★準重賞 はまなす賞/マツリダレーベンが芝で初タイトル
盛岡競馬開幕日の5月12日に行われた3歳芝の準重賞『はまなす賞』は、3番人気のマツリダレーベンが優勝。昨年10月以来の勝利を得意の芝で挙げました。
今年は開幕後2つめの芝レースとして行われたはまなす賞。転入後初めての芝戦という馬もいて若干様子見加減だったのかペースはかなりのスロー。しかし、そんな中でしっかりと折り合いを付けたマツリダレーベンがひと足先に抜け出すと、猛追してくるサンエイフラワーを凌いで先頭でゴール。昨年10月の同じ盛岡芝戦以来の勝ち星を手にしました。
2着は5番人気のサンエイフラワー、3着は4番人気マリーグレイスといずれも2歳時の芝重賞で好走していた馬たちが上位確保。1番人気ボルドープラージュはキャリア初の芝に苦戦したか7着に終わっています。
さて今回の盛岡開催は日・月・火の3日間の開催が続きます。今日14日も盛岡競馬場で全11レースを実施しますのでインターネット等でご購入の皆様はお間違えなきようお願いいたします。
5月14日のメインレースは11R、B2級の『メイカップ』です。今年最初の「盛岡ダート1800m」のレース。
本命は(4)ミラクルメーカーを採りましょう。
昨シーズンから岩手で走っている同馬は岩手ではここまで4勝、決して白星先行ではないものの掲示板を外したのもこの間4度のみと堅実な走りを続けています。
中でも注目は盛岡ダート1800mでは4戦して1勝2着1回3着2回の実績を持っている点。距離自体初めてという馬もいる中でのこの戦績はやはりアピールポイントになりますし、それも今回と同じB2級やひとつ上のB1級でのその成績なのも強気になれる材料です。
見方を変えればそのキャリア通り勝ち味に遅いのはその通りなのでしょうが、それでもここでは魅力十分の存在。
相手は(10)アドマイヤツヨシを狙ってみます。JRA時代はほとんどが芝の中長距離で岩手に来て初めてダートで勝ったわけですが、軽めのダートならこなせるような手応えがありました。前走はダート云々というよりは1400mが距離不足。1800mなら見方を変えるべきでしょう。
三番手は(9)ハグラーを。マイル以上の経験が無いのでその点が不安材料になりますが、ある程度じっくり動ける距離の方が戦いやすいタイプのようです。南関デビュー馬ですから左回りの経験は豊富。流れに乗れれば前走の再現。
ヒモはまず(1)エールブラン。JRA時代に東京ダート2100mで2着など長めのダートには自信ありの馬。初盛岡が問題なければ距離経験が武器になって良いでしょう。(3)トチノコンコルドはこの馬もマイル以上の経験が無いのに加え近走の結果の上下幅も大きいですが、この馬は盛岡向き・ある程度距離が合った方が良いタイプ。コース・距離が変わっての変化に注意してみたいところです。
●11Rの買い目
馬単(4)=(10)、(4)=(9)、(4)=(1)、(10)=(9)、(4)→(3)
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13日メインは「フレンドリーカップ アンタレス賞」(盛岡芝1700m)。JRA500万下、岩手B1以下(オープンの時代もあり)との交流戦・アンタレス賞が始まったのは2002年。ダートで実施されたこともあるが、基本は盛岡芝1700mが舞台。
他の交流戦と同様、JRA勢が圧倒的優位に立ち、現在JRA4連勝中。岩手が優勝したのは2014年オールマイウェイ、08年タイキランデヴー、03年タイキインフェルノ。ダートで行われた07年マルカンジョオー、04ゴールドレッグの5頭。他はすべてJRAに軍配が上がっている。
当然のことだが、以上はレベル差、層の差が出た格好。特に芝で岩手所属馬が1着になるのは相当レベルでないと厳しい。
しかし今年は5年ぶりに岩手1着の可能性が出てきた。1000万下から転入アドマイヤスカイがエントリーしたからだ。
アドマイヤスカイは父ディープインパクト、母アドマイヤカンナ、母父ブライアンズタイム。デビュー5戦目の中京芝1400mで未勝利を脱出し、4歳6月の函館芝1200mで2勝目をマーク。1000万下へ在籍した。その後は勝ち星こそなかったが、同条件でもタイム差1秒以内にまとめていた。
転入初戦は後方のまま9着だったが、パワーの要る水沢に戸惑った印象。1枠にも入り、自分の競馬ができなかった。
この一戦を叩いてアンタレス賞は当初の予定どおり。陣営いわく"長い距離を使いたかった"ということでJRA相手でも芝1700m戦を選んだ。
今回のJRA勢はタイプムーン以外は順調さを欠いたり、芝未経験が多く、アドマイヤスカイには絶好の勝機。小回り盛岡芝にてこずらなければ順当に白星を手にする。
逆転筆頭はそのタイプムーン。デビュー4戦目の東京芝2000m1勝。その後は2着最高だが、前走・東京芝2400mで逃げて5着。先行して粘るのが勝ちパターンで絶好の1番枠を引き当てたのは強運。好スタートを決め、そのまま押し切るシーンも十分。
マイネルスカイは昨年8月、中央芝2400m2着1回から転入。芝ダートを問わず5戦2勝2着2回から中央へ再移籍。名古屋A級との交流2着1回から岩手へ戻り、初戦の水沢1600mをアッサリ抜け出して完勝、B1通用を証明した。盛岡芝も3戦1勝2着2回と適性はまったく問題なし。好調度を前面に上位をもくろむ。
ホクリュウオウはアメリカからの輸入馬。父ブレイムはアーチ産駒でブリーダーズカップ・クラシックでゼニヤッタを破る金星を挙げた。母父もシルバーチャームならダート専門で使われてきたのは納得。今回が初芝となり適性未知数だが、時計のかかる盛岡なら大丈夫と陣営は踏んだ。
リキサンゴルトもダート戦のみ。未勝利では安定した成績を残してきたが、500万下昇級後は頭打ちの印象。盛岡芝に活路を求めてきたが、父ダイワメジャー、母父トニービンの血統なら克服可能。
フレスコパストは1年4ヵ月の長期休養明け2戦とも精彩を欠くが、今度は休み明け3戦目。変わり身あれば一発あるかもしれない。
◎⑨アドマイヤスカイ
〇①タイプムーン
▲⑪マイネルスカイ
△④ホクリュウオウ
△⑥リキサンゴルト
△⑦フレスコパスト
<お奨めの1頭>
7R エスドリーム
今季2戦とも好内容で連勝し、3歳を迎えて地力アップ明白。いずれ重賞路線に乗る器は疑いなく、ここも通過点
今週から舞台は新緑の盛岡。先週までは向正面の桜花びらが残っていたが、今はごく一部を残すのみ。替わって新芽があちらこちらで出始めて深い緑と淡い緑が入り混じり、季節の移り変わりがはっきりうかがえる。
昨年より盛岡開催が1週間ほど遅れたが、さっそく開催初日12日から盛岡競馬場自慢の芝競走を実施。準メイン(10R)に「南関東ジョッキーズフレンドリーマッチ第2戦」(芝1600m)、メイン11Rには3歳準重賞「第24回はまなす賞」(芝1600m)が組まれた。
例年より暖冬だったとはいえ、4月になって寒さがぶり返し冬が戻ったりして芝の生育が不安な時期もあったが、現在は青々とした緑の芝生が生えそろっている。
開催替わりは荒れるのが定番だが、果たして今季初の盛岡はどんな傾向になるのか。ひとまず馬も騎手も手探り状態と踏んで先行馬重視で印を付したが、それが吉と出るか凶と出るか。
先に断言しておきたい。準メインは力の序列が難しい上、フルゲート14頭。さらに騎手交流戦でペースが読めず、波乱の要素が相当高いが、小生は以下の印とした。
◎③プリムラブルガリス
〇⑫リュイールスター
▲⑩ダズンフラワー
△⑤ロンロネオ
△②レディアントデイズ
△⑨ミステリーモリオン
メイン11Rはオパールカップ・トライアル「第24回はまなす賞」。この一戦は転入初戦を圧勝したプチティアレ、抜群の盛岡芝適性を誇るマツリダレーベンとの対決が焦点。迷ったのはどちらを本命にするかだけ。序列に迷いはあまりなかった。
プチティアレは中山芝1600m・2歳新馬戦3着。3番人気にも支持されて期待の高さを垣間見せ、メンバー最速タイの上りを使った。以降もマズマズの結果だったが、未勝利に終わり岩手入り。
初戦は初ダートに加え、最内1枠。砂をかぶる不安があったが、鞍上・山本政聡騎手は強引にハナを奪い、あとは後続を突き放す一方で3秒7差。まさにぶっちぎりで岩手初戦を飾った。
当初から芝をにらんでの転入で、はまなす賞は狙った一戦。待望の白星で弾みもついて2連勝を飾る。
マツリダレーベンは開幕戦で再会したとき、びっくりした。昨年とは別馬のように一回り成長した。菅原勲調教師に聞いてみたらテンコートレセンで鍛え直したとのこと。それで納得したが、ダート下手は変わらず7、7、5着。
改めて典型的なターフホースなのだと思う。2歳時、芝交流・ジュニアグランプリ2着。ほかに1勝2着1回とも盛岡芝でマークした。
プチティアレは強力だが、盛岡芝適性は同世代で屈指の存在。ペースは落ち着きそうだが、自力で台頭できれば今後の視界も良好。成長を実戦でも感じさせるか。注目の一戦。
サンエイフラワーも同じく芝馬。盛岡芝1600m戦でマツリダレーベンとクビ差2着の接戦を演じ、芝4戦1勝2着2回。反応が一変の可能性がある。
ボルドープラージュは笠松時代を含めて重賞で1勝2着4回。芝は未知数だが、軽快な先行力を武器としているので適性ありそうなムード。凡走も考えられるが、秘めた才能が引き出されるか。
マリーグレイスは2歳芝重賞・若鮎賞を優勝。ダートもこなしてきたが、本質的には脚抜きのいい芝向き。マーク欠かせない。
◎⑦プチティアレ
〇①マツリダレーベン
▲④サンエイフラワー
△⑥ボルドープラージュ
△⑧マリーグレイス
<お奨めの1頭>
8R スマートレジェンド
先行有利の馬場の可能性もあるが、成績が示すとおり盛岡ダートが活躍の舞台。シーズン入りから好状態をキープし、今度こそ突き抜ける
6日メインはA級馬による「皐月特別」(水沢1600m)。この最終12Rで水沢開催はひとまず終了。次週から舞台は盛岡に替わり、水沢巧者は今回、何としても結果を出したいところだろう。
その一番手はヒドゥンブレイド。3月開催を貫禄勝ちしたが、以降は2戦連続で4着。相手も骨っぽかったが、上りの勝負に持ち込まれたのが敗因と見ている。
ヒドゥンブレイドはどんな展開にも対応でき、終いも堅実に伸びてくるが、その反面でピリッとした脚がないのがネック。中央1000万下から転入後、重賞以外で着外に沈んだのはわずか3度。
残念ながら重賞では歯が立たないが、自己条件に戻ると堅実さを発揮する。それが長所であり、短所でもある。重賞で好走するためにはワンパンチが必要だ。
裏付けているのが2戦の勝ち馬サインズストームは昨年、盛岡ダート1000mレコードを更新したようにスピードで押すタイプ。ヒドゥンブレイドは苦手の競馬に持ち込まれてしまった。
今回のメンバー構成なら逃げるのはタイセイラビッシュ、2番手ワイルドソング。ヒドゥンブレイドは3番手はキープでき、流れも落ち着くのは確実。おあつらえの展開になる。
加えて水沢<4.3.1.5>に対し、盛岡<0.2.2.6>とコース適性がはっきり。次開催から舞台が盛岡に替わり、陣営にしてみれば水沢開催の今回が全力投球。何としても勝ちたいところだろう。
ダイチラディウスは昨年春、早々と2勝マークして飛躍を期待されたが、脚部不安のために無念のリタイア。12月に復帰を果たしたが、久々の実戦がこたえて7着。結果的に不本意なシーズンで終わったが、今季は初戦を快勝。これで復調なったと解釈していいだろう。
前走・駒形賞は3着に敗れたが、実質A級馬が相手。優勝したセンティグレードはA級戦を完勝した実績を誇り、仕方なしの結果だった。
この一戦からA級へ昇格したが、実際のところはヒドゥンブレイド以外はB級クラス。相手はむしろ楽になり、逆転の可能性は十分にある。
ワイルドソングは550キロ前後の大型馬。3歳時に不来方賞2着、4走前のB1特別・ひいらぎ賞を完勝。まだまだ伸びしろを感じさせる。
今シーズンは精彩を欠いているが、明らかに仕上がり途上。馬体が緩く冬毛も結構残っていて陣営は叩かれながら―と考えているムードがあった。
それでも前走にしっかり変わり身を見せ、走りごろの休み明け3戦目。相手も手ごろとなれば、自慢のパワーで押し切る可能性も十分。
タイセイラビッシュは中央ダート1400m、1600mで2勝。近走は短距離を専門に使われ、初戦に水沢850m戦を選んだと思うが、追走にてこずって9着。案外の結果に終わった。
その内容から岩手ではもう少し長い距離の方がいい印象。外枠でも苦もなくハナに立てそうだし、マイペースにも持ち込める。A級で通用するかどうか、正念場を迎えた。
ジーパワーは高知から再転入。初戦は粘りなく失速8着だったが、500キロの体重増がこたえたか。体が絞れてくれば通用して不思議はない。
アイリスロードは川崎1勝から里帰り初戦6着。まだA級では荷が重そうな感じだったが、成長続ける4歳馬。ここで見せ場を作って得意の盛岡を迎えたいところだろう。
◎④ヒドゥンブレイド
〇①ダイチラディウス
▲⑧ワイルドソング
△⑦タイセイラビッシュ
△③ジーパワー
△⑤アイリスロード
<お奨めの1頭>
11R コールサインゼロ
休み明け2戦目から圧巻の逃げ切り2連勝。持ち前のスピードが冴え渡っている。モロさも同居のタイプだが、今回も楽に先手を取れるメンバー構成
★重賞 やまびこ賞/グレートアラカーが前走の雪辱果たす
5月4日に行われた3歳馬の重賞『やまびこ賞』は1番人気グレートアラカーと2番人気パンプキンズの、下馬評通りの一騎討ちに。2週目の3コーナーまで続いた接戦は、最後は楽に抜け出したグレートアラカーがパンプキンズを7馬身突き放して優勝。前走のスプリングカップで敗れた雪辱を果たしました。
3着はこれもゴール寸前まで接戦が続き、南関東から転入初戦リュウノボサノバが、同じく南関東から転入して4戦目のトーセンロブロイを抑えきって確保。これによりグレートアラカー、パンプキンズ、そしてリュウノボサノバの3頭が東北優駿の優先出走権を得ました。
さて5月5日のメインレースは古馬マイルの『シアンモア記念』です。昨年までは地方競馬全国交流として行われていましたが今年は岩手限定の条件に変わりました。そのために、という事では無いでしょうが、6頭立ての少頭数になってしまったのはちょっと寂しい気がします。
昨年のこのレースの覇者・ベンテンコゾウはその後南関東に移籍、そのベンテンコゾウを青藍賞で破っているエンパイアペガサスは、先日の笠松・オグリキャップ記念への遠征を選んだためここには不在。そしてそのエンパイアペガサスとの対戦に注目されていたチャイヤプーンも南関東に移籍。地元有力馬も次開催。1800mのあすなろ賞へ向かう馬が多く、マイルのここは"この距離でこそ"と狙ってきた馬が少なくなってしまった印象。出走6頭がどんなレースを見せてくれるのでしょうか?
しかし少頭数ながらも楽しみが無いわけではありません。本命はその期待の一頭(4)サンエイキャピタルとしました。
一昨年の7月に新馬戦を勝ったものの直後に体調を崩した事から休養にはいったサンエイキャピタル。しかし復帰初戦となった昨年6月のウイナーカップを11ヶ月の休養明けで完勝。さらには10月の3歳伝統の一戦・不来方賞ではチャイヤプーンとの大激戦を制してみせ周囲を驚かせました。その後軽度の骨折で再び休養に入ってこのシアンモア記念が再度の復帰戦という事になります。
つまり休養明けであり対古馬初戦、それがこのシアンモア記念なわけで、普通に考えたら楽な戦いではないと考えるべきでしょう。
ですが、これまでも何度も想像以上の走りを見せて周囲をあっと言わせてきた馬。それはデビュー当時「間違いなくこの世代のNo1」と言われた素質があってこそでもあります。今回もまた不安や心配を吹き飛ばす走りを期待したいもの。
実際の状態面も、昨年の不来方賞時ほどではないでしょうが、帰厩前から乗り込んで来たうえで態勢整ったという事での出走ですからひとまず不安なしと考えて良いでしょう。ここでどんな走りを見せてくれるのか、期待と注目の意味で◎。
対抗は(2)ロジストーム。昨年の今頃とは別の馬のような好成績が続くのは馬体重が550kg前後で安定してきたため。前走時の565kgはやや太めだったのかもしれませんが、あくまでも前哨戦、それを太め残りで完勝できた事はむしろ本番に向けた好材料だったとも言えます。
今や水沢マイルは最も得意とする条件にも。ベテラン古馬の貫禄と意地で4歳馬には負けられないところ。
三番手は(6)パーフェクトデイでどうでしょうか。直近の南関での成績は同じ時期に南関にいたロジストームと遜色ないものです。二度目の水沢戦なら前走よりも前進あって良いはず。
(1)イーグルカザンは赤松杯でしぶとい末脚を繰り出して2着。直前の笠松で勝っていたように11歳にしての状態の良さを活かした戦いを演じました。その前走が結果2着ながら非常に良い走りだっただけに同じ走りができるかどうか?になるのですが、それができればここでも再現まであり得るでしょう。そして(5)シークロム。2016年の青藍賞、同じ水沢マイルの重賞を勝っており地力はある馬。前走は1800m戦を逃げ切りましたが本来はマイルでも少し長いというタイプの快速馬でしょう。先行同型が多い事が逆にしぶとさを引き出してくれたなら、でしょうか。
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)→(6)、(4)→(1)、(4)→(5)
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