木村武之が2度目の山陽スピード王決定戦制覇!
18日に行なわれた山陽のGIスピード王決定戦は、浜松の木村武之が強烈な走りで制した。これで木村はこの大会2度目の制覇。GI優勝は14度目を数える。
試走タイムは一番時計タイの3・25。早川清太郎も25。次いで高橋貢と松尾啓史が27。緒方浩一と人見剛志が28。吉原恭佑が29。前田淳が一番悪くて31だった。全般的に好タイムが出ていた。
レース展開は最内の緒方が先行。これを人見が早めに交わして逃げ態勢に入る。しかし、木村が松尾と前田を突破し2番手に上がってくる。そして、徐々に差を詰め射程内に入ってくる。しっかり態勢を作ると綺麗にインから交わして行く。その後は木村がそのまま押し切り1着ゴール。
13連勝と完全Vがかかっていた高橋貢は序盤で好展開を作れず、追い込みは届かなかった。2着に入ったのは人見。3着には最後方からのレースになった早川が、ジワリジワリと番手を上げて行き、ついには高橋貢をも逆転して浮上してくる。最後は人見に迫ったが、交わすまでは行かなかった。吉原は枠ナリスタートを維持できず、終始後方のままだった。
ここにきて木村武之が調子を上げてきた。前節も地元のGIIで優出3着と悪くない内容。そして、今回の優勝で年末のスーパースター王座決定戦に弾みが付くのは間違いない。なによりスタートが良くなってきたことが大きい。SS戦は連日0オープンでの厳しい戦い。スタートの切れがレースを左右するといっても過言ではない。今回のように10Mオープンの外枠からでも好位に付けられるだけのスタートが切れれば、SSでも自然と結果が付いてくるだろう。
今年最後の浜松は4日間開催!
早いもので浜松オートの今年の開催は今回で最後。年末にSSを控えている鈴木圭一郎にとっては最後の調整となる。今回のシリーズの中心も鈴木になりそうだが、そう簡単にはいかないのがオートレース。抵抗してくる主力や、一発力を秘める伏兵など多くの選手の個性でレースは盛り上がる。
鈴木圭一郎の前走は地元のGII。予選準決で3勝を挙げ、順当に優勝戦まで進出した。優勝戦は好メンバーの大外に置かれ、善戦むなしく5着に終わったが、試走は27秒出ていたしエンジン面には全く不安なさそう。今回も同じ地元開催。気候的にも大きく変わってないので、前回同様の走りに期待できる。
地元のS級は他に伊藤信夫、青島正樹、笠木美孝。伊藤は前走の地元GIIで初日から2連勝。その後はやや失速して中間着に終わった。しかし、連日試走30秒前後は出ていたので、十分戦えるだけの状態にはある。青島も前走は地元GIIだったが、初日に試走落車をして早退。今回は落車明けのレースとなるので、初日の試走には特に注目したいところ。笠木は地元GII後に川口で走っていたが、笠木らしい速攻は見られなかった。エンジン的にも、もうちょっと良くさせないと持ち味が出てこない。
外来S級で元気がいいのは黒岩明。今年は乗り手的に大きな成長が見られ、成績の安定にもつながっている。浜松走路は8月に優勝した実績があり、いい印象を残しているハズだ。前走の地元でもしっかり優出していたように、エンジンは今でも好調をキープ。序盤から素早い仕掛けを決めそう。同じ川口からは高橋義弘も参戦。前走の地元は、あまり良いレース内容ではなかった。それでも元々持っているスピードは冬場に生きてくる。今の浜松走路は高速バンクになっているから高橋義弘向きと言える。
伊勢崎からS級参戦は西原智昭と田村治郎。田村は前走の地元で優出。優勝戦は完調の池田政和の速攻に屈したが、青山周平とやり合うなど見せ場は作っていた。試走も28秒出ていたのでエンジンの状態は良い。西原も田村と同じシリーズを走っていた。準決5着で優出はならなかったが、4日間で2勝を挙げており状態としては悪くない。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
青島 正樹〔浜松 S-41(22期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-45(22期)〕
黒岩 明〔川口 S-17(26期)〕
高橋 義弘〔川口 S-47(29期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-26(28期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-46(30期)〕
人見剛志が高橋貢の連勝ストッパーに名乗りを挙げる!
天候が不安定な予選3日間ではあったが、準決は完全な良走路になり各レースで好タイムが連発した。連勝が続いている高橋貢は順当に準決を勝ち切り、まさに完全復活。他も主力どころが準決を突破し、優勝戦は10Mオープンとなった。
優勝戦も準決と同様、好天が想定されている。ここでは良走路でのレースの展望をしていく。まずは10Mオープンのスタート予想。
最内の緒方浩一が枠の利を生かして先行しそう。独走でペース上がる緒方を追って行くのは誰か。2枠から外もほぼ枠ナリスタートを想定。もしも、後手を踏むなら松尾啓史か早川清太郎。元来のスタート力には不安な面があり、出遅れることも想定しなければならない。しかし、両者ともに近況のスタートは上向き。枠ナリを死守する可能性も大。となると、7枠、8枠の木村武之と高橋貢は厳しい展開になりそうだ。
当ブログでの本命には人見を推す。近況は川口一般開催での優勝がある。この時は好枠をしっかりと生かし、自分の展開に持ち込めた。独走でのスピードは申し分ない。ここも2番手スタート、もしくはトップスタートを切って、後続を引き離すレースを見せてくれそう。準決の上がりタイム3・344秒は、優勝戦出場の8選手の中で最速。早めに独走に持ち込めば誰も追いついてこれない。
相手候補には高橋貢を挙げる。波に乗ったときの強さは尋常ではなく、今まさに快進撃を続けている。1着を量産する数字だけを見れば、ここも本命に推してもおかしくはない。しかし、このメンバーで10Mオープンの大外となると話は多少違ってくる。内枠勢を何車か包んで行ければいいが、枠ナリになると8番手からのレースになる。いくら優勝戦で8周回になるとは言え、この7車を抜き上げていくとなると至難の業。近況のリズムで言えば高橋貢だが、展開で言えば強くは推せない状況。それでも克服してしまうのが高橋貢ではあるが...。
他でチャンスがあるのは最内の緒方。ここは先行できそうで、ペースを上げてミスなく走れれば押し切りも十分。過去に記念を制しており、大舞台での走り方は知っている。前田淳も怖い存在。ここ一番でのスタート力はハンパではない。仮にトップスタートを切るようなら後続を最後まで抑え切り、栄冠のゴールが待っている。吉原も3枠ならば序盤の展開次第で上位争いに参加できる。今年はプレミアムカップを制しており、強豪相手でも臆することなくレースに臨める。
◎人見剛志
○高橋貢
△緒方浩一
△前田淳
▲吉原恭佑
好調な選手が多く、見ごたえあるシリーズに!
毎年、この時期に開催される山陽のGIスピード王決定戦。冬場の高速バトルが期待できるうえに、今回は好調な選手が多数参戦。最も流れが良いのは高橋貢だが、S級やA級上位なら誰が優勝してもおかしくない現状だ。
まずは高橋貢の近況から。前走は浜松のGIIウィナーズカップで完全優勝を決めていた。その前の地元開催でも、初日は雪で中止になったが、それ以外はオール1着での優勝。現在8連勝中だ。それ以前もSG準優勝があるなど充実そのもの。今回も大活躍が期待される。
高橋が優勝した浜松GIIで、他に優勝戦に乗っていたのは中村雅人、木村武之、松尾啓史、金子大輔など。中村は準優勝だったが、優勝戦では試走26秒をたたき出すなどエンジン面は絶好調。優勝戦3着の木村もシリーズ中に3勝を挙げるなど、エンジンは上昇カープ。4着の松尾も優勝戦では試走27秒を出していた。金子も試走は十分出ていたので悪い状態ではない。
11月29日の川口優勝戦で久々に優勝を決めたのは人見剛志。優勝戦は強豪と並んだ最内からしっかりスタートを決め、前の3車を交わしてゴール。スタートさえ枠ナリに切れれば、結果を出せるだけのエンジン状態にある。この優勝戦で2着だったのは吉田祐也。A級選手ながら車速に関してはS級と変わらないモノがある。展開を味方に付けてハイペースのレースを演出するか。この優勝戦で7着だった佐藤裕二も状態は上向き。
12月8日の伊勢崎優勝戦に乗っていたのは内山高秀、吉原恭佑、早川清太郎、浅香潤。内山は良い時の力強い走りが戻ってきた。ハンデ位置的にいつも厳しいところにおかれているが、ファンの期待に応える力走を見せている。吉原と早川はエンジン良化ももちろんだが、乗り手の方で強気に攻めていけている。浅香は現在、ハンデが魅力。最重ハンの10m前に置かれている今は絶好の狙い時。もちろん最重ハンに並んでしまうと、展開が厳しくなる。
12月12日の飯塚優勝戦に乗っていたのは岡松忠、佐藤貴也、荒尾聡、田中茂、牧瀬嘉葵。0ハン1号車から見事逃げ切ったのは岡松だ。好メンバーを振り切ったのだからエンジンは良い。今回も見せ場を作りそうだが、ひとつの懸念材料はハンデ。前回の優勝で最重ハンに引っ張られると、レース展開は楽ではない。準優勝だったのが佐藤。イン粘る岡松を攻略できなかったが、浦田信輔の攻めを封じていたので状態は悪くない。荒尾は前走のシリーズでエンジンが大幅に良化。今後が楽しみになった。混戦なら田中茂がやってくるし、バラける展開なら牧瀬のスピードも生きてくる。
他に主力どころの動向はと言うと、 山陽でランクトップの丹村飛竜は、前走の飯塚GIでも苦しんでいて今は試練のとき。その師匠・岡部聡は好調とまでは言えないながら、マズマズのエンジン状態を保っている。岩崎亮一は、前走の飯塚ではソコソコの動き。佐々木啓は、その飯塚最終日に落車してしまったので、初日の試走に注目したい。浜野淳、前田淳、角南一如らは現状エンジン一息。地元で整備に入り上昇を狙いたい。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-20(19期)〕
中村 雅人〔川口 S-2(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
外来の目玉は青山周平、地元勢はどう対抗する?
このところ気候的にだいぶ冷え込んできて、各地で素晴らしいタイムが連発されているオートレース界。全国の中でも滑りやすい走路とされる川口でも、この時季は高速バトルが期待できる。
今回出場する中で状態が良いのは青山周平。前走は直前の地元で、初日から3連勝を決め優出すると、優勝戦では田村治郎の激しい抵抗にあい、準優勝となってしまった。しかし、試走タイムはシッカリ出ていたし、ここ数節のレース内容は充実そのもの。今回も優勝候補筆頭に挙げられる。
青山が準優勝になった優勝戦を制したのは池田政和。急きょ、今節の追加あっせんとなったが、青山を負かした勢いは重視したい。試走タイムも上がりタイムも申し分なく、エンジン的に仕上がってると言える。地元川口でも同じ動きを出したいところだ。
今回、地元一番手は永井大介。今年度に入ってからは、なかなか絶好調になることが少なく苦しい期間を過ごしている。前走の地元でも準決で追いが届かず3着止まり。優勝戦までは進めなかった。今回はメンバー的にも優出はノルマと言える。いきなり絶好調にならなくとも、優出圏内に入れる動きには持っていけるハズ。
永井と同期の若井友和は、永井同様に絶好調とは言えないがマズマズの状態を保っている。ここ数節でもそれなりの結果を出しており、今回のような開催なら主力級に数えられる。車と車の間がバラけるスピード戦になるよりも、ごちゃごちゃした混戦の方が持ち味を出せよう。今年、大きな成長を見せたのは黒岩明。記念レースでも十分通用する走りを見せている。エンジンが良いのもあるが、好内容のレースを経験することによって本人にも自信が出てきた様子。しっかりと態勢を作れば格上相手でもイン突っ込んで行けるようになった。近況はエンジンが一息だが、決して悪い部類ではない。レース後半追い込みタイプの山田達也や中野憲人はエンジン状態マズマズ。特に中野は、前走の地元4日間開催で3勝を挙げている。
外来S級は青山以外に遠藤誠と笠木美孝が参戦。遠藤は前走の地元GIIで優出していた。5日間のシリーズで勝ち星がないのは気になるが、優勝戦に乗っての参戦なのでリズム的には悪くない。笠木はエンジンもうチョイといったところ。あとちょっと上積みができれば、笠木らしい速攻が見られるか。
A級の若手で元気が良いのは佐藤裕児と渡辺篤。佐藤は前走の地元GIで準決こそ5着だったが、それ以外の4日間はオール3連対を果たしていた。デビュー前評判は高かった佐藤。今のところ評判通りの活躍ができてるかというと微妙だが、ここらで躍進を見せたいところ。渡辺は前走の地元GIIで、初日と最終日に試走29秒、3日目に上がりタイム3・365秒とスピードの高さを見せつけた。これからの時季に期待できる選手だ。
B級では独走力ある清水雄平、松永幸二、川原剛、日室志郎らが展開を生かせれば連に絡んできそうだ。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
黒岩 明〔川口 S-17(26期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
中野 憲人〔川口 S-37(24期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-43(25期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-45(22期)〕