
オートレースの新しい試みが始まる!
今回の山陽ミッドナイトは各レース6車立て。従来のオートレースは8車立てで、最近は一般開催だと7車立てのレースがメインだが、6車立ては更に車立てが少なくなる。高配当は望みにくくなるが、逆に車券は当てやすくなり、何度でもレースを楽しめやすくはなる。レース展開、シリーズの行方にどうのような影響を与えるのか。
19日が最終日の山陽オートに出場していた選手から、そのまま今回に移行する選手がほとんど。そこで優勝戦まで進んでいたのが5名。西村義正、矢野正剛、牧瀬嘉葵、小里健太、竹中修二だ。
西村義は初日から3連勝で優出を決めた。夏場の昼間開催だったのでタイムはそこまで出ていないが、その条件の中でもエンジンは良さそうだった。走りの特徴は精度の高い差し。前を走る車との距離が多少離れていても、長い突っ込みで交わしていくことができる。今回はメンバー的にスピード戦になるケースは少なそうなので、この武器は西村義にとって有利に作用する。競争車が密集していても一人、小さいコースで番手を上げていくことができる。
矢野はスピードの豊かさがウリ。西村義とは逆に、アウトコースから前団を交わしていくのが得意。大きな走りで先頭に立つと、グングンとペースを上げていける。同じくスピードが武器なのは牧瀬と小里。どちらもスタートを含めてレース序盤の位置取りには注文つくが、軌道に乗り出してからの車速はかなりのモノ。ミッドナイトの時間帯なら、そのスピードも乗りやすい。竹中修二は競争センスが抜群。デビューから数年は同期の中でも上位の活躍を見せていた。成績の安定感にはやや欠ける面あるが、ツボにはまった時はランク上位の選手を脅かす走りを展開する。
ランク的には長田恭徳、人見剛志、穴見和正、桜木公和などが上。長田は前走の準決3着で優出を逃したが、前々走ではしっかりと優出していた。今年は長田にとって大きな飛躍を見せており、優出できなかった前走の分まで今回に思いをぶつけてくる。人見は今回出場する中で捌き断トツ。エンジンの上下動に苦しんでいる時期はあったが、近況はようやく高位で推移するようになった。混戦でもスピード戦でも車群を縫って上位進出を図る。穴見は変わらぬイン走法が魅力。試走タイムは出ない傾向あるが、レースではインからインの攻めで浮上可能。ミッドナイトとの相性も悪くない。桜木もインタイプ。スタートさえしっかりこなせれば、レース展開がグッと楽になる。
B級では福田義久、杉本雅彦、坊田寿彦らが渋太い走りで着をまとめている。前走でも車券に絡むシーンが多かった。昼間開催からミッドナイトの時間帯にはなるが、走路温度が高ければ高いほど好成績を残せる。松尾学と井上秀則は、高いスタート力をバックに有利なレース展開を作れている。B級ならがスピードがある方なのは井上智詞や角翔太郎。他車に競りかけられると脆い面あるが、一人で悠々と走れる展開になればペースを上げられる。
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主な出場予定選手
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長田 恭徳〔山陽 A-5(32期)〕
人見 剛志〔山陽 A-22(28期)〕
西村 義正〔山陽 A-77(17期)〕
矢野 正剛〔山陽 A-154(31期)〕
桜木 公和〔飯塚 A-97(24期)〕
牧瀬 嘉葵〔飯塚 A-159(29期)〕
小里 健太〔飯塚 A-218(26期)〕
竹中 修二〔飯塚 A-232(26期)〕
オートレースグランプリVの伊藤信夫が凱旋!
今回の浜松オートは3日間の短期決戦。SGオートレースグランプリで優勝した伊藤信夫が、地元走路でも躍動しそう。SGで悔しい思いをした鈴木圭一郎は巻き返しを図りたい。
伊藤信の復活劇は見事だった。先頭に立ってからは執念の走りで首位を堅守。有吉の攻めにも柔軟に対応して優勝を決めてみせた。今回は昼間開催で走路も違うが、SGで優勝した勢いはかなりのもの。エンジンがよほどズレない限りは、今回もスピードある走りを見せられる。連続で優勝を狙うべく、初日から力走を披露しそう。
SGの優勝戦には金子大輔も乗っていた。準決2着で突破しての優出だったが、エンジンは明らかに優出メンバーの中でも劣っていた。結果は末着だったが、SGで優勝戦まで進むこと自体が至難の業。今回のような一般開催ならエンジンも十分だろうから、自在の捌きで上位争いに参加してくる。
そのSGの準決でまさかのスタート失敗を喫してしまったのは鈴木圭一郎。最後方から怒涛の追い上げを見せたが、4番手に上がるまでが一杯だった。それでも最終日はしっかり白星で締めていたように、エンジン自体は高い位置にあるので、期待度の高さは変わらない。SGで出し切れなかった分まで今回にぶつけてきそう。
木村武之、渡辺篤、青島正樹なども前走はSGだったが、エンジン自体はそこまで悪くなさそうだった。木村は準決3着と善戦していたし、渡辺と青島にしても大崩れしているレースは少なかった。渡辺は初日にフライングをしてしまったのが気がかり。今回に影響なければいいが。
外来S級で注目なのは浦田信輔、久門徹、山田達也、鈴木清。浦田はSGでエンジンを仕上げるまではいかず、優勝戦には乗れなかったが、最終日は1着で終えているので今回に向けて一応の弾みはつけた。久門もスタート、道中の動きなどは悪くなかった。鈴木清も準決3着で健闘していた。山田達は仕上がりが平均以下だった。少しでも立て直しておきたいところ。
A級では鈴木辰己と落合巧が、前走の浜松開催で優出していた。鈴木辰のスタート力は相変わらずで大きな武器になっている。落合は1走ごとに力を付けている印象。
B級では中村晋典が連続優出中。前走にいたっては準優勝の好結果。ハンデが最重ハンの30M前に置かれているうちは、上位着でまとめられそうだ。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-15(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-17(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-25(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-27(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
山田 達也〔川口 S-24(28期)〕
川口VS伊勢崎対抗戦!
今回出場するのは地元川口と伊勢崎のみ。対抗戦の様相だが、直前にSGが行われているのでS級選手は不在。いつもは優勝から縁遠い選手にとっても優勝のチャンスがある。レースは激しい争いになりそう。
出場する地元選手の中でランクトップは森谷隼人。前走となる浜松では優勝戦まで進んでいた。結果は6着だったが、スタートの切れが良く、レース序盤で好位置に付けられるのは魅力。道中の仕掛けに強気な面が出てくれば、もっと成績を上向かせられるだろう。ランク次位は影山伸。前走も悪くなかったが、その前の節では優出していた。こちらは森谷とは逆のタイプで、レース序盤の位置取りには不安残るが、その後の仕掛けは積極的。混戦になっていても力強く車を進める事ができる。この両者が今回は地元勢を盛り上げる存在になるか。
勢いとしては岩田裕臣や吉田祐也も悪くない。岩田は前々走で優勝戦まで進み2着の結果。デビュー時からスタートには定評があり、速攻が決まり出すと成績も上向く傾向がある。吉田も同じ優勝戦に乗っていた。結果は7着だったが、持ち味のスピード力はある程度見せる事ができた。今回出場する中では車速上位。序盤で抜け出せれば、後続の選手を引きちぎれる。
佐藤正人や掛川和人は試走タイムが出なくても、レースでは渋太い走りができるタイプ。近況は成績も上位でまとまっている。篠崎実は年齢を感じさせない熱い走りを披露している。競り合う展開になっても全く引けを取らず、むしろ果敢にイン突っ込んでいける。逃げる展開なら片野利沙、コースを抑えて着を拾えているのは岩佐常義あたり。直線の伸びが良く、好走できているのは佐々木敏夫、丸山浩信だ。
対する伊勢崎勢で、今回出場する中でランクトップは田中賢。前走の浜松でもそこそこの走りをしていたし、今回のメンバーの中ではスピードがある方だ。最後方からのレースになる事が想定されるが、車速に乗って前団を捲っていくシーンが思い浮かぶ。ランク次位は鈴木聡太。前走の浜松はイマイチだったが、その前の地元では準優勝を決めている。エンジン自体は上位の部類だ。
その浜松で優勝してきたのは伊藤正真。3日間開催でオール連対の安定感だった。課題とされているスタートに一定の改善が見られ、その後のレース展開につながっている様子。デビュー時から着実に力を付けており、スピードだけならかなりのモノ。捌きも徐々に成長が見られている。その優勝戦には桜井晴光も乗っていた。結果は6着だったが、ツボにはまった時のスピードは脅威。同じくスピードなら白次義孝も豊富。スタートでハンデが後ろの選手に叩かれなければ、ぐんぐんとペースを上げていける。
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主な出場予定選手
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森谷 隼人〔川口 A-20(29期)〕
影山 伸〔川口 A-32(22期)〕
篠崎 実〔川口 A-38(9期)〕
岩田 裕臣〔川口 A-68(31期)〕
田中 賢〔伊勢崎 A-6(29期)〕
鈴木 聡太〔伊勢崎 A-33(29期)〕
桜井 晴光〔伊勢崎 A-61(26期)〕
伊藤 正真〔伊勢崎 A-64(33期)〕
優勝争いは極めて難解!
今回の山陽オートは昼間4日間開催。直前に伊勢崎でSGが行われている関係で、今回はS級は不在。A級とB級による戦いになる。混沌としている優勝争いの行方は...。
今回出場する中でランクトップは地元山陽の長田恭徳。近年はSGに出場していてもおかしくない成長を見せており、前走の地元でもしっかりと優出していた。スピードに加えて捌きも上達。追い込むレースが多くなる今節でも大いに活躍できるだろう。同じくSGに出ていても不思議ではない実力の持ち主なのは人見剛志。エンジンが仕上がらず、その機会を逃しているが、前々節は優勝戦まで進んでいた。今回のメンバーの中では捌き断トツ。エンジンが並の状態でも、車群を割って浮上してくるだろう。
まだまだ元気なのは穴見和正、西村義正、水崎正二といったあたり。穴見は最重ハンからハンデが軽化する場面も見られ、レース展開はグッと楽になっている。変わらぬイン走法で前団も後続も苦しめる事ができる。西村義は前走の浜松3日間開催でオール連対。準決は2着ながら1着のみ優出の条件だったため、優勝戦には進めなかったが、奮闘している様子が窺える。水崎は前走の地元GIで2回の白星。好スタートからのイン封じ込みが得意のパターン。
前回の山陽で優勝したのは吉松憲治。4日間の開催で全て車券に絡めていた。走りに豪快さや派手さはないが、堅実に車を操り、じっくりと番手を上げていけるタイプ。今はエンジンも絶好調なので、初日から狙ってみたい一人。その優勝戦には山下知秀も乗っていた。結果は7着だったが、初日から3連勝を決めていた。デビューから数年間は将来を見込まれていたが、やや成長の壁に当たり伸び悩んでいた時期もあった。しかし、元々は高いセンスを持っているので、ここらで再び注目を集めるか。
飯塚A級では佐藤裕児が健闘している。レース後半は伸びを欠くケースも多いが、スタートを含めてレース序盤の動きは冴えている。桜木公和は、車速はそこまででもないが、しっかりとインを突いていけるタイプ。混戦になるほど威力が増してくる。実力的には辻大樹、牧瀬嘉葵、藤川幸宏が楽しみ。若手では森本優佑、木山優輝あたりが伸び盛り。
B級では西久保英幸、井上秀則、杉本雅彦が粘り強さを武器に着をまとめている。スピード的には丹村司がB級ながらA級に匹敵するモノを持っている。独走力は畦坪孝雄。才能が開花しつつある松尾彩。前走の地元ミッドナイトで優出した花元初美も善戦している。
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主な出場予定選手
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長田 恭徳〔山陽 A-5(32期)〕
人見 剛志〔山陽 A-22(28期)〕
穴見 和正〔山陽 A-35(12期)〕
西村 義正〔山陽 A-77(17期)〕
吉松 憲治〔山陽 A-132(21期)〕
山下 知秀〔山陽 A-185(28期)〕
佐藤 裕児〔飯塚 A-45(32期)〕
桜木 公和〔飯塚 A-97(24期)〕
SGオートレースグランプリが開幕!
伊勢崎オートレース場で8月11日から15日の日程で、第24回SGオートレースグランプリが開催される。近況のSG戦線は鈴木圭一郎と青山周平のどちらかが優勝する事が多い。そこに割って入れるのは現状、荒尾聡といった様相。今回のSGはどのようなシリーズになるのか。
青山周平は絶好調。現在8連勝中で、更に4連続優勝中。エンジンは最高潮で、乗り手の仕掛けも冴えに冴えている。このSGグランプリは昨年とその前の年の王者で、今回は3連覇がかかっている。エンジン、乗り手、地元走路と3つの要因が整っており、よほどの事がない限りは優出、そして優勝にまで手が届く状態。当然の優勝候補に挙げられる。
対抗一番手は鈴木圭一郎。近況はスーパーハンデでのレースを強いられ、優勝を逃す事もあるが、今回はさすがに通常のハンデ位置に戻るだろう。そうなれば展開はグッと楽になる。最近は青山の方が勢いあるが、直接対決となれば気合マックスで臨むはず。このSGグランプリを制して、SGグランドスラム達成を目論む。
荒尾聡は今年行われたSGオールスターで優勝。このオールスターは2連覇中で、近年のオート界で2強に割って入れている。武器のスタート力は健在だし、先行して逃げ粘るだけではなく、レース道中で追い込むシーンも多く見られている。今回も優勝戦までは進出してくるだろう。
実績から言えば高橋貢や永井大介が抜けている。高橋貢はこれまでSG21Vを誇る。ここ2節は一般開催でも優出を逃しているが、大舞台になればなるほど威力が増してくる選手。地元走路で強烈な走りを披露してくる。永井の方はSG15V。前走の地元3日間開催では完全優勝を決めており、今回に向けて弾みを付けた。
浜松勢は鈴木圭一郎だけではなく佐藤貴也、金子大輔、木村武之、伊藤信夫などタレントが豊富。佐藤貴と金子は近況、優勝から遠ざかっているが、エンジン自体はまずまずで悪くない。当地との相性もバッチリ。木村武は前走の地元で準優勝。エンジンは良い状態。3度あるSG制覇の内、2度は今回の伊勢崎走路。得意なバンクだ。伊藤信は前走の地元4日間開催で完全優勝。持ち味のスピードが出ている。
今回のSGグランプリは、SGを初めて手にする選手が多い大会でも定評があった。未だSGノンタイトルながら、もう少しで手が届きそうなのが早川清太郎、佐々木啓、佐藤摩弥あたり。早川は遠征先では迫力を欠くレースが多いが、地元走路となると切れ味が何倍にも増す。今期は全国ランク3位にも付けており、SG初優勝の態勢は整っている。佐々木はここ何ヶ月もエンジンが高位で推移。整備や調整で迷う事はなく乗り手に集中できる。後はどこまで積極性が出てくるか。佐藤摩は車の仕上がりにムラあるが、完全に仕上がれば他の選手が脅威に思っているスタート力をバックに、女子レーサー初のSG制覇が見えてくる。
もちろん中村雅人や浦田信輔、有吉辰也、篠原睦、松尾啓史といったあたりもエンジンの仕上がりによっては優勝戦まで顔を出してくる可能性はある。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-11(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-15(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕