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2007年11月 アーカイブ

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今週の見どころ(11/17~11/19)

 ばんえい帯広競馬は先週で第15回開催を終了しました。騎手リーディングに注目すると、鈴木勝堤騎手が91勝を挙げ、2位の藤本匠騎手に10勝差をつけトップの座を守っています。その鈴木騎手の先週の騎乗数は、10日(土)6レース、11日(日)7レース、12日(月)7レースというものでした。
 ばんえい競馬では、1日の騎乗数は原則7レースまで、連続騎乗は4レースまでと決められています。限られた騎乗数のなかで、これだけの勝ち星を挙げられるというのは、やはり卓越した技術のなせる技でしょう。

 11月17日(土)のメイン第11レースは能取湖特別(360万円未満)です。
 11月4日の360万円未満は、1着メダマ、2着タケノホウシュウ、3着タカラオーシャンという決着。先週の勝入別定360万円未満は、タケノホウシュウが第2障害先頭から押し切りました。3頭が横一線で障害を越えた2番手争いからタカラオーシャンが抜け出し、ゴール前で中団からメダマが一気に詰め寄って3着を確保。同じ3頭による決着となりました。
 近走の360万円条件では、この3頭の安定度が抜けていました。そのうちタケノホウシュウは今開催から430万円未満に昇級になっったことで、今回は残る2頭による一騎打ちが濃厚でしょう。先行力のタカラオーシャンか、差し脚鋭いメダマか、対決に注目が集まります。
 ゴール前での粘りが課題もカップオー、今季同条件(混合戦含む)で3勝を挙げているホクショウドラゴンカネミセンショーらが一角崩しを狙います。

 11月18日(日)のメイン第11レースは知床賞(オープン)です。
 トカチプリティーは、近5走を2勝、2着3回の安定ぶり。常に好勝負を繰り広げているフクイズミ不在の今回は、障害早めクリアからの粘り込みが期待できます。
 格的に上位なのがエビスオウジャ。3連勝でばんえいグランプリを制覇したあとは、重いハンデに苦しみ続けており、持ち前のスピードも影をひそめています。今回もトップハンデですが、近走に比べ格段に相手関係が楽になっており、上位進出も望めるでしょう。
 ほか、ここ2走のオープンをともに2着と好調のホクトキングや、2連勝でオープン入りしたグレートサンデーの勢いも侮れません。

 11月19日(月)のメイン第11レース美幌峠特別(430万円未満)は、前開催の初雪特別の再戦模様です。
 その初雪特別は、障害2番手クリアからじわじわ伸びたミスターセンプーが1着。ヒロノドラゴンミスターセンプーにこそ交わされたものの障害先頭から2着を確保、勝ち馬とほぼ同時に障害を越えたヤマトチカラが3着でした。
 この結果は前々開催の帯広スーパーSS特別の着順(1着ヒロノドラゴン、2着ヤマトチカラ、3着ミスターセンプー)を入れ替えただけのものだけに、今回も三つ巴が予想されます。
 しかし、今回はミスターセンプーが5キロの加増となることから、ヒロノドラゴンヤマトチカラに逆転のチャンスもありそうです。
 この3頭に、流れに乗れれば怖いメジロショウリキ、昇級2戦目でクラス慣れが見込めるコーネルが続きます。

レース回顧(11/10~11/12)

2007年11月13日(火)

 10日(土)に行われた霜柱特別(3歳以上混合700万円未満)は、1番人気のグレートサンデーが快勝。前走のWRカー特別に続く勝利で、2連勝としました。
 第2障害はグレートサンデーが先頭でクリアし、やや遅れてホクショウダイヤが越える展開。楽な手ごたえで残り20メートルを切ったグレートサンデーは、終始ホクショウダイヤとの差を2、3馬身ほど保つ余裕のレースを披露。そのまま先頭でゴールを果たしました。結局最後まで差を詰められなかったホクショウダイヤが2着で、障害を3、4番手で並んで越えたハヤテショウリキ、ハマナカキングが3、4着。

 11日(日)はレディースカップ(4歳以上牝馬オープン)が行われ、フクイズミが高速決戦を制しました。
 トカチプリティーが第2障害を先頭で越え、エメラルドも続くなか、フクイズミは圏内の3番手でクリア。そこからジワジワと差を詰めると残り10メートル付近で先頭に立ち、3/4馬身ほどの差をつけてゴールしました。2着にトカチプリティー。3頭横並びの3着争いは、障害5番手から追い込んだギャンブラークインがわずかに抜け出し、以下エメラルド、スターエンジェルといった着順になりました。

 この日の第10レースはいちい賞(2歳牝馬オープン)が行われ、ウンカイ産駒のニシキエースが優勝。これで通算9戦5勝とすると同時に、3連勝を果たしました。

 12日(月)のメインレースは初雪特別(3歳以上430万円未満)。ここはミスターセンプーが優勝し、相変わらずの安定ぶりを見せつけました。
 ヒロノドラゴンがまずは第2障害を越えましたが、ミスターセンプー、ヤマトチカラもほとんど差なく続く展開。一団となって残り30メートルを迎えましたが、ミスターセンプーがジワジワと抜け出し、残り10メートルで1馬身ほどのリード。そのまま他馬の追撃を退けてゴールしました。2着にヒロノドラゴンで、さらに遅れること1馬身差でヤマトチカラが3着。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(11/10~11/12)

2007年11月 9日(金)

 今週の10日(土)・11日(日)に帯広競馬場にて「ばん馬まつり」と「馬耕まつり」が開催されます。
 「ばん馬まつり」(実行委員会主催)の目玉は、11日にばんえいの本コースを使って行われる「とかち人間ばん馬」。十勝管内の市町村対抗戦で、1チーム7人(うち1名は女性で騎手役)が、180キロの鉄ソリを第2障害前からゴールまで引っ張ります。ほかにも、お笑いライブや、物産展など盛りだくさんのイベントが行われます。
 「馬耕まつり」は、NPO法人とかち馬文化を支える会を中心に運営されるもので、実際に馬の世話、蹄鉄づくりなどを体験することにより、馬と人との暮らし(馬文化)を検証・継承していこうという取り組み。11日には、流鏑馬(やぶさめ)や、乗馬体験会も予定されているとのことです。
 なお10日・11日の2日間は、帯広競馬場への入場料が無料となりますので、まだばんえい未体験という方もぜひこの機会に競馬場へお越しください。

 11月10日(土)のメイン第11レース霜柱特別(混合700万円未満)は、前開催のWRカー特別の再戦模様となりました。
 そのWRカー特別は、4番人気のグレートサンデーが障害先頭からそのままゴール、10番人気のハヤテショウリキが2着で、馬単万馬券の波乱となりました。
 この勝利で今季同条件2勝目を挙げたグレートサンデーは、力はあるものの成績にムラがありイマイチ信頼感を欠く現状。3着のホクショウダイヤは近2走でともに3着と好調ですが、今回は昇級で10キロ増とやや不安もあるため確固たる中心とは言いがたいところです。
 そこで注目したいのは、同レース5着のトウリュウ。最近の混合700万円未満での5戦は、珍しく障害に苦戦し9着だった2走前を除けばすべて掲示板を確保しています。勝ち切れないところはありますが、メンバー中上位の登坂力を生かして台頭してくる可能性は十分でしょう。
 同6着のシンザンウィークは、3走前、前々走と同条件で連続連対した実力馬だけに今回は巻き返しも期待できます。障害さえまともなら同7着コマタイショウ、同9着カツテンリュウも差はありません。

 11月11日(日)のメイン第11レースはレディースカップ(4歳以上7歳以下牝馬オープン)です。
 オープンから360万円条件まで幅広いメンバーが集結しましたが、期待したいのは500万円条件のエメラルド。前々走の4歳牝馬重賞・クインカップでは、ニシキユウとともにトップハンデを課せられながらも3着と力のあるところを見せました。古馬牝馬の一線級とは今回が初対戦となりますが、近走の充実度ではメンバー中随一。ハンデ差を生かして上位進出を狙います。
 強敵はやはり歴戦のオープン勢。なかでも中団追走から末脚勝負にかけるフクイズミ、障害2、3番手から粘り込むトカチプリテイーの2頭は、戦法は正反対ですが、ともに近走好調だけに期待できそうです。
 混合700万円未満で好勝負を続けているトミサトクイーンも軽視できない存在でしょう。

 この日の第10レースに、いちい賞(2歳牝馬オープン)が行われます。
 9月23日に行われた白菊賞(2歳牝馬オープン)は、逃げるカネヅルが、2番手で障害を越えたスーパーシャトルに残り30メートルで並ばれましたが、そこから突き放し快勝。2着スーパーシャトルは、その前走・南北海道産駒特別まで圧巻の3連勝で、それを破ったカネヅルは相当の器といえるでしょう。3着以下は大きく離しているだけに今回もこの2頭による一騎打ちムードです。
 焦点は、デビューから10戦して掲示板を外したのが1回だけと堅実なタカユリ、10月1日の2歳牝馬戦で1、2着のプリンセスビジンニシキエースらによる3着争いです。

 11月12日(月)のメイン第11レースは初雪特別(430万円未満)です。
 注目は出走取消を挟んで2連勝中のヒロノドラゴン。前開催の帯広スーパーSS特別では、2着ヤマトチカラとはわずかコンマ4秒差でしたが、早め障害クリアから押し切る、まさに完勝といえるレース内容。いまの勢いなら5キロ加増されても問題はなく、今回も勝ち負けが期待できるでしょう。
 徐々に先行力が蘇ってきたヒカルヨシウメや、この条件で5戦連続3着以内と安定感抜群のミスターセンプー、前走好走のヤマトチカラらが相手。360万円未満を連勝して今回が昇級初戦のコーネルも侮れません。

やっぱり馬が好き(第41回) 旋丸 巴

2007年11月 8日(木)

弁当箱の秘密

 先日、何度目かのバックヤードツアーに参加して、いや、しかし、何度参加しても面白いね、このツアーは。

 装鞍所やコースの向こう側など、関係者以外が入れない競馬場の裏側を案内してくれるという嬉しい企画だから歓び勇んで参加して、しかし、前述のように既に何度も参加している私だから、今回は、なるべく、今まで見過ごしていたようなところを、じっくり拝見させてもらおうと鵜の目鷹の目で辺りを観察していたら……あった、ありましたよ、面白ポイントが!

 今回、発見したそれなるポイントは検量室。スタンドから見るとパドックの向こうに見える小さな建物が検量室なのだけれど、今まではコースを走る馬を見るために、急ぎ足で通過していたこの施設を、しかし、今回は、しっかりウォッチ。

 中の職員さんの許可を得て、入口辺りから中をつぶさに観察。

 全体で20畳もないだろうと思われる、この小さな建物は、勿論、騎手の体重が量られるのための施設だけど、その中で、私の目を釘付けにしたのは、片側の壁に備え付けられた下駄箱のような棚。棚には、騎手の名前が書き込まれた銀色の箱が入っていて、「お、これが、噂に聞く弁当箱か」と思ったら、心が躍った。

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 当ブログの読者諸氏なら御存知だろうが、念のために御説明申し上げれば、これなる銀色の箱の中身は「おもり」。

 夏なら75kg、冬なら防寒服を入れて77kgに統一されている、ばんえい競馬の騎手重量。これに合わせるために、騎手は、おのおのの体重によって調整した「おもり」を装備する。

 平地の騎手なら、小さな鉛の板を勝負服や鞍に装着すれば良いのだけれど、ばんえい騎手の場合は小さな板では間に合わないから、こんな箱が必要な訳で、何しろ、身長180センチを越える船山騎手も、150センチの竹ヶ原茉耶ちゃんも、みーんな、夏なら75kg、冬なら77kgに統一しなきゃならないから、その鉛の量も半端じゃないのである。

 という訳で、これらの「おもり」を入れるのが、俗に「弁当箱」と呼ばれる、この銀色の箱なのである。

 検量室の棚には、だから、大小様々な弁当箱が置かれていているのだけれど、そのひとつひとつには、ちゃんと名前が記されているから、興味は尽きない。

 レースそっちのけで、いつまでも弁当箱を眺めている私を不憫に思ったのか、奥で執務していた職員のおじさんが近寄って来て、「ほら、これ、希世の」と、わざわざ棚から引っ張り出してくれたのが、佐藤希世子騎手の弁当箱。

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 いや、弁当箱と、今、記したけれど、その箱は到底、「弁当」なんて可愛く呼べる代物ではなくて……。大型車のバッテリーに持ち手をつけたくらい。それくらい大きいのである。

 職員のおじさんは、更にサービス精神を発揮して「持ってごらん」とまで言ってくれる。折角だから、お言葉に甘えて持ち上げ……られないのである、重くて!

 「ひゃ~、これ何kgあるんですか?」と仰天する私に、おじさん、我が意を得たりと微笑み、答えて曰く

 「20kg」

 確かに、痩身の希世ちゃんであれば、これくらいの弁当箱が必要なわけで、そう言えば、レース後、検量室に入る彼女は、体を傾けて、この弁当箱を運んでいたっけ。

 この後も、「これは××騎手の、あれは△△騎手の」と、おじさんは次々に騎手さん達の弁当箱を見せてくれて、「じゃあ、最後に、N山騎手の、持ってみな」と差し出したのは、ショートケーキが3つ入るくらいの極く普通サイズの弁当箱。

 「何で、こんな平凡なものを?」と、不思議に思いつつ手に取った瞬間! 再び仰天する私。今度は、軽いのである、物凄く!

 「これプラスチックなんだよね」

 ふふふ、と、おじさんは笑ったけど、見れば、普通の弁当箱に見えたこの箱、実は、銀色の塗料を塗ったプラスチックの箱。

 「あいつ、いつも減量でヒーヒー言ってるから」と、おじさん。

 なるほど、それで、N山騎手はプラスチックの弁当箱なのか。と、納得しかけて、いやいや、と首を振った。

 弁当箱が使えないなら鉛の板をポケットに入れてレースに臨めばいい訳で、実際、そうしている騎手も多いのである。それを、わざわざ、こんなイミテーション弁当箱を作って、「僕は、ちゃんと弁当箱持ってレースに乗ってますよ」と、とぼけて見せるとは、さすが、日頃から明るいトークで周囲をなごませているN山騎手。実に、実に、お茶目!

 という訳で、弁当箱の秘密を、ほとんど匿名になってないイニシャルネームで暴露してしまったけど、お茶目なN山さんだもん、そんなことくらいで怒らないよね、ねっ?

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レース回顧(11/3~11/5)

2007年11月 6日(火)

 3日(祝・土)は霜月特別(3歳以上オープン)が行われ、8番人気のタケタカラニシキが優勝。前2走は惨敗しましたが、岩見沢記念4着の実力をいかんなく発揮しました。
 第2障害ではタケタカラニシキを先頭に、スーパークリントン、ミサイルテンリュウ、ニシキダイジン、カネサブラックが一団となって越える展開。しかし、そこからタケタカラニシキが力強く後続を突き放すと、あとはひとり旅。そのまま先頭でゴールを駆け抜けました。終いまで確実に脚を伸ばしたカネサブラックが2着で、最後に猛追したシンエイキンカイが3着。

 4日(日)はメインレースに重賞・ばんえい菊花賞(3歳オープン)が行われ、シベチャタイガーが重賞初制覇を果たしました。このレースについては別掲のばんえい菊花賞回顧をご覧ください。

 この日の第7レースに行われた2歳A-1戦は、ホクショウジャパンが勝利。オレワスゴイが2着で、人気サイドでの決着となりました。ホクショウジャパンはこれで通算成績を14戦8勝、2着4回としています。

 5日(月)に行われたのは深秋特別(3歳以上500万円未満)。ここは4番人気のテンカが勝ち、今季4勝目を挙げました。
 第2障害ではライジングサンが天板へ真っ先に脚を掛けましたが、ややもたつく間にキョクシンオーが登り切り、立て直したライジングサンと、2頭が並んでクリア。続けてタケトップクイン、ツジノコウフクが越えていき、差なく4頭が続く大混戦。しかし馬場水分3.4%の重馬場が厳しかったか、各馬が次々と脱落していき、残り20メートル付近でテンカ、ツジノコウフク、ライジングサンの3頭に勝負が絞られました。結局この3頭の叩き合いはゴール前まで続き、わずかにテンカが前に出たところがゴール。ツジノコウフクが2着で、ゴール前でやや失速したライジングサンが3着。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

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