22日メインは地方競馬全国交流「第21回OROカップ」(M1 盛岡芝1700m)。
現在、盛岡芝重賞は2歳カテゴリーでジュニアグランプリ(交流)、若鮎賞。3歳カテゴリーでオパールカップ。3歳以上のカテゴリーではせきれい賞(交流)、OROターフスプリント(交流)、OROカップ(交流)があるが、最高峰はもちろん岩手県知事杯OROカップ。
創設は1999年だが、いくつかの変遷がある。第1回、第2回は芝2400mが舞台。第3回は芝1700mで行われ、第4回は降雪のため芝からダート1600mで実施(優勝はトーヨーデヘア)。
第5回(2003年)から地方競馬全国交流へ昇格し、芝1600mで実施。第9回(2007年)は馬インフルエンザの影響で開催も危ぶまれたが、交流解禁初戦にコスモバルクが参戦。岩手のファンは熱烈歓迎で優勝を祝福した。
その第9回以降は一貫して芝1700mで実施され、現在に至っている。コスモバルクは1年置いて2度目の優勝を果たし、牝馬ナターレは史上初めて2連覇を果たし、2度目はコースレコードを更新。今でも1分43秒7は破られていない。
またロゾヴァドリナは第17回から第19回まで3連覇の偉業を達成し、昨年はハッピーグリンが能力の違いをマザマザと見せつけた。
ジョッキーでは過去、小林俊彦騎手(現調教師)、吉原寛人騎手が4度優勝。吉原騎手は今年、ワールドレーヴに騎乗。仮に優勝すれば史上最多勝を記録する。
本命はダイワリベラル。中央芝で6勝2着4回。マイル重賞の常連で名を馳せ、南関東3戦を経て転入。3戦目の芝交流・せきれい賞で本領を発揮し、2番手キープから4角手前で先頭。そのまま押し切って完勝した。
桂樹杯はレース間隔が詰まり、年齢を考えてスキップ。OROカップ直行は当初の予定どおり。2ヵ月ぶりの実戦が若干気になるが、適性でカバー。重賞2連勝に王手をかけた。
サラトガスピリットは中央芝2200m~芝2600mで5勝2着3回。北海道移籍後も3戦目以降は毎回上位を確保し、せきれい賞2着。芝が合うことを改めて証明した。
距離1700m短縮で忙しい競馬対応が若干不安だが、鞍上に剛腕・真島大輔騎手を指名。盛岡芝2度目で首位奪取に燃える。
タイセイプライドは2歳新馬、ダリア賞を連勝。京王杯2歳ステークスはタワーオブロンドンの8着に敗れたが、続く一戦で3勝目をマークした。
以降は白星から遠ざかり、北海道で心機一転。転入戦の1200m戦を快勝した。中京、新潟芝1400mで2勝なら盛岡芝1700mも許容範囲。4歳の若さを前面に一発をもくろむ。
コスモリョウゲツは中央から再転入戦で芝2400m・かきつばた賞を優勝。2ヵ月ぶりの桂樹杯は2着に敗れたが、早め先頭に立ってソラを使ったのが敗因。交流戦なら前に標的がいてレースをしやすいはず。
サレンティーナは桂樹杯を快勝。コスモリョウゲツの後ろを追走し、直線でキッチリ交わした。中央芝1200m、1600mでそれぞれ1勝。距離適性なら引けを取らない。
ワールドレーヴは南関東で苦戦を強いられているが、せきれい賞3着。距離がネックだが、盛岡芝が合うことを証明した。
◎⑧ダイワリベラル
〇⑥サラトガスピリット
▲⑦タイセイプライド
△⑭コスモリョウゲツ
△②サレンティーナ
△③ワールドレーヴ
<お奨めの1頭>
2R リバイバルソウル
大型馬が前回ハイタイムで圧勝。実戦を使われながら良化一途をたどり、ここも主役は譲れない
16日、岩手クラシック最終決戦「第51回不来方賞」(盛岡ダート2000m)はヤマショウブラックが優勝。直線早めに先頭に立ったニューホープをゴール寸前でハナ差捕えた。
昨年の不来方賞は逃げ込みを図る内サンエイキャピタル、外チャイヤプーンの抜きつ抜かれつのデッドヒートの末、クビ差制して1着。不来方賞史に残る名勝負となったが、今年も大接戦。
3コーナー過ぎでヤマショウブラックは絶望的とも言えるほど離されていたが、直線猛追。信じられないような末脚で勝利をもぎ取った。
小林俊彦調教師「勝っても僅差だろうなと思っていたが、正直負けたかなと思った。よく勝ってくれました。これが底力なんでしょうね」
高松亮騎手「レース前からスローになると思っていましたし、上がりの競馬になることも分かっていましたが、早くせかすといい脚を使えない。馬の能力を信じて乗りました。最後は祈る気持ちで追い続けました」
小林俊彦調教師は騎手時代に不来方賞を4度制しているが、調教師としては初めて。鞍上の高松亮騎手も初の不来方賞制覇となった。次走目標はもちろんダービーグランプリ。2着ニューホープ、3着パンプキンズともども健闘を期待したい。
21日メインはオープン牝馬準重賞「第6回ヴィーナススプリント」(盛岡ダート1200m)。
ツララは一昨年、中央未勝利から転入。最下級から着実に白星を重ねてB1まで出世。冬場は南関東へ移籍して5戦を消化後に再転入。A級へ格付けされたが、短距離1本でローテーションを組んで1勝2着2回。自慢のスピードと強じんな粘りを披露してきた。
特に盛岡ダート1200mは<3.2.0.1>。一度5着はラブバレットなど強豪がそろった岩鷲賞。ほかはオール連対と抜群の適性を誇示。持ちタイム1分12秒0もメンバー一番を誇る。
今回も快速馬が顔をそろえたが、牝馬同士なら地力上位は明らか。順当に勝利をモノにする。
メスカルは今季<5.1.1.1>。前々走は出遅れを喫して4着に沈んだが、前回完勝で軌道修正。距離の融通性を備えているが、本質的にはスプリンター。前走でもそれを証明した。
同型の出方がカギを握るが、1番枠なら強引に逃げの手に出ることも可能。4歳の成長力を武器にここも突破の構え。
コスモパープルは南関東B1から転入。水沢でも1勝マークしたが、盛岡は3戦3勝。ビューチフルドリーマーカップのトライアル・フェアリーカップも圧勝した。
最大ネックは未経験の1200m戦だが、道中の手ごたえを見れば十分対応が可能。むしろコース適性を重視したい。
ペキノワは北海道1勝、南関東1勝、中央未勝利、南関東1勝・C1が過去履歴。大敗するケースも多いが、先行策を取れれば粘りを発揮。できれば逃げたいところ。
ヒワラニは転入6戦とも着外(一度は落馬)だが、中央芝1200m1勝。短距離なら反撃の余地があるかも。
◎③ツララ
〇①メスカル
▲⑥コスモパープル
△④ペキノワ
△②ヒワラニ
<お奨めの1頭>
7R ヴァンキッシュアイ
中央ダート1800mで5着1回の実績があり、C2十組編入は恵まれた。メンバーも甘く、順当に白星発進を決める
★準重賞 はまぎく賞/転入初戦フィーユブランシェが粘り勝ち
約20年ぶりに復活した3歳芝の準重賞『はまぎく賞』はこれが転入初戦となったフィーユブランシェが粘り強い走りを見せて優勝しました。
転入馬あるいは転入後間もない馬が多く力関係や戦いぶりが読みづらいレースになったはまぎく賞でしたが、ゴール前はやはり数頭一団の大激戦。その中でいったんは交わされながらも盛り返したフィーユブランシェが、直線大外から猛追したニシノヴォーカルをわずかに抑えて実質的な逃げ切りがち。7番人気の低評価を覆す勝利を挙げました。
2着ニシノヴォーカルも10番人気の人気薄では1番人気のナンヨーミカヅキが3着に食い込んでも波乱は免れず、3連単は30万6910円の高配当の決着となりました。
★重賞 ジュニアグランプリ/北海道フジノロケットが優勝
2歳芝の全国交流重賞『ジュニアグランプリ』は今年も遠征勢が優勝しました。先行粘る北海道・シンボに直線で外から並びかけたのはやはりこれも北海道・フジノロケット。3着以下を引き離した2頭の戦いは半馬身差でフジノロケットに軍配が上がりました。
JRAコスモス賞7着からの転戦だったフジノロケット。盛岡芝マイルの大外枠という不利な条件からの戦いでしたが道中スムーズに流れに乗ってそれをカバー。最後も鋭い末脚を繰り出して差し切りました。
2着はシンボ、3着には逃げた船橋・ポピュラーソングが粘り切って3連単は11万5730円の波乱。岩手勢はシーサンプーターの4着が最高で、1番人気に推されたアーモンドカラーは11着に終わりました。
9月16日のメインレースは12Rです。3歳ダート2000mの重賞『不来方賞』。岩手の3歳三冠路線もいよいよここがクライマックス。そして次に控えるダービーグランプリに向けての最後の前哨戦にもなります。
当初は二冠を達成したパンプキンズにとっての"無風区"かもと思われたのですが、蓋を開けてみれば各地から有力馬が続々転入して一転激戦ムードにもなりました。果たしてパンプキンズが三冠を達成できるか?あるいはそれを阻止する馬が現れるのか?三冠最終戦は予断を許さない状況です。
ですが本命は、自分は(5)パンプキンズとしました。
盛岡のダート2000mは逃げ先行タイプにとっては楽な条件ではありませんが、過去の不来方賞では先行タイプが勝った例が非常に多く、3歳戦であれば先行タイプは展開を握れる分むしろ有利といえるでしょう。この馬自身も3歳を迎えて以降力を付けており、昨年の今頃とは馬が違っています。東北優駿でライバルのマークを凌ぎきったようなしぶとさを兼ね備えた今なら盛岡の2000mでも。三冠達成に期待しましょう。
対抗は(6)ニューホープ。昨年の若駒賞を岩手在籍で制し、その後は東海地区や金沢を転々としながら力を付けてきました。前走の岐阜金賞は完勝と言って良く、転戦が続いている影響がちょっと気にはなりますが経験値で上位の評価ができるはず。
3番手は(8)ヤマトタケルでどうでしょうか。ダイヤモンドカップ5着ではあまり強気にはなれないものの、ここまでの戦績を見る限り相手なりに戦いながら緩やかに力を付けていくタイプのようです。盛岡のような大きいコースも本来苦手ではないでしょうし、近走の着順はいったん度外視してみても良いのでは。
(1)ヤマショウブラックは△一番手の評価。南関3歳クラシック路線で健闘したのは立派ですが、今年の南関3歳戦線を見る限り上位の4~5頭が抜けて強くてその他はコースや距離、展開によってコロコロ変わる印象があります。羽田盃5着で人気し過ぎるのはちょっと疑問も。(9)ラフレシアオジョーは牝馬ながら長めの距離にも適性を見せています。勝ち負けはともかく上位争いには加わってきそうです。
●12Rの買い目
馬単(5)=(6)、(5)=(8)、(5)→(1)、(5)→(9)
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今年で21回目を迎える2歳・地方競馬全国交流「ジュニアグランプリ」(盛岡芝1600m)。この一戦は『朝日杯フューチュリティステークス』(JRA)に向けたステップレースへの代表馬選定競走に指定され、優勝馬は京王杯2歳ステークス・デイリー杯2歳ステークスのいずれかに出走できる。ただし優先出走権ではないので、お間違えのなく。
ジュニアグランプリは1999年に創設。当初は岩手、上山、新潟の3県交流でスタートを切り、2003年から地方競馬全国交流に昇格。過去、北海道8勝、岩手6勝、船橋1勝(馬インフルエンザが発生した2007年、岩手限定を除く)。また北海道勢は2連覇中と優位に立っている。
今回、遠征馬は北海道から4頭、船橋から1頭。迎え撃つ岩手勢6頭が出走するが、岩手デビュー馬はシーサンプーター、コンバットファスト、ユイガドクソン、リュウノロビンの4頭のみ。これが現在の岩手競馬を象徴していると思う。
この時期に早くも続々と2歳馬が転入。ある程度は想定していたが、盛岡芝を目指す馬、ダート戦線も手薄と見て転入するケースが思った以上に多い。
典型的な例が北海道6戦2着5回から転入初戦でビギナーズカップを逃げ切ったコパノキャリー、JRAから今回転入アーモンドカラーだろう。
本命はそのアーモンドカラーにした。熊本・ストームファームコーポレーションが生産し、北海道サマーセールで落札。勝手な解釈だが、わざわざ北海道のセリに出すのだから自信があってのことだと思う。
デビュー戦は小倉芝1200m。中団キープから直線外から伸びて2着を確保した。2戦目は内で我慢させて4着。続くひまわり賞は1勝クラスに入って4番人気4着。外からジワジワと伸びてきた。
いずれも九州産馬限定戦で全体的な評価は決して高いと思わないが、どんな競馬にも対応できる逞しさが魅力。完成度の高さを重視した。
ダリルはカレンブラックヒルの初年度産駒で勝ち馬第1号。JRA札幌芝1200m・すずらん賞は終始インを追走して0秒8差7着。地方所属馬で最先着を果たした。
母父もディンヒルなら芝は望むところ。過去、セラミックガール、パーティメーカーでジュニアグランプリを優勝させた田中淳司調教師が自信を持って送り込んできた。
ポピュラーソングはアッサリか、はたまた凡走の両極端な結果が考えられる。南関東で<2.4.1.0>。2勝とも逃げ切ったスピードが身上。
左回りは4度経験済みで盛岡は問題ないと思うが、最大ネックは芝対応。父アンライバルド、母父ホワイトマズルならこなせると想像できるが、実戦となると別。特に1コーナーをうまくこなせるかどうか。幸い、先行タイプが内を引き当て、逃げる勝ちパターンには持ち込めるはず。
フジノロケットは札幌芝1800m・コスモス賞7着。道中は最後方を追走したが、35秒4の上がりで直線伸びてきた。新馬戦でも直線一気を決めたように、今回も末脚勝負。前が速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
コパノキャリーは先にも記したとおり、転入初戦でビギナーズカップを逃げ切って完勝。激戦区で揉まれてきた経験を存分に発揮した。気になったのはマイナス17キロの体重減。馬体回復と初芝がカギを握る。
ユイガドクソンはアメリカ生まれ。デビュー戦は夏負けの影響が残っていたにもかかわらずアッサリ逃げ切りを決めた。父はアメリカの芝GIを5勝。キャリア1戦に加え、いきなり1600mは厳しい条件だが、今後につながるレースを期待したい。
◎②アーモンドカラー
〇①ダリル
▲③ポピュラーソング
△⑪フジノロケット
△⑨コパノキャリー
△⑧ユイガドクソン
<お奨めの1頭>
2R ニシノゲンキマル
転入初戦をハイタイムで完勝。南関東B2の地力をマザマザと見せつけた。明らかにC2はフリーパスだろう
14日は8RにB1特別「FM岩手杯」(盛岡芝1000m)、10Rに3歳準重賞「第5回はまぎく賞」(芝1700m)が組まれ、濃厚な一日となるのは確実。
FM岩手杯はB1条件だが、10月20日に行われる地方競馬全国交流「第9回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)にもつながる重要な一戦。
一方、はまぎく賞は1996年から1999年まで実施されていたA級・盛岡芝1600mを継承。カテゴリーは3歳に替わったため新設だが、回数は踏襲。両レースとも興味深いメンバーがそろったので、2レースのレース展望をしてみたい。
まずは8R「FM岩手杯」。ダズンフラワーは勝ち星8勝すべて盛岡芝でマークし、特に芝1000mは5勝とベスト条件。前々走・姫神賞(B2)は2着に敗れたが、出遅れが致命傷。直線追い込んだが、0秒3差2着に敗れた。
今回はさらに内1番枠に入り、包まれる可能性が高いが、スタートさえ決めればマイポジションを取れるはず。1000mなら控える競馬も問題なく、雪辱を果たす格好の舞台。
スティルプリンスは1000m以下のスペシャリスト。盛岡芝も5戦2勝2着1回。昨年のFM岩手杯の覇者でもある。
しかも逃げたい馬が絶好の2番枠。ダズンフラワーをうまく閉じ込めることができればアッサリ逃げ切りのシーンまで。
フリームーヴメントも距離の融通性を備えているが、本質的にはスプリンター。前半で置かれなければ2頭に割って入る可能性も十分。
ニシノオトコマサリは中央芝1200mで1勝2着1回3着1回。初戦は9着に大敗したが、2ヵ月ぶりの実戦に加えてダートにも戸惑った印象。芝1000mで巻き返し必至。
盛岡芝1000m2戦1勝2着1回サンエイヴィーナス、芝短距離が合うイランカラプテも軽視できない。
◎①ダズンフラワー
〇②スティルプリンス
▲④フリームーヴメント
△⑤ニシノオトコマサリ
△⑧サンエイヴィーナス
△⑨イランカラプテ
メイン10Rは「第5回はまぎく賞」(芝1700m)。ナンヨーミカヅキは東京芝1400m・2歳新馬戦3着。前々走・福島芝2000mでも2着を確保した。先行できるのが小回り盛岡芝では最大の武器となる。
サンエイフラワーは3歳芝路線で好走。はまなす賞2着、交流・オパールカップ2着、芝2400m・サファイア賞3着。今回は芝No.1マツリダレーベンが不在。何とかタイトルを手にしたいところ。
カメチャンは中央未勝利から転入後、芝2連勝、ダート戦も勝って3連勝。その後は足踏みだが、相手も強かった。古馬編入の前回快勝で再び上昇ムードに乗った。
マイディアライフは中央芝で2着1回3着3回。2ヵ月ぶりを叩かれて良化も確実。
フィーユブランシェは中山芝1600m3着、小倉芝1200m3着。持ちタイム1分35秒8から勝ち負けになるはず。
サンルイスは530キロの大型馬だが、時計かかる盛岡芝は歓迎。小回りさえ克服なら上位争い必至。
◎⑩ナンヨーミカヅキ
〇②サンエイフラワー
▲⑫カメチャン
△⑪マイディアライフ
△⑧フィーユブランシェ
△④サンルイス
<お奨めの1頭>
3R・サフィロス
転入初戦で格の違いを見せつけて圧勝。同じダート1000mが舞台なら2連勝はもらった