勢いある選手が多く参戦し、シリーズは自然と盛り上がる!
山陽オート4月の恒例GI・令和グランドチャンピオンカップが今年も始まる。各地から強豪が集結し、その技量を競い合う。どのようなシリーズになるのか。地区別に有力選手を挙げていく。
まずは地元山陽勢から。ランクトップは松尾啓史。前走の浜松GIIでは2日目までは良かったが、3日目からは成績が下降気味。ただし、エンジン自体はまずまずの感じだったので、今回を迎えるにあたってそこまで不安要素は多くないか。調子が良いのは丹村飛竜。前走の山陽で優勝を決めていた。シリーズ中は全4走してオール連対。その前の川口でも優出していたし、エンジンは高いレベルにある。長田恭徳は前走の準決こそ5着だったが、それ以外の3走はオール連対。その前の飯塚では優出していたように、エンジン的には戦える状態にある。巧腕・岡部聡もエンジン状態はそこそこ。今期からS級に復帰した岩崎亮一にも注目だ。
好調者が多いのは川口勢。黒川京介は前走の浜松GIIで、初日からオール1着の完全優勝を決めていた。スタートが良く切れていたし、独走時のスピードも豊かだった。この勢いがあれば記念連続優勝も十分あり得る。同じ優勝戦には若井友和も乗っていた。若井は5着だったが、その前の地元でも優出。更にその前の山陽プレミアムカップでも優出しており、優出が続いている。山陽走路との相性も問題ない。ランク的には中村雅人が上位。前走のプレミアムカップでは成績が散発傾向だったが、そこまでエンジンは崩れていないか。当大会の前年度覇者は平田雅崇。前走の浜松GIIでは初日から連勝。準決は3着だったが、エンジン的には悪くなさそうなので、昨年に続いて連覇を狙ってくる。
飯塚勢も好調者が多い。荒尾聡は前走の山陽プレミアムカップで優勝。優勝戦は重走路だったが、見事な速攻を決めてみせた。準決の良走路も好スタートから青山周平を封じ切っての白星。一気に状態を上向かせてきた。中村杏亮は前走の地元で完全優勝。優勝戦は試走27の上がり363。スピード面にかなり磨きがかかっているし、スタートの切れも良くなっている。GIIは2回の優勝があるが、そろそろGIを獲ってもおかしくない。岩見貴史は連続優出中。直近の優勝戦は中村杏に負けたが、予選準決は1着で通過していた。武器の速攻は変わらずで、切れは抜群だ。森本優佑、鐘ヶ江将平といったあたりもエンジンはまずまず。
浜松勢は佐藤貴也がランクトップ。前走の浜松GIIでは初日から4連勝で優出。完全優勝がかかっていたが、先行した黒川を最後まで攻略できず2着入線の準優勝だった。勝ち切れなかった点は本人も悔しいところだろうが、成績としては十分。今回、黒川と対戦する場面があればリベンジを果たしたい。伊藤信夫はGIIの準決だけ7着と良くなかったが、それ以外のレースでは悪い動きではなかった。笠木美孝は今期からS級に復帰。前走のGIIでも大きな着は取らず、S級として十分な走りを見せていた。
伊勢崎勢は高橋貢が最も有力。前走の浜松GIIでは準決3着で優出を逃したが、その前の山陽プレミアムカップではしっかりと優出していた。エンジンはおおむね良好で、今回も山陽の地で優勝戦まで進んでくるか。他にはS級として新井恵匠、内山高秀、吉原恭佑なども来場するが、エンジン的には上積みが欲しい現況。
※4月8日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-7(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-32(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-8(29期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
黒川 京介〔川口 S-30(33期)〕
安定感が出てきた有吉辰也!
今回の飯塚オートはナイターの4日間開催。S級選手は多くないが調子の良い選手は多いし、A級やB級の中にも活躍が目立っている選手は多い。
今回出場する中で地元ランクトップは有吉辰也。前走は浜松GIIで、しっかりと優出していた。優勝戦では3番手を走っていたが、鈴木圭一郎に交わされて4着入線。それでも試走タイムは一番時計タイがでていたし、シリーズ中は3回の1着があった。その前の節でも優出しており、エンジンは高レベルで保てている。浜松GIIで同じく優出していたのは佐藤摩弥。優勝戦では序盤の位置取りが良くなく6着の結果だった。シリーズ中に白星はなかったようにエンジン的にはもう一つの状態だったが、それでも記念レースで優勝戦まで進んだのだから、武器のスタート力と気合は満点。今回で今年の初優勝も十分狙える。
地元S級は他に篠原睦、浦田信輔、滝下隼平。篠原は前走の地元で優出5着。優勝戦では動きが良くなかったが、準決までは連勝していた。近況のエンジンもおおむね良好で、得意の速攻に期待できる状態だ。浦田は前走の準決が3着で優出はできなかった。エンジン的には上積みが欲しい状況だが、現状でもある程度の走りはできる。滝下は前走の初日に白星。そこからは着を落としていたが、試走タイムがしっかり出る時は積極的に狙える。
外来S級は佐藤摩の他に鈴木宏和が来場。前走は浜松GIIで初日白星。2日目は落車してしまったが、残り3走は車券に絡めていたので、落車による悪影響はないとみていい。全国屈指のスタート力を駆使して、鋭い速攻を決めてくるか。
地元のA級で注目株は長田稚也。前走は3走してオール3着。その前は3走してオール1着の完全優勝だった。スピードはあるし、34期の中では捌きもある方。伸び代もまだまだ十分で、今後が楽しみな一人。33期の木山優輝も将来性を感じさせる。連続優出中の今はエンジン状態が良いし、乗り手の方も乗れている。スピードは十分なので、後は捌きが身に付いてくると総合戦力が大幅に増す。
外来A級では花田一輝、落合巧の浜松33期両者が前走のGIIで随所に活躍を見せていた。同じく浜松33期の金田悠伽もGIIの最終日は白星。スタートは早い方だし、独走時でのスピードも出るようになっている。横田翔紀も前走の浜松GIIでは尻上がりに成績が上向いていた。
B級では佐伯拓実が前走の地元で初優勝を飾った。それも初日から4連勝の完全優勝だった。同期に遅れを取っていた分もここから巻き返したいところ。西翔子は前走のGIIでシリーズ中に2勝を挙げた。2日目にフライングをしてしまったが、その後もスタートの切れは悪くなかった。
※4月5日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-16(25期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-29(23期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-14(31期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-20(32期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-43(28期)〕
長田 稚也〔飯塚 A-2(34期)〕
佐伯 拓実〔山陽 B-51(33期)〕
加賀谷建明が青山周平に抵抗を示すか!
今回の川口オートは昼間の5日間開催。S級の参戦はそこまで多くないが、4月を境に新ランクが適応されており、A級やB級の中にも優勝を狙える選手はいる。有力選手を挙げていく。
まずは青山周平。今期から全国ランク1位に返り咲いた。前走のプレミアムカップでは初日から3連勝。準決も2着で通過し優勝戦まで進出していた。そこでは重走路で3着の結果だった。スタートは決めたものの、序盤でリズムを掴むことができなかった。それでもプレミアムカップで優出3着なら十分だし、その前の川口一般開催では優勝している。今回も同じ川口走路なので、当然の優勝候補筆頭に挙げられる。
地元のS級は2人参戦予定。加賀谷建明は今期からS級の3位にランクされている。昨年11月に戦線復帰してからは快進撃を見せていた。前々走のプレミアムカップではシリーズ序盤に勢いがつかなかったが、後半2走は1着。その後は地元で初日から4連勝。優勝戦は試走後に降雨があり、不安定な走路で3着。3日目の良走路では試走も上がりも好タイムをマークしていたので、エンジン面は全く問題ない。もう一人のS級は大木光。ここ数節はエンジンがピリッとしない。遠征が続いていたので、今回の地元開催でエンジンを立て直したいところ。
外来S級は他に早川清太郎、三浦康平、岩田行雄。早川はここ3節、優出を逃している。記念レースばかり走っている影響もあるが、4節前の川口GIでは優出し3着だったので、その時の感じが戻ってくればいい。三浦は2月に浜松で落車して以来のレース。エンジン的には全くの未知数で、初日の試走には特に注意を払いたい。岩田は今期からS級に復帰。現状のエンジンとしては並だが、気合の入った走りは健在。少しでも番手を上げるチャンスがあれば逃さない。
前回の川口開催で見事に優勝したのは君和田裕二。不安定な走路を逆に味方に付けての逃走劇だった。今回はハンデが重くなると思われるが、勢いのある今なら克服も可能。逃げに入った時は大物相手でも振り切るケースがある。その前の川口ナイトレースで準優勝だったのは早船歩。この時は4走してオール連対。にわかに調子が上がってきている。その優勝戦には押田和也も乗っていた。川口は連続参戦になるので、レースの時間帯が変わるとはいえ楽しみな存在。
他では相馬康夫が好調。不安視されているスタートさえこなせば、強烈なスピードで後続を振り切ることができる。佐藤励は2月の浜松SGの初日に周回誤認を犯し、長らく罰則休が続いていたが、今回から戦線に復帰。今まで走れなかった分まで思いをぶつけてくるか。早津康介、石川哲也といった34期勢も1走ごとに成長を示しており、車券的に十分狙える状態。
B級にはなるが、森且行が久々に川口走路に帰ってくる。約2年3ヶ月ぶりのレースになる。ハンデ位置にもよるが、いきなり復帰戦を飾る可能性もある。
※4月3日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-3(27期)〕
大木 光〔川口 S-39(28期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-25(28期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 S-46(15期)〕
早船 歩〔川口 A-61(27期)〕
君和田 裕二〔川口 A-78(30期)〕
黒川京介が完全Vでウィナーズカップを制した!
浜松オートで行われていたGIIウィナーズカップは川口の33期・黒川京介の優勝で幕を閉じた。黒川は初日から負けなしの5連勝。優勝戦でも快走を披露した。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは佐藤貴也、有吉辰也、若井友和、鈴木圭一郎が一番時計タイで27。次いで黒川京介が28、佐藤摩弥が32、柴田健治が33、佐藤裕二が34だった。
10Mオープンのスタート争いは黒川が先行。佐藤摩は何とか2番手にこらえたかに見えたが、佐藤貴が捲っていく。有吉も悪くないスタート。最内の柴田と2枠の佐藤裕は包まれる形でいきなり後方に。鈴木圭は8番手発進と苦しい展開になった。
いきなり逃げに入った黒川。佐藤貴が直後にピタリと付け、常にプレッシャーを受けながらの逃走。佐藤貴は隙をうかがいつつ、インに車を向けて距離を測る。そのまま周回を重ね、青旗過ぎで黒川のインを狙うが、車が届かず交わすまではいかなかった。結果的に黒川は先行逃げ切り。佐藤貴は2着入線。後方から猛烈な追いを見せていた鈴木圭が有吉を交わして3番手入線となった。
黒川は今節、オール1着の完全優勝となった。連日スタートが切れていたし、上がりタイムも出ていた。優勝戦は楽な逃げ展開ではなかったが、それでも上がり3・345をマーク。走路温度が上がりつつあるこの時期を考えれば十分な数字だった。エンジンが仕上がった時の黒川は本当に強い。今回のを含めて、まだ記念タイトルが3つなのが不思議なくらいだ。それには理由がある。エンジンが不調になると、なかなか上向かない時がある。今後の課題は調整力。これが備わり、エンジンを高いレベルで保つことができるようになった時、SGのタイトルに手が届くだろうし、記念タイトルも量産されるだろう。
黒川京介が独走態勢に持ち込みそう!
浜松オートで行われているGIIウィナーズカップは優勝戦のメンバーが出揃った。準決からハンデが重化した柴田健治が優出したこともあり、優勝戦のハンデ構成は10Mオープン。最内から柴田健治、佐藤裕二、佐藤摩弥、黒川京介、佐藤貴也、有吉辰也、若井友和、鈴木圭一郎となった。
ここまでオール1着で調子が良いのは黒川京介と佐藤貴也。特に黒川はスタートも切れており、準決では上がり一番時計をマークしていた。佐藤貴も地元ファンの期待に応える走りを続けている。この両者が優勝戦でもキーマンになりそう。実力者・鈴木圭もここまで連を外しておらず、流石の走りを見せている。柴田健もオール連対だが、準決の前まではハンデが10M軽かったので、成績だけの評価は難しいところ。
10Mオープンのスタート争いだが、最内の柴田健は先行できるかどうか。準決ではトップスタートを決めていたが、優勝戦はその時よりもメンバーが濃くなる。単純なスタート力では佐藤摩と黒川が上位か。佐藤裕も2枠なら、それなりのスタートを切ってきそう。外枠にもスタート巧者が揃っているが、10Mオープンとなるとどこまで好位置を奪えるかは疑問。今回は3枠から佐藤摩が先行するとみた。
まずは逃げに入る佐藤摩。そのまま押し切りも十分あるが、今節はタイムがそこまで出ていない。すぐ後ろに付けてくる選手が後続を抑えてくれれば展開が良くなるが、果たしてどうか。黒川が2番手発進を決めると、道中で佐藤摩を交わせる可能性が高い。1回先頭に立てば、準決で好タイムをマークしたように、後続を寄せ付けない走りができる。そこで、当ブログでの本命には黒川を挙げる。
相手は鈴木圭。10Mオープンの大外では展開が楽ではないが、試走タイムは常に出ているし、記念の優勝戦で8周戦になるのは大きな強み。スタートでも内枠勢を何車が置いて出れれば、いくらか展開は向いてくる。捌きは間違いなくトップクラスなので、周回ごとに番手を上げていく。次に佐藤摩。今節は仕上がりに一抹の不安はあるが、トップスタートを決め、更に佐藤裕あたりがピタリと追走すると、その後ろはかなりやりにくくなる。ペースが上がらなくても、コースを守る走りで押し切るかも。そして、佐藤貴。今節は厳しい展開を克服し続けてきた。ここ一番での勝負強さは折り紙つき。試走タイムが出なくても気合の走りで優勝争いに参加してくるか。最後に有吉。かつては全国イチのスタート力を誇っていた。優勝戦でも序盤で好位置に付ければ戦えるだろう。
◎黒川京介
○鈴木圭一郎
△佐藤摩弥
△佐藤貴也
▲有吉辰也