新設であり、復活した「第27回東北優駿」(M1)はパンプキンズが逃げ切り、グレートアラカーの追撃を完封。岩手クラシック一冠目を獲得した。
戦前は2000m対応が最大ネックだったが、持ち味のスピードを生かし、距離も克服。一戦ごとに力をつけているのを実感させるレースとなった。
今週16日は岩手古馬の最高峰「第47回みちのく大賞典」(水沢2000m)。エンパイアペガサスが史上2頭目のみちのく大賞典3連覇を目指し、満を持して登場する。
過去、2連覇を果たしたのはスリーパレード、スイフトセイダイ、グレートホープ(この2頭は1着同着を含む)、モリユウプリンス、トニージェント。
しかし、みちのく大賞典3連覇は至難の業。偉業を達成したのはメイセイオペラ(1998年~2000年)の1頭のみ。エンパイアペガサスがメイセイオペラの記録に並ぶことができるか―が今年の最大焦点となった。
当面のライバルと目されていたシアンモア記念馬ロジストームは現在、放牧に出て休養中。再転入戦を完勝ハドソンホーネット、シアンモア記念を叩いて上昇確実サンエイキャピタルが相手に浮上した。
エンパイアペガサスは北上川大賞典を優勝後、例年どおり南関東へ移籍。金杯9着、報知グランプリカップ10着に終わって帰郷。3月30日、A級「桃花特別」を快勝して笠松・オグリキャップ記念連覇を目指して遠征した。
今年、オグリキャップ記念は1着賞金500万円から1000万円へ昇給。それに伴い、メンバーもグレードアップされてカツゲキキトキトが優勝。2着メイショウオオゼキ、3着メモリージルバと入線。
エンパイアペガサスは同着4着だったが、佐賀・グレイトパールと同着なら価値ある結果。以降はみちのく大賞典1本に絞り、万全の態勢で臨む。
ハドソンホーネットは3歳時、南関東3勝から岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(当時)を狙って転入2着。直後に北海道へ移籍して再び岩手へ。3戦2着1回から南関東へ戻って4勝2着2回。B1まで出世し、2ヵ月の休養から3度目の岩手転入。トライアル・あすなろ賞を逃げ切った。
過去の成績が示すとおり逃げがベストの戦法。あすなろ賞もそうだったが、多少ハイペースになっても自分の競馬ができれば強じんな粘りを発揮する。
そのあすなろ賞でハナ争いを演じたキングジャガーは出走を見送り、逃げの手に出るのは確実。あとは正攻法で攻めてゴールまで押し切る。
サンエイキャピタルはデビュー戦快勝後、1年の休養をはさんで不来方賞まで無敗5連勝。レース後にヒザを軽く骨折したためリタイア。シアンモア記念は半年ぶりの実戦だったにもかかわらず1番人気に支持された。
しかし初の古馬挑戦に加え、いきなり根幹重賞は厳しくロジストームの4着に敗れた。今度は叩き2戦目で良化疑いなし。上昇度と4歳の若さを前面に先輩たちを一蹴するか。
チェリーピッカーはあすなろ賞2着。ハドソンホーネットとのタイム差0秒4差は決定的とも言えるが、昨年もみちのく大賞典で2着を確保。新興勢力がもたつけば再現も十分考えられる。
グランユニヴェールは今季2勝。赤松杯5着、あすなろ賞3着と着実に進化を遂げている。一線級との壁は厚いが、崩れない先行力で上位をもくろむ。
ムゲンノカノウセイは南関東から帰郷戦2着。サインズストームに2馬身半離されたが、レコードタイ決着。激戦区で揉まれてきた経験はダテではなかった。
◎⑦エンパイアペガサス
〇⑥ハドソンホーネット
▲④サンエイキャピタル
△③チェリーピッカー
△⑩グランユニヴェール
△⑧ムゲンノカノウセイ
<お奨めの1頭>
2R サクラサクラ
転入初戦を1秒3差で圧勝。C2下級では地力が違うことを証明した。舞台は水沢に替わるが、南関東では大井4戦を使っていれば全く問題なし