第22回SGオートレースグランプリ開幕!
2016年から8月にナイターで行なわれるようになったSGオートレースグランプリも今回で22回目。昨年は高橋貢が優勝し、SGダブルグランドスラムを達成して幕を閉じた。今回も同じ伊勢崎レース場で開催される。高橋貢の連覇になるのか、それとも...。
前年覇者の高橋貢はマズマズ好調。前走の地元では準決だけ3着で優勝戦には進めなかったが、それ以外の3走は全て1着。更にその前の節ではシッカリと優勝を決めており、エンジンは高い位置にある。今回に向けて機力も気力も好気配で臨めそう。
今回の地元伊勢崎のS級は層が厚いが、その中でも主力級は青山周平と早川清太郎。青山は地元一般開催が前走の予定だったが、急きょ公傷で欠場となった。実質の前走になる川口GIでは、イマイチな結果に終わっただけに不安残りの状況ではある。早川は前走の地元開催で優勝戦まで進んで6着。しかし近年は地元の記念で活躍するケースが目立ち、前年のこの大会でも優勝戦まで進んでいた。悲願のSG初優勝へ向け舞台は整っている。
他にも伊勢崎勢では内山高秀が上向いてきているし、西原智昭もエンジンは概ね好調。更に新井恵匠や吉原恭佑などの若武者勢も、展開を突いて上位に進出してくる可能性は大きい。
SG常連組で状態が良いのは鈴木圭一郎。優勝からは4節遠ざかっているが、ほとんどの開催で優出は逃しておらず、エンジンを高い水準で保てている。近況は車の乗り替わりなどもあったが、それまでと変わらぬ強烈な走りを見せている。今回もよほどの事がない限りは優出、そして優勝争いに参加してくるだろう。
鈴木圭と同地区の金子大輔は、前走の地元で優勝しての参戦。エンジンと乗り手のリズムは最高潮。金子は2011年に、ここ伊勢崎で今回の大会をSG初制覇で獲っている。相性のいい大会、レース場と言える。木村武之も2009年に、この大会でSG初優勝を飾っている。この2人に限っての事ではないが、SGオートレースグランプリは、他の大会よりSG未戴冠の選手が優勝する傾向が強い。今回に当てはめると早川あたりが怖い存在。
今年、SGを獲っているのは佐藤貴也。その後も一定の活躍を示しており、今回はSG連続優勝がかかっている。インベタながら高速で走り抜けるスタイルは今大会も注目の的になりそう。昨年末に、スーパースター王座決定戦で久々にSGを制した荒尾聡もエンジンは悪くない。ただし、近況はフライングが多発しており、最大の武器であるスタートは慎重にならざるを得ないか。SGの実績で言えば、現役の選手で高橋貢に次いで2位の永井大介だが、近況はエンジン完調ではないにしろ、ある程度の結果は残せている。前々走の地元GIでは素晴らしい走りで優勝。その時の勢いを今回にも持続させたい。
一時期は走りにキレを欠いていた浦田信輔だが、ようやく以前の走りが戻りつつある。前走の地元開催ではオール連対の準優勝だった。捌きの鋭さでは中村雅人にも注目だが、エンジンはそう悪くない状態とは言え、SGではどこまで通用するかといった近況。優勝争いをするには上積みが必要だ。山陽勢は松尾啓史と佐々木啓が調子を上げてきた。人見剛志、丹村飛竜のスピード派も前走では優勝戦に進出しており、大会を沸かせる存在になるだろう。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
永井 大介〔川口 S-3(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-11(28期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
鬼の居ぬ間のガチバトル!
この開催の直後にSGが控えている関係で、今回はS級とA級上位の選手は不在。普段は優勝争いに参加するのが厳しい選手にとっても今回ばかりは大チャンス。各選手が気合を倍増させて今回に臨む。その中でも好調な選手や注目の選手を挙げていく。
ただいま絶好調なのは新村嘉之。ちょっと前に最重ハンの20M前で優勝してからはハンデが10M引っ張られ、最近は最重ハンの10M前で戦っていた。エンジンは好調を維持していて、前走の地元開催でも優勝を成し遂げてしまった。それも、優勝戦では浦田信輔に1回は捌かれながらも必死に食らいつき、ゴール前で外から物凄い伸びを見せて浦田をチョイ差し。エンジンは吹きに吹きまくっていた。更にハンデが重くなりそうだが、今回の開催は通常最重ハンで走っている選手が少ないため、ハンデ位置を最重ハンの10M前に並べてしまう可能性が高い。そうなると実質、新村はハンデ据え置きで今回もチャンス。連続優勝も十分ありそうだ。
その同期の重富大輔と前田淳も状態は良い。重富は、新村が優勝したレースに乗っていた。結果は5着だったが、準決はしっかり1着で通過しておりエンジン状態はマズマズ。今回のメンバーの中ではスピード上位で、捲りを主体にした攻めで圏内に入ってきそう。前田は前々走の地元GIIで優勝。その後の飯塚一般開催では準決3着で優勝戦には行けなかったが、それ以外の3走は1着2本を含むオール連対。実力的にはSGに出場してても何らおかしくない選手なので、今回は優勝候補の一人に挙げられる。
山陽勢では高木健太郎と岡本博幸にも注目。高木は、新村が優勝したレースに乗っており、序盤は軽快な逃げを見せていた。新村と浦田にやられてからもズルズルと後退することなく3着に踏みとどまった。まだ走りは安定しないが、着実に力を付けており初優勝も遠くなさそうだ。岡本は2節前の飯塚開催で優出。優勝戦は6着だったが、それまでの3走はオール連対。夏場の走路にも対応できている。
川口勢では、GIキューポラ杯で石井大志や田辺誠が良い走りを見せていた。小原望は前走が4日間の一般開催だったが、準決の7着以外はオール連対。持ち味のスピードを披露していた。
B級では復調の兆しがある町田龍駿、渋太い走りで上位着をまとめている秋吉忠幸。そして、城戸徹。城戸は前走の地元で初日から1着、2着、準決2着で、優勝戦へ行けるかに見えたが、この節は初日と準決で試走戒告を取られ、勝ち上がり権利を喪失。同じ節で2度、試走戒告を取られると失権してしまうというルールに引っかかってしまった。ちなみに試走戒告とは、試走タイムと本走タイムの差が2以内だと取られる戒告のこと。実際、この準決では試走48で、上がりタイムは50。残念な結果になったが、エンジン状態がいいのは間違いない。更に言えば、試走タイムが出なくても狙える選手の一人だ。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕児〔飯塚 A-44(32期)〕
重富 大輔〔飯塚 A-72(27期)〕
高林 亮〔飯塚 A-74(27期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-217(27期)〕
前田 淳〔山陽 A-30(27期)〕
金山 周平〔伊勢崎 A-51(27期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-91(23期)〕
岡本 博幸〔山陽 A-144(21期)〕
好調の永井大介を地元勢が総力をもって包囲!
今回は、前回の伊勢崎で優勝戦に乗っていた選手が多く連続参戦。ただし、川口ナイターGIで活躍した選手も何人か参戦しており、前回伊勢崎組がそのまま活躍できるかは疑問。主力となる選手や、気になる選手を挙げていく。
まずは永井大介。前走の地元のナイターGIで見事に優勝してきた。シリーズ中は3日目に4着があったが、それ以外の4走は全て1着。持ち味であるカマシスタートが連日決まって、永井の勝ちパターンに持ち込めていた。今回はレース場は変わるが、レースの時間帯は同じナイター。伊勢崎走路との相性も悪くないので、多数参戦する地元伊勢崎勢にとって最もマークすべき存在になる。
前回の伊勢崎開催で優勝したのは高橋貢。初日は4着と出遅れたが、その後はしっかりと軌道修正ができ、1着を3本重ねての優勝だった。優勝戦では8枠の大外から好スタートを決め、いつもの自分のレースができていた。今回は連続優勝を狙って、万全の仕上がりを維持させるものとみられる。
その高橋貢に敗れて準優勝だったのは西原智昭。敗れたと言っても優勝戦で30線5車並びから先行し、速攻を決め1回は先頭に立てていた。その前の節では優勝していたようにエンジン面はかなりの出来。スタートの切れ味も良く、乗り手のリズムも悪くない。高橋貢にリベンジするため、更には船橋時代にお世話になった永井に対し成長した姿を見せるためにも初日からノンストップで行きそう。
新井恵匠は高橋貢、西原に次ぐ優勝戦3着だった。予選中は初日からオール連対。更にその前の節でも優勝戦に進み準優勝など、現在のところ機力はすこぶる好調。エンジン上昇と共に人間の方も乗ってくるタイプで、今節こそ優勝へ執念を燃やしているハズ。前回の伊勢崎で優勝戦4着だったのは吉原恭佑。エンジンが上向かず苦しい状況が続いていた時期もあるが、ようやく良くなってきた。エンジンが並以上になれば強気の仕掛けも決まりやすい。早川清太郎は前走が川口ナイターGIだったが、準決3着で優勝戦には進めなかった。しかし、初日からある程度の成績でまとめられたいたので、エンジン状態としては悪くはない。
外来S級は、永井以外には山陽の松尾啓史と藤岡一樹のみ。共に前走は川口ナイターGIだったが、松尾は優出、藤岡は凡走に終わった。松尾はシリーズ通して白星はなかったが、自在性ある走りで上位着でまとめられていた。序盤の仕掛けが遅いので、どちらかというとスピードレースよりも混戦で力を発揮できるだろう。藤岡は、いい時の動きが戻ってこない。それでも時折り強烈な走りを見せることがあるので、その時は車券的にきっちり狙い打ちしたい。
A級で注目なのは前走で優出した西村健だが、その時は最重ハンの30M前だった。今回もハンデ据え置きなら再び活躍できるが、ハンデが重くなるようなら展開は厳しくなる。他では飯塚の久門徹はA級でも、実力的にはS級と変わらないモノを持っている。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-12(32期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-14(30期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-39(28期)〕
永井 大介〔川口 S-3(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
地元浜松勢が磐石の布陣!
若手を中心に成長が著しい浜松勢は、選手層の厚さが強まっている。全国ランク1位の鈴木圭一郎を軸に、各選手が地元でも遠征先でも活躍を見せている。今回出場する中には、先に行われた川口のナイターGIで好成績を残した選手がちらほら。調子の良さを活かして今節も素晴らしい走りを見せそう。
4期連続での全国ランク1位が決まった鈴木圭一郎は、前走の川口GIでもしっかりと優出。優勝戦では必死の追い込みも及ばず永井大介に負けてしまったが、シリーズを通してオール連対で終えるなど機力の高さは窺えた。スタート、捌き、スピードのどれをとっても一流っぷりを見せ付けている。今回もよほどの事がない限りは優勝戦まで進出してくるハズ。そして、優勝に最も近い選手の一人だ。
鈴木圭と同じく川口GIの優勝戦に乗っていたのが鈴木宏和と中山光の32期勢。鈴木宏は武器のスタートが冴え渡っていた。準決でも10M前の2車を叩くスタートを決め、絶好の展開に持ち込めていた。独走力にはやや課題が残るものの、スタート力はかなりの脅威。夏場で追い込みが利きづらい状況の中で、スタートで前を交わせるのは大きな強み。中山もスタートは上手い方だ。更に、独走力が高まってきた印象。早めに抜け出せば、最重ハンの選手でも追い込めないスピードを持っている。
地元4強の内、鈴木圭以外の3者も前走は川口GIだった。金子大輔は準決で惜しくも3着になり優出は逃したが、エンジンが出てなくても混戦を突いていけていた。捌きに関しては上位級で、エンジンが並より少しでも上になれば総合戦力としては強力。木村武之は3日目の凡走で準決には乗れなかったが、格下相手の一般戦ではしっかりと1着を取っていた。川口一般開催で準優勝後に臨んだ佐藤貴也は、初日に1着を取ったものの、その後は失速してしまった。ただ、連日苦しい位置からの競争で展開を作れなかったためで、エンジンや本人の気力としてはそれほど問題ない。
外来S級は、そこまで好調な選手はいない。篠原睦、田中茂、佐々木啓は前走が川口GIだったが、思うような結果を出せなかった。中野憲人、岩崎亮一にしても近況は並レベルなので、少しでもエンジンに上積みが欲しい現状。
A級では、山陽の丸山智史が絶好調。前走の飯塚一般開催では自身4度目となる優勝を決めた。それも4日間のシリーズでオール連対の安定感。更にその前の地元GIIでも準優勝しており、乗り手のリズムは最高潮だ。まだまだ伸び代もある同選手なので、今後の飛躍が楽しみ。
前走で優出しての参戦となるのは鈴木健吾や番田隆弘など。鈴木健吾は、以前は淡白な走りが目立っていたが、ここ数年は混戦でも諦めずに攻めていく姿勢が好成績につながっている。番田は速攻が最大の武器。熱走路で序盤の仕掛けが決まるのは展開的に大きなアドバンテージになる。他ではA級ながらS級並の実力がある青島正樹や、最近は捌きも身についている岡谷美由紀などにも注目したい。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-7(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
中野 憲人〔川口 S-40(24期)〕
永井大介がキューポラ杯を連覇!
7月30日に行われた川口のナイターGIキューポラ杯は、地元の25期・永井大介が制した。昨年に続く同大会で連覇を達成した。
試走タイムは8号車の鈴木圭一郎が一番時計の29。優勝した永井は、それに次ぐ30のタイムだった。松尾啓史が31で、他の選手はそれより大きなタイムで35以上となった。
レース展開だが0ハン単騎の中山光がしっかりとスタートを残し逃げ態勢。10線からは最内の佐藤摩弥が飛び出していく。その一つ外の鈴木宏和が乗って出る。その後には池田政和が続いていく。0ハンの中山はそこまでペースが上がらなかった。追撃態勢を整えていた佐藤摩が隙を見てインに突っ込む。今度は佐藤摩が逃げに入る。しかし、すばやく2番手まで上がっていた永井が、インに入って佐藤摩を交わす。そこからは8号車の鈴木圭が迫っていたが、永井が振り切ってゴール。展開作りがうまくいき、最高の結果となった。
今回のレースでの永井は円熟味を増していた。記念レースで優勝するには、さまざまな条件をクリアしなければ成し遂げられない。今回はエンジン悪くなかった永井だが、試走の一番時計は鈴木圭で、ここに勝つためには最良のレース運びをしなければならなかった。まずはスタート。鈴木圭に先行されてしまっては、優勝への道が閉ざされてしまう。ここをきっちりとこなすことができた。その後は、鈴木圭より先に前団を捌くことが絶対条件。ここもすんなりクリア。簡単にできるように思えて、なかなかできないのがプロスポーツの本番。しかし、ここで自分の力を最大限に発揮できる永井は、まぎれもなく一流のアスリート。揺るぎないスピリッツを見せ続けていってもらいたい選手の一人だ。