さあ、10月8日は南部杯です!
昨年は「震災復興支援」という事で南部杯は東京競馬場で行われたため、"盛岡での南部杯"は2年ぶりとなります。岩手最高峰のビッグレースが盛岡に帰ってくる・・・と心待ちにしていたファンの方も多かった事でしょう。
様々な事情があったとはいえやはり岩手唯一のJpnI、それを盛岡で見る事ができなかったのは残念だったし、このレースがない事にはシーズンに画竜点睛を欠く・・・という印象が、どうしても否めない気持ちもありました。まずは2年ぶりの盛岡開催を喜ぶ事にしましょう。
8日(月祝)、盛岡ダート1600mを舞台に行われるJpnⅠ「第25回マイルチャンピオンシップ南部杯」枠順が確定した。
(1)アドマイヤロイヤル(栗東)
(2)コアレスランナー(盛岡)
(3)メイショウタメトモ(栗東)
(4)トーホクキング(盛岡)
(5)エニフェアー(盛岡)
(6)ダイショウジェット(栗東)
(7)スーニ(栗東)
(8)ナムラタイタン(栗東)
(9)カミノノヴォー(水沢)
(10)エスポワールシチー(栗東)
(11)ナイキマドリード(船橋)
(12)トウホクビジン(笠松)
(13)ベルモントパッシオ(高知)
(14)スウィングベル(高知)
以上の14頭。注目はやはりエスポワールシチー。今回で南部杯4年連続(東京競馬場も含む)の出走。2009年、サクセスブロッケンを退けて快勝。その時を境に主役が交代した。
今年はかしわ記念を制し、2年ぶりのG(Jpn)Ⅰを獲得。帝王賞、エルムSと連続2着だったが、そのうっ憤を一気に晴らすか。
逆転筆頭はアドマイヤロイヤルと見た。キングカメハメハ産駒は広いコースで本領を発揮。今後、重賞へ出走するためにもこの南部杯で結果を出したいところだろう。
ナムラタイタンはそのアドマイヤロイヤルに3戦して3戦とも先着。実績的には上位だが、狙いはもっと先にあるのでは。当日の気配が重要になった。
スーニは酷量の呪縛から解放されたが、それにしても今季のレースぶりは精彩が欠きすぎ。GⅠレース3勝馬だが、今回は割り引きが必要か。
7日(日)メインは盛岡ダート1600mが舞台、B1特別「白神賞」。主軸はキーフォースだが、今回の負担重量は58キロ。トップハンデがどう影響するか。過去最大は56キロまで。これが気がかりだが、盛岡ダート8戦5勝2着2回3着1回と抜群の適性度。水沢は0勝2着1回だから、なおさら目につく。
理由は跳びの大きい馬でコース広い盛岡が合っているから。一連の走破タイムもすばらしい。仮に負けたとしても2着は確保でき、58キロでも軸はキーフォースに落ち着く。
タケノトレジャーは南関東A3から転入し、初戦2着。同じく再転入組シャイニーベストには完敗だったが、まずは通用を証明した。南関東10勝のうち7勝が1600m戦で、今回の距離短縮は望むところ。
ユウキタカラオーはアッサリか、B1の壁に突き当たるか。馬券を抜きにしても興味深い。岩手3連勝はいずれも豪快なマクリを決めたもの。先行有利の前走も早めに動いて2着に0秒5差もつけて完勝した。相手大幅に強化だが、3歳馬の勢いは止まらない。
シャイニーベストはもっと上の評価が必要かもしれない。実際、タケノトレジャー相手に0秒3差をつけて再転入戦を飾り、距離短縮も歓迎。ただ脚元に爆弾を抱えており、前走のような楽な競馬ができるか。迷いに迷った結果が△となった。
トーホクアローは夏場に体調を崩したが、涼しい季節を迎えて再び上昇。10月28日にはユウキタカラオーと同様、3歳伝統の重賞・不来方賞が控え、そこへ向けても上位を狙いたい。あとは常識にかからない分、怖さを秘めているインピースの一発も警戒が必要だろう。
◎(4)キーフォース
○(5)タケノトレジャー
▲(3)ユウキタカラオー
△(7)シャイニーベスト
△(1)トーホクアロー
△(6)インピース
<お奨めの1頭>
7R タフガイ
明日の岩手競馬を背負う期待の2歳馬がそろった。ロックハンドパワー、ハカタドンタクのスケールは大きいが、今回のダート1200m戦ならタフガイが若干リード
6日(土)メインはB2級以下の地方交流「オクトーバーカップ」(盛岡芝1600m)。園田からアトミックデザインが参戦し、計12頭で争うが、今シーズンも芝レースは結構荒れている。
B級、そして芝1600m、芝1700mの条件で行われた特別を振り返ると6月3日、ジューンカップ(B2 芝1600m)は1着アースグラヴィティ(3番人気)→アトミックデザイン(4人気)→ヴァリエンテ(9人気)の順で入線し、3連単5万9210円。
7月30日、レインボーカップ(B1下 芝1600m)は強烈だった。カズノトウショウ(10人気)→アンペラトリス(2人気)→ビコーディアナ(9人気)と入り、3連単96万9000円!もう少しで百万馬券になるところだった。
8月16日、葉月賞(B2 芝1600m)はドリームスナイパー(2人気)→ディテール(4人気)→ソヴリン(1人気)と比較的、大人しく決まったが、それでも3連単は8150円。穴党に出番十分なのが盛岡芝のレース。という訳で印は人気指数と見てほしい。
主軸は園田から3度目の遠征となるアトミックデザイン。上記の2レース、ジューンカップは2着(0秒1差)、レインボーカップ4着(0秒3差)。あと一押しが足りないが、長距離輸送を経てこの結果。盛岡芝適性は相当高いと見て間違いない。
しかも今回はB2条件でメンバーが大幅に緩和。盛岡芝1600mの持ちタイム1分38秒3もメンバー中一番と待望の白星を飾るお膳立ては整った。
ただ、最後の詰めに課題を残しているのも事実。逆転の目は十分にあり、筆頭はレディージャスミン。過去、盛岡芝は<3.3.2.4>と連対率5割を誇る。前走(B2 芝1700m)も3番手の好位につけ、積極的なレース運びで4角先頭。そのまま押し切る強い内容で今季初勝利をマークした。
今回、芝1600mの大外に入ったのは痛いが、それでもこのメンバーなら自己ポジションをキープできるはず。前走と同様、積極策に出て連勝を狙いたい。
メトロファルコンは中央芝で2着1回3着1回。この実績を買われて初戦(芝1700m)で1番人気に支持されたが、レディージャスミンに0秒5差2着。完敗を喫した。これをどう評価するかだが、初の盛岡芝だったことに酌量の余地。コース2度目で真価を問われる。
ムーンパイロットはJRA京都・2歳新馬戦2着。この時の1着はドナウブルーは今年の関屋記念で驚異のレコード勝ち。また条件交流で盛岡芝(エメラルド賞)2着の実績があり、上記3頭を上回るといっても過言ではない。レインボーCはアトミックデザインから0秒2遅れた5着が微妙だが、調子も上昇とあれば一気に首位へ躍り出る可能性もある。
以下も芝巧者が続き、盛岡芝4勝の格上馬ソノマンマ、流れ速くなれば切れる脚を発揮ディテールも争覇圏内に位置する。
◎(9)アトミックデザイン
○(12)レディージャスミン
▲(4)メトロファルコン
△(3)ムーンパイロット
△(5)ソノマンマ
△(2)ディテール
<お奨めの1頭>
11R マイネベルヴィ
転入初戦2着だったが、勝ったキーフォースが強すぎた。今回はメンバーが甘くなり、勝機ガッチリとつかむ
30日の日曜日、盛岡競馬場において二つのセレモニーが行われました。ひとつは10月5日に開幕する『SJT2012』に出場する村上忍騎手の壮行セレモニー。もうひとつは今週で岩手での期間限定騎乗を終える内田利雄騎手のお別れセレモニーでした。
内田騎手は2005年に岩手で事実上の地方競馬初の"フリー騎手"として騎乗を始め、短期所属の形で各地を転々としながら戦ってきました。その間にはマカオで現地GI制覇、韓国・釜山ではリーディングを獲得するなど日本に留まらず世界を股にかけた活躍も演じてきました。
その内田騎手は、今年の4月から浦和競馬の所属となり、"フリー騎手"の立場にピリオドを打ちました。これはつまり、今後はこれまでのように岩手など他場で期間限定騎乗をする事が非常に難しくなった・・・という事でもあります。
今年いっぱいは「これまでお世話になったところにごあいさつを」と各地での騎乗を続けているのだそうですが、来年からはそれも終了。他地区で姿を見るとすれば大レースあるいはSJTのような騎手招待競走で遠征に来た場合のみ・・・となります。
宇都宮競馬が廃止された後、「復活」した内田騎手の最初の騎乗地が岩手で、そしてその後毎年のように岩手で騎乗してくれてもいて、岩手のファンにとっては地元騎手同様になじみ深い存在でした。これまでのように岩手でお会いできなくなるのは残念な限りですけども、内田騎手のこれからの活躍と、そしてまた岩手で騎乗する姿が見られる日が来る事をあわせて期待しつつお祈りいたします。
昨日曜に行われた2歳重賞「ジュニアグランプリ」。上田健人騎手、お見事でしたね! 6番人気のセラミックガールに騎乗した上田騎手、実は岩手での短期騎乗は先週の月曜日で終了しており、このレースでは「大井所属の上田健人」として北海道の馬に騎乗。そして結果は好位追走から直線スルスルと抜け出して、そして後続の追撃を振り切って優勝。岩手での20勝目、そして自身の重賞初制覇を成し遂げました。
表彰式ではたくさんの声援があって、「岩手の上田」と思って見ていた、応援していたファンも多かったんだろうなと感じました。またしても北海道の馬にタイトルを掠われたのですが、それが悔しいような、上田騎手が勝って良かったような、複雑な気分・・・。
でも良かった良かった!