今年で21回目を迎える2歳・地方競馬全国交流「ジュニアグランプリ」(盛岡芝1600m)。この一戦は『朝日杯フューチュリティステークス』(JRA)に向けたステップレースへの代表馬選定競走に指定され、優勝馬は京王杯2歳ステークス・デイリー杯2歳ステークスのいずれかに出走できる。ただし優先出走権ではないので、お間違えのなく。
ジュニアグランプリは1999年に創設。当初は岩手、上山、新潟の3県交流でスタートを切り、2003年から地方競馬全国交流に昇格。過去、北海道8勝、岩手6勝、船橋1勝(馬インフルエンザが発生した2007年、岩手限定を除く)。また北海道勢は2連覇中と優位に立っている。
今回、遠征馬は北海道から4頭、船橋から1頭。迎え撃つ岩手勢6頭が出走するが、岩手デビュー馬はシーサンプーター、コンバットファスト、ユイガドクソン、リュウノロビンの4頭のみ。これが現在の岩手競馬を象徴していると思う。
この時期に早くも続々と2歳馬が転入。ある程度は想定していたが、盛岡芝を目指す馬、ダート戦線も手薄と見て転入するケースが思った以上に多い。
典型的な例が北海道6戦2着5回から転入初戦でビギナーズカップを逃げ切ったコパノキャリー、JRAから今回転入アーモンドカラーだろう。
本命はそのアーモンドカラーにした。熊本・ストームファームコーポレーションが生産し、北海道サマーセールで落札。勝手な解釈だが、わざわざ北海道のセリに出すのだから自信があってのことだと思う。
デビュー戦は小倉芝1200m。中団キープから直線外から伸びて2着を確保した。2戦目は内で我慢させて4着。続くひまわり賞は1勝クラスに入って4番人気4着。外からジワジワと伸びてきた。
いずれも九州産馬限定戦で全体的な評価は決して高いと思わないが、どんな競馬にも対応できる逞しさが魅力。完成度の高さを重視した。
ダリルはカレンブラックヒルの初年度産駒で勝ち馬第1号。JRA札幌芝1200m・すずらん賞は終始インを追走して0秒8差7着。地方所属馬で最先着を果たした。
母父もディンヒルなら芝は望むところ。過去、セラミックガール、パーティメーカーでジュニアグランプリを優勝させた田中淳司調教師が自信を持って送り込んできた。
ポピュラーソングはアッサリか、はたまた凡走の両極端な結果が考えられる。南関東で<2.4.1.0>。2勝とも逃げ切ったスピードが身上。
左回りは4度経験済みで盛岡は問題ないと思うが、最大ネックは芝対応。父アンライバルド、母父ホワイトマズルならこなせると想像できるが、実戦となると別。特に1コーナーをうまくこなせるかどうか。幸い、先行タイプが内を引き当て、逃げる勝ちパターンには持ち込めるはず。
フジノロケットは札幌芝1800m・コスモス賞7着。道中は最後方を追走したが、35秒4の上がりで直線伸びてきた。新馬戦でも直線一気を決めたように、今回も末脚勝負。前が速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
コパノキャリーは先にも記したとおり、転入初戦でビギナーズカップを逃げ切って完勝。激戦区で揉まれてきた経験を存分に発揮した。気になったのはマイナス17キロの体重減。馬体回復と初芝がカギを握る。
ユイガドクソンはアメリカ生まれ。デビュー戦は夏負けの影響が残っていたにもかかわらずアッサリ逃げ切りを決めた。父はアメリカの芝GIを5勝。キャリア1戦に加え、いきなり1600mは厳しい条件だが、今後につながるレースを期待したい。
◎②アーモンドカラー
〇①ダリル
▲③ポピュラーソング
△⑪フジノロケット
△⑨コパノキャリー
△⑧ユイガドクソン
<お奨めの1頭>
2R ニシノゲンキマル
転入初戦をハイタイムで完勝。南関東B2の地力をマザマザと見せつけた。明らかにC2はフリーパスだろう