前回のこの欄でお伝えした上田健人騎手。騎乗初日の土曜日に早速初勝利を挙げました!
日曜には上田騎手の紹介セレモニーを行うという事なので大井にいる知り合いに上田騎手の裏話でも無いか・・・と訊ねてみたのですが、出てくるのは真面目な話ばかり。なんでも、大井競馬が休みの時でも他の競馬場に調教を付けにいったりしているのだとか。
言われてみれば、今年南関で挙げている4勝の内訳は2勝が船橋、2勝が川崎といずれも他場。南関の騎手で自分の所属場以外で勝ち星を挙げる人は、大ベテランはともかく若手・中堅では意外に少ないものです。
自腹を切って調教に行って騎乗チャンスを得て、それを勝ち星につなげる。なかなかハングリーじゃないですか!
若手・イケメンという事で女性ファンの注目も浴びたようです。9月の騎乗終了時、そんなおねえさま方に「上田クン、帰らないで~!」と言われるか、濃~いおにいさま方にぐっと睨まれて終わるか?今からその時が楽しみです・・・。
昨年のベストマイヒーロー、一昨年のロックハンドスターのように「自他共に認める不動の中心」がいない点、また過去10年で4勝2着2回の"ダービー男"菅原勲騎手が引退してから初めてのレース(というか、今回の出場騎手中で過去にこのレースを勝った事があるのは村上忍騎手ただ一人)という事もあり、人馬共に「混戦」と言われています。
ただ、震災の影響で序盤のレースが少なくなった昨年に対し、今年はスプリングC・七時雨賞と二つの前哨戦を経ている事でそれなりに材料は多い。有力馬はある程度はっきりしていると見ていいでしょう。
予想に行きましょう。本命は(8)ロッソコルサに戻すことにしました。トーホクアローとどちらにするか悩んだのですが、直前の感触で改めてこちらに。
二つの前哨戦を共に制し、その内容も着差以上の完勝。現時点でダービー馬の座に最も近い馬です。
距離がどうなのか?という事で狙いを下げようかと思ったりもしましたが、自身の調教や他馬の状況を考えて2000mでもこの馬、と決めました。
そもそも距離に関しても、母系は意外に融通が効く方でベラミロードだって2000mのグレードレースを制していたりします。そう遠くないうちに父系なりの距離適性になっていくでしょうが、地元勢同士ならこなせるでしょう。
対抗は(2)トーホクアロー。この春の安定感が素晴らしく、盛岡に替わる事・距離伸びる事どちらもOK。折り合いに難がないのでスローペースになっても大丈夫。前走でのロッソコルサとの差が意外に決定的な気はしますが、コーナーが少ない盛岡でならもっと際どい戦いができると見ます。
三番手以下が難しいですね。本来なら(10)アスペクトを採るべきですが、前走を見た感じ昨年の勢いには届いていない・・・。という事でここは(5)リアルサンボーイを▲に。ここ2戦での差は歴然。それは致し方ないにせよ、この馬自身のレースぶりが徐々に良くなり、いわゆる"常識にかかる"ようになってきたのが魅力です。単穴というよりは純粋に「三着候補」という評価ですが、掲示板圏内は期待していいと思います。
アスペクトは△。勝ったとはいえ前走のレベルは決して高いとは言えず、距離が伸びるのも不安。底力でどこまで?
であれば(11)エスプレッソを押さえてみるのが面白いでしょう。前走はあくまで岩手復帰初戦。二戦目に前進できるだけの余力はありました。
●10Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)→(5)、(8)→(10)、(8)→(11)
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盛岡競馬場の芝が日ごとに青さを増している。芝の担当者、岩手県競馬組合の中村真也さん「この中間にコースを回って芝の根付き具合を確認しましたが、かなりいい状態だと言えます。盛岡開催の初日・はまなす賞はなんとか間に合った感じ。2週間で見違えるように芝が成長しました」
今週は6月3日メイン・ジューンカップ、そして翌日4日にはJRA条件交流2レースが盛岡芝を舞台に行われる。是非、盛岡自慢のターフ戦に注目してほしい。
まずは芝1700mのB2特別「ジューンカップ」。芝に自信ありのメンバーがずらりとそろい、園田からもアトミックデザインが参戦。芝・条件交流で園田所属馬が遠征するのは初のケース。さらに興味倍増の一戦となった。
さてアトミックデザイン。4ヶ月の休養明けを1、2着にまとめて好調キープ。気になる芝適性だが、デビュー2戦の新潟芝1800mで3着2回。陣営は勝算ありと踏んだに違いない。
ネックは1周1400mの小回り芝をこなせるか否か。新潟2戦とも切れる脚で3着を確保し、直線300mの盛岡で届くかどうか。前々走の園田1400m戦では3番手キープから抜け出して快勝したが、どのポジションを採るのか。鞍上・村上忍騎手は盛岡芝を知り尽くしているジョッキー。この指名もさすがだ。
しかし盛岡芝レースは過去実績を重視するのがセオリー。主軸にアースグラヴィティを指名する。豪快なマクリを身上とし、ダートもソコソコこなすが、追い込み馬ゆえ届かないことも多々。盛岡芝で全能力を発揮できるタイプだ。
盛岡芝7戦1勝2着3回。JRAとの交流戦で2着を確保したこともあり、すべてB1クラスでの成績。B2では底力が一枚上だろう。
逆転筆頭はレディージャスミン。こちらも盛岡芝を得意とし、<2.2.2.3>。3歳時に芝交流・オパールカップ2着、古馬重賞・OROカップで0秒6差7着と芝ならオープンでも通用の実力を持っている。
加えて絶好枠を引き当て、自分の競馬に持ち込めるのが最大の強み。好位キープから直線抜け出しを狙う。
▲評価は前記アトミックデザイン。コスモクルトゥーラも軽視できない。ダートで抜群の安定感を誇り、昨年終盤から7戦連続で3着以上。3連ものの馬券では常に欠かせない存在となっている。
今季も2着2回3着2回と無類の堅実さをアピールしているが、その半面、詰が甘く未勝利。あと一押しが足りない。盛岡ダートで2着が7回もありながら0勝がそれを象徴している。
しかし芝に替われば反応が一変し、JRA時代も含めて盛岡芝2勝2着1回。今シーズンのうっ憤を晴らす格好の舞台となるか。
あとは好気配をキープしたアドマイヤホーム、芝は初めてだが、父サクラプレジデント、母父タイキシャトルなら大丈夫バービーも連下に押さえたい。
◎(1)アースグラヴィティ
○(2)レディージャスミン
▲(4)アトミックデザイン
△(3)コスモクルトゥーラ
△(6)アドマイヤホーム
△(5)バービー
3連単は1、2、4の3頭ボックスが本線。あとは3、6、5を3着押さえ
馬複は 1-2、1-4、1-3、1-6
<お奨めの1頭>
11R キーフォース
盛岡に替わって動きが一変。前走は今季一番時計をマークして圧勝した。1800m延長でも追いかける手
南関東の"イケメン"ジョッキー・上田健人騎手が今開催から騎乗する。所属は盛岡の小西重征厩舎。さっそく30日(水)、インタビューをお願いした。この記事は金曜日夕方のテシオ特集で掲載しますので、楽しみにしてください。
5月29日、浦和第3Rで2着後、その日のうちに盛岡へ移動。翌日から調教にも乗り、あわただしい日々を送っているが、さっそく初日6月2日(土)第1Rを皮切りに、5鞍に騎乗する。
第1R △(7)ハルカトップレディ
第4R △(10)イーグルウイング
第5R ◎(3)キーリブラ
第10R ...(8)バトルドミナ
第11R △(8)アンビションガル
以上は小生の印だが、第5R・キーリブラは前走、逃げ込みを図ったところウメノカイウンの大外強襲に屈してハナ差2着に惜敗。メンバーに恵まれた今回は勝機到来。盛岡競馬場での騎乗3戦目ならコースにも慣れてくるはず。騎乗開始初日から白星を飾れるか。また他のレースも展開次第でチャンスは十分。上田くん、期待しているぞ。
さて、メイン10レースはB1級二組による盛岡ダート1600m戦「白詰草レース」。クセモノがそろったが、シャインリーオウが総合力で一歩リード。勝機ガッチリとつかむ。
シャインリーオウはデビュー2連勝を飾り、スケールの大きさから将来を嘱望された逸材。昨年5月、JRA交流戦9着で調子を崩してリタイアしたが、秋から本格化。今季初戦を含めて6連勝と破竹の進撃。
続く駒形賞は相手が一気に強化され、しかも超ハイペース。シャインリーオウは3番手を進み、ゴール前で一杯となって3着。先行馬が総崩れの中にあって、ただ1頭だけ気を吐いた。
そして前走は自身の能力を出し切ったが、キーフォースが驚異のタイムで逃げ切り。これは相手が強すぎたと言う他はなかった。
今回は流れも落ち着きそうで自分の競馬ができそうなメンバー構成。勝てるときにキッチリ勝ち、再び上昇ムードに乗りたいところ。
逆転筆頭はリュウノツバサ。道中で掛かるクセがあり、それが常につきまとうが、折り合いがつけばすばらしい脚を披露する。今季2戦目・エイプリルカップ(B2)でも掛かったが、鞍上・坂口騎手が気分良く走らせることを優先。早め先頭に立ち、後続の追撃を封じた。
前走は陣営が水沢マイル適性が高いと踏んで重賞・シアンモア記念に強気の挑戦。遠征馬にも混じって6着に善戦した。今度は自己の条件・B1に戻り、相手緩和。外枠を引き当てたのがちょっと気になるが、前半で脚を貯めて直線勝負に持ち込めば単まで可能だ。
ディテールは今季2戦とも勝ち馬から離された3、4着。B1で頭打ちの印象もあるが、小回り水沢より盛岡で本領発揮のタイプ。岩手9勝のうち7勝が盛岡であげ、コース替わりは大歓迎。菅原勲調教師に1勝をプレゼントできるか注目。
リスペクトキャットは中央2勝、南関東、金沢、笠松を経て転入。当初は戸惑いもあったが、一戦ごとに着順をあげて盛岡に替わった前走3着。これで通用のメドが立った。コース2度目でさらに上を狙う。
不気味なのがリーガルファルコン。好、凡走の落差が激しく信頼性に乏しいが、岩手2勝は強いの一語。大敗直後でも一発を秘め、ノーマークにできない。あとは若干上向きムード、グランプリボーイを押さえ少々。
◎(7)シャインリーオウ
○(9)リュウノツバサ
▲(1)ディテール
△(6)リスペクトキャット
△(3)リーガルファルコン
△(5)グランプリボーイ
3連単は7を1着固定に2着9、1、6、3。あとは5を3着押さえ
馬複は 7-9、1-7、6-7、3-7
<お奨めの1頭>
1R ディナーラッシュ
京都2歳新馬(ダート1200m)で2番人気に支持され、直線まで先行。落馬のアクシデントが痛かった。長期休養明けだが、岩手で再起を図る
今回は期間限定騎乗のニュースから。
来たる6月2日(土)より、大井所属の上田健人騎手が岩手で期間限定騎乗を行います。岩手での所属は盛岡・小西重征厩舎、期間は9月17日までののべ47日間の予定となっています。
岩手での期間限定騎乗というとミスターピンク・内田利雄騎手や荒尾・牧野孝光騎手(引退)の例がありますがいずれも「大」を3つくらい付けなくてはならないベテランでした。しかし今回の上田騎手はデビュー4年目の21歳・通算286戦9勝(5月27日時点)の若手です。
岩手では最近まで期間限定で騎乗する騎手について「通算1000勝以上」「1年間に1人」というような制限を付けていました。しかし、岩手の騎手の、それも若手が中心になって各地で期間限定騎乗をしているような時代にいまさらそんな制限もないだろう・・・という事で、菅原勲騎手(現調教師)が騎手会長だったときに「無制限」にしたんですね。例えデビュー1年目・通算0勝の騎手だって、引き受けてくれる調教師さえあれば来る事ができる。という事で上田騎手は、ある意味"新制度第一号"でもあるわけです。
「とにかくレースの数を乗って身体で覚えないと上手くならない」とはベテランも若手も口を揃えて言う話。上田騎手の昨年の騎乗数は120という事ですが、うまくすれば岩手にいる3ヶ月半ほどだけで同じくらい、いやそれ以上乗る事ができるでしょう。上田騎手には岩手でがんばってほしいし、大井に帰った後に飛躍するきっかけにしてほしいですね。
楽しみな一戦を迎えた。5月27日、オープン特別「あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)に予定どおりカミノヌヴォーが駒を進め、トーホクキングが挑戦状を叩きつけたからだ。
昨年12月31日、両馬は桐花賞で激突し、カミノヌヴォーが圧勝。一方のトーホクキングは4着。着差1秒4もつけられ、勝負付けは済んでしまったと思うかもしれないが、競馬のおもしろさは日々、体調が変わり、成長度合いも競走馬それぞれが違うこと。トーホクキングは今が最も旬の季節を迎えたと言っても過言ではない。
トーホクキングは惚れ惚れする馬体を誇りながら、勝ち切れないレースの連続。2歳時から4歳半ばまで5勝に止まっていた馬が、昨年秋から本格化。わずか7ヵ月半で6つの白星を積み重ね、ついにオープン入り。今年の3連勝は驚きの連続。小回り水沢で自慢のマクリ脚が冴え渡っている。
今回の舞台、盛岡1800mは望むところ。脚質からもベストの条件と見て間違いない。仮にこのメンバー相手に突き抜けるとしたら、岩手オープン界を牛耳ることも可能。一躍スターダムにのし上がる。
対するカミノヌヴォーはトーホクキングより1歳、年下。昨年、南関東から再転入後、圧巻の4連勝。不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞の岩手の王道をすべて制覇。年度代表馬の座も獲得した。
今季始動はシアンモア記念。いきなり交流重賞に加え、マイルの忙しい競馬は合わないのは分かっていたが、それでも小生は◎とした。4ヶ月ぶりの実戦でも絶対能力で乗り越えると見たのだが、結果は5着。以上の不安点にプラス7キロの体重増もこたえたようだ。反省しきり。
盛岡1800mはトーホクキングと同様、大歓迎。鞍上・阿部英俊騎手はマイルより、自分の競馬ができる2000mがベストと語っており、1ハロンでも伸びた方がいいタイプ。あとは決して器用な馬ではなく、コース広い盛岡向き。
この条件だからこそ本命をどちらにするか迷ったが、ひと叩きされた上昇度を見込んでカミノヌヴォーを主軸視した。今から対決に心ときめいている。
ただカミノヌヴォーは凡走のケースも考えられ、他陣営にもつけ入る余地は十分にある。マイネルビスタは今季初戦・赤松杯3着。桐花賞10着に大敗したことを考えれば、小回り克服できたのが最大の収穫だった。
とは言え、道中で追走に手こずってエンジンがかかったのは直線を向いてから。そこから強烈な末脚を駆使して2着争いに加わった。
昨年、長距離重賞・北上川大賞典を優勝し、盛岡通算4勝。跳びの大きいタイプでいい脚を長く使えるのが最大の持ち味。このアドバンテージは見逃せない。中間の追い切りで終い一杯となったようだが、コース適性を考えれば台頭の可能性は十分にある。
オウシュウサンクスもついにオープン特別へ挑戦するまで出世した。水沢で5連勝をマークし、今季A級戦も強いレースで連勝。取りこぼしが多かったのがウソかのようにひと皮むけた。いきなりこのメンバーは正直厳しいが、勢いに乗っているのは確かだ。
あとはコアレスランナーも軽視できない。桐花賞2着も含めて7戦連続で馬券対象。レース運びのうまさが際立っている。この馬は盛岡コースは割り引きだが、抜群の安定感には敬意を表さなければならない。
◎(7)カミノヌヴォー
○(9)トーホクキング
▲(1)マイネルビスタ
△(4)オウシュウサンクス
△(5)コアレスランナー
3連単は7、9の2頭軸から1、4、5へ3着流し
馬複は 7-9、1-7、4-7、1-9
<お奨めの1頭>
5R エイシンワールド
前走は初の盛岡戦だったが、前々走2着のうっ憤を晴らして圧勝。C2では負けられない