
今回は期間限定騎乗のニュースから。
来たる6月2日(土)より、大井所属の上田健人騎手が岩手で期間限定騎乗を行います。岩手での所属は盛岡・小西重征厩舎、期間は9月17日までののべ47日間の予定となっています。
岩手での期間限定騎乗というとミスターピンク・内田利雄騎手や荒尾・牧野孝光騎手(引退)の例がありますがいずれも「大」を3つくらい付けなくてはならないベテランでした。しかし今回の上田騎手はデビュー4年目の21歳・通算286戦9勝(5月27日時点)の若手です。
岩手では最近まで期間限定で騎乗する騎手について「通算1000勝以上」「1年間に1人」というような制限を付けていました。しかし、岩手の騎手の、それも若手が中心になって各地で期間限定騎乗をしているような時代にいまさらそんな制限もないだろう・・・という事で、菅原勲騎手(現調教師)が騎手会長だったときに「無制限」にしたんですね。例えデビュー1年目・通算0勝の騎手だって、引き受けてくれる調教師さえあれば来る事ができる。という事で上田騎手は、ある意味"新制度第一号"でもあるわけです。
「とにかくレースの数を乗って身体で覚えないと上手くならない」とはベテランも若手も口を揃えて言う話。上田騎手の昨年の騎乗数は120という事ですが、うまくすれば岩手にいる3ヶ月半ほどだけで同じくらい、いやそれ以上乗る事ができるでしょう。上田騎手には岩手でがんばってほしいし、大井に帰った後に飛躍するきっかけにしてほしいですね。
楽しみな一戦を迎えた。5月27日、オープン特別「あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)に予定どおりカミノヌヴォーが駒を進め、トーホクキングが挑戦状を叩きつけたからだ。
昨年12月31日、両馬は桐花賞で激突し、カミノヌヴォーが圧勝。一方のトーホクキングは4着。着差1秒4もつけられ、勝負付けは済んでしまったと思うかもしれないが、競馬のおもしろさは日々、体調が変わり、成長度合いも競走馬それぞれが違うこと。トーホクキングは今が最も旬の季節を迎えたと言っても過言ではない。
トーホクキングは惚れ惚れする馬体を誇りながら、勝ち切れないレースの連続。2歳時から4歳半ばまで5勝に止まっていた馬が、昨年秋から本格化。わずか7ヵ月半で6つの白星を積み重ね、ついにオープン入り。今年の3連勝は驚きの連続。小回り水沢で自慢のマクリ脚が冴え渡っている。
今回の舞台、盛岡1800mは望むところ。脚質からもベストの条件と見て間違いない。仮にこのメンバー相手に突き抜けるとしたら、岩手オープン界を牛耳ることも可能。一躍スターダムにのし上がる。
対するカミノヌヴォーはトーホクキングより1歳、年下。昨年、南関東から再転入後、圧巻の4連勝。不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞の岩手の王道をすべて制覇。年度代表馬の座も獲得した。
今季始動はシアンモア記念。いきなり交流重賞に加え、マイルの忙しい競馬は合わないのは分かっていたが、それでも小生は◎とした。4ヶ月ぶりの実戦でも絶対能力で乗り越えると見たのだが、結果は5着。以上の不安点にプラス7キロの体重増もこたえたようだ。反省しきり。
盛岡1800mはトーホクキングと同様、大歓迎。鞍上・阿部英俊騎手はマイルより、自分の競馬ができる2000mがベストと語っており、1ハロンでも伸びた方がいいタイプ。あとは決して器用な馬ではなく、コース広い盛岡向き。
この条件だからこそ本命をどちらにするか迷ったが、ひと叩きされた上昇度を見込んでカミノヌヴォーを主軸視した。今から対決に心ときめいている。
ただカミノヌヴォーは凡走のケースも考えられ、他陣営にもつけ入る余地は十分にある。マイネルビスタは今季初戦・赤松杯3着。桐花賞10着に大敗したことを考えれば、小回り克服できたのが最大の収穫だった。
とは言え、道中で追走に手こずってエンジンがかかったのは直線を向いてから。そこから強烈な末脚を駆使して2着争いに加わった。
昨年、長距離重賞・北上川大賞典を優勝し、盛岡通算4勝。跳びの大きいタイプでいい脚を長く使えるのが最大の持ち味。このアドバンテージは見逃せない。中間の追い切りで終い一杯となったようだが、コース適性を考えれば台頭の可能性は十分にある。
オウシュウサンクスもついにオープン特別へ挑戦するまで出世した。水沢で5連勝をマークし、今季A級戦も強いレースで連勝。取りこぼしが多かったのがウソかのようにひと皮むけた。いきなりこのメンバーは正直厳しいが、勢いに乗っているのは確かだ。
あとはコアレスランナーも軽視できない。桐花賞2着も含めて7戦連続で馬券対象。レース運びのうまさが際立っている。この馬は盛岡コースは割り引きだが、抜群の安定感には敬意を表さなければならない。
◎(7)カミノヌヴォー
○(9)トーホクキング
▲(1)マイネルビスタ
△(4)オウシュウサンクス
△(5)コアレスランナー
3連単は7、9の2頭軸から1、4、5へ3着流し
馬複は 7-9、1-7、4-7、1-9
<お奨めの1頭>
5R エイシンワールド
前走は初の盛岡戦だったが、前々走2着のうっ憤を晴らして圧勝。C2では負けられない
先週から始まった盛岡競馬。コース替わりは荒れると定評があったが、それにしても強烈だった。特に初日19日は強烈で3連単で3ケタ配当は9レースの2560円の1レースのみ。他はすべて万馬券で10万突破の超万馬券も2回。我々予想陣も完全にお手上げだった。
続く2日目、20日も11レース中7レースが万馬券。8レースの3連単1530円が最低配当であとは5000円前後が2回、8000円台が1回。平均配当が328240円だった。
3日目21日(月)にようやく落ち着き4ケタ配当が11レース7回。しかし最終11レースで84530円の高配当が出て平均配当も19180円。荒れ傾向には変わりなかった。理由は馬も人も久々の盛岡にとまどったからと隠れたコース適性馬が活躍したこと。
果たして盛岡2週目の今開催、どのような結果が待っているのか。先週は勝負どころの3、4コーナー外側の砂が深かったが、今週はどうなったか。馬場傾向をいち早く把握してほしい。
26日メインはA級二組「芝桜レース」(盛岡ダート1600m)。翌日にオープン特別・あすなろ賞を控えているが、このレースにもなかなかの個性派がそろった。やはりポイントはコース替わり。水沢開催で不振だった馬が一気に盛り返す可能性が出てきた。
それでも主軸はフレイムヴェインに落ち着く。昨シーズン最終戦に転入しB1戦を快勝し、冬休み明けのA級初戦も1着。年度をまたいで2連勝を飾った。前走も勢いを買われて2番人気に支持されたが、後方から差を詰めただけの5着止まり。ちょっと物足りなさも残ったが、相手が強かった上、先行有利の競馬。後方待機策を採ったフレイムヴェインには向かない展開となった。
しかし見限るのは早計。自身は38秒5の上がりを使い、勝敗は位置取りの差。盛岡コースは初めてだが、中央1勝は東京ダート1600mでマーク。むしろこの条件は望むところだろう。
逆転筆頭はキタイセユニバース。園田デビューから南関東、金沢、名古屋と渡り歩いて12勝2着14回。重賞タイトルには手が届かなかったが、抜群の安定感を誇っていた。その堅実さは岩手でも健在。水沢2戦を3、2着にまとめ上々の滑り出しを決めた。
ネックはやはり初の左回りバンケット。過去に南関東で左回りを2度使っていたが、いずれも凡走。このあたりがどう影響するか、現時点では未知数。ただ元々が器用さで鳴らした馬で初モノも難なくこなす可能性が大。対抗以下には落とせない。
あっさりか、それとも着外かのどちらも考えられるのがギシアラバストロ。昨年7月、中央準オープンから転入し、初戦の盛岡ダート1800m戦を貫禄の違いで勝ち、2戦目の特別・すずらん賞でも2着。重特路線で台風の目になりそうだったが、脚部不安のために無念のリタイア。
今季は開幕当初から登録をしたが、脚元がパンとせず前走も直前に出走取消。復帰がここまでずれ込んでしまった。すでに実力は証明済みでテッポー駆け1着と実績もメンバー中一番。迷いに迷ったが、▲評価。当日の馬体印象、体重をしっかりチェックしたい。
サクラマジェスティは今季4、6着。年齢的な衰えは隠せないが、それでも前走のタイム差は0秒7。まだまだ戦力になる。コース替わりを最も喜ぶのが同馬。跳びの大きいタイプで盛岡で全能力を発揮する。久々に豪快なマクリを決めるか。
カーリーネイトは南関東C1からの転入。初戦は試走的なレースだったが、ずっと折り合いを欠いて鞍上も苦労していたが、最後まで気力が衰えず0秒5差4着。道中で掛かりさえしなければ通用十分。
あとは一戦ごとに岩手の水に馴染んできたパブリックアフェアもペース次第では浮上するかもしれない。
◎(2)フレイムヴェイン
○(5)キタイセユニバース
▲(8)ギシアラバストロ
△(1)サクラマジェスティ
△(4)カーリーネイト
△(7)パブリックアフェア
3連単は2、5、8の3頭ボックスが本線。あとは1、4、7を押さえ
馬複は 2-5、2-8、1-2、2-4
<お奨めの1頭>
7R ドロップ
前走は1枠に入ったのが災い。道中インで包まれた上、直線でも前がふさがった。今度は二のテツを踏まず、首位を奪取する
19日から開幕した盛岡競馬。いきなり荒れまくりですねえ・・・。
19日の土曜日は11R中10Rで3連単万馬券、20日も少し減ったとはいえ11R中7Rで3連単万馬券となりました。
開催替わりは荒れる・・・とは言われますが、しかし例えば2010年の同じ時期(水沢→シーズン最初の盛岡)では土・日の22Rで3連単万馬券が14回、2009年は同じく22Rで13回。今年はやはり多いですね。
原因のひとつは、やはり「久々の盛岡開催」という点。昨年はほとんど盛岡だったのでこの間の水沢開催が短いような印象がありますが、実際は昨年の12月上旬以来5ヶ月ぶりの盛岡なわけで、騎乗する方にしてもどうしてもカンが鈍っている。
もうひとつは、思った以上にコース傾向のクセが強かった事。基本的に先行馬優勢ですが、すんなり好位を獲れた馬が楽に流れ込んでしまう一方、中団~後方の馬たちが道中で位置取りを変えようと脚を使うと最後に必ず止まってしまう。3コーナーあたりで上昇しようとした馬が4コーナーあたりで手応えが怪しくなっている・・・というシーンを何度も見ました。
土曜と日曜を見ていると、日曜には騎手たちもだいぶ乗り方を修正していて、道中で強引に動かない・ヘタに脚を使わないようにしている印象を受けました。土曜日は「人気薄同士」の荒れ方が多かったですが、日曜は「人気馬の間に人気薄が1頭挟まる」形の荒れ方になっていましたよね。騎手たちが徐々にコース傾向に対応している証拠だと思います。
ただ、意外な馬がスルッと先行してしまうと残ってしまう事が多く、まだ「ゲートを出てみないと分からない」状況は継続中。月曜日も、土・日ほどの高額配当にはならないかもしれませんが、まだもうしばらく荒れ気味の状況が続くと思っておいた方が良さそうです。
盛岡開催2日目、20日(日)メインは3歳特別「はまなす賞」。この一戦を皮切りに、今シーズンの盛岡芝のレースが始まる。
全国的な傾向だったが、特に岩手は春到来が非常に遅かった。現在も朝晩の冷え込みが結構あり、4月下旬並みの気温になることも多々。盛岡芝もその影響でなかなか成長せず、関係者はヒヤヒヤもの。ヘタをすれば盛岡開催まで間に合わない可能性もあった。
しかし、ようやく芝が青々と生い茂り、例年どおり11センチの長さで実施できるまでこぎつけた。盛岡競馬場=OROパーク自慢は地方競馬では唯一の芝コースを持っていること。一瞬で着順がガラリと替わる芝レースを楽しみにしてほしい。
中心はワタリドラゴンで不動。過去、盛岡芝4戦3勝。デビュー3戦目から3連勝を飾り、重賞・テシオ杯ジュニアグランプリまで制して2歳ターフ王に君臨した。圧巻だったのはそのジュニアGP。
北海道からイブニングラッシュが自信たっぷりで遠征し、当然のように1番人気に支持されたが、2番手キープのワタリドラゴンが直線でアッサリ交わして快勝。地元もそうだったが、当のイブニングラッシュ陣営もあきれるほどの強さを披露した。
その後は使えるレースがなく、ダートへ路線変更。寒菊賞3着、続くシーズン最終戦でダート初勝利をマーク。克服のメドが立ったかに見えたが、今季初戦・スプリングカップで2秒1差7着に惨敗。
これで早々とダートを見切り、芝1本に絞って調整。何と4本の追い切りをこなして出走。必勝態勢で臨んできた。しかも互角に戦えそうなライバル不在。勝つ条件がすべてそろったといっても過言ではない。陣営の目には次走の交流重賞・オパールカップ(7月15日 盛岡芝1700m)しか映っていないはず。ここは勝利よりもいかにして勝つか―に興味が集中する。
相手はファイアースカイ、キモンパーティーの2頭。ファイアースカイは芝が未経験、キモンパーティーはイレ込みが不安要素。しかしファイアースカイはダートでも披露する天性のスピードが武器。ここで先手を取るのは間違いなく、ワタリドラゴンが4コーナーまで可愛がれば残り目十分。
キモンパーティーはファイアースカイと同様、南関東から再転入し初戦2着。まずは上々の滑り出しだったと言えるし、盛岡芝は過去7回と経験豊富。勝利を飾ることはできなかったが、2着2回3着1回。盛岡芝1600mの持ちタイムもワタリドラゴン(1分42秒3)に次ぐ1分43秒0。極端な体重減がなければファイアースカイに先着まで。
あとは正直、順調さを欠くメンバーだが、スンナリの流れなら渋太さを発揮するライトマッスル、馬格の良さに精神面の成長を待ちたいセイントムーンが押さえ。
◎(2)ワタリドラゴン
○(6)ファイアースカイ
▲(7)キモンパーティー
△(9)ライトマッスル
△(4)セイントムーン
3連単は2を1着固定に6、7の折り返しが本線。あとは9、4を3着押さえ
馬複は 2-6、2-7、2-9
<お奨めの1頭>
6R セイウンノレッジ
再転入後、4戦2勝2着1回3着1回にまとめ、今度の舞台は連対100%の盛岡ダ1400m戦。連勝もらった