11月18日から12月2日まで開催取り止めとなっていた岩手競馬が7日(土)から再開します。詳細は岩手競馬公式ホームページをご覧になってほしいが、岩手競馬所属馬全頭の事前検査の結果、先に発表された陽性反応馬以外は陰性だったことが判明。2週間遅れて水沢競馬がスタートする。
水沢開催は8月26日以来、久々に加え、走路馬場を全面改修。毎回記すことだが、開催替わりは馬も人も手探り状態。時計が速いのか遅いのか。内が有利か外が有利か。先行有利か差し有利か。すべては実際に走ってみないことには分からない。
ひとまず仮説は手探り状態ゆえ、総合力と近走成績。そしてコース実績を重視して予想を組み立ててみた。果たして吉と出るか、それとも逆になるか。
もう一つチェックしてほしいのがパドックと馬体重の増減。レース間隔が開いた上、岩手周辺は寒波が襲来。思った以上に寒く、大型馬は絞るのに苦労しているかもしれない。
基本は水沢開催だから盛岡所属馬は輸送があるので、体重減は当たり前。また水沢所属馬は地元開催なのでプラス体重で出走する可能性が高い。小生も以上のことを念頭に置いて競馬に臨みたいと思っている。
7日メインはB1一組「クリスマスローズ賞」(水沢1800m)。水沢1800mはコーナー発走のため内枠有利がセオリーだが、マイネルバローネの総合力を重視した。
マイネルバローネは昨年3月、中央0勝、南関東3勝・C1から転入。岩手A級へ格付けされ、2勝マークでシーズンを終了。
今季始動は7月までズレ込み、当初は凡走を繰り返していたが、実戦を使われながら良化。B2降格も後押しし、復帰4戦目3着から7戦連続で3着以上。また現在、4戦連続で連対確保と抜群の安定感を誇っている。
前走は伏兵マリーグレイスの逃げ切りを許したが、直線で猛追。0秒1差にまとめ、大外強襲サンエイフラワーの追撃をしのいで2着を死守。負けて強しの一戦だった。
昨年2勝のうち1勝を水沢1600mであげ、コース替わりも問題なし。連軸に最もふさわしいと判断した。
エンドゲームは福島芝2000m1勝から南関東へ移籍。芝交流・せきれい賞へ参戦し、0秒9差6着。初戦はその実績を買われて3番人気に支持されたが、伸びを欠いて9着。ところがダートに替わって反応が一変。B2で3連勝を飾った。
今回が初の水沢コース。適性未知数の面が多いが、何よりも先行力あるのが魅力。このメンバーなら楽に先手を取ることができ、マイペースの逃げ必至。距離もOKとくればアッサリ首位まで十分。
サンシャンペーンは中央から転入後、格付けにも恵まれて7戦連続で連対。勢いに乗ってB1級でも1勝をマークし、JRA1勝クラスとの条件交流でも4着に善戦した。
気になるのは前走7着。盛岡ダート1800mで2着1回の実績があり、距離も問題ないと思っていたが、見せ場なく7着。勢いが止まったか、それとも流れが合わなかったか。今回が真価を問われる一戦となった。
ゴッドミラクルは笠松C級から岩手B1へ編入。クラスきついかと思ったが、水沢1勝2着1回3着1回にまとめ通用を証明した。
それに対し盛岡戦は3着最高。コースが合わなかったし、A級もきつかった印象。今回からB1へ降格して得意の水沢を迎えたのが心強い材料。軽視できない。
モズリュウオウは強烈な末脚を武器に4勝。追い込み脚質のため展開に左右されるのは否めないが、流れ速くなれば水沢も決め手さく裂。
サンエイフラワーはダート克服がネックだったが、前走思い切った待機策から直線一気に伸びて0秒1差3着。これでメドが立った。
◎⑦マイネルバローネ
〇⑤エンドゲーム
▲②サンシャンペーン
△⑧ゴッドミラクル
△④モズリュウオウ
△③サンエイフラワー
<お奨めの1頭>
8R ジェイケイブラック
岩手入り後、圧勝に次ぐ圧勝で4連勝。イーハトーブマイルは3歳トップ相手で3着に敗れたが、自己条件ならば負けられない
17日メインは今シーズン盛岡競馬のフィナーレ重賞「第9回絆カップ」(盛岡ダート1600m)。
思い出すのは8年前、第1回絆カップ。2011年3月11日、悪夢の東日本大震災が発生。岩手競馬も甚大な被害を受け、再開のメドがまったく立たなかった。特に水沢競馬場はダメージがひどかった。ひどすぎた。
しかし関係者、ファンの皆さんの支援などによって、5月中旬までずれ込みながらも盛岡競馬1場で再開。競馬サークルが一丸となって岩手競馬を盛り上げた。
とはいえ、看板レース・南部杯実施は体力的にも不可能。その年は開催見送りの可能性が高かったが、「岩手競馬を支援する」ため1回限りを条件に10月10日、東京競馬場で開催。
一方、盛岡では「第1回絆カップ」が行われ、その映像が東京競馬場ターフビジョンで流れ、心から感動したことが忘れられない。
岩手競馬はいまだ復興途上。まだ時間はかかるだろうが、みなさん温かく見守ってください。必ずや復興できると確信している。
今年の主役はロジストーム。春のマイル戦で赤松杯、シアンモア記念を連勝。その後は放牧に出て8月の復帰初戦も完勝。予定どおり青藍賞へと臨んだ。
しかし予期せぬ結末が待っていた。逃げたみちのく大賞典馬ハドソンホーネット、2番手キングジャガー、その外ロジストームが激しく競り合って超ハイペースを形成。
4コーナー手前でハドソンホーネットが脱落し、直線半ばでキングジャガーも競り落としたが、ロジストームは直線半ばで一杯。中団に待機したエンパイアペガサスに屈し2着に敗れた。
気分を取り直した前走・南部杯は岩手最先着9着。自身のマイル持ち時計タイで走り、意地を見せてくれた。
エンパイアペガサスは北國王冠へ臨んで3着。ラブバレットは笠松グランプリ4度目制覇を目指すため、ライバル不在。加えてベストのマイルなら主役は譲れない。
レプランシュはディープインパクト産駒。2歳時に2勝をマークし、きさらぎ賞はサトノダイヤモンドの2着。以降は勝ち星から遠ざかり、今年岩手へ新天地を求めてきた。
当初は芝が目標だったが、せきれい賞、OROカップとも二けた着順。しかし青藍賞で3着を確保し、前走も2着。ダートもこなすことを証明した。
前半は置かれるが行き脚ついてからの伸びは父ディープ譲り。ロジストームは不動だが、次位筆頭に位置するのは間違いないだろう。
ニットウビクトリーは今年10歳だが、大事に使われて馬体の良さをキープ。今季も3勝をマークし、前回も快勝。成績が示す通り岩手5勝、中央4勝もすべて左回りという典型的なサウスポー。水沢に替わる前に一発をかましたい。
パンプキンズは不来方賞3着で岩手三冠はならなかったが、その結果を見てマイル路線へ移行。南部杯は一線級の流れを経験する目的で挑戦し、その成果もあってイーハトーブマイル2着。3歳馬のアドバンテージ55キロのハンデを生かし、逃げ粘る。
マーブルフラッシュは3月開催4着後、8月まで休養したが、復帰後も毎回入着を確保。先行力と粘りを生かせれば馬券対象になる。
ハイパーチャージは思い切った追い込み策が奏功。2連勝を飾り、前走も2着。ここも自分の競馬に徹するのみ。
◎⑪ロジストーム
〇⑫レプランシュ
▲⑤ニットウビクトリー
△⑥パンプキンズ
△⑦マーブルフラッシュ
△⑧ハイパーチャージ
<お奨めの1頭>
9R コーラル
3歳重賞・イーハトーブマイルは相手が強く7着も仕方なし。自己条件に戻って首位を奪取する
今週16日(土)~18日(月)の3日間で今シーズンの盛岡競馬は全日程が終了する。特に今回は8月31日から11月18日までのロング開催。
昨年より盛岡競馬がひと開催増え、薄暮競馬も2週間伸びたことになる。参考までに本州で最も日の出が早いのは岩手県宮古市。必然的に日の入りも本州いち早く、内陸にある盛岡の16日予報では日の出が6時20分、日の入りが16時20分。
16時半過ぎるころには盛岡競馬場の周辺は完全に夜。18日の最終12Rは18時20分だから、照明施設の効果は絶大だ。今週3日間で薄暮競馬もシーズンラスト。
現在、盛岡競馬場の周辺は紅葉真っ只中。日が照っているときは山々の紅葉、日没後は照明競馬を楽しんでほしい。
馬券的なことで言えば先週は堅いレースもそれなりにあったが、波乱が多かった。特に11日(月)は強烈だった。
11Rは1着プリンスダム(9人気)→イスラドラーダ(5人気)、ブライトエンジェル(8人気)の順でゴールして3連単が53万900円。12Rも1着マリーグレイス(7人気)→マイネルバローネ(1人気)→サンエイフラワー(10人気)で3連単27万9430円。
こうなると我々予想人は手も足も出ないが、2レースに共通していたのは思った以上にペースが遅かったこと。正攻法で予想し、あとは逃げ2番手を押さえることだろうか。果たして開催替わり前の盛岡は大荒れになるか、それとも順当か。
16日メインはオープン「スプリント特別」(盛岡ダート1400m)。当初、登録があったナリタスターワン、メイショウオセアンが出走回避し、印の序列にあまり迷いはなかった。
サインズストームは昨年10月から2連勝を飾り、シーズン終了。今季も好調サイクルを維持し、初戦から3連勝。さらには1000m重賞・早池峰スーパースプリントをレコードで圧勝。
石川栄調教師は馬に無理をさせないのが一貫したポリシー。大事に使った結果、サインズストームは6歳にしてついに本格化を迎えた。
続いて水沢1400m重賞・栗駒賞ではラブバレット相手に果敢に逃げて2着。重賞レコード勝ちがダテではないことを証明したが、そのレースで脚部不安が発生。蹄骨を痛め、戦列離脱を余儀なくされた。
しかし3ヵ月余りの休養を経て復帰。初戦は3着に終わったが、前走ラブバレットの2着を確保。これで復活のメドが十分に立った。
1000mレコードホルダーだが、守備範囲は広くマイルまでもこなせるのが強み。今回の盛岡1400mも過去4戦3勝2着1回。休み明け3戦目で首位を奪回する。
スティンライクビーは3歳時に中央未勝利から転入後、アッサリ3連勝で再び中央入り。ダート1200mで3勝マークした。
今年9月、中央3勝クラスから再転入。初戦のマイル戦を逃げ切り、芝1000m・ハーベストカップへ駒を進めたが、盛岡芝が合わず6着。加えて体調も崩してOROターフスプリントは回避。仕切り直しの前走は1800mが長く5着に敗れた。
今回は距離短縮されて1400mが舞台。ベストは1200m以下だが、ペース次第でこなせる距離。絶好の1番枠も後押しする。
ミスティカルは転入後の5勝はすべて水沢コースだが、盛岡でも岩鷲賞3着、前々走2着と決して相性が悪いわけではない。加えて1400mは最も得意とする距離。一発あって不思議はない。
ツララは南関東から再転入後、2勝2着2回。一度着外は逃げ馬が総崩れのヴィーナススプリント8着のみで、毎回のように上位に粘っている。前回快勝で軌道修正にも成功。軽視できない。
サレンティーナは芝準重賞・桂樹杯を快勝。ダートは中央時代に1度のみと未知数だが、今回に限れば砂を被らなくて済む大外枠は歓迎。うまく流れに乗れれば連対の可能性。
トブガゴトクは長期休養明け3戦目。前走は明らかに距離の壁だったが、1400mならこなせる範囲。前々走1000m戦5着からも軽視できない。
◎⑩サインズストーム
〇①スティンライクビー
▲③ミスティカル
△⑦ツララ
△⑫サレンティーナ
△②トブガゴトク
<お奨めの1頭>
8R アブシンス
転入後、圧巻の4連勝をマークし、スピードの違いを見せつけている。今回はC1昇級戦だが、前走タイムも文句なし。追いかける一手だ
★重賞 南部駒賞/北海道モリノブレイクが逃げ切り勝ち
11月10日に行われた2歳馬による地方全国交流競走『南部駒賞』は北海道モリノブレイクがハイペースの流れを押し切る逃げ切り勝ちを収めました。
地元岩手のグランコージーとモリノブレイクとの先行争いから幕を開けたレースは3コーナー過ぎにモリノブレイクが思い切って前に出たところから動き始めました。
モリノブレイクに迫るのは追いすがる先行勢ではなくスティールペガサスら差し馬勢。しかしハイペースの流れを乗り切ったモリノブレイクの脚は最後まで衰えず、迫る後続を2馬身半の差で封じ込めて優勝。自身初の重賞制覇を達成しました。
盛岡開催も残り1週となる11月11日、メインレースは12RのB1級1800m戦『ペガスス賞』。本命は(5)モズリュウオウを採りました。前走はJRA条件交流戦で6着でしたが流れが合わず追い込み不発に終わった内容。それでも上がり3ハロン37秒4はメンバー中でも上位だったのですから極端に悲観する必要はないでしょう。今回は地元馬同士の戦いに戻ってなおかつ二走前に快勝している1800m戦。展開に左右されがちな点はあるにせよ、その二走前の再現を期待してもいい条件になったのではないでしょうか。
対抗は(3)サンシャンペーンです。こちらも前走は◎と同じ条件交流戦で4着、地元馬では最先着でした。その前走も悪くない内容でしたし、B1級に上がってきてからも安定した戦いを続けています。カギは距離でしょうが、この相手ならそれほど苦にするとは思えません。本来は先行タイプでもあり、その点も1800mでは武器になりそう。
(4)アドマイヤスカイが3番手。芝もダートも、距離もあまり問わずに上位に食い込んでくる一方でもう3年以上勝ち星から遠ざかっており、馬券的に微妙な感じがするのは確か。ただ近走のA級からB1級に降級してより戦いやすくなっているのも確かで、底に変化を求めてみたいところ。
以下は(9)プラトンイミシャン、(10)ノッキングオン。どちらも堅実に上位というタイプではないかもしれませんが一発の魅力はある馬たち。今回の、ほぼ横並びと言っていいメンバーでなら上位突入のシーンも想像しやすいでしょう。
●12Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)=(4)、(3)=(4)、(5)→(9)、(5)→(10)
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7日(木)、ホッカイドウ競馬のシーズンフィナーレを飾る「第62回道営記念」(門別2000m)はリンノレジェンドが見事な逃げ切りを決め、2馬身差で完勝。2013年、レオニダス以来の3歳馬優勝を果たした。
リンノレジェンドは三冠でリンゾウチャネルにかなわなかったが、大井・黒潮盃を快勝。続いてダービーグランプリへ参戦。余裕の逃げ切りで2着タンクティーエーに5馬身差。そして今回は北海道の古馬を一蹴し、3歳交流2連勝がダテではなかったことを証明した。
昨年の覇者スーパーステションが北海道三冠目・王冠賞で覚醒。以降、快進撃を続けたが、リンノレジェンドも同様。黒潮盃遠征が一大転機となった。
岩手競馬の立場からもダービーグランプリ優勝の価値を高めてくれたことに感謝。リンノレジェンドの今後にも注目していきたい。
10日メインは2歳・地方競馬全国交流「第46回南部駒賞」(盛岡ダート1600m)。昨年は休止を余儀なくされたが、創設1973年。2歳最高峰に位置付けられている。
今年も全国の2歳戦線は北海道所属、卒業生たちが活躍。エーデルワイス賞で1着から3着までを独占したことを考えれば、南部駒賞も北海道勢優位は動かないだろう。
モリノブレイクはデビュー戦こそ9着に凡走したが、以降6戦連続で連対。重賞・イノセントカップで2着を確保し、船橋・平和賞へ参戦。1番人気に支持されたが、12頭立て3番枠に入って終始インに包まれる苦しいレース。
それでも4角で内から強引に先頭に立ったが、直線で脚をなくして5着。初遠征は不成功に終わったが、左回りと内で揉まれる競馬を経験したのが収穫。後遺症が残っているかが心配だが、船橋の敗戦を糧に今度こそ重賞制覇を果たす。
ノーザンヴィグラスはデビュー3戦目に初勝利を飾り、一戦置いて2勝目をマーク。重賞挑戦で5、4着と入着を確保した。
今回の判断基準はイノセントカップ。結果5着だったが、モリノブレイクとのタイム差は0秒4。一戦ごとに力をつけているのは確実で相手筆頭とした。
シンボは未勝利を脱出直後に盛岡芝交流・ジュニアグランプリに参戦。フジノロケットとの決め手勝負に屈したが、芝経験の差も敗因。初芝を考えれば健闘した。
地元に戻って4着後、今度は盛岡ダート1400m・知床賞へ駒を進め、アクアリーブルの2着。直線で最後猛追したが、0秒1差届かなかった。
何よりも強みはほかの北海道勢が盛岡未経験に対し、実際に使って結果を出していること。遠征も今度で3度目なら待望の勝利も十分考えられる。
グランコージーはデビューから芝ダートを連勝し、北海道で放牧。帰郷初戦も圧勝し、若駒賞では控える競馬を試みて難なくクリアー。連勝を無敗4に伸ばした。
注目してほしいのは走破タイム。若駒賞過去5年では最速の1分39秒5。6年前、ロールボヌールが1分37秒9の破格タイムで圧勝したが、これは別格。時計的には北海道とも互角の勝負になるはず。
スティールペガサスは2勝2着2回。サンライズカップ6着、北海道2歳優駿10着は相手を考えれば仕方なし。メンバー甘くなって反撃必至。
カスタムオーダーはデビュー3戦目を逃げ切ったが、続く2戦は追い込んで2、1着。相手は一気に強化されたが、これからの成長株。軽視はできない。
◎⑨モリノブレイク
〇③ノーザンヴィグラス
▲①シンボ
△④グランコージー
△②スティールペガサス
△⑥カスタムオーダー
<お奨めの1頭>
5R ハッピークラッカー
4ヵ月半の休養を経て中央未勝利から転入。一戦ごとに良化一途をたどり、前回快勝。これで弾みついたのは確実