
先週31日(火)で2024年度の岩手競馬がすべて終了したが、再開した3月競馬で思ったのは"ずいぶん荒れていたな"だった。それを裏付けるデータを発見したのでご覧になってほしい。
・2024年度 3月最終週の1番人気結果
1着 2着 3着 万馬券回数 最高配当
3月29日(金) 5回 4回 1回 11R中 4回 19470円
3月30日(土) 4回 2回 1回 12R中 8回 346100円
3月31日(日) 5回 3回 1回 12R中 6回 39450円
・2025年度 3月最終週の1番人気結果
3月29日(土) 3回 4回 2回 11R中 5回 216320円
3月30日(日) 3回 3回 0回 12R中 9回 68090円
3月31日(月) 6回 1回 1回 12R中 10回 937640円
2024年3月29日は1番人気5勝2着4回3着1回。全11R中10Rで1番人気が馬券対象(3着以上)を果たした。対して今年2025年は1番人気3勝2着4回3着2回。ひとまず全11R中9R、1番人気が3着以上を確保したが、1番人気=1着は3回のみ。21万6320円の高配当もあった。
さらに今年3月31日は1番人気が全12R中6頭が1着入線を果たしたが、万馬券が12R中10回。第6Rでは9番人気→8番人気→2番人気の順で入線し、93万7640円の特大万馬券も飛び出した。
そして昨年、4月7日(日)から新シーズンがスタート。同様に1番人気の結果も報告したい。
・2024年度 4月第1週の1番人気結果
1着 2着 3着 万馬券回数 最高配当
4月7日(日) 5回 2回 1回 全11R中 5回 34200円
4月8日(月) 5回 2回 1回 全12R中 6回 44490円
4月9日(火) 4回 0回 3回 全12R中 8回 470470円
果たして結果はどうなるでしょうか。
4月7日メインはB2級「エイプリルカップ」(水沢1400m)。前走1着馬が3頭、2着馬が2頭、3着馬が2頭。同じ水沢1400mが舞台なら前走着順、走破タイムも重要なファクターとなる。
フェアリーは昨年8月30日、C1特別・焼石岳賞を快勝後、脚部不安が発生。戦列離脱を余儀なくされたが、今年3月に復帰。あえて850m戦を使って4着から2戦目は自己条件に戻って快勝。陣営の読みがずばり当たった。水沢4勝をすべて1400mでマークし、最も得意とする条件。2連勝へまい進する。
サトノマッスルは一昨年6月、南関東C1級から岩手入り。格付けにも恵まれて、あっさり3連勝を飾った。以降は1勝のみにとどまり、久しく鳴りを潜めていたが、今季2戦3、2着。前走はメンバー最速の上がりを駆使してフェアリーに0秒1差に惜敗した。ペース速くなれば逆転の目も十分考えられる。
フェンドオフは前走、豪快なまくりを決めて快勝。昨年4月以来の美酒を味わった。追い込み一辺倒の脚質のため展開に左右されるが、今年10歳馬でも健在を誇示。ツボにはまれば再現の可能性もある。
メイザーキックは中央2着4回から転入。岩手でも未勝利が続くが、今季は逃げ粘って2、3着1回。揉まれなければ控える競馬もこなせるタイプ。ペース落ち着けば持ち味の粘りを発揮。
ゴールデンギフトは今季B1からB2級へ降格。前走は積極的なレース運びから昨年6月以来の勝利を手にした。元々が相手なりに駆ける堅実さが身上。引き続きマークが欠かせない。
ストームサージは中央1勝クラス、佐賀2勝から転入。初戦を2着にまとめ、B2通用のメドが立った。
◎⑩フェアリー
〇⑥サトノマッスル
▲④フェンドオフ
△⑧メイザーキック
△③ゴールデンギフト
△②ストームサージ
<お奨めの1頭>
2R ライヴロッキー
中央未勝利から転入初戦を快勝。目にも鮮やかなまくりを披露した。昨年7月以来の実戦を叩かれてさらに気配アップも確実
4月6日(日)、2025年度の岩手競馬が開幕。メインは門別・岩手交流「第2回ネクストスター北日本」(3歳 水沢1400m)。1着馬に5月1日(木)、園田1400mを舞台に行われるJpnII・兵庫チャンピオンシップの優先出走権が与えられる。
昨年、第1回ネクストスター北日本はストリームが優勝。レース間隔が詰まって兵庫チャンピオンシップには挑戦しなかったが、短距離路線で活躍。楠賞(園田)はフジユージーンにタイム差なし2着に惜敗したが、笠松グランプリを優勝。すでに重賞5勝をマークしている。
ネクストスター北日本は1年ごとの持ち回りで行われ、第1回は岩手所属馬の出走はなかったが、今年は地元・水沢1400mで行われ、トライアル・スプリングカップ1,2,3着馬ポマイカイ、ラヴェイ、ミヤギヴォイジャーが名乗りを上げた。
しかし、地区レベル比較からも上位評価は門別所属馬に集中する。主軸にバリウィールを指名する。門別デビュー2戦目を勝ちあがり、2戦置いて2連勝マーク後、地方競馬全国交流・南部駒賞へ参戦。アッサリ逃げ切り勝ちを決めた。走破タイムは同日の古馬B1最高をはるかに上回るもの。能力の違いを見せつけた。
その後、2ヵ月の休養を経て1月22日、JpnIII・ブルーバードカップ(船橋)へ挑戦したが、相手が強く6着に終わった。今回は門別・岩手の地区限定戦。水沢コースも南部駒賞で経験し、実際に勝っているのが最大の強み。重賞2勝目に王手をかけた。
ミラクルヴォイスはみちのく大賞典で史上初めて牝馬優勝を果たし、門別・岩手で通算13勝をマークしたミラクルフラワーの子供。昨年10月、ネクストスター門別で豪快なまくりを決めて快勝。重賞ウイナーの仲間入りを果たした。続いて南部駒賞へ遠征予定だったが、無念の出走取り消し。仮に出走していれば1番人気に支持されるのは確実だった。
今回は南部駒賞取り消しのリベンジ戦。昨年10月以来の実戦で仕上がりがカギを握るが、ネクストスター門別の強さは本物。母が活躍した岩手で錦を飾るか、期待が高まる。
ヴィグラスデイズは門別10戦3勝2着3回3着2回からJpnII・兵庫ジュニアグランプリへ挑戦。8番人気の低評価を覆して0秒5差4着に善戦した。初遠征、長距離輸送も難なくクリアーした。ネクストスター門別でミラクルヴォイスに完敗6着が気がかりだが、地力アップは確実。
マキシマムドライブはデビュー2戦目から2連勝をマーク。その後、JRAへ積極的に挑戦。芝を舞台に4着1回5着2回の成績を収めた。パワーの要るダートがカギを握るが、門別2勝なら問題なし。上位の一角を形成する。
ポマイカイは7戦3勝2着3回。馬券対象から外れたのが1600mが長かった若鮎賞6着のみ。ネクストスター盛岡を制し、休養明けのトライアル・スプリングカップも完勝。課題だった折り合いを克服できたのも収穫だった。今度は強力・門別勢が相手だが、地の利を生かす。
ラヴェイは門別1勝から岩手入り。初戦2着以降は精彩を欠いていたが、昨最終戦・金杯を快勝。今季初戦のスプリングカップも2着にまとめた。ポマイカイが先行タイプに対し、どんな競馬もできるのが武器となる。
◎⑪バリウィール
〇②ミラクルヴォイス
▲①ヴィグラスデイズ
△⑩マキシマムドライブ
△③ポマイカイ
△⑥ラヴェイ
<お奨めの1頭>
3R ネオステラス
前走2着は相手が強かった。走破タイムはこのメンバーで抜けており、順当に首位を奪取する
3月30日(日) 「第31回白嶺賞」(オープン 水沢1400m)
オスカーブレインが枠差を利して先手を主張。2番手にラストバリオン、3番手外にマツリダワールド、4番手インにユイノダンディズム、5番手ドルズプライスレス、その外にレディブラウン。スターシューターは後方2番手に控え、最後方に1番人気ウラヤ。
前半からハイラップを刻んでレースが進み、向こう正面でオスカーブレインが一杯。替わってユイノダンディズムが先頭に立ち、その外からマツリダワールドがプレッシャーをかけて残り400mで先頭。後方に待機したスターシューターは内を回り、一方ウラヤは外を回って先行グループに接近する。
直線を向いて粘り込みを図るマツリダワールドに外からレディブラウンが捕らえにかかり、さらに外からスターシューターが強襲。ウラヤも一完歩ごとに差を詰める。ゴール前はもつれ込み、レディブラウンがマツリダワールドが交わしたのもつかの間、外からスターシューターが一気に伸びてきっちり捕らえた。
1着・スターシューター=高松亮騎手
「位置取りは気にせず、前の馬たちの様子と自分の馬の手ごたえを確かめながら折り合いを重視した。レースが流れていたし、勢いがありましたからね。馬も気持ち良く差し切ったと思っているはず。前回は1600m戦だったが、途中でハミを取っていたので1400m以下がベスト。厩舎サイドも試行錯誤した中、今回で結果を出せて良かったと思う。折り合いがつけばどこからでも競馬ができますから、今後も楽しみです」
櫻田浩樹調教師
「前回、1600mを使ったのは、距離をこなすことができれば選択肢が増えると思ったからだが、今日のレース内容を見れば1400m以下が合うと改めて思った。今後も短距離をメインにローテーションを組んでいく予定。次走は同じ水沢1400mの栗駒賞になると思う。競馬再開後、なかなか勝てなかったが、初勝利を重賞制覇で飾ることができて非常にうれしいです」
スターシューターはデビューから一貫して大井1200m~1400mを専門に使われて通算13勝マーク。昨年は1年半の長休休養から復帰し、重賞・アフター5スター賞へ挑戦6着、JpnII・東京盃11着。続く大井1400m8着後、12月に岩手入り。初戦の水沢850m戦で鮮やかなまくりを決めて快勝。2戦目の1400m3着でシーズンを終了。
今季初戦は初の1600mに駒を進めたが、高松亮騎手のコメントどおり「ハミを取った」ため5着。その結果を受けて1400mへ戻ってエンジン全開。待望の初重賞を手にした。次走予定は栗駒賞。今回の強さからも人気の一角を形成するのは間違いない。
2着・レディブラウン
前半は控える競馬に徹し、向こう正面からじわじわと進出。ゴール手前でマツリダワールドを捕らえたが、スターシューターの末脚にはかなわなかった。
3着・マツリダワールド
ハイペースの中、3番手の積極策に出てゴール寸前まで渋太く粘って3着。マイルもこなすが、今回の内容から1400mがベストの印象を持った。
4着・ウラヤ
前半は最後方追走し、向こう正面から外を回って進出。スターシューターとの着差はコース取りの差かもしれないが、それ以上に小回り水沢は本質的に合わない。絆カップ快勝のパフォーマンスからコース広い盛岡でこそ狙いが立つ。
今週の岩手競馬
4月6日(日) 11R「第2回ネクストスター北日本」(3歳 門別・岩手交流 水沢1400m)
4月7日(月) 12R「エイプリルカップ」(B2級 水沢1400m)
4月8日(火) 12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1400m)
3月30日に行われた古馬スプリントの重賞『白嶺賞』は5番人気のスターシューターが優勝。この春2戦目、岩手転入後の4戦目が重賞制覇となりました。
最初のスタンド前は最後方近くを進んでいたスターシューター。先行勢が飛ばして速い流れになった中で向こう正面から上昇開始、4コーナー手前では前の集団に取り付きます。 まだ粘る先行勢を外に持ち出して交わしたスターシューターは直線外を一気に伸びて差し切り勝ち。昨年の東京盃以来の重賞出走で待望のタイトルを獲得しました。
2着にはやはり後方近くから追い上げたレディブラウン、3着には先行勢の中からマツリダワールドが粘り、1番人気ウラヤは優勝争いに加わっていたものの及ばず4着でした。
さて本日・3月31日は「令和6年度」の岩手競馬最終日です。毎年書いているような気がしますが、岩手競馬の『2025シーズン』は実質的に春競馬初日の3月9日からスタートしているわけですが、開催年度の区切りはお役所と同じく4月始まりの翌年3月終わりを採っているので、3月いっぱいは『2024シーズン』となるわけです。
ただし、リーディング等の記録類、あるいはレースに関わる賞金等は3月の春競馬から新シーズンとなっていて、例えば騎手・調教師リーディングの記録は3月9日からスタート・12月31日まででカウントします。ちょっとややこしくも感じますがお間違えなきよう。
3月31日のメインレースは12Rです。A級二組の『春分特別』。ここに来て冬のような寒さが戻ってきて春っぽい感じがちょっと薄れてはいますけども、18時台のメインレースの頃でも空がまだ暗くなりきっていないのを見ると確かに季節は進んでいるんだなあと思います。
このレースの本命は(3)エヴィダンシアです。
これが岩手転入初戦になる同馬の前走は2月16日のJRA東京、2勝クラスダート1400mでの9着という結果。JRAでの2勝目が芝の2600m戦、その後しばらく芝中長距離を使われていた事でも感じるとおりに馬体印象は芝の方ガより良さそうにも見えます。ただ前走にしても直線半ばあたりまでは2着争いの集団に食い下がっていましたし、近走のダートでの着順は大きめですが勝ち馬とのタイム差は1秒前後と大きく離されてはいません。ダートで大きく割り引く必要はないでしょう。
そして距離に関しても、芝での主戦場がそうですし、自身の初勝利もダート1800m、マイルが極端な足かせになるという印象はありません。それよりはどちらかといえば大きいコースに良績がある事から小回り対応がカギなのかも。不安点としてはそこですが、ここはまず自力を信頼しての本命視。
対抗は(10)ロワマージュ。昨春にA級に上がった時には壁を感じたものですが、昨夏にいったんB1降級からの再度のA級入りでは安定した戦いぶりを見せるようになりました。前走はほぼ今回と同様の相手に完勝。こちらも当然主役候補と見るべきでしょう。
三番手は(8)フューチャーアゲン。を狙ってみます。一昨年の冬から昨年春にかけての、C1からA級まで一気に駆け上がってきた時ほどではないにせよ、昨冬から今年にかけては復調感が濃厚。前走も、やや距離が長いと感じるマイルで、積極的に立ち回った4着でしたから手応えは増しつつあります。そろそろ。
ヒモはまず(1)サンエイブレーヴ。ちょっとあてにしづらくて、勝ち負けまで絡むかどうかは気持ち次第・・・の面がありますが、力量はこの辺で通用するものを持っている馬。そして(2)クレーンロケットはA級ではまだ未勝利ながら、ここまでのレースではロワマージュと差のない戦いぶりを見せています。一概に軽視は禁物。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(10)、(3)=(8)、(10)=(8)、(3)→(1)、(3)→(2)
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30日メインは水沢1400m重賞「第31回白嶺賞」。かつては冬の水沢1600mで行われ、2019年にはエンパイアペガサスが優勝。翌年は降雪の影響で取り止めとなり、以降休止。しかし昨年から復活し、実施時期も3月末へ移行した。昨年の覇者ゴールデンヒーラーは白嶺賞を皮切りに圧巻の4連勝。栗駒賞、岩鷲賞も制し、最優秀短距離馬に選出された。
今回、2年連続で白嶺賞へ駒を進めたのはドルズプライスレス1頭のみ。ほかは総入れ替えとなり、1年で短距離界の顔ぶれは大きく変わった。その中から一歩リードするのはどの馬か。各馬に優勝するチャンスは十分ある。
ウラヤは大種牡馬ガリレオの直仔ニューアプローチ産駒の持ち込み馬。ニューアプローチは11戦8勝の成績を残し、イギリスダービーなどGI5勝。2歳時、3歳時にヨーロッパ最優秀馬に選出された。
デビュー2戦で芝を使われて7、9着。3戦目にダート1400mで初勝利を飾り、以降もダート1400m2勝。母父パイロの血が強かったと思うが、3勝クラスから転入。あっさり2連勝を飾り、1番人気で青藍賞へ臨んだが、伸びひと息で6着。小回り水沢にも戸惑った印象だった。
続いてJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯13着から絆カップ(盛岡1200m)へ駒を進めて快勝。持てる能力をフルに発揮した。シーズンラスト・トウケイニセイ記念は再び水沢1600mが舞台だったが、3着確保。これでコース克服のメドが立った。このメンバーなら実績上位は明らか。水沢1400mは未経験だが、地力に期待する。
レディブラウンは門別1勝、南関東1勝、門別A3級を経て昨年11月に転入。C1格付けにもめぐまれて9勝2着5回、絆カップでウラヤの2着確保など抜群の安定度を誇っている。特に水沢1400mは7戦6勝3着1回。前開催は走路悪化のため取り止めとなったが、その分だけ乗り込み万全。ベストの舞台で初重賞に王手をかけた。
マツリダワールドは2歳時、デビュー戦の1勝のみにとどまったが、3歳時に2勝。不来方賞で2着を確保。昨年は5勝2着5回と充実したシーズンを送ったように典型的な奥手タイプ。特に終盤の水沢1400m戦で2勝2着1回と好走した。今季初戦は3着だったが、マークが厳しかったのが敗因。距離短縮を味方に反撃に転じる。
スターシューターは一貫して大井専門で走り続けて1200m~1400mで通算13勝。JpnII・東京盃へも挑戦して昨年暮に岩手入り。初戦の水沢850mで鮮やかなまくりを決めた。2戦目は3着に終わり、今季初戦5着だったが、先行ペースにも泣いた。1400mなら決め手をさく裂できる。
ユイノダンディズムは昨年10月、中央1勝クラスから再転入。3勝2着1回3着1回の好成績を収めてシーズンを終了。短距離ならマーク欠かせない。
ボウトロイはトウケイニセイ記念2着などマイルがベストの距離だが、ひと脚は使えるタイプ。1400mでも押さえ必要。
◎⑧ウラヤ
〇⑥レディブラウン
▲⑦マツリダワールド
△③スターシューター
△①ユイノダンディズム
△⑩ボウトロイ
<お奨めの1頭>
2R オブジェダート
高知では精彩を欠いたが、中央ダート3勝。すべて2000mでマークしたが、岩手C2編入は恵まれすぎた