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2010年12月 アーカイブ

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今週の見どころ(12/25~12/27)

 今週の開催から来年1月5日まで、年末年始のばんえい十勝は変則開催となります。年内は、25日(土)~27日(月)、29日(水)、30日(木)。年始は1月1日(祝・土)から5日(水)までの連続5日間ですのでお間違えなく。
 オッズパークLOTOにて発売されているばんえいの五重勝単勝式馬券の投票方式が、12月25日(土)の開催(24日18時発売開始)より、自分で勝ち馬を予想できるセレクトに変更となります。投票にはオッズパークの会員登録が必要となりますのでご注意ください。

帯広競馬場でのイベントはこちら

 12月25日(土)のメイン第11レースにホワイトクリスマス賞(オープン-1組・17:05発走予定)が行われます。
 ナリタボブサップニシキダイジンらビッグネームも出走していますが、目標は1月2日の帯広記念のはず。力量上位なのは確かですが、ここは評価を下げるべきでしょう。
 軽めの馬場が予想されるため、展開を考えれば、前に行ける強みでエンジュオウカントカチプリティーに注目。前走知床賞(オープン-1組)でも先行して3、1着に健闘しています。
 軽馬場への適性で考えればホクショウダイヤ。知床賞は6着でしたが、混戦の4着争いに食い込んできました。フクイズミが回避しただけに、この馬がメンバー中で決め手ナンバー1なのは明白。障害次第では先行勢をまとめて差し切る場面がありそうです。
 状態のよさがうかがえるのがホッカイヒカル。前走ドリームエイジカップではきわどい4着まで押し上げました。
 勢いではニシキセンプーでしょう。A1級-1組特別を中心に使われた近7走ですべて3着以内の好成績。昨季はオープンで勝ち負けしていただけに格負けもしません。

 12月26日(日)は、プチナイターのため、通常より発走時間が繰り下がりますのでご注意ください。
 メイン第11レースは17:30発走予定で、3歳三冠の最終戦・第39回ばんえいダービーが行われます。牡馬730キロ(牝馬710キロ)の定量で争われます。
 この世代の通算収得賞金ナンバー1・テンマデトドケの相手探しでしょう。二冠目・ばんえい菊花賞(10月31日)は別定重量戦で、最大50キロ差のトップハンデを課せられましたが、見事に克服。会心の差し切り勝ちを収めました。今回はそれ以来の出走ですが、調整に抜かりはないはずです。
 相手筆頭はダイリンビューティ。定量戦だった前走ばんえいオークスで圧倒的な逃げ切りを決め、3歳女王の座につきました。前走で、ばんえい菊花賞2着のタケノビジンには20秒近くの差をつけています。テンマデトドケとの20キロ差は決して有利ではありませんが、順調に使われている強みでどこまで迫れるでしょうか。
 ばんえい菊花賞3着のトレジャーハンター、近走不振も2歳重賞を制しているホクショウバトルらが食い込む可能性もありそうです。

  12月27日(月)のメイン第11レースはオリオン特別(B1級-1組・16:45発走予定)
 今季11戦して10連対のエメラルドが断然でしょう。昨季後半はオープンで好勝負していた実績馬が、今季は条件級への出走だけに、当然の成績ともいえます。先行力と障害力はこの相手なら上位で、勝利が濃厚でしょう。
 前走羅臼岳特別(B1・B2級決勝混合)で2着のスギノハリアーも近12戦で3着以内9回と堅実です。目下障害のキレも申し分なく、ここも大崩れは考えにくいところです。
 同じ前走で7着カツタカラヒメエメラルドの出鼻をくじく積極策に出れば面白そう。同8着(1番人気)のフジカチドキも重量慣れが見込めるここは巻き返してきそうです。

ばんえい名馬ファイル(8) フクイチ

2010年12月21日(火)

平成の最強馬 フクイチ

Fukuichi.jpg
Photo●OPBM

 『キンタローを超えるのは君だ、フクイチ!!』。熱心なフクイチファンの横断幕がパドックを飾る、平成9年1月26日の帯広競馬場。この日はメインレースに農林水産大臣賞典(現・ばんえい記念)が組まれているせいか、朝から大勢訪れているファンの表情にもピンと張りつめたものが感じられる。

 前年度ゴール10メートル前で一杯となり、マルゼンバージの2着に敗れたフクイチ。金山明彦騎手騎乗の旭王冠賞馬ダイヤキャップ。人気は2頭の一騎討ち模様だ。

 厳冬の1月とはいえ、ヒーティング効果十分で馬場水分は2.5%。砂塵こそ舞わないが、時計のかかる馬場状態になった。

 前年度、フクイチとともに涙を飲んだ西弘美騎手は、横断幕を見ながら「今年は負けられない」と決意を新たにした。今期のフクイチは12月22日に行われた帯広記念1着、明けて1月12日のチャンピオンカップ2着と重賞を好走し、高重量戦では向かうところ敵なしの強さだった。自分のペースで競馬ができさえすれば勝算は十分にあるはずである。

 4分36秒9。フクイチの快勝だった。スタートこそ7頭横一線で進んだが1トンの重量である、勝負は第2障害で決まった。1番手で障害を降りたのはダイヤキャップ、続いて中団を進んでいたフクイチが2馬身差で2番手と大方の予想どおり2頭のマッチレースになった。必死で逃げるダイヤキャップを直線一気に差し切った先に栄光のゴールがあった。

 その瞬間、ばんえい界に不滅の記録が生まれた。西弘美、西康幸ともにばんえい競馬の騎手だが、同一馬フクイチで史上初の農林水産大臣賞典兄弟制覇となったのだ。ばんえいの騎手を志す者が誰でも一度は夢見る大臣賞典ジョッキーに平成7年に弟康幸が、兄弘美は9年、そしてこの翌年の10年と、フクイチでゴールを駆け抜けたのだ。

 フクイチのデビューは平成3年旭川競馬場だった。橋本豊厩舎(引退)所属で見事能力テストを一発合格したが、3歳時は22戦1勝、4歳時は23戦4勝と地味な馬だった。同期デビューが華々しく活躍する陰で一部の関係者からは「障害では絶対に止まらない馬」と評価されてはいたが、重賞レースに駒を進めることもなく無冠で5歳を迎える。

 その巧みな障害力を生かし、初の重賞を制したのは北見競馬場で行われた5歳限定戦の第1回銀河賞だった。この年は25戦10勝の活躍で、翌年6歳で早くも農林水産大臣賞典挑戦を関係者が決意するのに十分な強さだった。

 「やはりいちばん嬉しかったのは弟が優勝した平成7年の大臣賞の時ですね。そのあと、僕も2年連続で勝たせてもらいましたが、弟の時が相手も強く、いちばんきつかったからね。僕がコンビを組んだ時はもうバリバリのオープン馬でしたが、転厩の多い馬でしたから当然そのたびに騎手も替わりましたし、調教方法も変わったはずなんですが、やはり若馬の頃に無理させずに上手に仕上げたのがのちにこれだけの成績を残す馬になったんでしょうね。欲を言わせてもらえば、平成8年のレースでゴール前止まらなければ名実ともにキンタローを超えて史上最強馬になったんですが。残念です」と西弘美騎手が語ってくれた。過去に大臣賞を三度制覇したのはキヨヒメ、キンタロー、そしてフクイチの3頭だが(※1)、共通しているのは3頭とも3、4歳時は無冠に終わっていることである。偶然とはいえひじょうに興味深いものがある。

 獲得賞金こそキンタローに及ばなかったが、兄弟ジョッキーを農林水産大臣賞典ジョッキーに輝かせたフクイチ。平成8年・9年度のばんえい代表馬である。

文/小寺雄司

(馬齢は当時の旧年齢で表記)
※1:その後スーパーペガサスが4勝、トモエパワーが3勝。

フクイチ
1989年4月2日生 ペル系 牡 芦毛
父 半血・マツノコトブキ
母 ペル・富久娘
母の父 ペル・ムジーク
北海道中川郡本別町 今野貞夫氏生産
競走成績/177戦30勝(1991~99年)
収得賞金/111,481,000円
主な勝鞍/93年銀河賞(北見)、95年農林水産大臣賞典(帯広)、96年帯広記念(帯広)、チャンピオンカップ(帯広)、97年農林水産大臣賞典(帯広)、98年ばんえい記念(帯広)、99年帯広記念(帯広)


月刊「ハロン」2000年4月号より再掲

今週の見どころ(12/18~12/20)

2010年12月17日(金)

 財団法人日本プロスポーツ協会が実施する2010年第43回日本プロスポーツ大賞功労賞に藤本匠騎手が選ばれました。ばんえいからは、07年の坂本東一騎手(現調教師)以来の受賞となります。
 18日(土)、19日(日)の両日、帯広競馬場直営各場外発売所では、騎手からの直筆サイン入り年賀状が当たる抽選会が行われます。確定前馬券1000円につき一口応募ができますので、ふるってご参加ください。

 12月18日(土)のメイン第11レースは羅臼岳特別(B1・B2級決勝混合・17:05発走予定)。12月12日第9レース(B1・B2級混合-1組)、13日第9レース(B1・B2級混合-2組)の上位馬による一戦です。
 12日第9レースで3着スギノハリアーの巻き返しに期待します。カツタカラヒメにはまんまと逃げ切られたものの、スムーズな登坂から隣枠のカネサテンリュウ(2着)と併せ馬で猛追しました。この上位3頭は今回も出走していますが、B1・B2級決勝混合特別で連対実績があるのはこの馬だけ。障害力を生かして押し切りを狙います。
 13日第9レースを勝ったのがフジカチドキ。前走の勝利は、近10戦で9連対と飛ぶ鳥を落とす勢いだったエメラルドを差し切ってのもので価値があります。特別での実績がありませんが、4歳の伸びしろに期待します。

 12月19日(日)のメイン第11レースは知床賞(オープン-1組・17:05発走予定)。カネサブラック、ナリタボブサップが前週の重賞にまわりましたが、なかなかの好メンバーが揃いました。
 中心は前走のオープン-1組特別でカネサブラックの2着に食い下がったニシキダイジン。近4走が5、4、5、2着と勝ち切れない面はありますが、相手関係的に押し切り濃厚です。
 ホクショウダイヤは同じ前走で4着。こちらも近4走が4、2、3、4着ですが、障害次第で差し切る可能性があるでしょう。
 実績的には今季重賞2勝のフクイズミが最右翼ですが、このところ重賞以外では追走一杯で終わっている感があります。うまく流れに乗れてどこまでといったところ。
 上記3頭に比べ負担重量が有利なマルミシュンキまでが圏内でしょう。

  12月20日(月)のメイン第11レースは硫黄山特別(B3・B4級決勝混合・16:45発走予定)。12月11日第7レース(B3・B4級混合-2組)、12日第8レース(B3・B4級混合-1組)の上位馬による一戦です。
 8頭も出走している3歳馬から、期待はタケノビジン。押して行っても上がる障害力が魅力です。前走11日第7レースは1番人気を裏切り4着でしたが、前が止まらない流れだっただけに仕方ありません。特別の今回は巻き返しを期します。
 12日第8レース組では3着キクスイナイト、4着ツジノコウフクヒメら3歳重賞での連対実績馬に期待します。

ドリームエイジカップ 予想結果

2010年12月13日(月)

斎藤:ハズレ 収支-5,000円
山崎:ハズレ 収支-5,000円
矢野:ハズレ 収支-5,000円
須田:ハズレ 収支-5,000円

【ここまでの集計】
斎藤  修 -14,050円
山崎エリカ -16,900円
矢野 吉彦 -18,400円
須田 鷹雄 -21,700円


(編集部より)
 これで4戦連続でひとりも的中なしという結果に。10/11のナナカマド賞が終わった時点で全員がプラスしていたというのがウソのよう。さて、連敗記録をストップするのは誰でしょう。

12/12ドリームエイジカップ回顧

ナリタボブサップが初代王者に

 12日(日)は新設重賞・ドリームエイジカップ(世代選抜)が行われ、8歳のナリタボブサップが勝利。この馬らしい切れのある登坂を披露し、古豪健在をアピールしました。

 このレースは3、4、5、6、7歳以上の各世代から通算収得賞金順に2頭ずつ選抜。3歳の710キロから8歳両頭の790キロまで最大80キロ差がつき、難解な一戦となりました。
 前日の雨・雪が残り、馬場水分は3.5%。負担重量の軽さも相まって、道中は早めの展開で進みました。まず飛ばしたのはライデンロックとキタノタイショウで、以下トレジャーハンター、カネサブラックらが追走。ここからアアモンドヤマトも押し上げ、6頭が横一線で第2障害を迎えました。
 トレジャーハンター、カネサブラック、アアモンドヤマト、オレワスゴイの実に4頭が同時に登坂を開始。なかでもカネサブラックが抜群の登坂力を見せましたが、ここで痛恨のヒザ折り。その隙に、一瞬仕掛けを遅らせたナリタボブサップが障害巧者ぶりを発揮し、グイグイ荷物を引き上げてクリア。立て直したカネサブラックが1馬身ほどで追撃態勢。さらに2馬身ほど遅れてアアモンドヤマトとオレワスゴイが続き、キタノタイショウもこの一角で障害を下りていきました。
 先頭を行くのはナリタボブサップ。1馬身ほどの差でカネサブラックが懸命に食い下がりますが、いかんせん馬場が軽く、その差はいっこうに詰まりません。結局、実績馬2頭の一騎打ちとなり、3着以下を寄せ付けず、2頭がそのままの差でゴールを果たしました。カネサブラックの2馬身ほど遅れた3着争いは横一線となりましたが、しぶとく脚を伸ばしたキタノタイショウに軍配。以下ホッカイヒカル、アアモンドヤマトと入線しました。

 ナリタボブサップはこれで重賞6勝目。今年はばんえいグランプリに次ぐ重賞2勝目で、古豪らしい力強さを毎レース見せています。今回の勝因は、この馬の障害力がもっとも生きる軽い馬場。今後もこうしたスピード優先の馬場の際には、信頼が置けそうです。

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鈴木恵介騎手「ハンデ差が80キロあったので流れがきつくなるかなと思いましたが、意外といい位置が取れたので、この馬のいいレースができたかなと思います。隣枠で気になっていたカネサブラックが追いかけてきましたが、馬場が軽いのでなんとかなると思っていました。今後、帯広記念とばんえい記念を狙っているので、頑張りたいですね」

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