岩科鮮太が豪雨の決戦を制する!
浜松の第62回GIゴールデンレースは、地元29期・岩科鮮太がブッチ切りの走りを見せ、GIタイトルを初めて奪取した。前日の天気予報どおり当日は雨が降り、優勝戦は重走路。選手が走った後は水しぶきがあがるほどの豪雨の中、岩科が軽快に逃げ切った。
試走は一番時計タイで笠木美孝と金子大輔が70、次いで鈴木圭一郎が72、木村武之が76、岩科鮮太と青山周平が77、岩沼靖郎が78、春本綾斗が最も悪く82だった。
レースは0ハンの岩沼と春本がスタート叩かれることなく出て行く。しかし、1コーナーの突っ込みでスピードが乗りすぎたのか、2コーナーでは外にはらんで行く。10線からは青山が好スタートを見せるが、1コーナーで内線に寄り切れず、内枠の笠木が小円部ではイン先取り。しかし、2コーナーの立ち上がりでは更に内枠の岩科がインすくっていく。これで岩科が先頭に立った。
そこからは岩科が小さいコースを回りながらもペースを上げていく。笠木もインを走って粘っていたが、外にコースを切り替えた木村が捲りでパス。その外から岩沼が木村を捲りかけていたが、最終的には木村が突っ張り2着を確保。試走一番時計タイだった金子は、1周3コーナーでまさかの自落。早々と戦線を離脱した。鈴木圭は4番手あたりで隙を窺っていたが、車の進みが甘く番手を上げることはできなかった。青山もスタートで見せ場を作ったが、1コーナーでコースを外すと、その後は挽回できなかった。
勝った岩科はこれがGI初優勝。2010年にGIIの若獅子杯を獲っていたが、GI以上のタイトルとは縁がなかった。2004年のデビューから高い能力を見せつけ、途中で飯塚から浜松所属になる移籍などあったが、インコースでの競り合いには一定の評価があった。ただし、スタートが散発傾向で、大きなレースとなるとオープン戦などで力を出し切れないことが多かった。今回は3日目あたりからスタートが良くなり、優勝戦でも内枠の利を生かして踏ん張ることができた。このスタートを持続していければ、SGの大舞台でも見せ場を作ることができる。浦田信輔の弟子らしく、攻撃力は高い。あとはスタートを安定させるだけだ。
今回は3日間のミッドナイト短期決戦!
今回のミッドナイトは飯塚勢と山陽勢のみによる地区対抗戦の様相。ほとんどの選手が直前の山陽開催で走っており、レースの時間帯や走路が変わるとは言え、その時の動きが大いに参考になる。
その山陽開催で見事優勝したのは丹村飛竜。この時は天候に恵まれず、不安定な走路でのレースが続いたが、その難しい局面を乗り切っての優勝。初日3着以降は1着を3本重ねる圧巻の成績。まだまだ若手の部類なので、このまま勢いに乗る可能性は大。走路状況に左右されない強さに加え、ミッドナイトの時間帯は走路にタイヤが食いつくので丹村向きの条件と言える。
その師匠の岡部聡も山陽の優勝戦に乗っていた。この時は7着だったが、予選準決は1、1、2着で通過。今期からA級に落ちてしまったが、この優出を期に、再びS級復帰へ機運が高まってくるか。
他にも山陽の優勝戦に乗っていた選手は多い。準優勝だったのが越智尚寿。4日間のシリーズで白星はなかったが、初日の6着以降は全て2着。全体的に見ればけっして悪くはない。優勝戦3着だったのは松尾隆広。重走路やブチ走路が得意な松尾にとっては、前走の不安定走路は大きな味方になったことだろう。これから良走路のレースになったとしても、この流れは維持したい。優勝戦4着は高宗良次。まだ初優勝を経験していないが、元々持っていたスピードに加え、捌きの方も良くなっているので、いつ優勝してもおかしくない近況。優勝戦5着は中尾貴志。このところ軽いスランプに入っていたが、そろそろ脱出しそうな予感。緒方浩一も優勝戦まで進み8着。次は良走路でも結果を出したい。
B級ではあるが、井上智詞が川口遠征で嬉しい初優勝を決めてきた。4日間のシリーズで全て車券に絡む活躍。エンジンはもちろん絶好調で、今回もハンデが最重ハンの30M前に据え置きなら大チャンス。重化して20M前になっても、痛快な走りを披露してくれそう。小里健太も井上が参加してた川口開催のひとつ前の川口開催で優勝しており、乗り手のリズムは上向きだ。
他では地力がある西村龍太郎、東小野正道らのS級陣、S級返り咲きを目指したい前田淳、メキメキと力を付けている丸山智史、一発力がある松生信二や井村淳一、ミッドナイトが得意な滝下隼平あたりにも注目してみたい。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-47(25期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-41(25期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-45(29期)〕
岡部 聡〔山陽 A-1(19期)〕
越智 尚寿〔飯塚 A-65(25期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-64(28期)〕
仕上がり断トツの鈴木圭一郎が圧勝劇を演じる!
走路温度が上がりつつあるこの時期特有の、軽ハン勢の活躍が目立つレースが多かった浜松GIゴールデンレース。優勝戦も0ハンに2車、10線に6車並ぶハンデ戦になった。
0ハンのスタートは恐らく岩沼靖郎が先行。独走が得意の岩沼はペース上がりそう。これに序盤は春本綾斗がしっかりと続いていく。10線からは笠木美孝が飛び出しそう。最内の岩科鮮太も今節はマズマズのスタートを切ってるが、このメンバー構成だとさすがに張り込めないか。中枠から外は金子大輔が枠ナリに出られるかが少し怪しい程度。他はほぼ枠ナリに出そうだ。
岩沼の逃げだが、準決の動きを見る限り序盤で捕まることはなさそう。春本もスピード派で、10線勢は楽ではないか。10線中枠から外枠勢は笠木をどれだけ早く交わせるかが大きなポイント。
当ブログの本命には鈴木圭を推す。10線はこれだけの選手が並ぶと、鈴木圭でも大外からカマシ切るのは厳しそう。ただし、1周バックストレッチで車群のインに潜り込む可能性はある。そうなるとレースの早い段階で好位を奪える。GIの優勝戦で8周回になるのは鈴木圭にとって大きなプラスポイント。序盤で好位を奪えなくても、鋭い捌きで番手を上げていきそうだ。
相手は青山周平。スタートはほぼ枠ナリ発進になりそうだが、鈴木圭と同様に1周バックストレッチで一気に車群を交わして行く技量は持っている。1周回ってきた時の位置取りによっては鈴木圭に先着もありそうだ。3番手は木村武之。今節はスタートの切れが良く、笠木のスタートに乗って行くか、もしくはトップスタートまである。0ハンが逃げ態勢を作る前に交わせればチャンスは増大。レース後半の伸びはやや不安だが、序盤で大きなリードを作れれば自身2度目のゴールデンVも見えてくる。最後に岩沼と春本。どちらもリズムに乗ってしまうと後続を引き離しかねない車速を秘めている。
実力者の金子は、準決の動きではエンジンが足りず、優勝争いとなると上積みが必要になってくる。岩科はスタートで枠ナリを死守すれば面白い存在になり得る。
◎鈴木圭一郎
○青山周平
△木村武之
△岩沼靖郎
▲春本綾斗
また、優勝戦当日は雨予報が出ており、レースは重走路で行われる可能性も高い。そこで、重走路での展開にも軽くふれておく。と言っても鈴木圭は重走路を苦にしないどころか、準決後には「雨も問題ないです」とのコメントが飛び出しており、天候に関わらず本命になる。晴れでは苦戦が想定されそうな金子だが、重走路は「先頭に立てればやられないと思うけど...」とのコメントがあり、良走路よりは重走路での方が期待が持てる。
「雨は最近ずっと良くないので厳しいと思う」との発言が出ている青山周平だが、このメンバーの中では実績もある方で、上位争いに参加してこれそう。「今節はずっとスタート悪くない」の木村武之は好展開に持ち込んでイン粘り込むか。岩科も、かつては雨もよく乗っていたのでスタート次第では戦えよう。
◎鈴木圭一郎
○金子大輔
△青山周平
△木村武之
▲岩科鮮太
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前年のリベンジに燃える鈴木圭一郎!
浜松オート伝統のGI、ゴールデンレースも今年で62回目を迎える。前回の優勝戦は、早々と逃げ態勢作った鈴木圭一郎を、マーク追走していた永井大介が青旗過ぎで執念の捲り。差しを狙うかに見せて、外からの捲りを鮮やかに決めた永井の経験勝ちだった。今回もその両者は参戦。鈴木圭は前年のリベンジを果たしたい。
S級陣のほとんどは、前走が飯塚のSGオールスター。鈴木圭は順調に3日目までを消化していたが、準決でまさかの自落。優出を逃してしまった。ただし、最終日は1着で締めていたので、エンジンや乗り手への悪影響はなさそう。今回も初日から万全の態勢で臨んできそうだ。
昨年度のこの大会の覇者・永井大介はSGでは準決4着で優出を逃すなど不本意な結果に終わってしまった。ただし、シリーズ中は1着2本の2着1本。エンジンとしてはそれほど悪くなく、このゴールデンレース連覇へ向けて十分な状態ではある。鈴木圭の猛攻を跳ね除けるか。
今、一番乗れているのは佐藤貴也。前走の飯塚のオールスターでSG初優勝を飾った。インコースを徹底して回り、更にスピードも乗せるというオリジナルの走りを編み出した。同じ走法をできる選手は限られており、ここから記念タイトルを量産してくるか。エンジンに関してはもちろん絶好調と言える。
佐藤と同じくSGタイトルを渇望していた篠原睦は、今回も優勝とはならなかったものの、準優勝の結果を残した。好枠から武器のスタート力を発揮し、先頭には立てなかったが2番手を死守できた。エンジンは安定して動いているし、乗り手の方もリズムには乗れている。
SGの優勝戦4着だったのは青山周平。その後の地元ナイター戦でも、ソコソコの走りができていた。浜松は1級車に乗り替わった直後はドル箱走路だったので、今回も楽しみ。SG優勝戦6着だった新井恵匠は、その後の地元でもいい動きを見せていたが、準決で攻めを焦り反則。エンジンはいいが、反則を取られたことによる心理的影響は不透明。SG優勝戦7着だったのは岩崎亮一。優勝戦は0オープンの8枠からのレースで苦戦していたが、予選準決などは鋭い走りができていた。SG優勝戦8着だった浦田信輔は、その後の伊勢崎ナイター2日目に被害があって落車。しかし、その直後のレースでは内外自在の走りができていたので心配はないか。
今回の地元浜松勢は、鈴木圭や佐藤貴也の他にも注目選手が多い。金子大輔、木村武之の両者はSGでは優勝戦に乗れなかったが、シリーズを通して見ればエンジンは崩れてなく、中堅上位の仕上がりにはある。木村は2005年以来のこの大会Vを、金子は初タイトルを目指し気合を入れて臨んでくる。調子を落としている遠藤誠、渡辺篤らも地元の開催ならば整備で上昇させてくる可能性が高い。中村友和は、相変わらずスタートやレース運びにムラな面を残しているが、ツボに入ったときのパワーは強烈で台風の目的存在になるかも。また、A級ではあるが近況好調だった藤波直也が、前走の伊勢崎で青山周平らを振り切って優勝している。
外来S級は、先述のSG優出組のほかでは吉原恭佑、田村治郎、大木光、佐藤裕二、若井友和あたりがエンジン的には中の上で、今回も見せ場を作ってきそうだ。また、A級ではあるが平田雅崇が好調。前走の地元開催は優出し4着だったが、その前と更にその前の開催で優勝。全盛時の動きが戻ってきている。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
永井 大介〔川口 S-3(25期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-27(25期)〕
久々に一般開催となる山陽オート!
記念レースが続いていた山陽オートで、今回は4日間の一般開催が行われる。S級は地元山陽が5名と飯塚が4名の予定。A級とB級も山陽勢と飯塚勢が多数参戦し、この2地区の対抗戦の様相。しかし、他の地区からの伏兵も見せ場を作ってくるかも。
S級勢の前走は全て飯塚のSGオールスター。ただし、今回出場する中で優勝戦まで行った選手はいなかった。山陽でランクトップの松尾啓史はSGの初日に白星を挙げたが、その後は失速。持ち味の追い込みを披露することはできなかったが、今回のような地元のハンデ戦なら力を存分に出してくる可能性は高い。佐々木啓は飯塚でもエンジンは悪くなかった。調子の波が穏やかな方なので、今回も初日から勝負になりそう。人見剛志は本来の切れ味を欠いていた。こちらも調子の波は穏やかなので、エンジンの底上げが必要になってくる。丹村飛竜は準決3着で、惜しいシリーズになってしまった。今回はその時のウサ晴らしといきたい。西村龍太郎は全くいいところがなかったので、今回は巻き返しを図りたい。
飯塚勢のランクトップは荒尾聡。SGでは3日目に凡走してしまい、準決進出も逃してしまった。今年の勢いを考えれば不本意なシリーズになったが、後半2日間は連対を果たしていたので、エンジン的には戦えない状態ではない。武器のスタート力を遺憾なく発揮して速攻を決めてきそうだ。田中茂は大きな着は取ってないがその反面、連対が一回もなかった。松尾同様にハンデ戦で存在感を示せるタイプなので、後方からの追い込みに期待したい。有吉辰也は、SGではイマイチだったが、4月にここ山陽GIで久々に記念を制覇。その時の走りを取り戻せば、優勝争いにまで参加できる。
山陽A級では丸山智史がSGで元気のいい走りを見せていた。エンジン上昇と共に乗り手のリズムが上向いている。今期はA級の浜野淳は少しずつだが、復調の兆しが出ている様子。同様に前田淳もSGで初日から2連勝を決めるなど良化ムード。吉松憲治と松生信二は4月の地元GIで活躍していた。
外来A級は、久門徹が前走のSGで軽快な走りを見せていた。スタート一気から好位を奪うと、車券に絡む活躍が多かった。秋田貴弘は地元開催でマズマズの動き。
B級は、長欠明けから数節をこなした小栗勝太がずっと好調。スタート甘いが、イン一本の攻めで追い上げてくる岩永清文や、同じくスタートは不安だがエンジンは堅調の川原剛にも注目。新人では飯塚の吉川麻季が川口で準優勝を決めてきた。4日間のシリーズで1勝を含むオール連対。ハンデ的に恵まれている状況ではあるが、結果を出しているので本人の自信につながるハズ。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
人見 剛志〔山陽 S-36(28期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-45(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-34(25期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-47(25期)〕