前回は『ジョッキーズチームマッチ』のお話をしましたが、今回はマーキュリーカップの出走馬をお話をしておきましょう。
現時点でJRA所属馬と地方他地区所属馬の出走予定馬が明らかになっており、JRAからはグランドシチー、シビルウォー、スエズ、ピイラニハイウェイ、ランフォルセほか補欠5頭が、地方他地区からはイーグルビスティー(川崎)、トウホクビジン(笠松)、ナムラハンター(高知)、シーアクロス(高知)、カツヨトワイニング(高知)の5頭の名前が挙がってきております。
JRA勢では重賞2勝・先の帝王賞で4着のシビルウォーが筆頭と見て良さそうですね。次いでダイオライト記念JpnIIの勝馬ランフォルセ、佐賀記念JpnIIIを勝ってグレードホースの仲間入りをしたピイラニハイウェイという感じになりますか。
昨年から出走規定が変わって例えばGI勝馬の斤量がグンと重くなった事もあり、昨年のこのレースでは最高でもJpnIIIを1勝という馬までだったのですが、今年はJpnII勝馬・GIでも好走している馬が出てきました。メンバーの顔ぶれ的には昨年以上、粒の揃い具合でなら例年以上のなかなかの好メンバーではないでしょうか。
地方他地区勢にはグレードで好走している馬は少なく、各地を転戦するトウホクビジンが実績最右翼になるのですが、まあいずれも遠征経験豊富な馬ばかりですから岩手に来て力を出せないという事は無さそう。
地方他地区勢の楽しみは、例えば笠松のトウホクビジンにホッカイドウの五十嵐騎手が、高知のナムラハンターには同じく高知の赤岡騎手が、と他地区の有力騎手が騎乗する所にありますね。同じ日に行われるジョッキーズチームマッチの余得というか役得というか。トップジョッキーの手綱捌きを楽しめそうです。
岩手勢ですが、正式な選定馬は火曜日発表ですが先行順位は分かっていて、上位6位まではトーホクキング、カミノヌヴォー、ツカサゲンキ、アスペクト、オウシュウサンクス、マイネルアトレとなっています。
みちのく大賞典上位組が中心ですが、注目はやはりアスペクトの動向ですよね。得意の盛岡なら古馬とも真っ向勝負可能なのか?水沢のみちのく大賞典で敗れただけにむしろ余計に気になるように思いますね。
●10Rの買い目
馬単(4)=(7)、(4)=(1)、(4)=(5)、(4)=(6)
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8日メインの「岩鷲(がんじゅ)賞」の歴史は現行の岩手競馬では最も古く、創設は3歳重賞・不来方(こずかた)賞と同じ1969(昭和44)年。第1回は旧盛岡競馬場1730mを舞台に行われ、優勝は平沢芳三騎手(現調教師)が騎乗したスズヒカリトップ。当時は現在と同じくサラ系A級戦。
興味深いのは第2回、第3回。春と秋の2回、岩鷲賞が実施されていた。続く第4回は距離が1750mへ変更され、第5回以降はアラブA級の重賞へ移行。第10回まで盛岡1900mを舞台に行われた。
第11回(1979年)から第18回(1986年)まではアラブ3歳(当時の表記は4歳)重賞。第19回から27回(1995年)まで、記憶に間違いなければアラブB級重賞で実施。第28回から第30回までアラブ3歳(4歳)特別。第31回(1999年)の一度のみサラ系B級で行われ、第32回(2000年)から第38回(2006年)までサラ3歳重賞で実施。
そして第39回(2007年)から今と同じ古馬短距離重賞へと移行、現在に到っている。ただし舞台は第39回(優勝・ヤマニンエグザルト)、第40回(優勝・トーホウライデン)が盛岡ダート1200m。第41回(優勝・ダンストンリアル)、第42回(優勝・ゴールドマイン)が水沢1400m、昨年、第43回(優勝・マイネルプロートス)が盛岡ダート1400m。以上のように、岩鷲賞は様々な変遷を経てきた。
今年の舞台は第41回、第42回と同じ水沢1400mが舞台。歴史も非常に古いが、これほど条件が替わったレースも珍しい、というよりほとんどない。これも余談だが、岩鷲とは岩手山が雪解けのとき、鷲が羽根を伸ばした姿に似ていることにより、別名・岩鷲山と呼ばれてきたのが由来。奇しくも不来方(こずかた)賞と並び、岩手競馬の難解名称の双璧を成す。初めての人は、まず"がんじゅ"と読めないと思う。
前説が長くなってしまった。「第44回岩鷲賞」はクラスターカップ(JpnⅢ)への道。1、2着馬には同レースの優先出走権が与えられ、また優勝馬主にはアラキファーム、須崎牧場の協賛により、種牡馬ローレルゲレイロの配合権利が提供される。
主軸はヒカルジョディー。トライアル・早池峰賞(盛岡ダ1200m)を5馬身差で圧勝。春のマイル戦線、赤松杯優勝、交流重賞・シアンモア記念で岩手最先着2着など段全の実績を誇り、1400mも守備範囲。折り合いさえ欠かなければ順当に勝ち上がるに違いない。
相手はダイワマックワン、スーパーワシントンのどちらにするか迷ったが、最終決断はダート1400m実績を重視。ダイワマックワンが上位に採った。早池峰賞ではスタートして2完歩目に脚を滑らして落馬寸前。そこから持ち直して好ポジションを取るため脚も使ったが、3着確保。唯一、気になるのが4走前の東海桜花賞で10着大敗したことだが、自分の競馬ができなかったと解釈したい。
一方、スーパーワシントンは佐賀デビュー戦を快勝後、JRA入り。芝1200mで2勝、芝1400mで1勝マークし、準オープンまで駆け上った。岩手初戦・赤松杯は大外を回る不利が影響して5着に終わったが、続く一戦で2着。前走・早池峰賞では出遅れ気味のスタートと前が壁になる不利が重なって後方2番手まで後退。それが痛かったが、直線で猛追してダイワマックワンとは0秒1差4着まで肉薄した。内枠をうまくさばければダイワマックワンに先着できる可能性も十分にある。
スーパーヴィグラスはなかなか体が絞り切れないが、2戦目の水沢1400mで2着確保。これで今後のメドが立った。南関東時代、短距離を専門に使われて重賞でも2着の実績があり、格負けはまったくない。
マイネルプロートスは盛岡ダ1400mで行われた昨年の岩鷲賞優勝馬。早池峰賞は流れに乗れず7着に終わったが、1200mの忙しい競馬が合わなかっただけ。200m延長は間違いなくプラスに作用するはず。
1頭、穴でおもしろいのがコアレスシルバー。岩手転入後は3着最高だが、中央未勝利ながら芝1200mで好走。中間の上昇気配から一発があればこの馬か。
◎(11)ヒカルジョディー
○(7)ダイワマックワン
▲(2)スーパーワシントン
△(9)スーパーヴィグラス
△(3)マイネルプロートス
△(1)コアレスシルバー
3連単は11を1着固定に、7、2の折り返しが本線。あとは9、3、1を3着押さえ
馬複は 7-11、2-11、9-11、3-11
<お奨めの1頭>
9R エイシンワールド
前走2着に敗れたが、これは勝った相手を誉めるべき。ここは負けられない一戦
7日メインはA級二組による水沢1600m戦「おおのキャンパスレース」、10頭立て。翌日8日に水沢1400m重賞・岩鷲賞があり、翌週16日にJpnⅢ・マーキュリーカップが控え、手薄なA級戦となって俄然、シャイニーハリアーに有利な条件がそろった。
昨年秋から本格化して5連勝マーク。A級入り初戦で2着に敗れたが、11戦連続で馬券対象(3着以上)。どんな相手に対しても抜群の安定感を誇っている。前々走・かきつばた賞で6着に敗れたが、これは芝適性ではなく2400mの距離が長すぎたから。
ダートに戻った前走、クリスティラビットに逃げ切りを許したが、ハナ差の僅差2着。ダートでの馬券対象を連続12に伸ばした。しかも今回は大幅に相手が楽になった上、前回と同様、ベストの水沢1600m戦。前走の雪辱を晴らす格好の舞台と言える。
相手筆頭はアクロスザボード。デビュー2戦目、盛岡ダート1600mで行われたフレンドリートロフィー・ガーネット賞(3歳条件交流)で初勝利を飾り、500万下昇級後も毎回のように勝ち負け。使い込めないのが難点だったが、潜在能力の高さを見せつけた。
ただ今回は昨年11月以来、約7ヵ月半ぶりの実戦。それが少なからず影響する可能性もあるが、能力検査を叩かれたし、テッポー実績もマズマズ。いきなり勝ち負けに持ち込めそうだ。
順調度を重視するならフレイムヴェインが相手の見方も十分。シーズン初戦を快勝後、3戦連続で足踏み。頭打ちの印象も拭えないが、地元水沢に戻った前走はクリスティラビットの1秒差4着。シャイニーハリアーと同じく得意の水沢マイル戦で反撃を狙う。
サクラマジェスティは今季4着が最高。年齢的な衰えが隠せないが、一昨年の桐花賞で2着など底力上位は明白。前走、フレイムヴェインとの差は0秒3なら逆転圏内。ソロソロ格の巻き返しを期待したい。
コアレスガバナーも同じく9歳馬で入着が精一杯が現状だが、矛先を替えた水沢1400m戦で5着ながら0秒3差。こちらも岩手初連対の目が出てきた。あとはコース2度目でシルクアルバスを押さえ少々。
◎(3)シャイニーハリアー
○(6)アクロスザボード
▲(8)フレイムヴェイン
△(9)サクラマジェスティ
△(4)コアレスガバナー
△(2)シルクアルバス
3連単は3を1着固定に6、8の折り返し本線。あとは9、4、2を3着押さえ
馬複は 3-6、3-8、3-9
<お奨めの1頭>
8R トミケンウエスト
前走は中央時代の走破タイムから主軸が当然だったが、それにしても強さが際立っていた。1400mへ距離延長でも追いかける一手
7月16日、盛岡競馬場で行われる『ジョッキーズチームマッチ』の出場騎手が発表されました。
JRAからは蛯名正義騎手、岩田康誠騎手、内田博幸騎手、川須栄彦騎手が、地方他地区代表として戸崎圭太騎手、五十嵐冬樹騎手、戸部尚美騎手、赤岡修次騎手。そして地元岩手代表としてリーディング上位4名の村上忍騎手、齋藤雄一騎手、山本政聡騎手、山本聡哉騎手が選ばれました。
この騎手たちがそれぞれ「Team JRA」「Team JAPAN」「Team IWATE」として、7月16日第9Rと第11Rで行われる2戦で競うわけです。
昨年は8月のクラスターカップの際に「JRA vs 岩手」が、10月の絆カップの日には東北騎手対抗という形で行われた騎手・チーム対抗戦、どちらも盛り上がりましたよね。この項でも良く書いていると思いますけども、騎手対抗戦は通常のレースとはまた違った面白さがありますし、チーム対抗戦になるとまたひと味違う楽しみが生まれたりします。
例えば昨年の「JRA vs 岩手」第2戦が良い例です。直線抜け出そうとした2頭はどちらもJRA騎手が騎乗。しかしゴール寸前最内を突いた岩手・菅原俊吏騎手が突き抜けるという劇的な結末だったのですが、そのシーンの裏側にはJRAの騎手たちがあわよくばワン・ツーで・・・とギリギリまでレースをコントロールしようとした一方、なんとか一矢を報いたいと狙っていた岩手チームがその一瞬の隙を突いて・・・という二重・三重の伏線がありました。
騎手の個人対抗だと「自分の着順がひとつでも上になれば」ですが、チーム対抗になると自分が勝ちに行った事で上位に食い込めたかもしれない自チームの馬のチャンスを潰してしまうと、ポイントトータルでマイナスになるかもしれないわけで、そこをどうやりくりするか?その辺の駆け引きも加わってくるのが面白い所ですよね。
加えて今回は、内田博・戸崎の「南関トップ対決」、内田博・岩田康の「元地方・東西トップ対決」とか、作ろうと思えばいくらでもネタを仕込めそうなくらい役者が豊富。
マーキュリーの日って例年暑くてたいへんな時期(8月のクラスターCは、岩手だと暑さのピークを過ぎつつある事が多いんです)なんですけども、今年は暑い以上に"熱い!"になりそうです。
本命はやや悩みつつ(2)センリグランピーとします。今季は序盤の内に2勝を挙げる一方10着大敗を喫してみたりと相変わらずこの馬らしい戦いを見せていますが、基本的に人気より上の着順に入っており、それだけ好調なのだと見る事ができます。
2000mの経験がある点は当然魅力的。しかしこの馬の場合、どんな距離でも流れが合うかどうかがカギですから、実際のところ距離の事はあまり難しく考えなくていいでしょう。調子が良いいならば流れを引き寄せてくるチャンスも増す、という事で。
対抗は思い切って(9)ベルウッドショットをピックアップ。2000mどころかマイル以上の経験のない馬ですが、恐らくこのクラス・このメンツならスタミナ勝負にはならないはず。勝負所からの切れ味勝負ならこの馬が上手では。
(5)マイネルリファインが三番手。2000mの経験豊富ですが得意というほどの印象はありません。ただ、地力はこの辺のクラスなら上ですし、しっかり上位に食い込む堅実さも魅力。連軸として期待できますし上手く嵌れば頭も・・・。
ヒモは(1)ケイジーウィザードと(8)ソノマンマ。(1)は全盛期の勢いこそないものの地道に上昇してきた所に注目&注意。(8)は前走に立ち直りムードがありました。鞍上の好調さも込みで押さえに。
●10Rの買い目
馬単(2)=(9)、(2)=(5)、(2)→(1)、(5)=(9)、(2)→(8)
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6月4日、岩手ダービー・ダイヤモンドカップは超ハイスピード決着となった。2歳チャンピオン・アスペクトがスタートからガンガン飛ばし、ロッソコルサが馬なりで2番手を追走。後続は大きく離され、2頭が沈むかと思ったが、あにはからんや。直線を向いてもスピードは衰えず、アスペクトがロッソコルサの追撃を振り切って完勝。ダイヤモンドCの従来レコードを3秒9も更新、2分7秒3の驚異レースレコードを樹立した。
続いてアスペクトは古馬伝統の重賞・みちのく大賞典へ果敢に挑戦。この結果次第ではジャパンダートダービー参戦も考えていたが、3コーナーで失速10着。「物見ばかりしてレースに集中していなかった」(山本政聡騎手)そうで、水沢が合わなかった。よってJDD挑戦は見送り、当面は地元競馬に専念することになった。
一方、2着に敗れたロッソコルサは「距離2000mが長すぎたかも」と村上忍騎手がコメント。当初の予定どおり芝・オパールカップへ駒を進めることが決定した。中央1勝が新潟芝1400m。「一度、芝を使ってみたかった」(千葉幸喜調教師)。次走の巻き返しに期待したい。
7月1日メインは3歳特別「ウイナーカップ」。ダイヤモンドカップから直行組が人気を集めるが、大幅に替わったのは舞台が盛岡ダート2000mから水沢1400m戦となったこと。これが各有力馬に影響するに違いない。
主軸はファイトホーマー。ダイヤモンドCは金杯優勝以来、半年ぶりの実戦。いきなりの2000mで息が持つか心配が尽きなかったが、2分10秒4で6着とマズマズの結果。瀬戸調教師は「思った以上の収穫があった。次が楽しみ」と語り、予定どおりウイナーCへエントリーした。
何よりも強調できることは久々を叩かれて気配が一変したこと。シーズン入り直前に肩に異常が見つかり、出走を見送り。戦列復帰がダイヤモンドCまでずれ込んでしまったが、大事を取って我慢したことが正解だった。
トーホクアローは特別・七時雨賞がロッソコルサの2着、ダイヤモンドCは3着。平場戦1着を叩いて臨んできたが、不安点は距離が一気に短縮されたこと。いい脚を長く使えるのが持ち味だが、小回りで1400mの距離対応ができるかどうか。アッサリか、エンジンがかかった時点でゴールの可能性もある。もちろん底力上位は過去実績で明白。
リアルサンボーイはダイヤモンドCで3番手の積極策に出たが、馬群がバラけてしまったのも痛かった。それでもトーホクアローとは0秒1差4着。まずは上々の結果とも言えた。ただ気になったのが馬体重が450キロを割って446キロまで減っていたこと。
骨格的には470キロぐらいあった方がいいはずだが、さらに減っていれば能力にも影響ありそう。ひとまず輸送のない水沢なので回復すると思うが、どこまで回復するのか当日の馬体重をチェックして欲しい。
ファイアースカイは大井から再転入後、2着1回3着2回。勝ち星こそないが、持ち味の先行力と粘りを披露している。タイプ的に1400m短縮は歓迎。マイペースに持ち込めば大物食いの可能性があるかも。
あとは前走3着で復調気配ウエディングサクラ、ハイペースで末脚さく裂ハンターが押さえ。
◎(10)ファイトホーマー
○(5)トーホクアロー
▲(4)リアルサンボーイ
△(7)ファイアースカイ
△(1)ウエディングサクラ
△(2)ハンター
3連単は10、5、4の3頭ボックスが本線。あとは3着押さえで7、1、2
馬複は 5-10、4-10、7-10、1-10
<お奨めの1頭>
11R マイネヴィント
前走がB1昇級戦で連勝3でストップしたが、2着死守。実質A級の好メンバーがそろい、むしろ連対確保を評価するべき。首位を奪回する