絶好調・早川清太郎に抵抗できるのは...
7月1日にGIムーンライトチャンピオンカップが終わった伊勢崎オートで、今度は4日間の一般開催が行われる。間隔が一週間も空いておらず、GIの時の動きが大いに参考になりそう。
そのGIで見事優勝したのは早川清太郎。大会3日目には他落の被害があったにも関わらず、落車前よりパワーアップして立て直してきた。優勝戦では早川らしい追い込みが決まっており、エンジンも乗り手も最高潮。今回も初日から飛ばしていくものと思われる。
その早川に優勝戦で敗れたのが高橋貢。優勝戦は序盤から最後まで最後方を走っていた。全く前に進むことができなかったが、シリーズ中に3勝を挙げており、優勝戦を除けば申し分のない活躍を見せていた。エンジン状態的には決して悪くないので、今節も冷静に追い上げていきそう。
ランクで言えば青山周平が伊勢崎でナンバー1。ただし、GIの3日目に落車。そのまま参加解除になっており、今回も元々は出場予定だったが公傷で不参加になってしまった。新井恵匠はGIの準決4着で優勝戦には進めなかったが、3日目などは積極的な走りができており、エンジンも乗り手もマズマズの位置にある。西原智昭も準決3着で優出はならなかったが、シリーズを通してよい走りを見せていた。内山高秀、三浦康平、田村治郎、田中賢、松本やすしなどは調子が上がってこなかった印象。
外来S級は5選手の予定。その中では浜松の金子大輔と木村武之が強力な存在。どちらも前走は伊勢崎GIなので、伊勢崎は連続参戦となる。2人とも2日目に1着があるが、シリーズを通して見れば決して納得のいく内容ではなかった。今回は一般開催になるが、前回のリベンジを果たしたい。
飯塚からは篠原睦が参戦。篠原は前走の地元でしっかりと優出。初日から連勝を決めるなど代名詞である「安定感」は健在。大崩れすることがほとんどないレーサーだ。素早いスタートからの速攻で伊勢崎のファンにも強烈な印象を残し続けている。
川口からは佐藤裕二が参戦。佐藤は前走が飯塚だったが、日によって成績はムラだった。まあ、エンジン的には悪いわけでもなさそうなので、強気の差しを武器に車群を突破していきそうだ。
A級では仲田恵一朗が好調。前走のGIでは優勝戦まで進み3着に入った。予選道中も上位着でまとめており、乗り手もエンジンもいい状態にある。同じ大会で優勝戦まで進んでいた木村享平だが、その優勝戦で被害があり落車。準決までは素晴らしい走りを見せていたので悪影響がなければいいが。
山陽の岡松忠も近況はリズムが良い。前々走の地元で優出すると、その後の飯塚でも優出し2着。準優勝だった。このシリーズは4日間開催だったが、全てのレースで2着。オール連対を果たしていた。この優勝戦には越智尚寿も乗っていた。こちらはエンジン乗り替わってすぐ結果を出していた。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-14(30期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-7(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-19(24期)〕
早川清太郎が大会連覇を達成!
伊勢崎オートで行われた第25回GIムーンライトチャンピオンカップは、地元の29期・早川清太郎が制した。昨年度も早川が制しており、これで大会連覇となった。
優勝戦は中村友和のフライングで、スタートは仕切り直しになった。0ハンから飛び出したのは仲田恵一朗。これに高宗良次が乗っていく。木村享平は後手を踏んでしまう。10線からはフライングをした中村がへこみ、早川清太郎が先行しかけたが、内から若井友和が盛り返していく。しかし、1周3コーナーで若井は木村のインに突っ込んで接触落車。若井と木村は戦線離脱となってしまう。
先頭を走る仲田に高宗は追走がいっぱい。仕掛けるまではいかなかった。若井がいなくなり、10線勢で最も好位に付けた早川は冷静だった。強引に仕掛けていくことなく、まずは高宗をパス。すると、先頭を走る仲田の動きをじっくり見ながら、落ち着いて態勢を整え万全の状態で捌いていった。後方からは鈴木圭一郎が追い上げてきたが、2番手に立ったときには早川との差が大きかった。結果的に早川が1着、鈴木圭が2着になった。絶対王者・高橋貢は後方のままで全く進めなかった。
それにしても、早川は地元のGIで無類の強さを発揮している。ムーンライトを連覇しただけではなく、今回で地元のGIで4連勝となった。走り慣れた走路でやりやすいのはあるだろうが、それだけで結果を残し続けるのは簡単ではない。おそらく地元ファンの声援がしっかり届いているのではないか。事実、伊勢崎オートレース場では早川のファンが多い。積極果敢なレーススタイルは、かつての伊勢崎のエース・田代祐一を彷彿させるものがある。前を走る選手のインに車を向ければ必ず突っ込んでいってくれる。これは車券をもっているファンからすれば、最も嬉しい戦闘スピリッツ。仮に車券が外れたとしても、納得のいく走りを見せてくれる。このようにファンを魅了し続ける走りをする選手が増えてくることを祈りたい。
今回のミッドナイトは27期勢に注目!
今回は4日間のシリーズでミットナイトレースが開催される。S級の参加予定は3人で、そこまで調子の良い選手は不在。むしろA級に元気が良い選手が散見され、こちらの方が優勝争いに参加してくるか。
地元のS級はただ一人。岩見貴史だ。前々走の山陽で久々に優出し、復調の兆しが出たかに見えたが、前走の地元開催では活躍することができなかった。エンジンは安定しない状態だが、同じレースで走る中で試走タイムが少しでも優勢なら、戦える足が出たとみていいだろう。
外来のS級は遠藤誠と角南一如。遠藤誠は前走の川口一般開催ではイマイチだったが、初日と最終日は2着を取っており、エンジン状態はそこまで悪くない。角南は前走の飯塚ではソコソコだった。準決は3着だったが初日と最終日に1着。今回はミッドナイトレースで、昼間の開催よりはタイヤが食いつきやすい条件。角南にとっては走りやすくなるだろう。
A級で最も好調なのは新村嘉之。前走の地元開催で久々に優勝した。それも4日間シリーズで2日目から全て1着の3連勝を達成。エンジンも乗り手も最高潮。ただし、この時は最重ハンの20M前からのレースだった。この優勝でハンデ重化は避けられないだろうから、今回からは展開が厳しくなる。これを乗り越えられるかが大きなカギ。
新村が優勝したレースには田中進と川端孝も乗っていた。田中はミッドナイトとの相性が良く、大きなコースを回って番手を上げてくるタイプ。対照的に川端はインコースをべったりと回って後続を封じ込むタイプ。走りの特徴は違うが、それぞれに持ち味を発揮して車券に貢献してきそう。
外来では川口と浜松のA級に注目。川口の阿部剛士は前走の浜松GIIで優出し3着。予選道中も上位着でまとめており、エンジンをいい位置で保てている。青木治親は前走の地元で優出。しかし、その優勝戦で自落。今回は落車明けになるので初日の試走は特注だ。浜松ではS級に匹敵する実力の持ち主・松山茂靖が来場。近況の成績もまずまずで、スピードに乗った豪快な捲りを武器に優出を狙う。スピード面では柴田健治も注目したい存在。こちらはスマートなレース運びで上位に進出してくる。鈴木静二は速攻が武器。ハンデが前の選手を叩いて素早い仕掛けを見せてくる。筒井健太は現在、ハンデ的に恵まれている。最重ハンでレースしていたこともある同選手だが、最近は最重ハンの20M前からの競争が多く、うまく展開を生かせば連に絡める状態。
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主な出場予定選手
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岩見 貴史〔飯塚 S-35(29期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-31(25期)〕
角南 一如〔山陽 S-42(27期)〕
松山 茂靖〔浜松 A-2(26期)〕
柴田 健治〔浜松 A-16(27期)〕
田中 進〔飯塚 A-45(27期)〕
阿部 剛士〔川口 A-84(27期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-217(27期)〕
佐藤貴也が浜松の留守を預かる!
今回の浜松一般開催はS級がやや少なく8人の予定。出場する中で地元のランクトップは佐藤貴也。今年の佐藤貴はかなりパワーアップされ、記念レースでの活躍が目立つ。強力な外来勢にも抵抗できる状態だ。
その佐藤貴は前走の川口では準決3着で優勝戦には進めなかった。しかし、他の3走は、1着2本を含むオール連対の内容。エンジンは中の上を保てており、充実した様子がうかがえる。今回は地元走路なので、優出はノルマと言える。もっと言えば優勝まで狙える状態にある。
その佐藤貴と共に地元のS級として牙城を守るのは伊藤信夫と渡辺篤。伊藤は前走の飯塚では優出できなかったが、最終日は試走32をマークしていたようにエンジン状態はマズマズ。スピードに乗った走りで中団を交わして行きそう。渡辺は前走が地元のGIIだった。こちらは初日の白星からいい流れできていたが、準決からは失速。最終日は試走タイムを大きく落としてしまい、心配の残るシリーズになった。
外来S級で注目なのは荒尾聡。前走の地元ではしっかりと優出し5着。予選や準決で1着があるように、荒尾らしい走りはできていた。優勝戦は、0ハンから逃げる新村嘉之のペースが上がり苦しんだが、荒尾自身は悪いわけではなかった。武器のスタート力も健在。その飯塚からは東小野正道も参戦。ただ、東小野は近況、なかなか調子が上がってこない印象。なにかのキッカケで良化の兆しを出したいところ。
山陽からはS級が3人参戦予定。その中では丹村飛竜が前走の地元で優出した。優勝戦は5着だったが、初日と準決では見事1着。本来の車速が発揮できている。巧腕・松尾啓史はエンジン状態が安定しない。良かったり悪かったりで車券的には狙いにくいが、並の試走タイムが出たときは十分買える一人。混戦になる方が、より松尾の能力が発揮されるだろう。西村龍太郎は全くリズムが良くない。同期の東小野とともに状態を上向かせたい部類の一人。
A級でも調子の良い選手がちらほらいる。地元の青島正樹は、前走の川口でマアマアだったし、その前の地元GIIでは優勝戦まで進んでいた。元々、長らくS級にいた選手なので、S級復帰の日も近いか。川口からは鈴木清が絶好調。前走の地元4日間開催では準優勝だった。それもシリーズ中、オール連対の安定感。最重ハンに戻ってからも結果を出し続けている。
山陽からは丸山智史と前田淳が上々。丸山は前走の地元で優出。ゆっくりとだが着実に成長している。前田は前走の飯塚で優出し3着。予選道中の動きも良かった。
B級では独走力ある赤堀翼や、0ハン単騎ならアタマから買える金田悠伽や山本将之の2級車にも注目したい。
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主な出場予定選手
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佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-20(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-21(31期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-47(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-41(25期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-45(29期)〕
修正してきた鈴木圭一郎が決める!
好天に恵まれシリーズが経過してきた伊勢崎GIムーンライトチャンピオンカップ。その影響もあってか、走路温度が高いレースが多く、軽ハン勢の活躍が目立った。準決でもハンデが10M前の選手が何人か優出し、優勝戦はハンデ戦となった。
0ハンに3車、10線に5車並んだ。こうなるとスタートを含めた序盤の位置取りが大きなポイントになる。まず0ハンは高宗良次が先行か。木村享平は準決からハンデが重くなり、厳しい状況のなか見事優出を勝ち取ったが、優勝戦となるとさすがに苦しい印象。スタートでも同ハンで後手を踏みそうで展開を作れないか。2番手には仲田恵一朗が出て行きそう。
10線は最内の中村友和が先行できるかどうか。スタートはムラな傾向がある同選手なので、先行が濃厚とは言いがたい。内寄りの若井友和が飛び出しそう。そこに早川清太郎、高橋貢、鈴木圭一郎と続く形か、鈴木圭が2番手で出て行くかどうか。
序盤は高宗がレースを引っ張る展開。独走力は高いモノがあり、いきなりの逃げに入るとペースは上がりそう。ただし、準決で高橋貢に捕まっているように、最後まで先頭を走るのは厳しそう。仲田や木村では高宗を追って行くのは難しそうで、0ハンは道中で10線勢に交わされてしまいそう。
10線から先行しそうな若井も、先に0ハンを突破して先頭に立っても外枠勢を振り切るまではないか。ここは早川を含めた10線外3車の争いになりそう。展開的には早川が有利。3日目の落車の悪影響もそこまでなさそうなので、0ハンや若井を交わして先頭に踊り出る可能性は大きい。昨年、この大会を制した早川の連覇も十分ありえる。
しかし、当ブログでの本命には鈴木圭を推す。今回は初日に快勝を見せたが、2日目は3着。3日目にいたっては近況の鈴木圭の動きからしたら意外とも思える惨敗に終わった。それでも準決ではシッカリと軌道修正に成功し、本来の鈴木圭の走りができていた。優勝戦は同ハンから2番手発進もありそうで、素早い仕掛けを見せてくるか。仮に、スタートでそこまで好位を奪えなかったとしても、記念優勝戦の8周回をフルに生かして進撃してきそう。
相手には早川を挙げる。準決は猛追も2着止まりだったが、勝負どころでは久門徹のインに強引に突っ込んでいた。地元GIにかける思いは強く、大会連覇を目指し激走を見せてくる。3番手には高橋貢。今節はこれまで安定したレース運びを見せており、早川や鈴木圭の進み方が甘いようだとチャンスが生まれる。爆発力で言えば中村も怖い。スタートに注文のつく同選手だが、先行してしまえば強烈なスピードを発揮してくる。最後に高宗。まだ優勝は未経験だが、このハンデの選手にしてはスピードがあり、10線勢が競り合うようなら初優勝が記念タイトルになる可能性もある。
◎鈴木圭一郎
○早川清太郎
△高橋貢
△中村友和
▲高宗良次