でゴール。アサマも最後は手応えが怪しくなり、内から伸びてきたリケアカプチーノが2着を確保した。
1着・シーソーゲーム=矢野貴之騎手
「スタートの一歩目だけが不安だったが、良い位置で運ぶことができた。ペースも緩かったが、折り合いも非常にスムーズで、手応えも反応もすばらしかった。今日はこの馬のポテンシャルどおりの走りができたと思う。レース自体は大人びているなと思っているが、体型もまだ幼いので、そこが変わればもっと走れる馬なんじゃないかと思う。JRAの新馬戦を勝っているくらいの馬ですからね。東京ダービーに出走していておかしくない馬だと思っています」
藤田輝信調教師
「スタートがあまり良くない馬だが、今日は出た後の二の脚が凄く良くて、いい位置を取れて思っていた以上に強かったと感じた。今回は矢野騎手に全て任せて乗ってもらったが、スムーズで完璧でしたね。あとはもう少しスタートが綺麗に出るようになってくれればね。今日は外枠だったからうまく運べましたが、内枠だったら多分行けなかった。まだ身体も幼いですしね、もうちょっとしっかりしてきたらスタートも良くなると感じています。次走についてオーナーサイドにもまだ何も話をしていないですけども、行けるのであれば東京ダービーに行きたいですね」
シーソーゲームは福島ダート1700m・2歳新馬戦を快勝。続く2戦は着外に終わり、2ヵ月の休養をはさんで大井へトレード。初戦を0秒5差で圧勝したが、2戦目は2着。ダイヤモンドカップは東京ダービー指定競走で、陣営の目的ははっきり。あくまでも体調次第だろうが、東京ダービーへ直行する可能性が高い。
2着・リケアカプチーノ
道中はロスなくレースを進めることに徹し、逃げたバリウィール、3番手外アサマが一杯になるのを外に見ながら直線で確実に台頭。初の左回り、当日輸送などをクリアーして2着。収穫ある一戦だった。次走・東北優駿は地元同士の戦い。距離が2000mへ延長されるが、走り慣れた右回り水沢2000mなら問題なし。これで最有力候補へ浮上した。
今週の岩手競馬
5月11日(日) メイン11R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 盛岡1400m)
5月12日(月) メイン12R「Glorious Days」賞(B2級一組 盛岡1000m)
5月13日(火) メイン11R「紫陽花賞」(B1級 盛岡1800m)
5月7日(水)メインはA級一組「皐月特別」(盛岡ダート1600m)。次開催(5月18日)に春のマイル王決定戦・シアンモア記念が控え、有力各馬は軒並みスキップ。A級一組としては、やや小粒なメンバー構成となったのは否定できない。
ボウトロイは昨年4勝2着3回3着5回。オープン馬でこれほど順調に使われているケースも珍しく、芝からダート変更した準重賞・桂樹杯を制し、重賞・トウケイニセイ記念ではヒロシクンに直線で猛追してハナ差2着に惜敗した。今季初戦4着後、白嶺賞7着、栗駒賞8着。1400m戦は合わず、特に栗駒賞は2番手を追走して直線一杯8着。積極策が裏目に出た。
道中でうまく脚を貯めることができれば必ずひと脚を使うのが最大の持ち味。コースを問わず1600m通算12勝もそれを証明し、今回の盛岡1600mも6勝2着1回3着6回。ほぼ好走が同条件に集中している。しかも自己条件に戻ってメンバーも手ごろ。首位を奪取する。
トーセンマッシモは昨年8月、5ヵ月の休養をはさんで南関東から再々転入。3勝2着1回、準重賞・桂樹杯で3着を確保した。終盤も1、2着にまとめてシーズンを終了。今季は栗駒賞から戦列に戻ったが、久々の実戦がこたえて10着。見せ場も作れずに終わった。しかし、一度実戦を使われて変わり身は確実。反撃に転じる。
フレイムウィングスは中央2勝クラス、川崎1勝から転入。長距離重賞をメインに2着3回3着2回と堅実さを発揮。ただ転入後は1勝すらできず、勝ち味の遅さがネック。今季は初戦2着、赤松杯4着と順調なシーズン入り。相手が緩和され、待望の岩手初勝利を飾るか。
サンエイブレーヴはシーズン初戦6着に終わったが、2戦目から2戦連続2着。前走は鮮やかな逃げ切りを決めた。時に凡走も多いが、自分の競馬ができれば強じんな粘りを披露するタイプ。大外を引き当てたが、揉まれなければ好勝負に持ち込める。
ハクシンパーソナルは強烈なまくり脚が武器。エンジンのかかりは遅いが、行き脚がつくと鋭く伸びてくる。多少でもペースが流れてくれれば直線で台頭。
グラシアスは先行力と粘りが身上。最後の粘りが足りず1勝のみだが、展開次第では逃げ切りのシーンまで。
◎⑦ボウトロイ
〇⑧トーセンマッシモ
▲②フレイムウィングス
△⑨サンエイブレーヴ
△④ハクシンパーソナル
△⑤グラシアス
<お奨めの1頭>
2R グアドループ
南関東B2から転入初戦を快勝。地力の違いを見せつけた。1000m延長はむしろ望むところ。2連勝に王手をかけた
5月6日メインはオープン馬による盛岡1200m戦「スプリント特別」。前開催の水沢1400m重賞・栗駒賞は中央3勝クラスから転入したスプラウティングが快勝。好発進を決めたことが今回の決め手となった。
リッキーマジックは東京ダート1600m戦でデビュー2連勝を飾り、4戦目にJpnII・関東オークス(川崎)へ挑戦して7着。その後は5着1回が最高だったが、一昨年10月、東京ダート1300m戦を快勝した。3勝クラスでは着外が続き、岩手入り。心機一転を図る。
過去3勝をすべて東京ダート戦でマークし、同じ左回り=盛岡1200mは望むところ。牝馬ながら父コパノリッキー譲りの大型牝馬。現在の岩手競馬は牝馬路線も充実しており、今回勝利をすれば選択肢も増加。その意味でも注目の初戦となった。
ラストバリオンは年々、現役馬が減少するサウスヴィグラスの貴重な産駒。デビュー3戦目の中京ダート1200mを勝ち上がり、2021年に南関東へ移籍。7勝をマークして最高格付けはA2級で今年3月に転入。初戦の栗駒賞は直線一杯8着に沈んだが、1400mが長かった印象。850m短縮の前走で首位を奪回した。
今回は盛岡1200m戦。南関東時代の勝ち星は900m~1000m。1200m戦では2着2回3着2回と勝ち星はなかった点が気がかりだが、今回克服できれば岩鷲賞も視界に入るはず。陣営も力が入る一戦となろだろう。
ゲンパチプライドは昨年3月、中央2勝クラスから転入。水沢1400m重賞・白嶺賞、栗駒賞で連続2着。以降も堅実さを発揮し、着外はJpnIII・クラスターカップ7着、青藍賞8着、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯12着のみ。本調子といえなかった近3走も3着を確保している。今度は連対以上の期待がかかる。
エスクマは岩手デビューで9勝マーク。目下4連勝と快進撃を続け、前走でオープンも突破した。以外にも1200mは未経験だが、スピードを身上とするタイプで問題ないはず。
ドルズプライスレスは白嶺賞5着、栗駒賞6着。控える競馬に転じて安定感が出てきた。半面、破壊力は薄れてしまったが、盛岡1200mなら好勝負必至。
オスカーブレインは2歳時にサッポロクラシックカップ、3歳時にハヤテスプリントを優勝。いずれも1200m戦だった。先手を主張できれば持ち味の粘りを発揮。
◎⑨リッキーマジック
〇⑦ラストバリオン
▲③ゲンパチプライド
△⑥エスクマ
△④ドルズプライスレス
△⑤オスカーブレイン
<お奨めの1頭>
3R モンサンプレシャス
デビュー戦の東京ダート1600mで1分40秒を切るタイムで8着。この時計があれば3歳C2はフリーパス
5月4日に行われた3歳馬の東日本交流重賞『ダイヤモンドカップ』。遠征馬6頭、地元馬5頭が争った戦いは1番人気に推された大井・シーソーゲームが優勝。東京ダービー出走へ向けて4馬身差完勝で実力をアピールしました。
明け方まで降った雨と1日ぐずついた天候で不良馬場となり前残り傾向も強まったこの日の盛岡競馬場。それを意識してか有力どころはいずれも前目の位置をとり、そしてペースも緩めに。外枠から2番手の位置を確保したシーソーゲームは終始余力ある走りで流れに乗り、4角で満を持して先頭に立つとそのまま後続を振り切ってゴール。自身初の重賞挑戦で待望のタイトルを獲得しました。
「レースは鞍上に任せていたがスムーズで完璧。次走はオーナーと相談してからですが、行けるなら東京ダービーへ」と同馬を管理する藤田調教師。
ダイヤモンドカップはトライアルではないですが東京ダービー指定競走として成績が重視される位置づけのレース。ダービーの"切符"を手にできるか?そして出走が叶えばどんな戦いを見せるか?この先の注目度が高まる結果になりました。
2着にはこれが岩手転入初戦だったリケアカプチーノ、3着にはホッカイドウ・アサマが直前の騎手変更にも関わらず食い込み、以下川崎・ゴールドモーニン、ホッカイドウ・バリウィールと続きました。
今年の盛岡競馬・開幕週はGWにあわせた5日間連続開催。その3日目となる5月5日のメインレースはB1級短距離の『夢・希望 未来へ前進』、ダート1200mの9頭立て。本命は(8)サンダビュークを狙います。
今回のメンバー中では唯一の転入初戦となる本馬。旧地の南関では主に川崎900mで戦っていてそこで勝ち切れずに・・・という成績を見るとちょっと狙いづらくも感じますが、さらにその前のJRA時代、芝1200mで新馬勝ち、その後は芝・ダートの1000~1200mという距離を主戦場としていたことまで遡れば、今回の距離はそれほど悪くないのではと思えます。
実際JRA時代の評価は芝か軽いダートでの先行タイプ、1勝クラスで勝った時も不良馬場のダート1000mで先行しての勝利でした。900mほど極端なダッシュ力勝負にならないだろう1200m、連日の雨の影響が強い盛岡のダート。左回り経験も十分にありますし、力を出せる条件が揃いそうな今回が注目であり狙い目と判断します。
(4)アースアワーが対抗。850mにも対応していますが微妙に忙しい印象。昨年盛岡の1000mや1200mで勝った時の方が末脚を使い切れていた印象がありました。勝っても負けても僅差になりがちのタイプですが近年ずっとB1を守っているように地力は手堅い。クラス的・距離的に上位争い可能な範囲と見て良いはず。
三番手は(5)ブレイブジャンヌ。こちらもこの春南関から転入してきた馬で水沢では4戦を消化、850mは忙しく1400mは長いかという印象を受ける結果でした。南関時代の川崎900mでの時計は◎と遜色ないものですし、勝ち星は1000mから1600mの間にあって850mとか900mはやはりちょっと短いだろうとも感じます。この馬にとっても盛岡1200mは本来の走りを引き出せる条件では。
あとはまず(7)ステキナココロ。昨冬から850mに転じて前走は850mで初勝利を挙げていますが、以前はマイルでも勝っていたくらいですし1200mも悪い印象はありませんでした。昨年までは盛岡向きのイメージもありましたし、クラス慣れをしてきたということならここでも互角の走りができていい。もう一頭は(2)マルーントリック。マイルは長いと感じるし850mはさすがに忙しい。1200mが合うかどうかは、岩手ではこの距離を走っていないのでやってみないと・・・ですが、昨冬の水沢1400mでの走りからすれば悪くないのではと感じます。軽い馬場も良いですし、穴ならこの馬。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(8)=(4)、(8)=(5)、(4)=(5)、(8)→(7)、(8)→(2)
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5月4日メインは「第45回ダイヤモンドカップ」(盛岡ダート1800m)。岩手クラシック一冠目であり、昨年からJpnI・東京ダービーの指定競走となり、東日本交流へ枠が拡大。1着馬に優先出走権が与えられる。
リケアカプチーノは高知生え抜きで8戦5勝2着3回。連対パーフェクトを続けている。名古屋・スプリングカップは7馬身差2着に敗れたが、初輸送の影響もあって前走比10キロ減初コースにもとまどった。しかし地元・高知に戻って0秒7差で完勝。軌道修正に成功して直後に岩手入り。ターゲットはダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠は明らか。未経験の左回りがネックだが、全国を席けんする高知出身が遠征馬を迎撃する。
バリウィールは門別3勝2着2回から2歳交流・南部駒賞へ参戦。アッサリ逃げ切りを決め、重賞初制覇を果たした。続いてJpnIII・ブルーバードカップ(船橋)へ挑戦して6着。続いてネクストスター北日本へ駒を進めて重賞2勝目をマークした。地元・北斗盃の選択肢もあったが、同きゅう舎ウィルオレオールと使い分け。バリウィールは適距離を求めてダイヤモンドカップを選んだ。相性抜群の岩手で重賞3勝目に王手をかけた。
アサマはデビューから門別1700mを専門に使われて3勝2着1回。重賞初挑戦となったブリーダーズゴールドジュニアカップで4着を確保した。その後は休養を余儀なくされ、今年4月に復帰。7ヵ月ぶりの実戦を問題にせず、0秒3差で完勝した。キャリアは浅いが、1800mは望むところ。ひと叩きされた上昇度でアッサリまで。
シーソーゲームは福島ダート1700m・2歳新馬戦を勝ち上がり、2歳1勝クラス2戦から大井へトレード。初戦を快勝した。前走は完敗を喫したが、2着を死守。レースキャリアからも伸びしろが十分あり、重賞初挑戦で制覇の期待がかかる。
ステラビアンカは門別3戦2勝から南部駒賞へ臨み、バリウィールには離されたが、3着を確保。その後は休養に入り、4月から始動。復帰戦はアサマに完敗だったが、スローに落とされたのも敗因。決め手を生かせる展開なら軽視できない。
ゴールドモーニンは川崎1400m・デビュー戦を快勝し、2着3回。重賞・若武者賞でも2着確保の実績を誇る。川崎1本のローテーションを組み、左回り=盛岡コースは望むところ。
◎②リケアカプチーノ
〇③バリウィール
▲⑥アサマ
△⑩シーソーゲーム
△①ステラビアンカ
△⑤ゴールドモーニン
<お奨めの1頭>
1R ラブコラージェン
いよいよ2歳新馬戦がスタート。明日のスター候補が続々とデビューする。ラブコラージェンは能力検査を余力残して圧勝。輸送がネックだが、スピード一目