★重賞 栗駒賞/岩手復帰のラブバレットが4連覇達成
6月30日に水沢競馬場で行われた『栗駒賞』はこれが岩手復帰戦となったラブバレットが1番人気に応えて優勝。自身は昨年の道営スプリント以来の重賞勝利を挙げると共に、栗駒賞を4連覇という偉業を達成しました。
レースは序盤からラブバレットと2番人気サインズストームの一騎討ちの様相。3コーナーあたりまでは併走していた2頭ですが外から攻めたラブバレットが交わしにかかるとそこからは力の違いを見せつけます。最後は4馬身引き離してのゴールは従来のレコードに0.3秒まで迫る高速タイム。そして2着を守り切ったサインズストームと3着馬との差は10馬身にまで開いており、2頭の戦いが、そして勝ったラブバレットの走りがいかにハイレベルだったかを現していました。
水沢開催最終日となる7月1日、メインレースは12Rの特別『ジュライカップ』です。依然として「超」高速決着が続いていた水沢競馬。下級条件のレースでもレコード目前のタイムが出ることが珍しくなく、そんな馬場状態・コース傾向への適性、対応力がカギになるのはここまでと同様です。
このジュライカップは(3)サンエイスターダムが出走取消となっています。当初と若干予想を変えて掲載します。
ジュライカップの本命は(9)コンバットパンチを狙います。直近の2戦は掲示板を外す結果になってしまいましたがそれはマイルという距離の影響によるものでしょう。マイルもそれなりにこなしてはいますがキャリアで勝ち星は無く、やはり好成績なのは1200~1400mの範囲。その点で今回の1300mという距離は力を出しやすい条件でしょう。前残り馬場はやや不利ですが外枠から早めに動ければ勝機はあるはず。
相手は(8)ホッコーマグニートを。こちらは1000m戦を使いながら勢いを付けてきました。前走は内目の枠が災いして流れに乗れませんでしたが今度はもっと楽に戦えそう。3番手は(6)クラシコテーラー。この馬も短距離でのスピードはメンバー中上位と言えるものを持っています。やや勝ち切れない所があって強気になりづらいですが、地力を活かし切る形に持ち込めば前走以上の結果もあるのでは。
穴的な一頭なら(5)パルティーレはどうでしょうか?これで意外に今の水沢のコース状況を苦にしていないですし、前走くらい動けるならここで大きな差は無いと見ることも可能。(7)マジョリティーは同型になる可能性があった(3)が不在になって展開が向きそう。そのチャンスを活かせれば。
●12Rの買い目
馬単(9)=(8)、(9)=(6)、(8)=(6)、(9)→(5)、(9)→(7)
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ラブバレットが30日メイン「第31回栗駒賞」(水沢1400m)で岩手復帰する。
今年の冬はJRAへ移籍。2戦目で6着を確保したが、他は二けた着順。先行粘りがラブバレットの武器だったが、自分の競馬もできなかった。
その後、恒例となったテンコートレセンで英気を養い、6月から栗駒賞から始動は当初の予定どおり。満を持して前人未到の4連覇を狙う。
実は今回、もう一つの快挙達成が控えている。現在、ラブバレットの獲得賞金は9899万円。栗駒賞の優勝賞金が250万円だから、ついに1億円の大台を突破することになる。
あまりインパクトがないと思う方も多いだろうが、ラブバレットのデビューが2013年。岩手競馬が最も苦しい時代で賞金的にも厳しかった。
しかしタフに走り続け、ダートグレードでも2着3回3着3回と好走。一度JRA転籍したので純然たる岩手生え抜きではなくなったが、トニージェント以来の岩手デビュー馬で1億円突破を果たす。
すでに8歳となり、高齢は否定できないが、これまで戦ってきたメンバーが違う。地元同士なら主役は譲れない。
サインズストームは中央3歳未勝利から最下級C2へ編入。時に取りこぼしもありながら、大事に使われて着実に地力強化。昨年A級入りを果たした。
覚醒したのは10月の盛岡ダート1000m戦。初の1000mだったが、秘めた適性を披露。レコードを樹立し、以降は連戦連勝。早池峰スーパースプリントまで圧巻の5連勝を飾った。
しかも自身のレコードを0秒3更新。岩本怜騎手とともに初重賞を手にした。仮にラブバレットを破るとすればレコード決着になった場合。
先週も高速決着だったが、今週も中間に雨が降って不良馬場はほぼ確実。枠順もラブバレットより内2番枠。おそらく早池峰SSと同様、逃げの手に出る可能性が高い。あとは能力を信じて攻め切れれば金星も十分あり得る。
ナムラヒューマンは中央ダート1200mで3勝。いずれも強烈な末脚で勝利をもぎ取った。高知移籍後は5戦1勝に終わったが、小回りを意識して速めに動いて末が甘くなったため。
転入初戦の早池峰スーパースプリントも4着止まりだが、前走比プラス22キロ。加えて1000mの忙しい競馬も合わなかった。小回り水沢に替わるのはマイナス材料だが、叩かれた変わり身と距離延長を味方に上位をもくろむ。
ミスティカルは赤松杯10着後、短距離路線に矛先を変えて1勝2着1回。ただ850m、1000mは合わず1200m~1400mが最大能力を発揮できる条件。特に全5勝のうち3勝が1400m戦とベストの舞台。メンバーは大幅強化だが、適性を前面に上位をもくろむ。
イーグルカザンは笠松から里帰り。マイル重賞・赤松杯、シアンモア記念で2着を確保し、古豪健在をアピールした。あすなろ賞は1800mが長く度外視。守備範囲の1400mならマーク欠かせない。
ダイワリベラルは中央芝6勝、南関東3戦を経て転入。成績が示すとおりダート克服が最大ネックだが、今の水沢は高速決着。砂を嫌がらなければ一発の可能性を秘める。
◎③ラブバレット
〇②サインズストーム
▲⑨ナムラヒューマン
△⑥ミスティカル
△⑧イーグルカザン
<お奨めの1頭>
8R コースタルブルー
前回快勝で再び上昇ムード。1400m延長も問題なく、コース替わる前にもう一丁
6月23日、ハヤテスプリント・トライアル「第43回ウイナーカップ」(水沢1400m)は単勝1・7倍の1番人気に応えてクルーズラミレスが完勝した。
ただ、2着サンエイムサシにつけた着差が1馬身半差。陣営は勝利に納得しながらも、思ったほどの着差ではなかったことが若干不満だったようだ。
しかし走破タイム1分25秒3は2008年、水沢1400mで行われたクラスターカップ(JpnIII)でプライドキムがコースレコードを樹立した1分24秒3に1秒迫る破格タイム。
当日は高速決着の連続だったが、それにしてもクルーズラミレスのタイムはすばらしかった。裏付けは翌日11R・B1級戦でメスカルの勝ちタイムが1分26秒6。前日に比べて若干時計がかかったにせよ、すでに古馬B1以上であることを証明した。
山本政聡騎手「2番手は予定どおり。スンナリいいポジションを取ることができました。道中は逃げたサンエイムサシを常に射程圏に入れて抜け出すタイミングを計っていましたが、仕掛けてからもスッと動いてくれました。今日のレースぶりならマイルも問題ないと思います」
次走のターゲットは7月21日に行われる地方競馬全国交流「第7回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)。岩手3歳に楽しみなスター候補が誕生した。
29日メインは当初、A級一組「七夕特別」(水沢1900m)を予定していたが、回避馬が相次いで不成立。前週25日(火)まで、今週は土曜日からの開催も影響あったが、メインの不成立はこの世界に入って初めて。替わって9Rに組まれていたC1一組(水沢1600m)が「橋野鉄鉱山賞」の名称でメイン10Rとなった。
中心はシンゲツ。昨年までA級に在籍して4着最高だったが、シアンモア記念5着などで何度も入着。今季はC1スタートと相手にも恵まれて3月開催を快勝。これで弾みついたかと思ったが、置かれる脚質とジリ脚のため勝ち切れないレースを繰り返していた。
しかし前走・焼石岳賞(C1)で好位追走から直線アッサリ突き抜けて1着。2着に0秒4差をつけ、格上の存在をアピールした。この勝利できっかけを掴み、特別2連勝を狙う。
シリウスインパクトは東京ダート1400m・3歳新馬3着。移籍初戦は太目だったため4着に終わったが、ひと叩きされて気配アップ。2戦2着から目下2連勝中と良化一途。
馬格にも恵まれている上、先行力も備わったら鬼に金棒。メンバー強化だが、勢いに乗って突破の構え。
サンエイイーグルは大井デビュー戦を快勝し、2戦目2着から3戦目も快勝。その後、休養に入り復帰後は精彩を欠いて岩手へ新天地を求めてきた。
初戦は初の1600mがネックだったが、大外から果敢に逃げて2着。これで距離のメドも立ち、今度は絶好の1番枠。好スタートを決めて逃げ切りまで十分。
スガノブリランテは先行粘りで2勝2着1回。理想は逃げだが、折り合いもつくタイプで2番手キープから流れ込みをもくろむ。
ディープチルは4走前の水沢1600mを快勝。その後は足踏み続くが、水沢向き。次開催から盛岡が舞台。コース替わる前にもう一丁。
ヤマニンレガリーノは大外に入ったのが痛いが、スンナリなら持ち前の粘りを発揮。ペース落ち着けば残り目一考。
◎④シンゲツ
〇⑦シリウスインパクト
▲①サンエイイーグル
△③スガノブリランテ
△⑤ディープチル
△⑨ヤマニンレガリーノ
<お奨めの1頭>
8R サクラサクラ
転入2戦とも圧勝とC2では能力の違いが明白。連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
先週16日、伝統の「第47回一條記念みちのく大賞典」はハドソンホーネットがエンパイアペガサスの3連覇を阻止。2010年、当時は地方競馬全国交流だったみちのく大賞典でマルヨフェニックスがキングスゾーンとのデッドヒートの末、アタマ差で優勝。2分5秒3のレコードを樹立したが、9年ぶりに水沢2000mレコードを大幅更新。2分4秒7のタイムで駆け抜けた。
山本政聡騎手「ポジションはスタート次第でしたが、後肢が滑ったので2番手でもいいかなと腹をくくった。無理して逃げるより馬のペースを大事にしたが、それで息を入れることができた。
残り半マイルから動いたのはイメージどおり。そこから仕掛けたらピリッとしてくれたので、これなら行けるかなと。あとは後ろの動きを気にしないでハドソンホーネットの持ち味を引き出すことに集中した。レコード決着になりましたからね。改めて強い馬だと思いました」
当日は逃げ馬が圧倒的に有利の馬場で、内に入ったサンエイキャピタルがハナを主張するのは確実。「控えても大丈夫だと思ったの?」とインタビュー後の雑談で聞いたら「レース数を重ねると徐々に馬場が変わっていくんですよ。前半は逃げ有利でも後半になると必ずしもそうではなくなる。もっと大事なのはリズム。特にハドソンホーネットの場合、自分のペースで走れることが最優先なんです」
これで冒頭のコメントも納得がいった。
それにしても小回り水沢2000m2分4秒7はすごい。マルヨフェニックスは1999年、オースミジェットが第3回マーキュリーカップを制した時の2分6秒7を1秒4も更新。もはや破られないレコードだと思っていたが、今回ついに2分5秒の壁をハドソンホーネットが突き破った。
まだ次走予定は確認していないが、仮にマーキュリーCへ出走すればタイム短縮は確実。ロージズインメイ産駒は盛岡ダートが合うのは多くのケースで証明済み。夢は広がるばかりだ。
24日メインはB2特別「ジューンカップ」(水沢2000m)。過去の同レースは例外なくスローペース。上りの勝負が確実で距離対応が最大ネックとなる。
ワンダーアビルマンは昨年12月、北海道A2から移籍戦のB1級を快勝。今季はC1降級し相手にも恵まれて2戦目から3連勝。続く2戦は足踏みだったが、盛岡戦は大幅な体重増が敗因。本来の姿に戻った前回快勝し、落ち込みないことを証明した。
時に出遅れて苦戦のケースもあるが、スタートさえ決めれば1枠も後押し。2000mも中央ダート1800m2勝なら、むしろ歓迎。
アイアムオパールは今季6戦2勝2着3回。毎回勝ち負けを演じ、抜群の安定感を誇る。昨年は頭打ちだったが、再度成長サイクルに入った。不安は未知の2000mだが、今の勢いがあれば十分突破できる。
トゥザキングダムは一昨年9月、中央0勝2着1回から転入。堅実な差し脚を披露する反面、勝ち味に遅く昨年まで1勝のみにとどまっていたが、今年早くも3勝。完全にひと皮むけた。距離を味方に逆転まで。
イスラドラーダは前走6着だったが、出遅れを喫して後方からの競馬。自分のポジションを確保できなかった。揉まれない外目追走ならば渋太さを発揮。近走度外視で狙い立つ。
エルドリッジは園田B2から転入。初戦を快勝し、前走・焼石岳賞はスローの流れと馬場に泣いた印象。末脚が不発に終わったが、距離延長は過去の好走からも望むところ。
アイアムヒラケゴマはシーズン初戦3着後、精彩を欠いていたが、前走3着で上昇ムード。2000mは川崎、大井で経験し、明らかに長距離向き。
◎①ワンダーアビルマン
〇④アイアムオパール
▲⑩トゥザキングダム
△⑪イスラドラーダ
△⑨エルドリッジ
△⑤アイアムヒラケゴマ
<お奨めの1頭>
7R ヒノキブタイ
圧巻の強さで転入2連勝。相手は強化されたが、恵まれた馬格にモノを言わせ、他を蹴散らす
6月9日、岩手一冠目「第27回東北優駿」(水沢2000m)はパンプキンズが逃げ切って快勝。トライアル・やまびこ賞でグレートアラカーの2着に敗れた雪辱を果たした。
パンプキンズは父スターリングローズ、母カレンマーガレット、母父ネオユニヴァースの血統でメイセイオペラで知られる高橋啓牧場の生産馬。
トライアル・やまびこ賞(水沢1900m)でグレートアラカーに7馬身差に完敗を喫し、さらに延長2000mが課題だったが、見事克服。結果、グレートアラカーを上回る上がりを披露し、見事逃げ切った。
そのパンプキンズは春の激闘の疲れとリフレッシュのため北海道で放牧。8月18日、二冠目・ダイヤモンドカップ(水沢1600m)制覇を目指す。
一方のグレートアラカーも退厩。テンコートレセンへ移動して坂路で鍛え直す。今が成長期の3歳馬。東北優駿からダイヤモンドカップまで2ヵ月余り。この間にどのように変身してくるか、再会を楽しみにしたい。
23日メインは3歳重賞「第43回ウイナーカップ」(M3 水沢1400m)。岩手クラシック戦線から舞台は短距離路線へ。1着馬から3着馬に7月21日に行われる地方競馬全国交流「第7回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)の優先出走権が与えられ、さらにはJpnIII・クラスターカップへの道にもつながる。
そのスプリント路線に新たな刺客が登場した。ローレルゲレイロ産駒クルーズラミレス。
門別1000m・2歳新馬戦はイッキトウセンの3着に敗れたが、2戦目を快勝。その後も2着2回の成績を残して南関東へ移籍。初戦こそ4着だったが、2戦目から2連勝。
一度、放牧に出て3ヵ月の休養を経て岩手入り。適性を見て初戦に1400m重賞を選んだ。当初、エムワンピーコ、エスドリームなどの登録もあったが、自重。さらにメンバーが有利となり、今後に弾みつける格好の踏み台。
若干気になるのは増減の多い馬体重だが、よほどのことがない限り取りこぼしなし。順当に勝ち上がり、ハヤテスプリントへ弾みをつける。
リュウノボサノバは船橋デビュー2戦目から連続2着を確保し、4戦目に白星をゲット。重賞・平和賞へ臨み、後の東京ダービー馬ヒカリオーソの6着に善戦した。
岩手転入は準重賞・ブルーバードカップ大敗直後。初戦のやまびこ賞で上記グレートアラカー、パンプキンズの3着。上々の滑り出しを切った。
前走・東北優駿は11着に大敗したが、理由はブルーバードカップと同じ。内で包まれて折り合いを欠いて戦意を喪失したため。成績にムラがあるのは砂をかぶるのが嫌だったから。調子落ちではなかった。
その意味で8頭立て7番枠は大歓迎。外を追走できれば自身の能力をフルに発揮。距離は一気に短縮されたが、1200m1勝なら問題なし。反撃ののろしを上げる。
サンエイムサシは平場戦を使って着実にパワーアップ。今季4戦目を勝ち、勇躍、東北優駿に挑戦。初の2000mに戸惑って直線一杯となったが、6着なら上出来。1400m短縮は望むところ。
リュウノアイドルは360キロの小柄な牝馬だが、前走で自慢の切れがさく裂。直線一気を決めた。末脚勝負型でハイペースが理想。前が崩れれば再現まで。
ポエムロビンは今季3着最高だが、2歳時に同じ水沢1400mの重賞・ビギナーズカップ2着。右回りの方が反応が良く、ここが勝負どころ。
サンエイフラワーは芝準重賞・はまなす賞2着、サファイア賞3着。本質的には芝向きだが、調子を取り戻した今ならダートも克服。
◎⑤クルーズラミレス
〇⑦リュウノボサノバ
▲①サンエイムサシ
△④リュウノアイドル
△⑧ポエムロビン
△③サンエイフラワー
<お奨めの1頭>
2R スターライトキス
転入初戦を2秒2差の大差で逃げ切り圧勝。このクラスではモノの違いは誰の目にも明らか