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2007年11月 アーカイブ

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今週の見どころ(12/1~12/3)

2007年11月30日(金)

  スカパー!のばんえい競馬中継の放送チャンネルが、今週の土曜日(12月1日)より795chに変更となりますのでご注意ください。
 ライブ映像は、オッズパークのPCサイトでもお楽しみいただけますが、11月17日からは、オッズパーク携帯サイト(http://m.oddspark.com)においてソフトバンクモバイル・NTTドコモの一部携帯電話向けにライブ映像の無料ストリーミング配信(視聴時に別途通信料がかかります)を行っています。どうぞご利用ください。

 12月1日(土)のメイン第11レースはオリオン特別(オープン)。
 ホクトキングは今季未勝利ですが、近3走のオープンではいずれも2着に好走。特にこの2戦は、先週の北見記念を制したナリタボブサップ、6戦連続連対中のトカチプリティーら一線級を相手に先行して粘りを見せています。持ち前の障害力をフルに発揮できている現状なら今回も好走が期待できるでしょう。
 3走前にホクトキングを下しているシンエイキンカイは障害で置かれなければ再び台頭するシーンも十分。この相手関係ならタケタカラニシキの一発の可能性もあります。

 12月2日(日)のメイン第11レース、イルミネーションカップ(4歳オープン)には、700万円条件から430万円まで幅広いメンバーが集まりました。
 期待したいのは、同じクラス別定重量での一戦だった4歳重賞・銀河賞(9月)1、2着のツジノコウフクヒロノドラゴン
 その銀河賞はともに同重量で出走、先頭で障害を越えたと差なく続いたヒロノドラゴンが3番手以下を離して一騎打ちを演じました。ほぼ同メンバーの今回も上位争いが期待できるでしょう。ただ今回はツジノコウフク(500万円条件)のほうが10キロハンデを課せられていることから、ヒロノドラゴン(430万円条件)にやや有利かもしれません。
 500万円条件の牝馬エメラルドは、銀河賞は4着も、その後本格化。7戦して2勝を含め掲示板を外しておらず今回も注目です。
 同じく500万円条件のテンカも有力。銀河賞は競走除外でしたがここ2走の自己条件戦では5キロ軽かったとはいえツジノコウフクに連勝しています。
 ホクショウダイヤは混合700万円未満では今季9戦して3着以内7回と中心的な存在として活躍しています。問題はトップハンデの730キロ。この重量は優勝した前走と同じで苦にするものではありませんが、同じくトップハンデだった銀河賞では6着に敗退しており、今回は見送りが賢明かもしれません。
 同じくトップハンデのナカゼンスピードは、今回は6月の4歳重賞・柏林賞以来久々となります。その柏林賞は9着でしたが、大幅な馬体減(ばんえいダービー時から30キロマイナス)が響いた可能性があります。昨年のばんえいダービー制覇、5歳との世代混合重賞・ポプラ賞で5着健闘など実績的にはナンバー1だけに、馬体が回復していれば上位に食い込んでくるかもしれません。

 この日の第10レースに第28回釧路産駒特別(2歳産地限定)が行われます。
 断然の主役はホクショウジャパン。テンのスピード、登坂力、終いの脚、どれをとっても現在の2歳のなかでは上位の存在。普段の2歳A1戦よりメンバーが手薄なここなら連軸は固く、今年の2歳最初の10勝到達の可能性も十分です。
 相手もマルモスペシャル1頭。2走前のナナカマド賞ではホクショウジャパン(3着)らを破って優勝しています。今回も前々につけて、障害でホクショウジャパンとの差を広げることができれば楽しみが広がります。
 コトブキタイガーは、8月の青雲賞制覇など実績では負けていません。しかしナナカマド賞8着で好走のリズムが崩れたのか、前走2歳A1戦でも見せ場なく7着。復活までにはもう少し時間がかかりそうです。

 12月3日(月)のメイン第11レース、アンタレス特別(混合700万未満)は、最近のこの条件で中心的存在だったホクショウダイヤが不在で混戦模様です。
 ここ3走すべて3着以内に好走しているハヤテショウリキは、一時の不振から完全に立ち直った様子。今回出走予定のメンバー中9頭が出走していた前開催のオッズパーク賞は、障害先頭から粘るハマナカキング(2着)を離れた2番手から追い詰めました。一緒に伸びて最後は抜け出したホクショウダイヤには脚色で劣り3着でしたが、今回は前走で5キロ軽かったハマナカキングが同重量になることから中心視できそうです。
 相手候補筆頭はもちろんハマナカキングですが、障害が切れるようになってきたバンゼン、安定した登坂力を持つライジングサンら伏兵も散在。唯一別路線から参戦のコブライチもここ5走で3勝、2着1回と好調だけに侮れない存在です。

やっぱり馬が好き(第42回) 旋丸 巴

2007年11月29日(木)

馬耕まつり 第二弾

 「帯広競馬場を馬文化の発信基地に!」というのが、我らが「ばんえい競馬応援団」=「とかち馬文化を支える会」の合言葉。

 その崇高な志が、ついに実現されたかと思うと、もう嬉しくて、ちっとも当たらない馬券の悔しさなんか、どこかに飛んで行ってしまったくらい。

 私を、こんなに感激せしめたのは、11月10日・11日の両日に開催された「馬耕まつり」。支える会が主体となって作った実行委員会が主催した、これなるお祭り、実は、一人の支える会理事さんの呟きによって誕生したイベントなのである。

 「昔の農機具を見つけたから買ってきたんさ。あれ、競馬場で馬に曳かせたら、ばんえいのPRにならんかい?」

 元々、ばんえい競馬は、馬による耕作、即ち、馬耕がルーツの競技。ばんえい競馬の起源を知り、昔日の農業を体感する、これ、誠に意義のあることであって……なんて小難しい講釈は後から考えたもの。理事さんの呟きを聞いた瞬間、「それ、面白いから、やりましょう!」と、馬のことなら猪突猛進の私が、諸手をあげて賛成した。

 さて、そんなシンプルな発想から始まった馬耕まつりが、しかし、企画するうちに段々と大規模になり、なおかつ、当初の実施予定の9月23~25日には、馬インフルエンザの影響で、肝心の馬の持ち込みが出来ないという非常事態まで発生。それでも、9月には何とか様々な農機具を駆使して、楽しい「馬耕まつり」を開催したけれど、そんな「馬のいない馬耕まつり」で満足するようなヤワな人々ではないのである、支える会のメンバーは。

 という訳で、今度こそは実馬を使ってリベンジ! と、意気込んで開催したのが、今回の「馬耕まつり第二弾」。お祭りのメインは、何と言っても、開催のきっかけとなった「馬耕デモンストレーション」。ディスクハロー(土を砕いて畑を平らにならす機械)、プラウ(土を掘り起こす機械)、それに昭和30年代に活躍した保道車(車輪にゴムを巻いた馬車)曳いた馬達がエキサイティングゾーンを行進すると、寒風吹く中、たくさんの観客がスタンドから出て興味深げに見物。

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プラウによる馬耕のデモンストレーション

 ただし、単なる見世物で終わらないのが「支える会流」。デモンストレーションの途中で一旦、馬を止め、馬や農機具に触ってもらい、かつての馬耕を体感してもらったから、観客も大喜び。馬に触って歓喜の声をあげる子供や、馬と記念写真を撮るファン、「懐かしいね」と農機具に見入る年配の男性など多数。暖かい空気が競馬場を包んだのである。ほのぼの。

 いや、しかし、今回の馬耕まつりには、もうひとつメイン・イベントがあって、それが流鏑馬。

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 十勝はスポーツ流鏑馬のメッカであり、帯広の隣町・芽室町では、毎年、全国大会が行われている。ということで、この伝統馬術を、是非、競馬場で披露しようと、11日にはレースの合間を使って、エキサイティングゾーンで流鏑馬を実演。きらびやかな和装の騎馬が疾走する勇壮なショーに観客は息を飲み、射抜かれた的がはじけ飛ぶたびに、スタンドからはやんややんやの歓声が沸き起こった。

 勿論、こうした華やかなショーだけが馬耕まつりではなくて、スタンド南側では、常時、引き馬や馬車が活躍。馬が持ち込めなかった1回目の馬耕まつりの恨みを晴らすかのように延べ14頭もの馬を用意し、ファンに、子供に、存分に馬に触れ合い、遊んでもらったから、その賑やかなことは想像に難くない、でしょ?

 そんな中にあって、馬耕デモンストレーションと同じくらい私を感動せしめたことがあったから、最後に一言。

 今回、馬車で観客を歓待した馬の中に極小のポニーが1頭。軽2輪の馬車を曳いて大人気を博したのだけど、その隣では、御馴染みのリッキーがバスほどの大型馬車を曳いている。

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リッキー馬車とポニー馬車

 巨大なばん馬と世界最小級のポニー。同じ馬なのに、この違い。こんな珍しい取り合わせが簡単に実現するのも、バラエティー豊かな馬産が存在する十勝ならでは。これそこ、広範な馬文化の全国への発信なんである、と再び感慨を深くした私。

 と言いながら、しかし、痛恨だったこともあって、こうして感動しまくるうちに馬耕まつりは夢のように過ぎて、気がつけば同時開催の帯広商工会議所主催「ばん馬祭り」を楽しむ暇は皆無。同お祭りのお笑いショーや人間ばんばがゆっくり見られなかったのは仕方ないとしても、商工会が販売していた「ばん馬関係新商品」、これは食べたかった! ばんばお焼きなんぞというものは、友人が買ったものを写真で撮ったけれど、私は一口も食べられず終い!

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食べたかった! ばんばお焼き

 馬文化発信の崇高な志に「満足」。でも、「満腹」には程遠い晩秋の2日間だったのでした。うひゃ~、お腹減った~!

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なんと、「ちーずいんぱくと!」

レース回顧(11/23~11/25)

2007年11月26日(月)

 23日(祝・金)に行われたオッズパーク賞(3歳以上混合700万円未満)は、2番人気のホクショウダイヤが優勝。勝ちきれなかった近3走のうっぷんを晴らしました。
 第2障害はハマナカキングが先頭でクリアしたものの、ハヤテショウリキとホクショウダイヤも差なく続く展開。そこから自慢の末脚を繰り出したのがホクショウダイヤ。みるみるうちにハマナカキングとの差を詰めると、残り10メートル付近でこれを交わし、先頭でゴールに飛び込みました。粘ったハマナカキングが2着を確保。ハヤテショウリキも接戦に持ち込みましたが、3着までが精一杯でした。

 この日の第10レースは北見産駒特別(2歳産地限定)が行われ、リードムサシが優勝。2、3番手の追走から残り20メートル付近で抜け出し、単勝1.8倍の断然人気に応えました。

 24日(土)はメインレースに網走湖特別(3歳以上500万円未満)が行われました。ここを制したのはテンカ。前走の深秋特別に続く勝利で2連勝としました。
 エメラルドが第2障害を先頭で越えたものの、6頭が横並びで続く大混戦。しかしその中からテンカが抜け出すと、徐々にエメラルドとの差を詰めはじめ、残り10メートルで先頭へ。その余勢を駆ったまま一気に突き抜け、先頭ゴールを果たしました。2着はエメラルドで、しぶとく脚を伸ばしたキョクシンオーが3着。

 25日(日)は重賞の北見記念(3歳以上オープン)が行われ、ナリタボブサップが優勝しました。このレースの詳細については、別掲の北見記念回顧をご覧ください。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

11/25北見記念回顧

2007年11月25日(日)

5歳世代3頭が上位を独占!

 25日(日)に行われた重賞・北見記念(3歳以上オープン)は、5歳馬ナリタボブサップが優勝。2歳時のホクレン賞(2着)以来、14回目の挑戦で重賞初制覇を果たしました。

 高重量戦とはいえ、馬場水分5.4%ということもあって道中はやや速めのペース。トモエパワーが積極策で馬群を引っ張り、サダエリコ、タケタカラニシキらも前々でレースを進めました。
 第2障害はタケタカラニシキが真っ先に挑戦し、それを合図とするように各馬も登坂開始。最初に登り切ったのはナリタボブサップで、やや遅れてミサイルテンリュウ、スーパークリントン、カネサブラックが続いていきました。残り30メートル付近で、いったんミサイルテンリュウが差を詰めましたが、ナリタボブサップの逃げ脚も軽快。差が詰まりそうで詰まらない展開が繰り広げられ、あれよあれよという間に残り10メートル。結局そのままナリタボブサップが逃げ切り、初タイトルをゲットしました。
 追ってきたミサイルテンリュウは、残り10メートル付近で微妙に脚いろが鈍り、これを追走していたカネサブラック、スーパークリントンの2頭がゴール寸前で交わして2、3着。障害8番手クリアからゴール直前で飛んできたフクイズミが、これらと差のない5着で入線しています。

 前述のとおり、ナリタボブサップは重賞初制覇。障害の巧さには定評がありましたが、しまいにこらえきれず惜敗といったシーンが多々ありました。今回の勝利は、軽めの馬場が味方しての逃げ切りという面も否定はできません。しかし860キロという自身の最高負担重量での勝利は、力をつけている証拠。まだまだ伸びしろがある5歳馬だけに、今後の活躍が十分に期待できそうです。
 カネサブラックは岩見沢記念に続いて2着。高重量でも力を発揮できるようになり、天性のレースセンスの持ち主がいよいよ本格化を迎えたように思われます。それを印象づけるためにも、今後はばんえい十勝オッズパーク杯に続く古馬重賞タイトルがほしいところでしょう。
 スーパークリントンは自身6回目の重賞3着。名バイプレーヤーを名乗るにはまだまだ若く、今後のさらなる成長を期待したいと思います。
 終わってみれば5歳世代3頭が上位を独占。ばんえいの未来図をかいま見た一戦と言えます。

成績はこちら
映像はこちら

11/25北見記念予想 矢野吉彦

2007年11月24日(土)

逃げるミサイルをカネサが捕えるか

 今週は北見記念。思えばちょうど1年前、北見記念の翌日にいったんは廃止濃厚という状況に至ったばんえい競馬ですが、おかげさまで存続、今年もこのレースを迎えることになりました。トモエパワーもサダエリコもアンローズもミサイルテンリュウもシンエイキンカイも、みんなまだまだ頑張っています。ばんえい競馬が続けられているからこそ、そういう馬たちの勇姿を、晩秋恒例の大一番で今年も見られるわけですよ。今年の北見記念には、とくに感慨深いものがありますね。

 4月以降ここまでの古馬重賞戦線を振り返ると、旭川記念と北斗賞はミサイルテンリュウが連勝。ところが、同馬が欠場したばんえいグランプリでエビスオウジャが勝って、岩見沢記念ではトモエパワーが復活。ちょっと風向きが変わってきました。
 でも、ミサイルテンリュウは出走した重賞レースでは常に先頭で第2障害を越えています。この登坂力は抜群。岩見沢記念ではゴール前で止まって惜敗しましたが、これはある意味“時の運”。その後の特別で勝ちきれないのも、荷物が軽くてこの馬と他の馬との登坂力に際立った差が表れにくくなっているからで、心配する必要はないでしょう。岩見沢記念では、勝ったトモエパワーのほうがこの馬より10キロ恵まれていたのが、今回は同量。目標にされても押し切れると思いますので、まずはミサイルテンリュウから買うのが順当でしょう。
 とはいうものの、ここで狙いたいのはカネサブラックですね。厩舎が変わり、松田騎手に手替わりしてからの4戦は、勝てないながらも至って堅実。岩見沢記念を見る限り、それまで苦手と思われた重い荷物もこなせそうな兆しがあります。こちらも、そのレースではトモエパワーより荷物が10キロ重かったんですから、同重量になったここは絶好のチャンス。そろそろこういう若馬に出てきてもらって、オープン戦線をおもしろくしてほしい、という願いも込めて、この馬を狙ってみることにします。
 問題はフクイズミ。夏井騎手には申し訳ありませんが、尾ヶ瀬騎手が乗ったほうが成績が安定していますね。でも、あくまで軽量の特別戦でのこと。岩見沢記念は夏井騎手が高重量を意識したのか、第2障害手前で十分すぎるほど息を貯めたにもかかわらず二腰目が上がらず、そこでつけられた上位との差を詰められないまま敗れました。今度、尾ヶ瀬騎手がどういうタイミングで第2障害を仕掛けるかわかりませんが、この馬らしい切れ味は高重量戦では発揮しにくくなるはず。貯めすぎれば届かない、貯めなければ障害で引っ掛かるという不安がつきまといます。馬券を買うにしても、押さえまででしょう。
 では結論。逃げるミサイルテンリュウを好調カネサブラックが捕まえるかどうか、というレースと見て、両馬の馬単折り返し。あとは両馬を頭、2着にトモエパワー、フクイズミ、シンエイキンカイの馬単。たぶんここまでで手一杯になっちゃうでしょうから、サダエリコとアンローズは買いません。オッズ次第ではフクイズミも消しちゃうかも。来ちゃったら悔しいけど、仕方ないですね。

 来年度の存続が決まったばんえい競馬ですが、課題は山積。とくに、近頃の原油高騰は、冬場のロードヒーティング代や厩舎、スタンドの暖房費などに大きな影響を与えるはずです。ファンのみなさんのさらなるご支援をお願いします。では、今回はこのへんで。

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