伊勢崎の伝統GIムーンライトチャンピオンカップ!
伊勢崎オートの夏のGIと言えばこれ、ムーンライトチャンピオンカップ。タイトルの後ろに『争奪戦』が付く時もあるが、今回はノーマルバージョン。前回の覇者は地元の早川清太郎だった。外来勢の優勝も多い同大会だが、今回は誰が優勝するのか。
地元のツートップの一角、青山周平は近況絶好調。ほとんどのシリーズで優勝戦まで進出している。なかなか優勝までは達成できていないが、この安定感は大きな強み。地元走路のナイター開催なら、まさに鬼に金棒といった状況だ。よほどの不利でもない限りは、連日上位着でまとめてくるものと思われる。もう一人は高橋貢。前走の浜松GIIではイマイチな結果に終わったが、地元は連続優勝中で、連対率ももの凄く高い。地元ならば最大限の力を発揮できる。
前年度覇者の早川清太郎は、近況の動きもマズマズ。前走の飯塚は不発に終わったが、その前の地元では優勝戦に進み3着。準決では試走27をマークするなどエンジンはすこぶる好調だ。特に早川は地元の記念でいつも以上の力が出る傾向にあるので、連覇を達成することも十分ありそう。他に地元S級では新井恵匠が調子いい。前走の浜松GIIでは準優勝だった。エンジン上昇と共に、走りに果敢さが戻っている。困難な展開でも打開できている。
近況は地区全体のレベルが上がっている浜松。全国ランク1位の鈴木圭一郎は前走の地元GIIで完全優勝を達成。今、最もノリに乗っている。その優勝戦で8着だった金子大輔だが、エンジン自体は悪くない。SG初優勝を決めた伊勢崎の地で再び躍動するか。当地ではGIも制している。木村武之もエンジン状態は上々。当地はGIシルクカップを3度制するなど走路との相性もバッチリ。今度はナイターGIのタイトルを手にするか。中村友和も前走の地元GIIで優出しており、エンジン面は問題ない。課題を挙げるとすればスタートのみ。
直前の川口ナイターで優勝したのは若井友和。予選中から動きは良かったが、優勝戦では早々と抜け出した大木光を猛追の末に捕えて見事V。充実している様子がうかがえる。同期の永井大介や斎藤撤二は優勝戦に乗れなかったが、エンジンの仕上がりとしては悪くなかった。鈴木圭を打ち負かすなら永井か。
飯塚の雄・浦田信輔は近況『らしさ』が全く見られない。以前だったらインに突っ込んでいたようなシーンでも、車を引くことが多くなってきた。それぐらいエンジンが出てないという事なのか。一時期は成長株だった鐘ヶ江将平も、このところ壁にぶち当たっている様子。しかし、これを乗り越えられれば選手としてひと回り大きくなれるハズ。有吉辰也と桝崎陽介は、結果こそ出てないがエンジン自体はマズマズ。むしろ状態が良いのは久門徹。前走の山陽3日間開催では約一年ぶりに優勝を決めてきた。今回の伊勢崎ではSGの優勝経験があり、期待が持てる。
山陽は岩崎亮一が状態上向きか。前走の地元3日間開催で優出している。ランク的には佐々木啓の方が上。佐々木は前走の浜松GIIは中間着が多かったが、その前の伊勢崎一般開催では雨走路の優勝戦を制している。今回に向けて気持ち的には良い状態で乗り込んで来れる。人見剛志はエンジンが安定しない。それでも一瞬の切れ味はあるので、エンジン良い時は車券的に狙い撃ちしたい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-5(29期)〕
永井 大介〔川口 S-3(25期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-13(25期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
今回は昼間4日間開催の飯塚オート!
前回はミッドナイト3日間開催だった飯塚オートだが、今回は昼間に移行。ファンを迎え入れてのレースになる。主力の荒尾聡に、篠原睦が追加あっせん。更に、岩見貴史が気配上昇中で、地元勢が優勝争いのメインになると思われるが、はたしてどのようなシリーズになるのか。
荒尾はこのところ好調。5月の下旬に地元で優勝を決めると、その後も1着を量産している。持ち味のスタートに加え、エンジン面も高い位置で安定している。今節も爆発的スタートから一気に抜け出すシーンが多く見られるだろう。今回の地元2番手に当たるのは篠原。篠原は地元のミッドナイトで優出すると、その後は山陽に遠征。ここでは準決4着で優勝戦には進めなかったが、それ以外のレースは全て1着でまとめていた。代名詞である「安定感」を変わらず維持しており、車券を買う側からすれば頼もしい存在。
長らく軽いスランプに入っていた岩見貴史だが、前節から急激に上昇カーブを描いていた。山陽3日間開催で優出し3着。初日2着の準決1着と、結果を出し始めてきた。試走タイムも出るようになり、スタートも切れてきたので得意の速攻に期待できる状態。東小野正道は不振が続いている。今年に入ってから良走路での1着がまだ1回しかない。どこかで立て直しのキッカケを掴みたい。
外来のS級は4人の予定。川口から参戦の佐藤裕二は前走が地元4日間開催だった。ここでは思うような結果を残せていないが、飯塚では今年SG2節を走っており、1着が4本と走路との相性はマズマズ。前々節にフライングをしているのは気がかりだが、気合の入ったイン差しを披露したいところ。
浜松からは伊藤信夫。前走は地元のGIIだったが、成績としてはイマイチに終わった。ただし、試走タイムは出ていたようにエンジン自体はマズマズで悪くはなさそう。山陽からは藤岡一樹と角南一如が来場。藤岡は今年に入ってから調子が上がってない。本来のスピードあるレースがなかなか見られないが、スタートが決まった時は早めに抜け出すシーンもあるので、その時はしっかりと狙いたい。角南は前々走の川口で優勝戦まで進んだが落車。その後の地元3日間開催は優出こそならなかったが、落車による悪影響はなさそうだったので一安心だ。
A級では鈴木静二が、前走の地元GIIで優出していた。スタートが巧く、攻めが早い選手だ。最重ハンの前に置かれてのレースが多いので、最重ハンの動きがイマイチな時は積極的に狙える。鈴木宏和も同じGIIで動きは悪くなかった。こちらもスタートが早い。というよりスタートに関しては全国区の技量を持っている。道中の仕掛けに甘さを残しているが、レース序盤から抜け出せそうなら車券の対象になる。山陽の岡松忠は前走の地元で優出。スタート力とイン攻めには定評がある。
地元飯塚勢では松尾隆広が動き上昇中。前々走の川口で優出し3着に入ると、その後の山陽でもソコソコの走りを見せていた。突然の雨にも強さを発揮できるので、天候不問で狙える選手。スピードある滝下隼平や、混戦に強い別府敬剛あたりも優勝争いに参加してきそうだ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-35(29期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-47(25期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-19(24期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-20(24期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-38(29期)〕
角南 一如〔山陽 S-42(27期)〕
永井大介を軸に地元の主力陣が集結!
今回は浜松から木村武之や佐藤貴也など強力車の来場はあるが、主力のメインは地元川口勢。その中でも不動のトップ・永井大介の下に中村雅人や斎藤撤二、若井友和、大木光など実力者が集う。そこに伊勢崎の松本やすしも加わり優勝争いが演じられる。ちなみに今回は4日間のナイター開催だ。
地元エースの永井は、前走の準決の雨走路でまさかの8着になり優出できなかったが、それ以外の3走は全て1着。準決は極端な惨敗だったので参考外とみていい。エンジンは十分戦えるレベルにあり、順当に行けば今回こそ優出は濃厚。地元勢を鼓舞する走りを見せてくれよう。
脇を固めるS級陣は、もはや脇役ではなく誰でも主役を張れるくらいの力量の持ち主たち。斎藤撤二は前走の地元で準優勝。それも4日間シリーズでオール連対という安定感。晴れも雨もこなせるだけではなく、道中の攻めの精度も増してきている。その斎藤を抑えて優勝したのは大木光。優勝戦は試走の時は良走路、レース前にドシャ降りとなり、重走路での競争になったが、良走路の試走で一番時計、重走路のレースでは優勝と状況に左右されない強さを見せた。それも2日目から全て1着で来ており、乗り手もエンジンも絶好調。このまま勢いを保ちたい。この優勝戦には中山光や秋田貴弘も乗っていた。
主力選手の中で、前走が浜松GIIだった選手も多い。川口からは中村雅人や若井友和、森且行、加賀谷建明、五十嵐一夫などが行っていた。中村は初日から順当に着をまとめていたが、準決は4着で優出はならなかった。最終日もピリッとしない走りだったが、今回は地元なのでしっかり立て直すハズ。若井や森なども優勝戦には進めなかったが、シリーズを通して見ればマズマズの内容。加賀谷と五十嵐はあまり元気がなく、加賀谷にいたっては2日目に反則をしてしまった。
その浜松からは木村武之がランク的に最上位で参戦となるが、加賀谷同様に2日目に反則をしてしまった。ただし、それ以外の日は木村らしい走りができていたので、それほど心配はないか。佐藤貴也は初日から3連勝で準決に進出。しかし、その準決は激しい競り合いの末に3着となってしまった。それでも最終日の走りなど見る限り、エンジン自体は悪くなさそうだった。遠藤誠も3日目に反則。無理できない状況にあるが、他の日の内容は悪くなく、エンジンもソコソコ動いていた。
伊勢崎から唯一S級としての参戦は松本やすし。松本も前走は飯塚ミッドナイトで、その時はイマイチだったが、ここ一連の流れを見るとマズマズの推移。スタート決めて自分の展開を作れれば十分車券に絡めるだろう。
A級では浜松勢が元気良い。青島正樹は前走の地元GIIで優出。特に準決では鋭い追い上げを見せており、スタートに頼らないレース運びができていた。その同期・笠木美孝は優出はできなかったが、悪い動きではなかった。爆発力の面から言えば松山茂靖、鈴木健吾、今田真輔といったあたりにも注意が必要。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔川口 S-3(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-11(28期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-13(25期)〕
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
木村 武之〔浜松 S-7(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-31(25期)〕
松本 やすし〔伊勢崎 S-48(32期)〕
強力外来勢が地元勢に襲いかかる!
今回の山陽は3日間の短期決戦。初日がいきなり最終予選で、いち早くセッティングを見つけられた選手が有利になる。地元山陽勢にアドバンテージがあるかに見えるが、山陽オートは開催日数が少なく外来勢にも付け入る隙は十分ある。
今回の地元S級は4者のみの予定。その中でランクトップは岩崎亮一だ。岩崎の前走は川口の一般開催だったが、ここでは思うような成績を残せなかった。4日間のシリーズで白星がなく、準決は得意の重走路だったが、雨巧者が揃ってこのレースでは8着と惨敗してしまった。この時の悔しい思いは今回の地元開催にぶつけたいところ。
角南一如も前走は川口だった。初日からマズマズの走りをすると優勝戦まで進んだが、レースは1周目で落車。試走は良走路だったが、レースまでの間に雨が降ってしまい重走路での競走になってしまったのが影響したか。今回は落車明けなので初日の試走には注目したい。せっかく良化の兆しが出ていたので、悪い影響がなければいいが。丹村飛竜も前走は川口。準決4着で優出はならなかったが、それ以外の3走は1着を2本含むオール連対。上々の動きを見せていた。人見剛志は前走の伊勢崎ではいいところを見せられなかった。
外来の注目は青山周平、篠原睦、田中茂といったあたり。青山は連続準優勝後の前走では、ここもしっかりと優勝戦まで進んでいた。優勝戦は重走路で5着だったが、準決は重走路で1着を取っていたように雨でも結果を残せている。良走路ではエンジンが高いレベルにあるので、今回も天候に左右されない強さを見せてくれそう。篠原も連続で準優勝の後、地元のミッドナイトに参戦。ここでもそれなりの走りを見せていた。田中茂は前走が伊勢崎だった。予選道中を無難にこなすと、優勝戦でも逃げる藤本梨恵を追って2着入線の準優勝だった。やはり全天候型の強みを見せた形。今回もいい流れで乗り込んでくる。
川口から唯一S級として参戦なのは中野憲人。最後方からのレースになるが、混戦になるようだと連対のチャンスが増してくる。今回は弟子の黒川京介も来場。同期一番乗りで優勝を経験すると、その後はハンデを背負ってのレース展開に苦しんでいるが、単騎0ハンからのレースや、序盤で抜け出せるようなハンデ構成の時は狙ってみたい一人。その黒川の活躍に、地元山陽の新人が触発される可能性もある。
A級では連続優出して地元のミッドナイトを走っていた久門徹が上昇気配。松尾隆広は前走の川口で優出しており、調子を上げてきている。その優勝戦には梅内幹雄も乗っていたが、1周1コーナーでまさかの落車。角南同様に初日の試走気配が大事になってくる。
B級では、以前のスタート力が戻ってきている藤達也の速攻に注意。逆に岩永清文はスタートに甘さを残しているが、道中のイン巻き返しはなかなかに強烈。さらに、近況は雨走路でも激走が目立ち、天候に関わらず車券に絡んできている。新人では伊勢崎から田崎萌が山陽初参戦。落車で長期欠場していた以前の動きが戻っているので、十分車券の対象になる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
岩崎 亮一〔山陽 S-27(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-36(28期)〕
角南 一如〔山陽 S-42(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-45(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
中野 憲人〔川口 S-40(24期)〕
圧巻の走りで鈴木圭一郎が完全優勝達成!
ほぼ天候に恵まれた浜松のGIIウィナーズカップのシリーズは、優勝戦も良走路で行われた。予選準決を負けなしできていた鈴木圭一郎は試走31で3番時計となったが、レースは果たして。
試走一番時計は中村友和と新井恵匠で30。次いで、鈴木圭が31、阿部剛士と重富大輔が32、青島正樹と金子大輔が35、鈴木静二が最も悪く36だった。
0ハン単騎の鈴木静二はスタートを残す。10線のスタートは凄まじいシーンが見られた。7車並びの大外に置かれた鈴木圭が、内枠勢を全て包み込んで1コーナーに突っ込んで行く。つまり、この時点で2番手を奪取。そして1周4コーナーで鈴木静のインをすくって先頭に立つ。ここからは完全に一人旅。後ろでは新井がすぐに2番手に付けていたが、鈴木圭との差を詰めることはできなかった。そこから大きく離されて阿部が3着をキープ。金子は試走タイムが表すように、レースに参加できなかった。
それにしても鈴木圭は強かった。優勝戦に限らず5日間全てで全く不安のない走り。鈴木圭を1着固定で車券を持っているファンからすれば、まさに安心してレースを見ていられた。「任せて安心レーサー」の異名は一時、浦田信輔に与えられていたが、今や鈴木圭に移行する時期に来ているだろう。現在23歳の鈴木圭。まだまだ伸び代があるにも関わらず、すでに不動の王者に君臨している。今後どのような発展段階を見せてくれるのか、またオートレースを魅せつづけてくれるのか、ほんとうに楽しみでならない。