鈴木圭一郎がスーパースター初制覇!
SG第31回スーパースター王座決定戦は、浜松の新鋭・鈴木圭一郎が制した。これで全日本選抜、日本選手権に続くSG3連覇。SG戦線での快進撃が止まらない。
レース終盤に大きな波乱が待ち受けていたが、スタートからハプニングがあった。1回目のスタートで新井恵匠がフライングを犯し、再発走となった。2回目のスタートは2枠の青山周平が飛び出し、鈴木が続く形。これに金子大輔、永井大介が乗っかって行った。
青山はいつものコース取りで逃げ態勢に入る。鈴木は2番手でピタリマークし、仕掛けるタイミングをうかがっていた。なかなか青山に隙らしい隙が生まれず、鈴木は付いて行くだけの状態。しかし、追走一杯ではなく、多少の余力は感じられた。そして、青旗すぎに鈴木が青山のインに飛び込む。少しはらむ感じになったが、先頭に躍り出た。青山はすぐさま差し返しの態勢に入りインに切り込む。しかし、これが車のコントロールを失う要因になり落車。そこに金子や高橋貢も巻き込まれ、3車が落車する形になってしまった。結果的に5番手を走っていた荒尾聡が2着入線。松尾啓史が3着に食い込んだ。永井大介は試走から動きがイマイチで、後方のまま動けなかった。
レース後は審議に入り、対象車は5番の鈴木。しかし、原因車にはならず、1着入線のまま確定となった。
このレースでは鈴木の落ち着いた走りが印象的だった。ほぼ9周回を2番手に付けていながら、仕掛けられないもどかしさがあったと思われる。しかし、最後の最後でしっかりとインに入って行き、SG優勝の栄冠を掴み取った。慌てて仕掛けていたら反則するか、もしくは仕掛け損ねて後退するかのどちらかが待っていただろう。鈴木はチャンスをじっくりと待って、唯一の機会を逃さなかった。速く走れるだけではなく、レース運びが大幅に向上している。この勢いのまま、来年もSG戦線を盛り上げて行くのは間違いない。とんでもない逸材が現れた。
充実度で勝る青山周平がSS連覇を狙う!
スーパースター王座決定戦もついにファイナリスト8人が出揃った。今回は4走のトライアルを戦い抜き、各選手エンジンを最高潮に仕上げてきている。至極のバトルになるのは間違いないが、どのようなレースが展開されるのか。
まずは枠番。4日間のトライアル戦のポイント上位者から選択。1番目の青山周平は2枠を選択。2番目の高橋貢は3枠を選択。3番目の荒尾聡は1枠を選択。4番目の金子大輔は4枠を選択。ここからは鈴木圭一郎、新井恵匠、永井大介、松尾啓史の順で5枠から8枠まで選択順通りに入っていった。
スタート予想は、今節切れに切れている青山がトップスタートか、最内から荒尾が張って出るかの先陣争い。実力者・高橋や永井は本来の切れではなくスタート争いはやや劣勢か。むしろ鈴木や新井の方が今節に限っては切れている。スタート良くなっている金子だが、このメンバーに入ると先行までは厳しい。大外の松尾もスタート争いは厳しくなってくるだろう。
エンジン評価は、今節の上がりタイムで最も良いのが青山の4日目の3・329。青山は2日目も3日目も3・339が出ており、上がりタイムは抜群。他では永井が4日目に3・332、高橋が3日目、鈴木が4日目に3・339を出したのが目立っている。単純に言えば青山の仕上がりが一番良い。
レース展開は青山か荒尾の先行争い。青山が行けばそのままハイペースで、荒尾が先行しても2番手に出る青山がマーク追走からイン突っ込みそう。どちらにしても青山が逃げ態勢に入りそうだ。トライアル戦の走りから青山の押し切りとみた。
相手候補は永井と高橋、それに鈴木。永井は3日目まで苦しんでいたが4日目に大激走を見せた。厳しい位置から2番手に抜け出すと、先頭を走る青山に対し徐々に差を詰めて行く。最終的にはすぐ後ろまで迫って来ていた。SGの優勝戦は10周戦。トライアル戦から2周延びる。4日目の動きを見ると、あと2周あれば青山を交わしてしまいそうだった。本人もエンジンに手応えを感じているようで、序盤の位置取り次第では優勝争いにまで参加できる。
高橋は4日目のレース内容がイマイチだったが、2日目と3日目は素晴らしい走りを見せていた。その時の動きを取り戻し、更にスタートも青山に乗っていければ、道中で捌くチャンスが訪れるハズだ。ここ数ヶ月の動きからして久々のSG優勝も十分視野に入っている。鈴木は今節勝ち星がなく全て3着。エンジン的に安定してると言えばしてるのだが、もうひとつ足りない印象がある。優勝戦までの整備で上積みできれば、全日本選抜と日本選手権に続くSG3連覇もあるだろう。
他では4日目に本来の走りができた荒尾や、道中の捌きに定評のある金子も上位争いに加わってくるか。大外の松尾も見せ場を作ってくるだろうし、SS初挑戦ながら王座決定戦まで進んだ新井の疾走にも期待したい。
◎青山周平
○永井大介
△高橋貢
△鈴木圭一郎
▲金子大輔
年末の大一番・スーパースター王座決定戦開幕!
一年の締めくくり、スーパースターの時期がやってきた。最終日の王座決定戦へ向け、今回から勝ち上がり方式が少しだけ変わる。例年は3日間のトライアル戦ポイントで王座決定戦に行けるか、それとも順位決定戦に回るかが決まっていたが、今回からは4日間トライアル戦が行なわれる。通常より1個レース分、楽しみが増えたかたち。1回目のトライアル戦で8着になっても、残り3走あれば巻き返しできる。スーパースター戦に出場する16選手を全国ランク順に評価していきたい。
ランク1位の青山周平。今年はSGオールスターを制している。その他にもGIを4つ獲っており、良い1年だったのではないか。近況の動きも安定しており、この大会に良い形で乗り込んでこれた。また、スーパースターは昨年、優勝しており今回は連覇がかかっている。スタート、スピード、道中のレース運び、どれも昨年よりパワーアップしている。
ランク2位の中村雅人。今年のSGは、全日本選抜とオートレースグランプリの2つを制している。他の記念はGIIを1つ獲っているだけだが、一年を通してエンジンは高い位置を維持していた。なにより攻撃力の高さは全国屈指。多少、試走タイムなどが劣勢でも冷静な仕掛けで首位に浮上してくる。スーパースターは過去に2度制しており、同大会に対する適応力も高い。
ランク3位の鈴木圭一郎。今年は大きな飛躍を遂げた。SGは10月に全日本選抜と11月に日本選手権の2つを制しており、今回はSG3連覇がかかっている。直近でも地元開催をスーパーハンデで優勝している。準決では試走24の上がり3・348が出ていた。1度先頭に立ってしまえば誰にも追い付かれないだけのスピードが武器。
ランク4位の金子大輔。今年は記念の優勝がなかったが、ランクの数字が表しているように、大きな崩れはなかった。多少の上下動はあるものの、エンジンを維持する技術はかなり高い。昨年のSG全日本選抜に続く、3度目のSG制覇へ向け全力で取り組んでくるハズ。
ランク5位の高橋貢。今年の記念の優勝で言えばGIIを2つ制しているのみ。ただし、今年9月あたりから急激に調子が上向いてきており、直近では12連勝も達成している。直前の地元開催を私病で欠場しているのは気がかりだが、2012年以来のSG優勝へ期待は高まる。ちなみにスーパースターは過去に4度制している。
ランク7位の浦田信輔。今年は6月の落車で長期戦線離脱を余儀なくされた。しかし、復帰してからは以前の浦田の走りが出ており、それほど乗り手への悪影響はなさそうに見える。力強い攻めは健在だ。SGは昨年のオールスター以来の優勝を狙う。
ランク8位の永井大介。今年の記念は、船橋最後の開催となるプレミアムカップを制しただけ。永井の実力を考えれば、やや物足りない結果に終わっている。川口に移籍してからは、永井らしい走りを見られるレースが少なくなっているが、大舞台での勝負強さがあるので、今回も必ずや見せ場を作ってくるハズだ。
ランク9位の荒尾聡。今年の記念は、何度か優出こそあるものの優勝はなかった。それでも全国1と言われたスタート力は健在で、オープン戦で持ち味を出せるタイプ。スーパースターでは過去に、王座決定戦への進出は絶望的な状況から、脅威の勝負駆けを決めたケースがあるように、底力はかなり高い。
ランク10位の木村武之。今年の記念はGIを2つ制している。木村の印象として節単位でエンジンの上下動が大きいイメージがある。初日が良ければ、そのシリーズはずっと良い傾向がある。となると初日の走りには大いに注目したいところ。エンジン以外の乗り手の特徴で言えば、スタート、スピード、捌きのどれをとっても不安要素はない。エンジンの仕上がり次第で上位に食い込める。
ランク11位の早川清太郎。今年は地元のGIIを1つ制している。それ以外でも記念での優出は多い。ただし、オープン戦になりやすい記念の優勝戦では、スタートの不安から序盤で好展開を作れないことが多い。今回も全て0Mオープン戦。以前よりは良くなってるスタートで、少しでも戦いやすい状況を作るのが先決か。道中の捌きに関しては問題ないし、周回が延びることは好材料だ。更に、直前の地元開催で試走23出して優勝。エンジン面は絶好調。
ランク14位の若井友和。今年は記念の優勝がなく、通常開催でも優勝は2回と少なめ。ただ、記念レースでも初日から好結果を残すことが多く、予選道中は十分戦えている。特にイン走法には定評があるので、展開的に混戦になるようなら存在感を示せるし、雨が降ることは若井にとって有利に働くハズ。
ランク21位の岩崎亮一。今年は一般開催を含めて優勝はゼロ。目に見える形としての結果は出ていないが、年間を通じてエンジンを高い位置に保てている。スタートや雨走路など苦手な条件もないので、相手と序盤の展開によっては好走も十分期待できる。時折り爆発的なスタートを見せることがあるので、それを発揮できれば台風の目的存在になれるかも。
ランク25位の松尾啓史。今回は山陽地区の競争成績トップでのスーパースター選出となった。レース道中の高い状況判断能力に高評価を得られている。しかし、オープン戦でのスタートを含めた展開作りにやや課題があるか。それでも、先頭を走る選手がペース上がらず混戦になるなら、いつのまにか上位に浮上する可能性もある。
ランク28位の新井恵匠。今年は山陽のGII若獅子杯を制した。記念以外でも2度、一般開催で優勝しており、ここ最近の成長っぷりは目立っている。元々持っていた闘争心に、攻めの正確さがプラスされている。スピード面もだいぶ向上した。スーパースターは初の出場となるが、元気一杯の走りを存分に見せつけてもらいたい。
ランク34位の吉原恭佑。今年はプレミアムカップを制し、それが今回の出場の契機となった。32期と言えば鈴木圭一郎が突き抜けているが、吉原は2番手の地位を確立。若手らしいスピードに、攻めの積極性が加わったタイプ。もっと正確性が増せば安定して好成績を残せるようになる。プレミアムカップを制したのが重走路だったように、雨が降れば連対のチャンスは高まってくる。
最後はA級10位の藤岡一樹。今年は記念も一般開催も優勝がなく、不満の残る1年になりそうだが、SG全日本選抜で優出し3着に入ったポイントがあり、今回の出場となった。スーパースターはこれで4度目の挑戦。経験値としては十分だ。直前の地元開催で落車しているのは気がかりだが、スタート一発からの大駆けがあるので注意したい存在。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
中村 雅人〔川口 S-2(28期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-25(26期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-28(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-34(32期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-10(29期)〕
良走路は絶好調・人見剛志が見参!
飯塚では今回が今年最後の開催。3日間の短期シリーズだ。初日は主力が分散される傾向にあるので、軸を決めやすく車券的には取りやすい。今現在、最もエンジン仕上がっているのは人見剛志。良走路では強烈なタイムを叩き出している。今回も、その勢いのまま初日から激走を見せるのか。
先述の人見の前走は、地元のGIスピード王決定戦。3日目までの不安定走路を乗り切り準決に進出。ここでは試走28を出し、レースでも上がり3・344を出し快勝。優勝戦は2着になり準優勝だったが、この時も試走28を出し、上がりも3・333。近年ではSGの優勝戦でもなかなか出ないタイムだ。今回の敵は天候だけ。良走路でのレースになれば、異次元の走りを見せてくれる。
対する地元勢は浦田信輔や荒尾聡が不在。篠原睦を中心に、鐘ヶ江将平、桝崎陽介、滝下隼平らがS級として外来勢を迎え撃つ。篠原はエンジンをある程度の位置で保てている。鋭いスタートからの速攻に期待でき、ほとんどの選手を交わして行くことが可能。鐘ヶ江と滝下はスピードが売り。冬場の食い付く走路で特に本領を発揮できるハズ。桝崎はエンジンが好調。ここ最近では記念レースでも好結果を残し続けている。前走の山陽GIの準決でも試走28を出しており、直線の伸びに関しては問題ない。
他のS級は岡部聡、浜野淳、遠藤誠の3者。岡部は代名詞である安定感に磨きがかかっている。道中のレース運びもソツがない。また、雨が降ればその存在感は倍増する。浜野はエンジン自体はマズマズだが、近況はスタートにやや課題を残している。散発傾向にあり、大きく出遅れると厳しい展開を強いられる。遠藤は地元の記念で調子良かったが、その後の川口ではイマイチといった感じ。立て直しを図りたい。
A級でスピードが出てるのは牧瀬嘉葵、高宗良次、森本優佑。特に、森本は前走の山陽GIの最終日で岩崎亮一をやり返すかのような動きを見せていた。他では、前走の地元で優出した別府敬剛、その同期の竹谷隆が気配は良好。
B級では独走力がある日室志郎、ブロック力が高い宮地朗と別府末彦、スタートは不安だがイン走法はしっかりしている岩永清文らに注意したい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
篠原 睦〔飯塚 S-6(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-23(31期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-35(28期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-48(28期)〕
岡部 聡〔山陽 S-20(19期)〕
浜野 淳〔山陽 S-29(24期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-43(25期)〕
充実の地元勢、その牙城は鉄壁!
今回は地元の選手がメイン。その中でもS級陣は、おおむねエンジン好調。現在、伊勢崎は青山周平と高橋貢のツートップ体制。ただし今回、高橋貢は私病により欠場。他には早川清太郎、新井恵匠、吉原恭佑、内山高秀らが脇を固めている。
青山は前走の川口で完全優勝を決めてきた。その前の地元は準優勝。更にその前の飯塚GIでは優勝と、ここ最近のリズムは突き抜けて良い。走るレース場が変わっても同じような動きを出せるのが青山の強み。今回は欠場となった高橋貢の分まで頑張りたいところ。更に言えば、青山はこの後、川口でスーパースター王座決定戦が控えている。今回好成績で川口に乗り込むのと、そうでないのとでは気持ちの面で雲泥の差がある。今回のレースだけではなく、次に繋がるように全力でもって臨みたい。
早川と吉原は、前走の山陽GIでしっかり優出。3日目までの不安定走路を乗り切り、準決でも高いパフォーマンスを発揮できた。早川は優勝戦でも鋭い追い込みを見せて3着入線。エンジンはハイパワー。今回も後方から中団を切り裂いて行きそう。吉原は、優勝戦では好展開を作れず8着になったが、エンジンは試走タイムが出ていたように心配なさそう。
新井と内山も前走は山陽GIだった。2人とも優勝戦までは行けなかったが、5日間シリーズで大きな着を取る事はなく、マズマズ安定した結果で締めくくった。
外来S級は前田淳と角南一如。前田は地元GIで優出。シリーズを通して1着がないのは気になるところだが、苦手の雨走路をそれなりにこなしてこれたのは、今後につながる好材料。成績が天候に左右されにくくなるからだ。角南は、エンジン大崩れはしていないものの、もうちょっと欲しいというのが現状の本音だろう。
A級ではスピードが出てきてる渡辺篤。前走の川口では準決で試走28を出した田中賢。前節の地元で優出した佐久間健光。捲りに迫力がある森村亮、落合淳、スタート切れてる渋沢憲司、ハンデ差を生かして善戦している鈴木聡らが狙い目。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-28(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-34(32期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-42(26期)〕
前田 淳〔山陽 S-32(27期)〕
角南 一如〔山陽 S-39(27期)〕