★重賞 一條記念みちのく大賞典はハドソンホーネットが優勝
6月16日に水沢競馬場で行われた古馬伝統の一戦『一條記念みちのく大賞典』は先行策を採った3番人気ハドソンホーネットがレコードV。自身初の重賞制覇を達成すると共に同馬を管理する齋藤雄一調教師に開業後初のタイトルをもたらしました。
雨の影響で先行有利・高速決着が目だったこの日の水沢競馬場。ハドソンホーネット鞍上の山本政聡騎手もそれを意識して2番手から積極的に前を進む形のレースを挑みます。
中盤まで競りあっていたサンエイキャピタルの脚色が鈍った所ですかさず先頭に立ったハドソンホーネットはそのまま4コーナーを回って直線へ。最後は後続を引き離してのゴールインは勝ちタイム2分4秒7のレコードのおまけ付きともなりました。
2着は後方から徐々に迫ってきていた8番人気レイズアスピリットがもぎ取り、1番人気エンパイアペガサスは反対に直線で交わされる形の3着でみちのく大賞典のインタビュー連覇の夢は成らず。また逃げた2番人気サンエイキャピタルは最後失速して8着に終わっています。
6月18日のメインレースは12R、ダート850mのオープン特別『スプリント特別』。7頭立てでありここまでの実績的にもある程度力関係が定まっている様に見えるものの、興味は結果以外の所にも見いだせそうです。
というのも、この距離では4月に49秒4というレコードタイムが出ているのですが、このレースに出走するフォルスとツララはそのレコードが出たのと同じ日に同じ距離の別のレースを走っていてそれぞれ49秒5、49秒6というタイムで走っています。今週はその時の開催時以上に速い時計が出るコース傾向になっているようにも思えます。もしかしたらここでレコード更新・・・というシーンを見ることができるかもしれません。走破タイムにも注目してみて下さい。
スプリント特別、本命は(7)ツララを採ります。上でも触れたように4月28日の同距離同条件戦で49秒6のタイムを出しながら、49秒5を出したフォルスに敗れています。よりダッシュ力があるフォルスを相手に、その時よりもさらにスピードが活きてくる状況では分が悪いのは確かかもしれません。しかしこの馬自身も前走、盛岡1200mのスプリント特別で勝っており勢いではひけを取っていないでしょう。フォルスに雪辱できる力は持っている馬のはず。
となると相手は(4)フォルスで妥当。前走は鼻出血明けでしたし何より勝馬が強かった。いわゆるひと叩き上昇という事であれば前走のような事は無く、二走前の好タイムで勝った時のような走りができると見るべきでしょう。
3番手からは横一線という印象。中でも、という事なら(3)アルタモーダ。B1級でクラスの壁を感じさせつつの格上挑戦は楽では無いでしょうが、2kg軽い55kgの負担重量を活かし切れれば粘りこめるチャンスも。
(6)ウインプラージュは昨年以来勝ち星から遠ざかっているものの、何度も触れた4月28日の850m戦で49秒8を出しており時計的には足りて良いスピードを持っています。(2)セイヴァーベナも小柄な馬だけに今の軽いコース状態なら走りが変わってきてもいいのでは。ただやはりここは、◎○二頭の戦いで決まるのが前提、3番手以下は3着争いの中でどういう順位になるか・・・と考えて組み立てるのがベターだと考えます。
●12Rの買い目
馬単(7)=(4)、(7)→(3)、(7)→(6)、(4)→(3)
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"事件"は6月11日、水沢競馬第6Rで起こった。逃げたのはウインタリエンテ、『加害馬』フジノフェアリーは2番手を追走した。
4コーナーまで前2頭の手ごたえが良く、行った切り模様かと思ったが、内からトーセンリゲル、外から『被害馬』マイアヴァロンが伸びてきたところ、ゴール前でフジノフェアリーが外のマイアヴァロンにガブリッ。
ウインタリエンテが逃げ切り、フジノフェアリー2番手でゴール板を通過したが、フジノフェアリーが噛み付きにいったのが一瞬の出来事でもはっきり分かった。ほどなく審議のランプが点灯した。
審議の結果はフジノフェアリーがマイアヴァロンを噛み付きにいかなければマイアヴァロンが先着できたとアナウンス。フジノフェアリーが降着4着となり、マイアヴァロンの外から伸びたヒデノホープが2着、マイアヴァロンは3着に繰り上がった。これは珍しいと思って即、ツイッターをした。
何を隠そう、小生の◎はフジノフェアリー、〇ヒデノホープ、▲ウインタリエンテの印。間接的にビンタを食らった。間違いだったらお詫びするが、噛みつきによる降着はおそらく初めてだろう。
水沢から帰る車中はこの話題で盛り上がった。TM大場はこう例えた。
「松尾さん、知ってますか。今回のレースに高知からの転入馬が3頭いたんですよ。フジノフェアリーは高知A級から。マイアヴァロンは高知C1から。クリノハリウッドは高知C3からの転入。
高知と言えば江戸時代まで上士と下士の身分制度があったじゃないですか。マイアヴァロンは下士なのに上士フジノフェアリーをかわそうとしたから、フジノフェアリーが"下士の分際で!"と怒って齧りにいったんです」
なるほど。確かにクリノハリウッドは後方のままドベだった。そんな歴史背景があったんだな、と手をポンと叩いた。興味がありましたら、レースとパトロールフィルムをご覧になってください。"見事"噛みつきにいっています。
17日メインはC1特別「焼石岳賞」(水沢1600m)。本命エルドリッジは中央未勝利から園田3勝をマークして再び中央入り。中京ダート1900mで1勝をあげ、1000万下へ在籍したが、園田へ戻ってB1から転入。
C1格付けにも恵まれてロングスパートを決めて快勝した。今度は舞台は盛岡から水沢へ替わり、不安は先週のように先行有利の馬場になった場合だが、地力上位は明らか。2連勝濃厚と見る。
逆転筆頭はスガノブリランテ。中央未勝利から転入後、馬券対象から外れたのは乱ペースとなった前々走のみ。前回快勝で軌道修正に成功した。
課題はマイル対応。前々走5着が水沢1600mだったが、中央ダート1600mでひと桁着順なら十分こなせるはず。好枠に恵まれたのも強調材料。
セイザンは目下2連勝中。C1昇級戦も難なく突破した。無理のないローテーションで好調キープ。元々B2へ在籍し、格負けはまったくない。
シンゲツは昨年A級から降格。相手が大幅に緩和されたが、1勝のみ。相変わらず詰めの甘さが付きまとうが、水沢1600mは現状ベスト。格の巻き返しに期待したい。
コンバットパンチは多頭数の前走は11着に沈んだが、それ以前は安定。9頭立てなら馬群をさばくのにも苦労せず、見限るのは早計。
ドリームファイアは差し脚が武器。展開に注文つくが、ハイペースなら台頭の可能性がある。
◎⑥エルドリッジ
〇③スガノブリランテ
▲⑦セイザン
△①シンゲツ
△②コンバットパンチ
△⑧ドリームファイア
<お奨めの1頭>
3R リリーマーキュリー
前走は2ヵ月半ぶりの実戦も影響して出遅れ。それでも果敢に逃げてタイム差なし2着に粘った。ひと叩きされて今度は首位を譲れない
新設であり、復活した「第27回東北優駿」(M1)はパンプキンズが逃げ切り、グレートアラカーの追撃を完封。岩手クラシック一冠目を獲得した。
戦前は2000m対応が最大ネックだったが、持ち味のスピードを生かし、距離も克服。一戦ごとに力をつけているのを実感させるレースとなった。
今週16日は岩手古馬の最高峰「第47回みちのく大賞典」(水沢2000m)。エンパイアペガサスが史上2頭目のみちのく大賞典3連覇を目指し、満を持して登場する。
過去、2連覇を果たしたのはスリーパレード、スイフトセイダイ、グレートホープ(この2頭は1着同着を含む)、モリユウプリンス、トニージェント。
しかし、みちのく大賞典3連覇は至難の業。偉業を達成したのはメイセイオペラ(1998年~2000年)の1頭のみ。エンパイアペガサスがメイセイオペラの記録に並ぶことができるか―が今年の最大焦点となった。
当面のライバルと目されていたシアンモア記念馬ロジストームは現在、放牧に出て休養中。再転入戦を完勝ハドソンホーネット、シアンモア記念を叩いて上昇確実サンエイキャピタルが相手に浮上した。
エンパイアペガサスは北上川大賞典を優勝後、例年どおり南関東へ移籍。金杯9着、報知グランプリカップ10着に終わって帰郷。3月30日、A級「桃花特別」を快勝して笠松・オグリキャップ記念連覇を目指して遠征した。
今年、オグリキャップ記念は1着賞金500万円から1000万円へ昇給。それに伴い、メンバーもグレードアップされてカツゲキキトキトが優勝。2着メイショウオオゼキ、3着メモリージルバと入線。
エンパイアペガサスは同着4着だったが、佐賀・グレイトパールと同着なら価値ある結果。以降はみちのく大賞典1本に絞り、万全の態勢で臨む。
ハドソンホーネットは3歳時、南関東3勝から岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(当時)を狙って転入2着。直後に北海道へ移籍して再び岩手へ。3戦2着1回から南関東へ戻って4勝2着2回。B1まで出世し、2ヵ月の休養から3度目の岩手転入。トライアル・あすなろ賞を逃げ切った。
過去の成績が示すとおり逃げがベストの戦法。あすなろ賞もそうだったが、多少ハイペースになっても自分の競馬ができれば強じんな粘りを発揮する。
そのあすなろ賞でハナ争いを演じたキングジャガーは出走を見送り、逃げの手に出るのは確実。あとは正攻法で攻めてゴールまで押し切る。
サンエイキャピタルはデビュー戦快勝後、1年の休養をはさんで不来方賞まで無敗5連勝。レース後にヒザを軽く骨折したためリタイア。シアンモア記念は半年ぶりの実戦だったにもかかわらず1番人気に支持された。
しかし初の古馬挑戦に加え、いきなり根幹重賞は厳しくロジストームの4着に敗れた。今度は叩き2戦目で良化疑いなし。上昇度と4歳の若さを前面に先輩たちを一蹴するか。
チェリーピッカーはあすなろ賞2着。ハドソンホーネットとのタイム差0秒4差は決定的とも言えるが、昨年もみちのく大賞典で2着を確保。新興勢力がもたつけば再現も十分考えられる。
グランユニヴェールは今季2勝。赤松杯5着、あすなろ賞3着と着実に進化を遂げている。一線級との壁は厚いが、崩れない先行力で上位をもくろむ。
ムゲンノカノウセイは南関東から帰郷戦2着。サインズストームに2馬身半離されたが、レコードタイ決着。激戦区で揉まれてきた経験はダテではなかった。
◎⑦エンパイアペガサス
〇⑥ハドソンホーネット
▲④サンエイキャピタル
△③チェリーピッカー
△⑩グランユニヴェール
△⑧ムゲンノカノウセイ
<お奨めの1頭>
2R サクラサクラ
転入初戦を1秒3差で圧勝。C2下級では地力が違うことを証明した。舞台は水沢に替わるが、南関東では大井4戦を使っていれば全く問題なし
★重賞 東北優駿はパンプキンズ
6月9日、水沢競馬場で行われた3歳ダート2000mの重賞『東北優駿(岩手ダービー)』は3番人気のパンプキンズが優勝。この春の岩手の3歳王者にしてダービー馬の座を獲得しました。
果敢にハナを奪い2000mで逃げ切りを狙うパンプキンズと1番人気グレートアラカー。レース終盤はこの2頭の一騎討ちの形になりましたが、終盤も最後の勝負所でグレートアラカーが先に脚色を失い引き離され始めたところで事実上の決着。パンプキンズはそのまま先頭でゴールして春の3歳王者の座に就きました。
2着はグレートアラカー、3着には最後離されたものの2番人気の牝馬エムワンピーコが入って結果は1番人気から3番人気馬が上位を占める形に。強い馬が強いレースを見せたダービーとなりました。
6月11日のメインレースは12R、B1級ダート1800mの『碁石海岸賞』です。今週から水沢開催に移った岩手競馬ですが、週間の雨の影響が残っているのか全体的に時計の速い決着が続いています。土曜日などB1級の一般戦1300mでレコードに0.5秒まで迫るような事も。展開によっては差しが届かないわけではないですが、基本的には先行有利、それも持ち時計有利という状況になっています。
さてこのレースの本命は(7)プリンスダムです。前走の盛岡戦は10着と大きく敗れた格好になりましたがもともと水沢の方が得意なタイプですし展開にも左右されがちですから仕方がない、度外視できる結果だったと思います。A級や重賞では差しに回りますがこの春からのB級では先行もしており、水沢では手堅い競馬を演じていました。あくまでも流れひとつの面は残るにせよ、ここなら前走のような事はないでしょう。
対抗は(6)レディアントデイズを。芝で連勝して完全復活、というよりはクラスと調子がうまくかみ合っている感じです。春先から凄く状態が良かったのでそれが結果に繋がっているのでしょう。1800mという距離は久しぶりになりますが勝ち星もあって苦手な条件ではありません。今の安定度なら上位争い濃厚。
3番手は(2)ヤマニンボアソルチ。最近は人気の逆を行く事が多く昨年挙げた2勝にしても9番人気・8番人気とつかみ所がない。その通りに信用はしづらいのですが怖い存在でもあります。今回は枠順・コース傾向共に絶好の状況が揃いました。あっと言わせるシーンを演出してもおかしくないはず。
(5)エイシンニトロは力量はあるはずの馬なのですがどうも結果に繋がらない。今回にしても転入後最も大敗したのは三走前の水沢1800mだったのですから距離も長いのかという印象は無きにしも非ず。地力期待での△。あとは水沢のこの距離なら盛岡よりは楽に戦えそうな(4)シーセクションをコース替わり効果期待で。
●12Rの買い目
馬単(7)=(6)、(7)=(2)、(6)=(2)、(7)→(5)、(7)→(4)
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先週2日、盛岡ダート1000mを舞台に「第4回早池峰スーパースプリント」(M2)が行われ、単勝1番人気に支持されたサインズストームが見事な逃げ切りを決め、8馬身差で圧勝。コースレコードを更新し、人馬ともうれしい初重賞を獲得した。
岩本怜騎手「最初は2、3番手に付けるつもりでしたが他の馬があまり先行争いに加わってこなかったので、それなら行ってしまおうかなと。3~4コーナーは若干抑えながら行く余力がありましたし、直線もしっかり伸びてくれました。自分の初めての重賞勝利なのでとても嬉しいですし、この馬で3連勝できたのも嬉しい。レコードタイムで自分の名前が残せたこと、同期達よりも早く重賞を勝てたのも嬉しいですね。これからもサインズストームと一緒に頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」
内に逃げ馬がいても強気に行き切ったのが最大の勝因。岩本怜騎手の積極的なレースが功を奏した。松中みなみさんが"令和は岩本怜騎手の時代になるかもしれませんね"と称賛した。
続く3日はせきれい賞トライアル準重賞「第22回かきつばた賞」(盛岡芝2400m)は5番人気コスモリョウゲツが3コーナー手前からスパート。マイネルスカイとの競り合いを制し、こちらも人馬とも初タイトルを手にした。
小林凌騎手「準重賞ですが、初タイトルでしたから思わずガッツポーズが出てしまいました。思った以上にゲートの出が良かったんですが、初の2400mでしたから折り合いを重視。前半は、できるだけ楽に走らせることを意識して乗りました。3コーナー手前から仕掛けましたが、もう少し我慢しても良かったかなと。最後詰め寄られましたが、馬に助けられました」
インタビュー後、小林凌騎手はこう語った。「岩本騎手に先を越され、おめでとうと言う気持ちと自分の歯がゆさが入り混じり複雑な気持ちでした」
現在、小林凌騎手22歳、岩本怜騎手18歳。今回の優勝が岩手へ新風を吹き込んだのは間違いない。
10日メインはB1特別「ねむの木賞」(水沢1600m)。どの馬が勝っても不思議がなく、実力伯仲のメンバーがそろった。
本命にスカイサーベルを推す。昨年、A級戦を快勝し、今季はB2へ降格。取りこぼしもあるが、2勝2着1回3着1回。
前走は3着に敗れたが、4角で早め先頭。最後は決め手勝負に屈したが、これはコース適性の差もあったはず。水沢に替わって首位を奪回する。
ケルヴィンサイドは目下2連勝中。高松亮騎手の好騎乗も後押しした。小回り水沢対応がネックだが、決して苦手コースではない。今の勢いなら突破も十分可能。
ハグラーは南関東2勝・C3から転入。C2編入にも恵まれたが、圧巻の5連勝。前走・メイカップでは1800mも克服し、上昇一途。岩手の水が合った。
ウインカルナヴァルは中央未勝利から転入後、馬券対象から外れたのは4走前・エイプリルカップ4着のみ。他はオール連対と抜群の安定感を誇っている。前走もB1昇級戦も軽く突破。成長ぶりが目覚ましい。当然だが、上位争いの一角を形成する。
プラトンイミシャンは前走6着に終わったが、外枠に敗因を求めたい。内で脚を貯めると直線で確実に台頭。その意味で絶好の1番枠を引き当てた。
ウインルーカスは今季初戦2着以降は精彩を欠いているが、今回は地元B1馬が相手。反撃の余地は十分ある。
◎⑦スカイサーベル
〇③ケルヴィンサイド
▲②ハグラー
△④ウインカルナヴァル
△①プラトンイミシャン
△⑧ウインルーカス
<お奨めの1頭>
6R ネイチャーモルサム
転入初戦は絶好の手ごたえだったが、最後の伸びがひと息で2着。しかしコンビ2度目なら関本騎手も手のうちに入れたはず