★重賞 白嶺賞/エンパイアペガサスが貫禄示す
12月16日に行われた重賞『白嶺賞』はエンパイアペガサスが貫禄を見せて優勝しました。
1番人気に支持されたのはロジストーム。その同馬がハナを奪うかと思われたがゲートが開いてみればマーブルフラッシュ始め複数がハナを争い結果先行勢は息が抜けない流れに。一方エンパイアペガサスは序盤は8番手あたりを追走。1コーナー過ぎから動き始めると向こう正面ではロジストームの直後に、そして3コーナーからはロジストームを交わしにかかります。
直線に向いて先頭に立ったエンパイアペガサスをヤマショウブラックが追い詰めましたが、最後は首の上げ下げの接戦をエンパイアペガサスが凌いで勝利。青藍賞に続いて今シーズンの重賞2勝目を挙げました。
12月17日火曜日に行われる水沢競馬、メインレースは10レースの『冬至特別』。A級馬によるダート1900m戦、このレースの本命は(10)ディグニファイドとしました。
JRA時代の3勝は全てダートの1700m以上で挙げたもの。白星先行の成績では無いもののダート中距離での安定感は軽視できないものがあるでしょう。本来なら先の盛岡で転入初戦を戦う予定でしたが取り止めになり、これが仕切り直しの一戦に。とはいえ右回りダートの経験も豊富ですから大きなハンデにはならないはず。初戦から狙ってみるのが妥当でしょう。
対抗は(5)スカイサーベル。今季はほとんどが盛岡戦でA級特別を含めて盛岡で4勝を挙げた同馬。ですが春先には水沢で勝っていますし昨年12月にも水沢のA級特別を勝っていますから水沢で割引感はありません。カギはあまり経験がない1800m以上の距離。ですが展開次第で対応できるでしょうし、近走より相手緩和になるのも好材料。
3番手は(4)レイズアスピリットでどうでしょうか。芝ダ問わず長めの距離が得意な馬で、実際今年のみちのく大賞典で2着、昨年の北上川大賞典では5着に入っており、ダートの中長距離でも侮れないところ見せています。1900mでももう少し距離が欲しいところかもしれませんが守備範囲に入ってきているのは間違いないはず。
(7)センティグレードは距離が若干長いかと思いここまでの印にとどめましたが、元々冬場は走りますし水沢も得意。近走も厳しい相手関係の中でこの馬なりに勢いを取り戻していましたから軽視しきってしまうつもりはありません。この勢いで距離もこなせれば。
(11)ヤマニンボアソルチも近年の好走経験がほとんど水沢というコース巧者。1800m以上になると少し長い印象がありますがコース適性に賭けてみる手。
●10Rの買い目
馬単(10)=(5)、(10)=(4)、(10)=(7)、(10)→(11)
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16日メインはレギュラーシーズンのフィナーレを飾る重賞・トウケイニセイ記念トライアル「第28回白嶺賞」(水沢1600m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
ただ、今年は例年とは毛色が若干替わっている。12月2日に予定していた北上川大賞典(水沢2500m)が開催取り止め。
いつもなら白嶺賞→トウケイニセイ記念か北上川大賞典→桐花賞が岩手王道路線だったが、取り止めにより桐花賞を目指すエンパイアペガサス、ヤマショウブラックがそろってエントリー。結果的に白嶺賞が桐花賞、トウケイニセイ記念を占う重要な一戦となった。
マイルが舞台なら中心はロジストームだろう。南関東2戦2、4着から4月に里帰り。赤松杯、シアンモア記念を連勝。父アンブライドルズソング譲りの大型馬がついに主役に躍り出た。
直後に千葉へ移動して休養リフレッシュ。8月末に戦列復帰し、1800m戦を圧勝。自身の連勝を3に伸ばし、南部杯トライアル・青藍賞へ。単勝1・7倍の圧倒的1番人気に支持されたが、ハドソンホーネット、キングジャガーとともに超ハイペースで形成。
ハドソンホーネットは3~4コーナー中間で失速し、キングジャガーも直線で競り落としたが、前半で脚を使ったため最後の伸びがひと息。一方のエンパイアペガサスは休み明けの影響もあって追走に手こずったが、それが奏功。ゴール前できっちり交わして青藍賞2連覇を果たした。
続く南部杯は岩手最先着を果たし、絆カップでは青藍賞の二のテツは踏まないと逃げたパンプキンズを4角で捕え、あとは後続の追撃を完封。重賞4勝目を手にした。
ロジストームの青写真は当初から白嶺賞→トウケイニセイ記念のマイル路線。メンバーは手ごわくなったが、エンパイアペガサスに雪辱を果たす格好の舞台となった。
エンパイアペガサスは冬期間、定番どおり南関東へ移籍。金杯、報知グランプリカップへ出走。今年は早めに帰郷し、3月の特別開催A級一組を8馬身差で圧勝。岩手代表でオグリキャップ記念連覇を狙って遠征したが、カツゲキキトキトなど強豪ぞろい。4着に終わり、みちのく大賞典3連覇を目指した。
しかしハドソンホーネットの逃げ切りに屈して3着。北海道で休養し、青藍賞で戦列復帰。臨戦過程が不安で4番人気に甘んじたが、貫禄の1着。王者健在を誇示した。
2ヵ月休養後、距離適性を見込んで金沢・北國王冠へ遠征しタガノゴールドの3着。北上川大賞典から桐花賞の路線を歩む予定だったが、冒頭に記したとおり開催取り止め。白嶺賞を叩いて桐花賞へ臨む。
不安材料はマイル対応だが、過去、水沢1600mは3戦3勝。適性はロジストームに譲るが、底力でカバー。この雌雄対決は予期せぬプレゼントになった。
ヤマショウブラックはイーハトーブマイル優勝後、最初から北上川大賞典の予定名はなかった。状態を見ながら桐花賞直行かひと叩きかを考えていたが、最終的に白嶺賞出走を決断した。
水沢は昨年の寒菊賞2着(1着はパンプキンズ)以来、久々。加えてマイルよりも中距離以上のイメージがあるが、今の上昇度ならば克服十分。仮に負けたとしてもエンパイアペガサスとの差を図る格好の舞台。無欲で臨み、55キロのハンデ差を生かす。
パンプキンズは不来方賞3着で岩手三冠達成を果たせなかったが、距離適性を重視して以降はマイル路線を歩んでいる。
南部杯挑戦は超一流の流れを経験させたかったから。イーハトーブマイル2着、絆カップ8着に敗れたが、今度は得意の水沢が舞台。持ち味の先行力と強じんな粘りを発揮でき、この挑戦は見もの。枠順も手ごろだし、マイペースで逃げれば軽視できない。
ミスティカルは凡走もありながら今季3勝2着2回。着実に成長を遂げている。ベストは1400m戦だが、マイル戦でも1勝マーク。ペース速くなれば台頭の可能性がある。
◎⑨ロジストーム
〇⑧エンパイアペガサス
▲⑩ヤマショウブラック
△⑤パンプキンズ
△⑫ミスティカル
<お奨めの1頭>
8R スカイルーク
転入後は格付けにも恵まれて4勝2着4回と連対パーフェクトを継続中。水沢は初めてだが、京都ダート1400m1勝ならまったく問題ない
いよいよ年末年始恒例のオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ」(全3戦)が、15日(日)からスタートする。総合優勝騎手にはボーナス50万円が支給される。
「ゴールデンジョッキーズシリーズ」は上位騎手によるゴールデンステッキ賞、若手騎手によるシルバーステッキ賞を発展的解消。2012年度からリーディングジョッキー12名が全3戦で総合優勝を争う形となった。
その2012年度は第3戦が降雪により休止。第2戦までのポイント1位の高橋悠里騎手が優勝した。翌年13年度は山本政聡騎手、14年度は南郷家全騎手。
15年度は陶文峰騎手。第2戦まで最下位だったが、最終戦を快勝。2位・山本聡哉騎手、3位・南郷家全騎手が27ポイントで並んだが、最終戦の結果を優先―のルールから奇跡の大逆転劇をやってのけた。
16年度は山本政聡騎手は2度目の総合優勝。17年度は斎藤雄一騎手。同騎手は骨折により半戦を棒に振ったが、驚異的な回復で復帰。さらには同シリーズ優勝を果たした。
昨年18年度は第3戦が開催取り止めのため、第2戦終了時で1位の坂口裕一騎手が優勝した。
実はこの「ゴールデンジョッキーズシリーズ」にはジンクスがある。第1戦を勝った騎手の総合優勝が一度もない。当のジョッキーには嫌なデータだが、紛れもない事実。
もちろんジンクスは覆すもの。ファンの皆さん、以上のことも参考に総合優勝騎手を当ててください。
第1戦はC1級・水沢1400mが舞台。主軸に菅原辰徳=スキーマーを推す。北海道C1から転入初戦の盛岡マイルを2着に粘り、距離が1400mへ短縮された2戦目を快勝。2着に4馬身差をつけて圧勝した。
コースが右回りに替わるのは過去実績からも望むところ。同型いるが、控える競馬もこなせるので問題なし。今回のシリーズに出場したいがため、先週から復帰した菅原辰徳騎手が2連勝をプレゼントする。
レッドローズキングはJRA未勝利→金沢2勝→JRA→園田0勝→佐賀6勝→南関東0勝→高知5勝→南関東2勝→高知1勝と全国を転籍する古豪。
転入後は3着最高。気性難を見せているが、地力上位は明らか。4年連続のリーディングを目指す山本聡哉騎手が岩手初勝利をもたらすか。
カフェガーネットは最後の詰めが課題だが、毎回のように入着を確保。相手なりに駆けるタイプとして定評がある。前走は積極策から2着。デビューから2年連続で同シリーズ出場の岩本怜騎手が初コンビを組む。
ドーモスイマセンはB2昇級後は苦戦していたが、前々走2着。先行粘りが身上ゆえ小回り水沢は歓迎だし、C1降格も見逃せない。鞍上は驚異的な勢いで勝ち星を伸ばすリーディング3位・山本政聡騎手。
トーホクフェアリーは今季始動が遅れたが、現在5戦連続で連対中と抜群の安定感。コース替わりは若干割り引きだが、決して苦手ではない。鞍上は3戦連続で騎乗・高松亮騎手。手の内に入れているのが心強い。
ラヴァクールは北海道から転入初戦。中央芝で2着2回なら今の水沢の馬場は合うはず。鞍上は第1回以来、2度目の優勝を狙う高橋悠里騎手。
◎④スキーマー
〇①レッドローズキング
▲⑦カフェガーネット
△②ドーモスイマセン
△⑧トーホクフェアリー
△⑤ラヴァクール
<お奨めの1頭>
7R アメジストヴェイグ
転入初戦を2着にまとめ、上々の滑り出し。ひと叩きされて体も絞れ、待望の初勝利に王手をかけた
久しぶりのこのブログになります。この間に開催場は水沢に移り、冬の競馬がスタートしております。
10月にコースの砂入れ替えがあった水沢競馬場ですが先日の雪の影響が残って今週のコース状態は不良。各距離の走破タイムも今の所やや速めという感じになっています。どちらかといえば先行有利な決着が多いようにも見えますが、開催間隔が開いた分と、また今季ここまで盛岡開催が非常に長かったことから水沢でのレース経験がない馬も多いために、水沢経験がある馬がうまく乗りこなして有利に戦っている印象でもあります。来週あたりまではこれらの影響が残るのではないでしょうか。
12月9日の水沢競馬は10Rがメイン。2歳重賞の『寒菊賞』がそれです。年明けの金杯のトライアルにもなるレースですが、この間にも転入馬が増えて力関係は流動的。今回の11頭中7頭が北海道からの移籍馬ですから実質的には北海道所属馬の戦いの様相です。
しかし本命は数少ないというべき岩手デビュー馬の(4)グランコージーとしました。前走の南部駒賞では8着、北海道勢にかなわなかった形になりましたが、力云々というよりは自身初めてと言っていい超ハイペースの先行争いになってしまって崩れてしまったと見るべきでしょう。北海道からの転入馬が多いここは"地元馬同士だから"とも言い難い相手になっていますが、その前走の経験は活きるはずですし、先行しぶといタイプですから直線短い水沢はこなせれば悪い条件ではないはず。巻き返しに期待します。
対抗は(5)シンボ。南部駒賞は北海道所属として出走して7着。最内枠が災いして流れを掴みきれずに終わった印象でした。それ以前の結果で分かる通り、スムーズに流れに乗れさえすればこの辺で勝ち負けできる力があるのは間違いない馬。前残り傾向になった時が少し怖いですが門別では先行競馬もしておりあくまでも流れ次第のはず。
(6)バイクミレーは前走からまた一ハロン延長、引き続き距離との戦いになります。地力の高さは前走で証明済みと言えますし、このあと何度か戦うであろう水沢マイルという条件で力を出しきれるかどうかが試金石。
(8)エイシンハルニレ若駒賞でグランコージーの2着が目を引きます。前走は結果的に芝1000mが合わなかったと考えればダートマイルで見直し可能。(9)サンエイキングダムは今年の岩手デビュー馬の中でも素質では上位と思える一頭なのですがなかなか良い結果に繋がりません。地力発揮に期待しての△。
●10Rの買い目
馬単(4)=(5)、(4)=(6)、(5)=(6)、(4)→(8)、(4)→(9)
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次週15日からスタートする「ゴールデンジョッキーズシリーズ」全3戦に出場する騎手12名が発表された。紹介順は11月17日時点のリーディング1位から、()は勝利数。
・村上忍(137勝)
・山本聡哉(135勝)
・山本政聡(128勝)
・高松亮(85勝)
・岩本怜(80勝)
・坂口裕一(65勝)
・菅原辰徳(65勝)
・鈴木祐(62勝)
・菅原俊吏(60勝)
・高橋悠里(57勝)
・阿部英俊(48勝)
・陶文峰(37勝)
昨年度まで山本聡哉騎手が4年連続でリーディングトップを飾っていたが、今シーズンのジョッキー戦線は村上忍騎手がリードした。さらには園田・ゴールデンジョッキーカップ総合優勝を果たし、5年ぶりの首位奪回が濃厚になるかに見えた。
しかし2度の騎乗停止(合計10日間)によって首位が逆転。11月11日時点で山本聡哉騎手134勝、村上忍騎手131勝。村上忍騎手には厳しいムードが漂っていたが、翌週16日、17日の2日間で6勝を荒稼ぎ。また3位の山本政聡騎手も6勝マークして猛チャージ。初のリーディングも視界に入ってきた。
この接戦模様の中で「ゴールデンジョッキーシリーズ」を迎えるのは、ファンとしてうれしいこと。当人たちはプレッシャーを相当感じていると思うが、同シリーズの結果がリーディング争いを大きく左右する争いになること必至。今週はもちろんのこと、次週からのリーディング争いに注目してほしい。
8日メインはB2「ディセンバーカップ」(水沢1900m)。近走成績を重視するか、距離適性を重視するか―が焦点となる。
コログレッツォは高知C3から転入。盛岡芝でリズムが狂った時期もあったが、軌道修正に成功。特に近5走の内容は評価に値。勝ち切れないタイプだったが、ロングスパートが決まって2勝をあげた。
前走は2番手をキープしたアルアンダルスが3馬身差で完勝。コログレッツォは水を開けられたが、追い比べで2着を死守。地力強化を改めてアピールした。
今回のメンバー構成なら流れ落ち着く可能性が高いが、自力で動けるのが強み。父オルフェーヴル、母父ダンスインザダークの血統からも1900mは望むところだろう。
コウギョウネルソンは夏場に精彩を欠いたが、再び上昇気配。切れる末脚を武器に3走前、そして前走を快勝した。スローに落とされると苦しいが、早めスパートをかけて上位をもくろむ。
トーセンスプモーニはデビュー3戦目、大井1400mを快勝し、準重賞・ゴールドジュニア3着、重賞・ハイセイコー記念6着。
今季は休み休みの実戦で今回も3ヵ月半ぶり。レースを離れているハンデはあるが、南関東C1→岩手B2は恵まれた格付け。久々でも好勝負に持ち込める。
ヤマトタケルは前々走4着、前走3着にまとめて良化傾向。先行粘りを身上とし、盛岡より平坦水沢向きは明らか。ベストは1600mだが、マイペースの逃げが打てるメンバー構成。1900mも我慢できるとみる。
フォルシュナイトは4戦連続で着外に終わっているが、5走前の盛岡ダート1800mを快勝。ゆったりと流れる1900mは大歓迎。近走度外視で狙ってみたい。
リンネルクロスは距離が微妙だが、ヤマトタケルの2番手で折り合えば粘り腰を披露。スンナリなら残り目があるかも。
◎④コログレッツォ
〇⑦コウギョウネルソン
▲②トーセンスプモーニ
△③ヤマトタケル
△⑩フォルシュナイト
△⑧リンネルクロス
<お奨めの1頭>
3R ベルフォルテ
転入2連勝の強さが際立っている。今回は初の水沢だが、どんな展開にも対応できるのが強み。3連勝に王手をかけた