27日メインは岩手、北海道2歳交流「第10回知床賞」(盛岡ダート1400m)。
創設の背景は岩手競馬がどん底だった時代、北海道が支援策の一環として北海道、岩手2歳の交流レースを創設。1年ごとの持ち回りで門別開催のときは岩手山特別、岩手開催のときは知床賞の名称で実施された。
記念すべき1回目は2008年、門別1200mで「岩手山特別」が行われ、北海道クラフィンライデンが1着。2着に岩手センリグランピーが直線鋭く伸びて確保した。
翌年は水沢1600mを舞台に「第1回知床賞」が行われ、岩手ダンストンルティーが優勝、2着も岩手ダークライ。2010年は門別1200m。岩手から2頭が遠征したが、北海道が上位を独占した。
「第2回知床賞」は盛岡ダート1400mで行われ、アスペクトが優勝、2着エスプレッソ。2012年の門別「岩手山特別」は岩手から参戦なく、発展的解消。
一方の「知床賞」は2012年、第3回から重賞へ格上げされ、昨年第9回まで北海道勢が7連覇中。地区レベルの差を見せつけ、現在に至っている。
以上の結果と背景から序列は北海道主流が当然の選択。主軸はスマイルエルフとした。500キロ前後の大型牝馬でデビュー戦5着、2戦目3着だったが、3戦目から2連勝。
以降は3戦連続で着外だが、エーデルワイス賞は15頭立て14番人気ながら、内に包まれながらもひるまずに直線台頭。0秒7差8着に善戦した。
走破タイムも自身の最高タイムを1秒8も短縮。結果以上に中身が素晴らしく、このメンバーなら最有力候補と見て間違いない。あとは初の長距離輸送をクリアーできるか。当日の馬体重をチェックしてほしい。
アクアリーブルは女傑アスカリーブルの初年度産駒。デビュー2戦目を勝ち上がり、ほかに3着2回。近走は入着止まりだが、3走前の牝馬重賞・フローラルカップで0秒4差6着。
どうやら器用なタイプではないようで、コーナーを気にしなくていいワンターンの盛岡1400mは合うはず。母は水沢だったが、ビューチフルドリーマーカップを優勝した。その仔も岩手で素質開花させるか。
シンボはデビュー4戦目で初勝利を飾り、直後に芝交流・ジュニアグランプリに参戦。フジノロケットの決め手に屈したが、2着確保。見せ場も十分に作った。
北海道勢の中でただ1頭だけ長距離輸送を経験しているのが強み。ダート替わりももちろん歓迎だろう。
バイクミレーは岩手と相性がいいプリサイスエンド産駒。過去<2.2.2.2>。着外わずか一度のみの堅実さが身上。メンバーは強化されたが、前回快勝で弾みもついた。
岩手勢ではチャルメーラに注目。同馬も北海道1勝から転入だが、初戦を1秒4差で圧勝。盛岡ダート1400mを使い、実際に勝っている強みを生かす。
クロスワールドは2歳新馬勝ち。その後は精彩を欠いているが、その実績は軽視できない。
◎⑦スマイルエルフ
〇②アクアリーブル
▲⑤シンボ
△⑫バイクミレー
△⑨チャルメーラ
△⑪クロスワールド
<お奨めの1頭>
5R マースルマン
前走は軽い馬場だったにせよ1200m1分12秒1は破格。距離延長も問題なく、2連勝はもらった
26日メイン8RはB1・芝1700mで行われる特別「秋嶺賞」。5月から始まった今シーズンの盛岡芝競走もこれが最終戦。秋嶺賞がファイナルレースとなる。
改めて芝重賞を振り返ってみたい。3歳交流・オパールカップ(芝1700m)はマツリダレーベンが4角先頭から押し切り、はまなす賞、サファイア賞と3歳芝路線を総なめ。その後のリタイアが痛かったが、芝で持てる能力をフルに発揮した。
芝2400m交流・せきれい賞はダイワリベラルが完勝。中央芝6勝オープンの底力を見せつけた。
2歳・若鮎賞はシーサンプーターが優勝。パワーの要るダートに手こずっていたが、芝に替わって反応が一変した。続くジュニアグランプリは北海道フジノロケットが快勝。札幌芝を経験した強みを生かした。
OROカップはコスモリョウゲツが圧勝。中央芝1勝クラスでも頭打ちだったが、この時点で盛岡芝7戦6勝2着1回。盛岡芝との相性が素晴らしいことを証明した。
そして先週、OROターフスプリントは名古屋エイシンテキサスが鮮やかな逃げ切りを決めて優勝。鞍上・山林堂騎手に初重賞をプレゼントした。
1番人気に応えて勝ったのはオパールCのマツリダレーベン1頭のみ。今年の盛岡芝は群雄割拠の時代、波乱の連続だった。さて、秋嶺賞。果たして順当で収まるのか、それとも波乱の一戦になるのか。
主軸にオリエンタルポリスを指名する。中央1勝クラスから転入後、芝ダートでそれぞれ1勝。前々走の芝1600m戦で好位抜け出しを決めた。
前走6着に終わったが、芝替わりは望むところ。前々走と同じ11番枠を引き当て、内にいる先行馬の動きを見ながらレースを進めるのも強み。
フリームーヴメントは中央芝1200m1勝から転入。前々走のJRA条件交流(中央1勝クラスvs岩手B1下)で3角からひとまくり。あわやのシーンを作って3着を確保した。
追い込み脚質ゆえ展開に注文つく面があるが、加速ついてからのシャープな切れが売り物。流れ次第と底力で一気突き抜けるシーンまで。
ニシノヴォーカルは小柄な牡馬ながら全身がバネ。3走前のはまぎく賞で大外一気に伸びてタイム差なし2着。続く区界賞は6着だったが、不良馬場の前走ダート戦を快勝。上昇ムードに乗り、2連勝を飾るシーンまで。
スガノブリランテは休み明け2戦目の盛岡ダート1200m戦を快勝。本調子を取り戻した。1700m対応が課題だが、芝適性は3走前の姫神賞快勝で証明済み。好枠を引き当て身上の粘りを発揮する。
ウインタリエンテは逃げがベストで願ってもない2番枠を引き当てた。気分良く逃げれば強じんな粘りを披露する。
マイディアライフは中央芝で2着1回3着3回。はまぎく賞は7着だったが、4角で一旦先頭。見せ場を作った。オクトーバーCは芝からダート変更で度外視。仕切り直しで反撃に転じるか。
◎⑪オリエンタルポリス
〇⑦フリームーヴメント
▲①ニシノヴォーカル
△③スガノブリランテ
△②ウインタリエンテ
△⑥マイディアライフ
<お奨めの1頭>
7R シェアザプレジャー
移籍2戦目を圧勝し、上昇一途。走破タイムも文句なく、2連勝はもらった
★重賞 OROターフスプリントはエイシンテキサスV
10月20日に行われた芝の地方競馬全国交流『OROターフスプリント』は名古屋所属のエイシンテキサスが逃げ切り勝ち。鞍上の川崎・山林堂騎手は盛岡の地で自身の重賞初制覇を達成しました。
遠征馬6頭を迎えて行われたOROターフスプリントは今シーズン最後の芝重賞。それも1000mという距離とあってこの距離を狙う短距離巧者が集結しましたが、山林堂騎手を背にしたエイシンテキサスは好スタートからペースをコントロールして後続の追撃を抑え込み、最後も追い込んだタイセイプライドの猛追を退けてゴール。
勝ったエイシンテキサスは昨年のこのレースでは岩手所属として挑んで4着だった雪辱を、所属を替え1年越しで達成。そして山林堂騎手はデビュー以来初の重賞タイトル獲得ともなりました。
10月21日のメインレースは8Rになります。芝1700mの『OROターフ特別』。盛岡競馬のシーズンも終盤を迎え、芝レースも残り少なくなってきました。オープン級の芝特別はこれが最後。それだけに芝巧者たちにとっては力が入る一戦にもなりそうです。
本命は(10)マイネルスカイです。近走は少し大きめの着順の数字が続いていますが前走はダート、二走前は芝の交流重賞でのもので条件的に少し厳しかったのは確かでしょう。準重賞クラスの、つまり地元馬同士の芝戦であれば桂樹杯3着など上位の成績を残しており、今回の条件なら力不足は無いはずです。
対抗は(11)ウインルーカス。この馬もマイネルスカイ同様にダートではやや苦戦するものの芝では別の馬のように堅実。桂樹杯5着、今回と同じ条件になる9月のOROターフ特別でも2着ですからここで上位の力を持っているのは間違いなし。カギは大外枠がどういう影響を及ぼすか?でしょう。
(2)サンエイゴールドは3番手評価。芝重賞6勝・準重賞1勝の実績を誇る岩手の芝の王者なのですが今季は順調さを欠き前走が今季の初実戦。1700mはやや短いという戦績ですがOROターフ特別では常に上位を占めていますから問題は無いとして、やはり今季2戦目という点は割引材料にならざるを得ないでしょう。実績・実力を認めつつも今回は3番手まで。
あとは少し穴っぽく(1)アルカサル、(3)リュイールスター。最近の調子は決して悪くないし芝も本来得意という馬を押さえてみたいと思います。
●8Rの買い目
馬単(10)=(11)、(10)=(2)、(10)→(1)、(10)→(3)
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14日、南部杯の日、一つの記録が誕生した。第9R・B2戦に出走したシャーク(父デュランダル 母ユメノラッキー
母父ソルトレイク)が逃げ切りを決め、岩手通算30勝を達成した。
シャークは2012年4月、中央7戦0勝(うち1回は川崎条件交流)から転入。3歳C2の最下級編入にも恵まれて年間8勝をマーク。その後もタフに走り続け、4歳時3勝。5歳時7勝、6歳時7勝。7歳時はA級に上り詰めたため1勝のみにとどまったが、重賞(当時)・あすなろ賞で3着に健闘した。
8歳時にも2勝したが、昨年9歳時は年齢的な衰えと順調さを欠いて実戦7度のみ。3着2回が最高だったが、今年5月に1勝。大台30勝に王手をかけたが、そこからが生みの苦しみ。クラスもB1とB2を行き来し、2着2回もあったが、なかなか白星を手にすることができなかった。
しかし10月14日、南郷家全騎手とのコンビで鮮やかな逃げ切りを決め、ついに30勝を達成した。
転入後、調教を含め、ずっと世話をしてきた永田幸弘調教師補佐。「2年前から30勝が目標でしたが、なかなか勝てず苦労しました。年齢的なものもありますしね。改めて勝つことの大変さを実感しました。たぶん、自分が攻め馬で乗った中では一番落とされたと思います(笑)。年齢を重ねても俊敏なんですよ。これがデュランダルの血なんだなと思います。勝った後は達成感でずっとニコニコしていました。本当にうれしいです」
ホースマンにとって最大の喜びは『勝つこと』。それを30回もするのは至難の業。記憶に間違いなければ1990年に引退したアラブ・コウギョウハンター36勝、1995年に引退した伝説の名馬・トウケイニセイ39勝以来の岩手在籍30勝達成。条件クラスと言うなかれ。無事に走ってこその30勝。心から記録達成を祝福したい。
20日メインは地方競馬全国交流「第9回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)。トライアル・ハーベストカップ1、2着馬シャドウパーティー、ナリタスターワンがそろって回避。さらに遠征馬の力量適性比較が難しく、非常に難解な一戦となった。
迷った末の本命はコスモリョウゲツ。距離不足は盛岡芝適性でカバーできると見た。中央500万下から再転入後、芝2400m準重賞・かきつばた賞を快勝。一息入れた桂樹杯は2着に敗れたが、交流・OROカップを3馬身差で完勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
中央500万下で頭打ちだったが、盛岡芝で持てる能力を発揮。7戦6勝2着1回は文句のつけようがない。残された課題は1000mだが、中央芝1200mを使っていればこなせるはず。何よりも勢いを重視した。
コスモロングソードも盛岡芝適性は引け取らず<7.4.2.3>。特に芝1000mは4戦2勝2着2回と絶対の自信を持っている。昨年はシャドウパーティーの大外一気に屈したが、2着を死守。休み明け3戦目で首位を奪取する。
タイセイプライドはOROカップ5着。盛岡芝にのめっていたのが痛かった。しかしコース2度目。また中央芝1400m2勝、芝1200m1勝と距離短縮は望むところ。
メイショウブイダンは中央芝1200m4勝・準オープンに在籍。北海道移籍後は5着最高だが、間違いなく芝でこそのタイプ。ここは全力投球の舞台。
ケンガイアは7月、3歳ダート1200m交流・ハヤテスプリントを快勝。2ヵ月休養明け後、OROカップへ参戦し、逃げて0秒6差4着。初芝を考えれば好走の部類。こちらも1000m短縮は大歓迎。同型をどうさばくかがカギ。
ユイノルフィはトライアル3着。理想は逃げだが、好位追走でも我慢できる。
◎⑪コスモリョウゲツ
〇②コスモロングソード
▲⑥タイセイプライド
△①メイショウブイダン
△⑦ケンガイア
△⑨ユイノルフィ
<お奨めの1頭>
2R マースルマン
移籍2戦目をハイタイムで圧勝。メンバー強化感もなく、2連勝はほぼ手中
14日、JpnI「第32回マイルチャンピオンシップ南部杯」は吉原寛人騎手が騎乗したサンライズノヴァが快勝。2着アルクトス、ゴールドドリームは3着に敗れた。
勝因は音無調教師のコメントがすべて。「これまでゲート出が悪く、それで競馬を苦しくしたが、今回はうまくいった。奇数番号で先入れだったが、我慢してくれた。中央ダートのマイルは芝スタートなので使えるレースが少ない。このコースも合ったんでしょう」
改めてレースリプレイを何度も見た。やはりスタートはあまり良くはなかった。しかし吉原騎手が先団まで押し上げ、ゴールドドリームの直後インにつけた。
スパートは勝負どころの3コーナー。早めスパートをかけ、モジアナフレイバーと一緒に進出したが、ゴールドドリームはそこで一瞬もたついて置かれたのが痛かった。そして4コーナーで逃げロンドンタウン、2番手ノボバカラ、内アルクトスの3頭の外につけ、残り200mで先頭。
あとは内で粘るアルクトスを交わして1馬身半差。人馬ともうれしい初G/JpnIタイトルを獲得した。
吉原寛人騎手「あまり後ろだと外を回るロスがあるので前目の競馬をしたいと先生(音無調教師)に話しました。(前半で脚を使わせたので)どれだけ馬が耐えれるかが心配だったが、手応えが良かったのでこれなら勝てると思いました」
続けて「またがった瞬間、馬格がすばらしく乗り味もすごくいい名馬だと思いました」
次走は白紙だそうだが、「今がいい状態なので1800mも使ってみようかと思っている」と音無調教師。ダート1800mといえば中京・チャンピオンズカップと勝手に解釈。そこでもひと皮むけたサンライズノヴァが観られるかもしれない。
19日メインはC1「五葉山賞」(盛岡芝1000m)。前哨戦の再現ムードが漂っているが、果たして...。
タイセイブランシュはデビュー3戦はダートを使ったが、矛先を変えて新潟芝1000mへ挑戦。休み明けだったにもかかわらず2着を確保し、2戦目は0秒5差5着。直後に岩手入りした。
初戦に五葉山賞ターフチャレンジを選び、1番人気はサフィロスに譲ったが、直線鮮やかに抜け出して快勝。芝1000m適性を存分に発揮した。
同レースの出走馬は9頭中5頭。上位5着馬までがエントリーしたが、初の盛岡芝で結果を出せば本命は当然のこと。2連勝を飾る。
ウインドショコラは転入後、ダートは3走前の1000m8着1度のみ。ほかはすべて芝を使って<2.2.1.1>。芝1000mも<1.2.1.0>と適性を証明済み。この条件は持ちタイムも大きなファクター。3走前に58秒9が光り、良馬場で逆転の可能性は十分ある。
マジェスティはデビュー戦・阪神芝2000m2着。以降3戦連続で4着を確保した。転入戦のもみじ賞は初の1000m戦。最短距離は1600mで前半はペースにとまどったが、メンバー最速タイの上がりで5着入線した。条件2度目と降格でアッサリまで。
サフィロスは南関東B2から転入。ダート1000mを連勝した。前走は逃げて3着に終わったが、久々の芝にも戸惑ったか。3歳時にアイビスサマーダッシュ(新潟芝1000m)6着の実績があり、反撃必至。
フラワーズアートは中央芝1800m3着、芝2000m2着。前々走2着で盛岡芝も問題ないことを証明したが、前走は1000mにてこずった印象。上昇の余地はある。
ミステリーモリオンは昨年、上級B2芝1000m・もみじ賞2着。今季は4着最高だが、得意の芝1000mで切れを発揮するか。
◎⑦タイセイブランシュ
〇⑧ウインドショコラ
▲②マジェスティ
△①サフィロス
△④フラワーズアート
△⑥ミステリーモリオン
<お奨めの1頭>
7R カフェアリアドネ
前走2着は相手が強すぎた。ここでは前走タイムでも抜けており、首位奪回に燃える