すみません、こんな画像しかありませんでした…
先日、東京からやってきたカメラマンが岩手の競馬新聞を見ていて、「あれ?ゼントヨーヨーズってここにいたんだ!?」と言っていました。何のことか聞いてみると、とあるテレビ番組の中で命名された馬なのだそうです。
とりあえずネットで調べてみると、今や全国区となった北海道の地タレ(地元タレント)・大泉洋さんが地元北海道でやっているローカルのバラエティー番組、「1X8いこうよ!」内で視聴者投票により名付けられた馬なんですね。ゼントヨーヨーズは、父アブクマポーロ、母父シンボリルドルフという地方に縁の深い血統で、門別の牧場で生産され能検前から番組で応援していた馬のようです。さすがは北海道のテレビ局ですなぁ。残念ながら番組ホームページにはデビュー戦6着以降のことが載っていないのでその後の経緯はわかりませんが、ゼントヨーヨーズは北海道と東海の間を往復した後、現在は水沢の高橋眞久厩舎に籍を置いています。
話は変わりますが、岩手で地タレといえば、「ふじポン」ですよね。いや、彼女の場合はロコドル(地元アイドル)と言っておきましょうか。県内と、岩手の放送電波が届いている範囲外の方は知らないかもしれませんが、こちらでは知らない人はいない、…たぶんほとんどいない有名タレントさんでありまして、CMにイベントにと大活躍中の方なのですが、これがまた開催日に仕事がなければ100%競馬場に来てるというくらい岩手競馬の大ファンなのです。
ふじポンもいつか大泉洋さんのように全国放送に出るようなタレントor女優になって、全国放送で岩手競馬を宣伝してくれたらいいなぁー、などと考えてしまいました。みなさんも岩手競馬サポーター・ふじポンを応援して下さい。(笑)
<次走へのメモ>
10月8日 第32回ビューチフル・ドリーマーカップ(3歳以上牝馬 全国交流)
(写真・佐藤到)
1着 サイレントエクセル
北海道ヨイチテーストが予想どおり逃げ、スローに落とす。その直後、絶好の2番手をキープし3コーナー過ぎには抑えきれずに先頭。あとは後続をグングン突き放す一方で2着に10馬身差をつける圧勝劇を演じ、従来の盛岡ダート1800mのレコード(98年10月10日 スパニッシュホーク1分52秒8)をコンマ3秒短縮し、1分52秒5のタイムをマークした。
「ペースが落ち着いてくれたので楽に追走できた。道中、手ごたえもずっと良かったので、早く動いても後ろから来ないだろうと思って行かせた。直線でちょっと物見をしたが、改めてこの馬の強さを実感した」(板垣騎手)
この日は折からの激しい雨の影響でダート芝とも不良。ダート1400mでも1分27秒台が出るなど速いタイムで決着していたが、それでも3歳牝馬でレコード更新には驚いた。板垣騎手はラスト50メートルで勝利を確信し、追うのを止めて馬なりでゴール。最後まで本気で追っていたら1分52秒も突破していたかもしれない。
さすが前走、G?・ダービーグランプリで並み居る強豪相手に3着入線はダテではなかった。レース展望でも記したが、サイレントエクセルのセールスポイントはどんな流れにも対応できることと父ウイングアロー譲り、最後の爆発力。
もはや地元に適なし。今後は牝馬グレード戦線を視界に入れてローテーションを組むそうで、まずは船橋G?・クイーン賞(12月8日)を目標に調整を進めていく。
2着 タカエイチフジ
スタンド前は6番手、向正面から4番手外につけてサイレントエクセルが先頭に立ったのを見てスパートをかける。サイレントエクセルのスピードについていけず、最後は一杯となったが、ドリームチャッターの追撃をしのいで何とか2着を死守する。
「最近は調子が上向いていたし牝馬同士ならと思ったが、相手が強すぎた。でも2着確保で格好はつきました」(阿部英俊騎手)
3着 ドリームチャッター
じっくり後方待機策を採り、先陣が固まった馬群の後ろにつけ3コーナーからジワジワ進出。直線入り口ではタカエイチフジを射程圏に入れ、いい感じで伸びてきたが、タカエイチフジをクビ差捉えきれず3着となった。
昨年、同レースの覇者で、それ以降はずっと白星から遠ざかっていたが「調子は少しずつながら良くなっていた。この馬の競馬はできたが、相手が強かった」(岩橋騎手)のコメントどおり、相性のいい盛岡での3着好走で復活のメドが立ったようだ。
10月9日 第19回マイルチャンピオンシップ南部杯(3歳以上 G?)
(写真・佐藤到)
1着 ブルーコンコルド
枠差を利して地元ベルモントシーザーが逃げ、前半3ハロン34秒9のハイラップを刻み、ブルーコンコルドは5、6番手のインをキープ。これは「シーキングザダイヤをマークした」(幸騎手)戦法で3、4コーナーからジンクライシス、タイムパラドックスが動いたのを見てからじっくりスパート。直線で一瞬、前が壁になるシーンもあったが、それをうまくさばいて先に抜け出したヒシアトラスをゴール寸前でクビ差交わして快勝。昨年11月、JBCスプリント(名古屋1400m)に続くG?2勝目をマークした。
「外から2頭にスパートをかけられて楽な位置ではなかったが、馬を信じて我慢した。直線でちょっと壁になったが、ハミを掛けなおしたらまた伸びてくれた。これでマイルも克服できたと思います」(幸騎手)
「仕上がりは8分ぐらいだったが、5ヶ月の休養期間はマイルの競馬に対応できるような教育をした。前回シーズン、ガーッと行くのを覚えてチグハグな競馬をしてしまったので、テンで気を抜けるように調教をしたつもり。そうすればマイルにも対応できるようになるはずと踏んでいたが、思った以上の成果を出してくれた。次走にはJBCマイルを考えている。その後は園田ゴールドトロフィーまで予定をしている」(服部利調教師)
今回のカギはかしわ記念(2着)以来のレースと実績が薄い左回り、そしてこれまで未勝利のマイルだったが、服部利調教師のコメントにもあるようにそれらをすべて克服。非常に収穫の多い一戦となった。
2着 ヒシアトラス
終始2、3番手につけ、早め積極策から3コーナー過ぎに先頭。直線は馬場の中ほど進み、脚色も決して衰えていた訳ではなかったが、最後の最後で内をすくわれて2着惜敗した。
前走、エルムステークスから間隔があまりなく、当日の馬体重がマイナス8キロの536キロ。「前回を使って調子が落ちていたけど、これだけ走ってくれたのだから良く頑張ってくれた。でもあと一歩、伸び切れてくれたらと思うと悔しい」と横山典弘騎手。こちらはブルーコンコルドとは逆に距離が短い点が不安だったが、それについては「まったく問題なかった」(横山典弘騎手)
3着 ジンクライシス
向正面では後方にいたが、3コーナー手前から徐々にスパート。タイムパラドックスが先に仕掛けてから動いて一旦、ヒシアトラスに並びかけたが、もうひと伸びが足りなかった。エルムSからマイナス10キロ、アバラが浮いてちょっと細めに映ったが、それが最後に影響したかもしれない。
「ペースが速かったし、出たなりで考えていたので位置取りはベスト。折り合い、手ごたえも最高で勝てると思ったが、最後、あの脚を使われてしまったら力の差だろう」(五十嵐騎手)
4着 シーキングザダイヤ
コース取りは終始インの好位につける。4コーナー手前で外に出られそうなシーンもあったが、ベルモントシーザーがもたれたため直線でも最内を突いたが、外の馬のほうの勢いが上回っていた。
「いい感じで抜け出せると思ったが、思ったほど伸びなかった。二走ボケかも」(武豊騎手)
5着 タイムパラドックス
こちらは終始外めを回って3コーナーからスルスルと進出。直線半ばではヒシアトラスを交わしそうになったが、最後は瞬発力の差が出てしまった。8歳馬でピークを過ぎた感もあったが、今回のレースができれば今後、もう一花咲かせる可能性もありそう。
「上がり方がとてもスムーズ。最後は伸び切れなかったが、距離への適応力もあるし、まだ良くなるんじゃないかな」
この土曜日、東北地方は台風並みの強風と雨に見舞われました。盛岡競馬場も土曜日の土曜日の午後あたりまで激しい雨と風が続いたんですが、この雨で盛岡競馬場には珍しく、コースにすっかり水が浮いて田んぼのようになってしまいました。
盛岡競馬場はかなり水はけの良いコースでして、騎手が言うにはJRAの競馬場よりずっと水はけがいいくらいだそうですが、今回はそれでも追いつかずコースのあちこちに水たまりができ、それがコースを横切って流れているような状態に。こんな事、昔一度あったかな、というコースの状態でした。
確か、メイセイオペラが最初に勝ったみちのく大賞典の時も凄い豪雨がやって来て、競馬場に登ってくる道路が土砂崩れで通行止め(!)になったほどだったけど、それでもこんなに水が浮く事はなかったですからね。久しぶりに芝レースのダート変更があったし、普段はなかなかない事が続いた土曜日の盛岡競馬場でした。
しかし、雨が止んでしまうとあっという間にコースの水が消えて普通の不良馬場に(他の競馬場なら重馬場発表になるくらいの)。やはり盛岡競馬場のコースの水はけはいいんだなと感心。
馬券的に気になるのは芝コースの状態です。これも騎手の方から聞いた話ですが、盛岡の芝コースは「雨が降り始めた頃」より「止んで、次の日」くらいのほうが状態が悪くなるそう。はじめは雨もコースの表面に留まっているけども、時間が経つと下まで染み込んでしまうからだそうです。日曜も天気が良くないようですし、日曜・月曜とも芝コースの状態はあまり良くないのではないでしょうか。
さあ、月曜日の予想に行きましょう。月曜メインはG1・マイルチャンピオンシップ南部杯です。今年の岩手のグレードレースはこれがラスト。カネヒキリの回避は残念でしたが、それでもなお現ダート戦線最高レベルのメンバーが集まってくれました。
中でもやはり主力となるのはグレード勝ち馬で固めたJRA勢。地方勢も今年はなかなか魅力的なメンバーとなりましたが、それでもJRA勢優位は揺るぎそうにありません。
その中で本命に推すのはシーキングザダイヤです。昨年のこのレース2着をはじめG1での2着7回。G1級の力があるのは間違いないにせよ、その一方でなかなか勝ちきれないもどかしさもついて回っていました。
しかし、この春「咽頭蓋エントラップメント」の手術に踏み切って、その復帰初戦となった日本テレビ盃G2を快勝。この「咽頭蓋エントラップメント」がシーキングザダイヤの能力を殺いでいた原因でしょうから、それが取り除かれたとなれば、以前のこの馬のイメージで見てはいけないのではないでしょうか。
そしてこの馬の良いところはどんな距離・どんなコース・どんな展開でもしっかり自分のレースができる事。カネヒキリやアジュディミツオーといったダート最強と見なされる馬にも僅差に迫った実力と安定度。これはやはり侮れません。この南部杯を勝って、更なる飛躍をしそうな予感があります。
対抗はブルーコンコルド。1400mでは圧倒的に強い馬もマイルでは勝ち星なし、確かに距離が一ハロン長いのかもしれませんが、フェブラリーS・かしわ記念と次第に内容に進境を見せていて今なら克服可能と見ます。休み明けでここ狙いは予定通りのローテーション、陣営もマイルG1獲りに意欲を見せています。
単穴評価をしたいのは2頭。まずJRAのヒシアトラス。同馬の戦績は中距離でのものが多いですが、昨年のフェブラリーSや武蔵野Sを見る限りマイル適性も相当高い模様です。
そしてもう一頭は、エルムSでヒシアトラスを追いつめた道営ジンクライシス。JRAから道営競馬に移籍して以前の凄みを取り戻した感がありますし、やはりダートマイルのスピード決着がベストの馬。雨が入って時計の速いコース状態が続くならチャンス拡大でしょう。
岩手の馬がなかなか挙げられませんが、一頭加えるならエアウィードを推したいですね。ウツミジョーダンも安定していますが、一発の魅力ならエアウィードこそ面白いと思います。馬が走る気にならなければ着外。走る気になってくれれば、地方勢の中では上位の力を見せてくれるはずです。
買い目はフォーメーションで1・2着に5枠7番シーキングザダイヤと4枠6番ブルーコンコルドを裏表で並べ、3着に5番、10番、そして14番。
安全策なら6−7のワイド。穴を狙っていくなら5番ジンクライシスを含めたBOXで。
◇お奨めこの一頭
8レースの銀河賞は東北産馬限定レース。昨年のこのレースを勝ったセイカモリオカが今年も有力。相手にはヘライカントリーの巻き返しを期待で。
8日(日)メインは3歳以上牝馬による地方競馬全国交流「第32回ビューチフル・ドリーマーカップ」(盛岡ダート1800m)。昨年は北海道から参戦したドリームチャッター(当時3歳)が3番手追走から鮮やかに直線抜け出し。2着ハッピーアデルに4馬身差をつける圧勝劇を演じ、華月賞(3歳牡牝馬 旭川)、ひまわり賞(3歳牝馬交流 水沢)と重賞3連勝を飾った。
今年も連覇を狙って盛岡へ参上するドリームチャッターだが、今回は迎え撃つ岩手勢から強力な切り札が出走する。もちろんサイレントエクセルのことである。
(写真はひまわり賞ゴール 1着サイレントエクセル 写真・佐藤到)
シーズン当初は一戦ごとに馬体重が減り、決して本調子ではなかったが、3歳牝馬重賞・留守杯日高賞1着、3歳特別・やまびこ賞2着と一応の結果は出していた。
立ち直ったのは一息入れた岩手ダービー・ダイヤモンドカップから。そのレースでオウシュウクラウンの2着にまとめて以降、破竹の進撃を開始。牝馬路線にターゲットを絞り、6月24日・あやめ賞1・4秒差、7月22日・ひなげし賞2・3秒差と3歳牝馬特別をぶっち切り、3歳牝馬全国交流・ひまわり賞でも2着バルクに1秒差で完勝。そしてG?・ダービーグランプリ(9月18日)へ名乗りを上げた。
当日は14頭立ての7番人気。いかに3連勝を飾っているとは言え、牝馬限定戦。いきなり牡馬相手、しかもJRAから強豪が大挙参戦し、地元岩手からもジャパンダートダービー3着オウシュウクラウンが出走とあれば、7番人気も仕方なしだった。
しかし、サイレントエクセルはこの低評価を自らの脚で覆した。スローペースの中、抜群のスタートを切ったサイレントエクセルはバンブーエール、マンオブパーサーの3番手を追走。直線を向いて前記に2頭にジワジワと迫って3着。これは「外に出したのは勝ちに行ったから」(板垣騎手)のコメントどおり、勝ちを意識しての3着だったから価値は非常に高かった。
その一戦後も順調に乗り込まれ、ビューチフル・ドリーマーカップ出走は当初の予定どおり。すでにG?3着の箔をつけたサイレントエクセルにしてみれば、ここは明らかに恵まれた組み合わせ。加えて4歳以上55キロに対し、3歳53キロとハンデも有利に運び、このレースをステップに全国に殴り込みをかけて欲しいと多くのファンが願っている。
サイレントエクセルのセールスポイントはどんな流れにも対応ができ、父ウイングアロー譲りの切れる末脚。これを武器に今後、どのように成長続けるのか非常に楽しみだ。
軸は確定したが、ヒモ捜しがちょっと難解となった。勢いを取るか、過去実績を取るかで迷ったが、昨年の覇者ドリームチャッターを相手筆頭に指名したい。B・ドリーマーカップ快勝後、大井・TCKディスタフに挑戦したが、15頭立て9着。その後は南関東へ移籍して3戦未勝利で6月、北海道へ里帰り。現在はA3級へ格付けされているが、B・ドリーマーカップを制して以降、1年間、白星から見放されている。その点が一番の気がかりだが、相性のいい岩手で何とか復活ののろしを上げたいところだ。
タカエイチフジはB・ドリーマーカップのトラアイル・エレガンスカップを快勝(7月16日 盛岡ダート1600m)したが、その後は足踏みが続き、前回A1級戦でも4着。とは言え、勝ったのが南部杯にも駒を進めるベルモントシーザーでその他にも強豪牡馬がそろい、4着も納得の結果。牝馬同士なら巻き返しに転じて何ら不思議はない。
ヨイチテーストのスピードも怖さ十分だ。中央9戦未勝利に終わったが、北海道トレードされて上昇一途。転入3戦目から圧巻の4連勝をマークし、ノースクイーンカップは2着だったが、遠征直前のB2戦も余裕の逃げ切りを決めている。ちなみにノースクイーンCにはドリームチャッターも出走して7着。この結果を考えればドリームチャッターより上の評価も必要かもしれないが、逃げ一辺倒の脚質。地元岩手に同型グローリサンディがいるし、サイレントエクセルも早めに動けば苦しく、ひとまず△に落ち着く。
キョウエイフリューは中央未勝利から03年、南関東へ新天地を求めて通算8勝。条件的にはまだC1級を勝ったばかりだが、3走前にはA3級以下の牝馬準重賞・クリスタルナイトカップで3着に入っている。
あとは盛岡回り一息だが、トライアル・フェアリーカップ(水沢1900m)を強いレースで勝ったグローリサンディも折り合いつけば侮れない存在だ。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?ドリームチャッター
▲ ?タカエイチフジ
△ ?ヨイチイースト
△ ?キョウエイフリュー
△ ?グローリサンディ
3連単は11を1着固定に2、3着は2、10、8を厚め。9、12は3着押さえ
馬複は2−11、10−11、8−11、9−11、11−12
<お奨めの1頭>
7レース マコトセイウン
水沢コースは反応が鈍いが、盛岡に替わると動きが一変。盛岡4戦4勝とする
岩手競馬はいよいよ南部杯ウィークに突入。その初日7日(土)メインは九州競馬所属騎手と岩手競馬所属騎手との交流戦「M&Kジョッキーズカップ」第一戦。A2級馬によるダート1800mを舞台に争われるが、出走登録馬が相次いで回避。フルゲート12頭に対し、9頭立ての少頭数となってしまった。しかし、それによって佐賀3騎手、荒尾3騎手、岩手3騎手の等配分で行われ、対決構造は明確になったと言っても良いかもしれない。
主軸はゲイリーエクシード=松島慧騎手(荒尾)で動かないだろう。前走・岩手日報杯ではタイム差なしの2着に惜敗したが、これは前半のスローペースに泣いたものと解釈。先に動いたサージェリーを上がり3ハロン36秒9の鋭い末脚を駆使したものの、クビ差届かず2着。これはあくまでも展開のアヤと見て間違いない。
過去、岩手で12戦走って<5.5.1.1>。水沢でも1勝2着2回と連対パーフェクトを誇っているが、本領発揮の舞台は直線の長い盛岡。毎回、惚れ惚れとする豪快なマクリを披露してくれる。芦毛の中でも一際、目につく白い馬体で鮮やかな一気を決める。
逆転筆頭は前回でゲイリーエクシード以下を切って捨てたサージェリー=川野騎手(佐賀)だ。この馬は調子の波がハッキリしたタイプで好、凡走の落差が激しく今年5月から8月までずっと凡走。しかし9月9日の水沢マイル戦を快勝し、復活宣言。その好調度を前面に岩手日報杯(盛岡ダート1800m)も中団抜け出しで2連勝を飾った。
ネックは激しい気性ゆえ、テン乗りがどう影響するかの点。騎手とのコミュニケーションがうまくいかなければ調子に関わらず後方のままに終わるケースもままある。素質は間違いなくA級のそれ。果たして川野騎手がサージェリーの持ち味をどう引き出してくれるのかも興味深い。
マイニングプレスは奇しくも主戦ジョッキー・小林俊彦騎手とのコンビとなった。昨年までA1級に在籍し、平場戦で5勝をマーク。今シーズンも0勝ながら2着2回3着4回4着2回、いつでも上位争いを演じている。気になるのは安定感がある半面、A2に降格したにもかかわらず依然、未勝利と最後の詰めが甘くなっていること。それと盛岡をやや苦手としていること。
今回、ほとんどの騎手がテン乗りとなったのだが、唯一、小林騎手がお手馬を引き当てたのも何かの縁。今シーズン未勝利のうっ憤を一気に晴らしたいところだ。
評価に迷うのがブルーオスカーだ。今季4勝2着5回とスランプから完全に脱出。昨シーズンまで盛岡コースでは精彩を欠いていたが、1勝2着3回とそれも克服するほど勢いに乗っている。
ただ、前回・岩手日報杯ではスローの流れで絶好の2番手をキープしながら、直線の伸びがひと息で5着。ちょっとピークを過ぎたかな…という印象も受けるが、フレッシュコンビ・石川浩(佐賀)騎手がうまく御し、巻き返しを図れるか注目してみたい。
サンエムブレイヴは現在、岩手トップ独走中の菅原勲騎手との組み合わせとなった。中央1勝、園田0勝から今年4月、岩手へ転入。当地での2勝は阿部英俊騎手、内田利雄騎手がそれぞれプレゼントしたが、この馬は勝つか、それとも大敗かの両極端。これはスンナリの流れにならないと脆さを露呈するからだが、2勝とも鮮やかな勝ち方だった。
そして前走・岩手日報杯は好位3、4番手追走の4着。それまでバッタリのケース続きだっただけに、この入着は一応の評価ができ、リーディングジョッキー・菅原勲騎手がどのような結果を出すか、人気的にもおもしろい。
他では前回、得意の芝でJRA交流・プロキオン賞を快勝したフジローレルが、好調度を前面にダートでも好勝負に持ち込めるか、荒尾の田中純騎手の手腕に期待してみたい。
3連単は3、9を1、2着固定に4を厚め。あとは8、1、2にも流してみたい
馬複は3−9、4−9、1−9、8−9
<お奨めの1頭>
9レース テンショウボス
今回から古馬A1級入りとなる3歳馬だが、重賞・不来方賞2着の実績があればアッサリの可能性濃厚