今週の岩手競馬は27日、「第42回すずらん賞」(準重賞)、28日、「第41回せきれい賞」(地方競馬全国交流)の注目レース2連発。
今回のすずらん賞からマイルチャンピオンシップ南部杯への道"Road to 南部杯"がスタート。1着馬から3着馬に南部杯トライアル「第27回青藍賞」(9月8日 盛岡ダート1600m)の優先出走権が与えられる。
かつての岩手競馬は2000mが主流。古馬の根幹競走・シアンモア記念、みちのく大賞典、桐花賞は舞台は変わっても2000mで行われていた。
その状況下、1990年前半までマイル戦はすずらん賞(当時は特別)、短距離戦は早池峰賞(盛岡1100mがメイン)が年に1回のみ行われていただけだった。
その流れを変えたのが1988年に創設された南部杯。当時は北日本マイルチャンピオンシップ南部杯(水沢1600m)の名称で実施され、1995年にはJRA、全国の地方競馬にも門戸を開放。青藍賞も1993年に始まり、一気にマイル戦に注目が集まるようになった。
歴史を振り返ると"節目"が必ずある。オールドファンの小生には「すずらん賞」もずっと大事にしてほしいレースだと思っている。
今年のすずらん賞は4歳から8歳まで各世代が出走。傑出馬は不在だが、一昨年の覇者イーグルカザン=11歳も名を連ね、おもしろいメンバー構成になった。おそらく人気も分かれ、馬券的にも好配当が期待できる。
主軸にキングジャガーを指名する。3歳時に二冠を達成し、一度佐賀へ転籍。帰郷5戦目に久々の勝利を飾ったが、脚部不安のためにリタイア。
今年3月に復帰を果たし、5戦未勝利ながら2着3回。持ち味の先行粘りを取り戻してきた。理想は逃げだが、毎回強力な逃げ馬がいたため2番手からの競馬。あと一伸びが足りず白星を逃がしていた。
前走も3頭の叩き合いの末に惜しくもアタマ差2着。しかし今回は絶好の1枠を引き当て、ハナを主張するのはほぼ確実。相手強化でも先手さえ取れれば強じんな二枚腰を披露でき、首位を奪取するチャンス。
グランユニヴェールは今季2勝はB1だったが、重賞・赤松杯5着、準重賞・あすなろ賞3着とオープン通用は証明済み。
みちのく大賞典は7着に沈んだが、3コーナー過ぎから手ごたえが怪しくなり、2000mが長かった。マイル短縮なら反撃に転じて当然だろう。
イーグルカザンは笠松から里帰りして赤松杯2着、シアンモア記念2着。巧みなレース運びで連対を確保して衰えなしをアピールした。
あすなろ賞5着は1800m、栗駒賞8着は1400mが敗因。改めて1600mがベストだと印象付けた。加えて連戦の疲れも取れなかったため、1開催休んでここに照準をピタリ。一昨年優勝、昨年3着とゲンのいいすずらん賞で古豪健在を誇示する。
ユイノムテキは前走3着だったが、キングジャガーとはわずかハナ差。詰めの甘さがつきまとうが、毎回3着以上を確保。キングジャガーに強い印を付せば、こちらもマークが欠かせない。
センティグレードは盛岡2戦とも着外だが、あすなろ賞8着、マーキュリーカップ8着なら納得。前走の反動もなく、メンバーも大幅に緩和。一発を秘めている。
ダイワエクシードは船橋から再転入初戦を圧勝。続く出走取り消しの影響もあって前走9着だったが、叩かれて上昇。自分の競馬ができれば軽視できない。
◎①キングジャガー
〇⑧グランユニヴェール
▲②イーグルカザン
△⑦ユイノムテキ
△⑤センティグレード
△③ダイワエクシード
<お奨めの1頭>
4R ヒカリチャン
転入初戦は相手が強く2着も仕方なし。ここでは走破タイムが抜けており、首位をガッチリとキープする
★重賞 ハヤテスプリント/ケンガイアが好タイムで勝利
地方競馬の3歳馬による全国交流競走『ハヤテスプリント』は遠征馬4頭対地元5頭の戦い。結果は船橋からの遠征馬ケンガイアが逃げ切り勝ちを収めました。
好ダッシュを決めて先行争いを一歩抜け出したケンガイアは道中は後続を大きく引き離した逃げ。最後はさすがに苦しくなったかグローリアスライブに追いつめられますが、馬体が並んだところがゴール、ケンガイアがギリギリクビ差粘り込んでいました。走破タイムは1分10秒8、馬場状態が違うので簡単に横並びにはできないものの、先日行われた岩鷲賞でも2着に食い込めるタイムでの勝利は見事という他はありません。
そして2着は川崎グローリアスライブ、3着は北海道イッキトウセン、4着にも大井カンゲキと上位を遠征馬が独占する結果となりました。
月曜のメインレースは9Rになります。JRA条件交流の『フレンドリートロフィー エメラルド賞』です。芝1700mの9頭立て。JRA勢5頭に対し地元勢4頭という事でどうもここも遠征勢優勢となりそうな気配。
本命はそのJRA(4)クレーリッチェとしました。。
ここまでの戦績は着順の数字で見るとちょっと大きめの着順もあって印象的にもうひとつなのですが、勝馬とのタイム差で見ればしばしば1秒以内に食い込んでおり見た目ほどの力の差は無いとも言えそうです。
今回は一息後とはいえ5月以来であれば大きな影響はないでしょう。なにより鞍上はこういう交流戦で毎回のように遠征してきていて経験豊富。スムーズに流れに乗ってそのままという希望を叶えてくれることでしょう。
対抗は(3)スピンク。キャリアは浅いですが内容はまとまっており未勝利脱出寸前と言える所まで来ていました。やや非力な先行タイプということで展開次第の面があるでしょうが、巧く運べば逃げ切るところまでも十分。
3番手は(1)ブラックエンジェルを採ります。今回が3戦目、とりあえず手掛かりは2月の新馬戦で3着という成績だけ。判断しがたい部分はありますが、ブラックタイド産駒と盛岡の芝の相性の良さを狙ってみましょう。
以下はまず(7)ダークオブザナイト。左回りの芝は悪くないようですし、少頭数の競馬ですんなり動ければこれまでと違った結果も。(8)サンエイフラワーは近走内容で分かる通りに地元3歳勢の中では芝実績が高い馬。このメンバーなら強気に狙ってみる手も有りかもしれません。
●9Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(1)、(3)=(1)、(4)→(7)、(4)→(8)
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15日のメインはJpnIII「第23回マーキュリーカップ」(盛岡ダート2000m)。早々と参戦を表明したグリムが武豊騎手とのコンビで出走。武豊騎手の盛岡参戦は2014年、JBC以来のこと。
自分の周りも武豊騎手を見たさに盛岡競馬場へ訪れ、入場者数7430名。開門前には1000人ほどの行列ができたという。
ジャパンジョッキーズカップでは個人5位タイ、TeamJRAは3位に敗れたが、さすが武豊騎手。マーキュリーCではグリムに重賞4勝目をプレゼントした。
武豊騎手「どれも行かなければハナもあるかなと思っていましたが、イメージは2、3番手でした。ただ最内枠でしたからね。外に出したいと思っていましたが、1コーナーでうまく外へ出すことができました。(ジャパンジョッキーズカップで)ダート戦を2度乗って馬場の状態を把握できたのも良かったと思います。
レースが流れていましたし、自分の馬もいい手応え。前は見えているので、後ろの馬の動きを確認して動きました。
距離には融通が利くタイプ。あまり短いとどうかと思いますが、1600m以上。2000m以上も問題ない。レースにも幅が出てきましたから、今後も楽しみです」
インタビュアーが"岩手のファンはいつでも武豊騎手を待っています"とラブコールを送ると「クラスターカップもヒロシゲゴールドで騎乗予定ですよ」と返答。
すでにコパノキッキングが藤田菜七子騎手とのコンビで参戦を表明済み。8月12日も熱く燃えること間違いなしだ。
21日メインは3歳交流「第7回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)。昨年から地方競馬全国交流へ昇格し、距離も1000mから1200mへ延長。上位3着までを遠征馬が独占したが、今年も遠征勢優位は動かない。
カンゲキは着外が鎌倉記念7着、前走・優駿スプリント15着の2度のみ。基本的には逃げタイプだが、大崩れしないのがセールスポイント。
優駿スプリントはスタートダッシュがつかず後方のまま。自分の競馬がまったくできず、これは度外視の一戦。3走前、7番枠からハナに立ち、直線で突き放した内容が本来の姿。少頭数も味方に最大能力を発揮し、初タイトルを手にする絶好機を迎えた。
イッキトウセンは全国で最初に行われる栄冠賞を2連勝で獲得。続くブリーダーズゴールドジュニアカップでも2着を確保したが、以降は4着最高。プリサイスエンド産駒によく見られるが、気性難が出世を妨げているか。
ただ春先に比べて状態が良化しているとのこと。そして栄冠賞と同じ1200m戦なら本領発揮できるのは確実。復活の期待がかかる。
グローリアスライブは"GRANDAME-JAPAN2019"3歳シーズン・留守杯日高賞を9馬身差で圧勝。コーナーでもたつくところがあると高月調教師が語っていたが、村上忍騎手が気を抜かせず小回り水沢を克服した。
その後の2戦は着外だったが、ワンターンでアールも緩やかな盛岡1200mは歓迎。ロングスパートを決めるか。
ケンガイアは前々走・若潮スプリントでカンゲキに完敗だったが、1200mは4戦2勝2着1回と得意の条件。揉まれない点も強調材料となる。
サンエイムサシはウイナーカップで逃げて2着。今回は大幅に相手強化だが、スンナリなら残り目一考。
◎②カンゲキ
〇④イッキトウセン
▲⑥グローリアスライブ
△⑤ケンガイア
△⑧サンエイムサシ
<お奨めの1頭>
7R ピンクブロッサム
転入初戦を1秒2差で逃げ切り圧勝。タイムも文句なしだった。コース替わりも問題なく、2連勝もらった
15日、盛岡競馬場は熱く激しく燃えた。まずは「ジャパンジョッキーズカップ2019」報告から。
第1戦は村上忍騎手が3番人気ナルノステファニーに騎乗して5馬身差で圧勝。2着は武豊騎手、3着は青柳正義騎手、4着は佐藤友則騎手だった。
第2戦は佐藤友則騎手が6番人気ウインタリエンテでクビ差1着。2着に村上忍騎手、3着は桑村真明騎手。この時点でTeam Eastが73ポイントで首位。2位はTeam Westが67ポイント。個人でも村上忍騎手35ポイント、2位・佐藤友則騎手が31ポイント。チーム、個人ともTeam Eastがリードしていた。
しかし第3戦目でTeam Westが上位3着までを独占。1着・佐藤友則騎手、2着・吉村智洋騎手、3着・永森大智騎手と入り、見事逆転。Team Westが121ポイントで総合優勝。個人も笠松・佐藤友則騎手が村上忍騎手に6ポイント差をつけて優勝を果たした。
佐藤友則騎手「笠松でチーム優勝して豚をふるまいたいと言いましたから、実現できてうれしい。おふるまいの時は是非、笠松競馬場へいらしてください。
2年前のこのレース、佐々木竹見カップなどでいい結果を出せなかったので、今年こそは爪痕を残したいと思って臨みました。
今回は3戦ともうまくいきましたが、特に3戦目のエルノヴィオは返し馬の感触がいいので、うまく引き出せたら一発あるなと狙っていました。それで直線で馬の間に入れて、闘争心を引き出せたのが好走につながったと思います。
今年、子供ができましてお返しに(お金)を使いましたからね。賞金はその分に充てたいと思っています」
そしてこう付け加えてほしいとリクエストがあった。「盛岡が大好きです」。さかのぼること6年前。2013年、佐藤友則騎手は当時交流だったシアンモア記念でトウホクビジンとのコンビで参戦。6番人気の低評価を覆し、鮮やかな直線一気を決めた記憶がよみがえった。
そして3位に敗れたTeam JRAキャプテン・武豊騎手はこうコメントした。「ボクもチームのために一生懸命に乗りましたが、結果を出せなくて申し訳ありません。1位がウエスト、2位がイースト、3位が悪いスト、ということでした」
この時点では、これが伏線だったとは誰も気づかなかった。*明日に続きます。
20日メインはB1級馬による芝1600m戦「レインボーカップ」。前哨戦・レインボーカップターフチャレンジが芝1700mで本番が芝1600m短縮も珍しいと思う。
本命にリュイールスターを指名する。昨年5月、南関東B3から転入。ダートでは入着すらないが、芝に替わると反応が一変。かきつばた賞(盛岡芝2400m)2着。桂樹杯(盛岡芝1600m)0秒1差3着。OROカップ、ハッピーグリンの4着。
中央1勝はダート1800mだったが、まさに典型的なターフホースと思って間違いない。今年2戦目のかきつばた賞でも3着を確保した。
気になるのは通算成績<1.1.10.26>と1、2着とも一度のみ。勝ち切れないのが最大ネックだが、B1級なら地力の違いが明白。連闘で臨むが、今度こそ首位を奪取。
ウインルーカスも芝で活路を開いたかもしれない。今季初戦のA級戦で2着後は4着最高。ここ2戦も6、9着に沈んで精彩を欠いていたが、芝に替わった前走・レインボーCターフチャレンジでメンバー最速の上りで完勝。ただ1頭だけ上がり3ハロン36秒台をマークした。芝1700m1分45秒1も非常に優秀で2連勝十分。
フリームーヴメントは芝ダート兼用のタイプ。前走は早めに動いて4角先頭。外からウインルーカスにアッサリ交わされたが、1700mも長かった。1600m短縮なら反撃必至。
アドマイヤスカイは中央芝2勝と実績上位だが、スタートで後手を踏むのが致命傷。盛岡芝が合わない印象もあるが、発馬互角なら巻き返し一考。
ルークは前々走で芝1700mを競り合いに持ち込んで快勝。芝に替わって再現をもくろむ。
スカルダイヤモンドはJRA時代に盛岡芝を快勝の実績が不気味。
◎⑦リュイールスター
〇③ウインルーカス
▲⑫フリームーヴメント
△⑧アドマイヤスカイ
△⑤ルーク
△④スカルダイヤモンド
<お奨めの1頭>
8R ヤマトタケル
前々走は出遅れて8着に終わったが、前回2着で軌道修正に成功。走破タイムもここでは抜けている
さあ7月15日のメインレースは岩手競馬の今シーズン最初のグレードレース『マーキュリーカップJpnIII』。JRA勢5頭、他地区からの遠征馬4頭、地元岩手から5頭の14頭フルゲートの戦いとなりました。
という内訳にはなったものの、毎年同じような書き出しになりますがここはJRA勢がかなり優勢。レースもまずJRA勢の優勝争い、地方勢は地元・他地区ともにJRA勢の掲示板独占を阻止できるかどうか?になるでしょう。
マーキュリーカップの本命は(1)グリムです。今年の名古屋大賞典、昨年のレパードステークス、白山大賞典とグレードレースを3勝。その実績は今回のメンバー中で最右翼といえるものです。そしてそのいずれもがダート中距離ですから距離的な心配もなし。加えて言えばしっかりとした先行脚質で、それはやはりダートグレードレース、特に中距離のそれへの適性十分と言えます。
強いて不安点を挙げれば多頭数の最内枠の経験がないこと。ですがそこは地力の高さでカバーできるでしょう。
対抗は(14)ロードゴラッソ。芝からダートに転じて急上昇、一気に重賞タイトルを射程に入れてきました。キャリアが少ない分の経験値の差、そして1800m以上の優勝経験なしとこの馬にも若干の、現時点での不安材料はありますが、それもカバーできる範囲だと思います。流れによっては勝利まで。
3番手は(9)テルペリオンを。若干ムラがあるというか、条件を選ぶようなところがありますが力を出せば強いですし、なにより東京ダート2100mという条件が得意。これはマーキュリーカップに挑むうえで大きなアドバンテージです。
以下はまず(3)ノーブルサターン。直近の成績は奮わないように見えますが戦績を見る限りあきらかに左回りの方が良いですから変身の余地があってよさそう。地方勢では地元の(8)ムゲンノカノウセイ。勝ち負けとまではまだ言えませんが、自分の競馬に徹すれば掲示番争いくらいなら。
●10Rの買い目
馬単(1)=(14)、(1)=(9)、(14)=(9)
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