
8月24日(日) 「第26回OROカップ」(オープン・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
昨年は芝走路の悪化、視界不良のために取り止めしたが、今年は予定どおり実施された。好枠を引き当てたリュウノアンが逃げ、2番手にマンダリンヒーロー、その外にグレートキャンベラ。1番人気に支持されたシャイニーロックは5番手インの絶好ポジションでレースを進め、ゴールドギアは中団7番手を追走。一昨年のせきれい賞馬ヴィゴーレは出遅れて最後方からの競馬となった。
ペースが落ち着いた向こう正面からゴールドギアが徐々に前へ進出。シャイニーロックを射程圏に入れ、それを見てシャイニーロックもスパート。直線入り口でマンダリンヒーローが先頭に立ち、その外にシャイニーロック。残り100mまでマンダリンヒーローが渋太く粘ったが、そこで一杯。シャイニーロックが力強く抜け出し、2馬身半差でゴール。2着争いは写真判定へ持ち込まれ、ハナ差でゴールドギアが先着した。
1着・シャイニーロック=渡邊竜也騎手
「前走よりレースが流れそうなメンバーだったので、内の3~4番手あたりを取るイメージでいった。仕掛けどころのタイミングが難しいかなと想像していたが、自分が思っていたとおりに進んでくれたし、反応してくれた馬を一番ほめてあげたい」
佐々木由則調教師
「1700mになったが、流れが速くなるんじゃないかと考えていたので、うまく射程圏に入れて進めてほしいと伝えた。中間はオーバーワークにならないように気をつけてうまく調整できたから、力を出せればいいレースをしてくれるとは思っていたが、最後まで安心して見ていることができた。鞍上がうまく乗ってくれたし、馬も9歳だけどよく頑張ってくれる。芝だけでなくダートでも走っているから、この先はダートでもマイルくらいまでなら戦えると思っている。まずはひと息入れてからだね」
シャイニーロックは中央ダート2勝後、芝路線へ変更して3勝。昨年3月、大井を皮切りに門別、名古屋と転籍したが、未勝利に終わって岩手入り。C2編入に恵まれで条件クラスで6戦5勝。前々走・いしがきマイラーズはB2からの挑戦だったが、ハイタイムで完勝。以降はOROカップ1本に絞って調整を進め、芝重賞2連勝。今後は中央遠征も視界に入れながら次走を決めるという。
今週の岩手競馬
8月31日(日) メイン11R「第43回ビギナーズカップ」(2歳 盛岡ダート1400m)
9月1日(月) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 盛岡ダート1600m)
9月2日(火) メイン10R「第57回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)
8月19日(火) 「第27回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
昨年は芝走路の悪化によりダート1600mで実施したが、今年は年度の予定どおり芝1600m行われ、北海道3頭、岩手10頭の計13頭で覇を競った。好スタートを切ったイタズラベガが先手を取り、2番手外にトゥーナスタディ、3番手外にラブコラージェン、その内に1番人気セイクリスティーナ。2番人気ブルーメンガルテンは6番手外、クラウニングカップは後方4番手を追走した。
ペースは明らかにスロー。先行馬有利の流れで淡々と進み、直線へ突入。先行2頭が渋太く粘り、内を追走セイクリスティーナの出場所が一瞬なくなったが、最内を突いて一気に抜け出す。外からトゥーナスタディもいい脚で伸びてきたが、半馬身差をつけてセイクリスティーナが快勝。トライアル・若鮎賞に続いて芝重賞2連勝を飾った。
1着・セイクリスティーナ=山本聡哉騎手
「返し馬でテンションが上がっていたし、ゲート内でも騒狂したのでヒヤッとした。スローだったので理想的なポジションが取れたが、逆に団子状態だったので厳しいポジションになった。ハミがかかっていたが、前で逃げていたのが乗っていたイタズラベガだったので、この馬の後ろだと大丈夫だと思った。中間、すごく具合が良くて掛かる予感はあった。周囲を囲まれていたが、小柄で小脚を使えるタイプですから(狭くても)迷わず行けました。前の2頭がスローで脚が貯まっていたので意外に渋太かったが、最後まで脚を使ってくれた。デビュー2戦目で勝った時、牝馬路線ではこの馬が一番と思っていたが、ジュニアグランプリを勝ったので岩手を代表する馬になると思います」
佐々木由則調教師
「パドックで最初は落ち着いていたが、周回を繰り返すごとにテンションが上がっていた。その影響もあってゲートで暴れていたのが心配だったが、うまくスタートを切ってくれた。今後は遠征も考えていない訳ではないが、この後は少し休ませて疲れを取ることに専念したいと思っている」
セイクリスティーナはデビュー戦の盛岡ダート1000mで出遅れを喫して2着に敗れたが、2戦目の水沢1300m戦を1秒6差で圧勝。続いて芝重賞・若鮎賞へ駒を進めて0秒3差で完勝。レースレコードとなる盛岡芝1600mで1分39秒1の好タイムをマークした。これで芝2連勝だが、ダートも問題ないことが2戦目で証明済み。今後の選択が注目される。なお2着に敗れたトゥーナスタディはJRA・芙蓉ステークスへ挑戦する予定だという。
今週の岩手競馬
8月24日(日) メイン10R「第26回OROカップ」(オープン・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
8月25日(月) メイン12R「御所湖賞」(C1級 盛岡ダート1400m)
8月26日(火) メイン12R「初秋特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
8月11日(月) 「第30回クラスターカップ」(JpnIII 盛岡ダート1200m)
ハナを主張したのは内枠からエイシントルペード、サンライズアムール、アドバンスファラオの3頭だったが、枠差を利してサンライズアムール、アドバンスファラオ、3番手インにエイシントルペード。その外にキャンディドライヴがつける。
ハロンラップに注目してほしい。12秒3-10秒8-11秒3-11秒4-11秒0-12秒4。鞍上・高松亮騎手が正確なラップを刻んで逃げ、ラスト1ハロンも12秒4でフィニッシュ。絶妙のペースで逃げ切り、外から伸びてキャンディドライヴの追撃をクビ差で封じた。
1着・サンライズアムール=高松亮騎手
「今日は幸騎手の替わりで急きょ、騎乗依頼が来たので手放しでは喜べないが、代役を果たすことができてホッとしている。調教師さんからゲートをしっかり出して揉まれない位置などを取ってほしい。でも出しすぎるのと掛かるところもあるなど細かく教えてくださったので乗りやすかった。ですから腹をくくって最高のレースをしたいと思って臨んだ。ゴール前で後ろから来た音が聞こえたが、最後は鈍っていたので勝てたかなと思った。まだ優勝した実感はないが、サンライズアムールはいい仔でしたし、スタッフもいい雰囲気で送り出してくれましたから、勝ててとてもうれしいです」
小林真也調教師
「爪の問題などがつきまとうが、重賞を勝てるだけの馬だと思っていた。1週前の追い切りはしっかりできたが、そのあと気にするようなところが出て不安もあった。今回、無事に使うことができたし、ゲートもうまく出してくれた。中央のオープンですと斤量を背負うので、クラスターカップしかないと思ってレースを選んだ。まずは一度休みたいと思っているが、今後はGII、GIを進むことができればいいなと考えています」
サンライズアムールはモーリス産駒でデビュー3戦目、芝からダート路線へシフト。ダート1200m7勝、ダート1400m1勝をマークしたが、近走はリステッドレースで重い負担重量を背負って出走。しかし今回は54キロの軽ハンデで出走できたのも奏功。重賞挑戦2度目で初タイトルを獲得した。また高松亮騎手は盛岡で行われたダートグレードでは2023年、マイルチャンピオンシップ南部杯以来の騎乗依頼。その時は最内枠に入り、5着に終わったが、見事雪辱。岩手競馬所属では史上4人目のダートグレード優勝騎手となった。
今週の岩手競馬
8月17日(日) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1200m)
8月18日(月) メイン12R「秋桜賞」(B1級 盛岡ダート1400m)
8月19日(火) メイン10R「第27回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
8月3日(日) 「第39回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡ダート1800m)
オールニッポンが逃げ、2番手にスマイルプラス、3番手ヴァイスウィッチ、4番手外にコックリサン。1番人気ピカンチフラワーは5番手インで脚を貯め、6番手外にミナトミナイト。坦々とした流れのまま直線を向くとオールニッポン、コックリサンが先頭に立ったが、残り200mでミナトミナイトが交わすとあとは後続を離す一方。4馬身差をつけて初重賞を手にした。
1着・ミナトミナイト=高橋悠里騎手
「位置取りは出たなり。同厩の馬が流れを作っていて、すぐ前にピカンチフラワーがいたので道中もいいポジションだった。ペースが上がったところでもしっかり反応してくれて直線で交わしていく時も余裕があって、そこで勝てるかなと思った。今日は強い競馬をしてくれた。精神的にも成長していて、どこからでも競馬ができるのは強みだと思います」
伊藤和忍調教師
「前回の競馬の内容がすごく良かったので期待どおりの結果を出してくれた。前走後はいい意味で平行線。かなり暑かったのでそのケアをしっかりやった。2歳の頃はちょっとメンタル面で弱いところがあったが、3歳になってからレースを使いながら力をつけて精神面でも成長した。この先については状態を見ながらオーナーと相談しながら決めていくつもりです」
8月5日(火) 「第26回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
グロリアスアスペンがハナを主張し、その外にサンカリプソ。外枠に入ったプチプラージュは馬群が開く瞬間を逃がさず徐々に内に入れる。4番手外にエマリオンレイ、内にダックワーズ。プレシャスアセットは7番手を追走した。勝負どころの3コーナーで逃げたグロリアスアスペンに、サンカリプソが脚をひっかけて落馬。そのあおりをエマリオンレイが受けたが、プチプラージュはうまく内に入ってロスなく進出。直線を入り口でダックワーズがグロリアスアスペンを交わしたが、その外からプチプラージュが抜け出し、外強襲プレシャスアセットの追撃も封じた。
1着・プチプラージュ=渡邊竜也騎手
「返し馬の感じでは芝が合うか分からなかった。外枠に入ったたが、うまくいい位置を取れたことも勝因だったと思う」
笹野博司調教師
「地元に適レースがなかったので、未経験でしたが芝に挑戦してみたいと申し込みをした。金沢遠征の反動もなく、いい状態で臨めた。外枠だったが、ジョッキーがうまく内に入れていいポジションを取ったのも勝因。前回、渡邊騎手が騎乗依頼を受けて、いしがきマイラーズ(芝1600m=シャイニーロック))を勝った経験も大きいと思う。今回も同じような位置でレースを進めていましたからね。次走についてはまったく考えていなかったが、今日の勝利で盛岡芝が合うのを確認できたので、チャンスがあればまた来たいと思っています」
今週の岩手競馬
8月10日(日) メイン11R「第26回フェアリーカップ」(オープン牝馬 盛岡ダート1800m)
8月11日(月) メイン11R「第30回クラスターカップ」(JpnIII 盛岡ダート1200m)
8月12日(火) メイン11R「立秋特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
7月27日(日) 「第47回せきれい賞」(オープン 盛岡芝2400m)
グレートキャンベラがすんなり先行できると思ったが、パラダイスリズム、タイセイモンストルも逃げ争いに参加。盛岡芝2400m戦はスロー傾向が定番だったが、思った以上に流れが速くなった。それでも1周目ゴール前から13秒台に落ち、残り1000mから徐々にペースアップ。4番手にカナオールウェイズ、その外にゴールドギア。後方3番手にギャレット、カレンルシェルブル、最後方にサザンナイツ。
道中の不利もなく外目からゴールドギアがスムーズに前へ進出。直線で先頭に立ったタイセイモンストルを残り200mで捕らえ、馬群を割って抜け出したギャレット、大外から伸びてきたカレンルシェルブルの追撃を完封。名古屋から再転入初戦で初の重賞タイトルを獲得した。
1着・ゴールドギア=高橋悠里騎手
「ずっと騎乗させてもらっている馬で重賞を勝って素直にうれしい。自きゅう舎ですから、なおさらでした。ゲート出が遅いのでスタート後は馬なりでリズムを重視して徐々に前へ行こうと考えていた。道中、気持ちよく走っていたし、マークした馬(カナオールウェイズ)が前を走っていたので、外から馬体を併せてレースを進めた。先頭に立つとソラを使うタイプ。それを気をつけていたが、今回は地元同士でしたからね。しっかり勝つことができました」
伊藤和忍調教師
「芝が復活しましたから、名古屋から戻ってきた。状態そのものは良かったと思ったが若干、体が寂しく映ったので帰厩後は馬体回復を重点。夏負けしないようにケアをした。一昨年、せきれい賞2着に敗れて悔しい思いをしたが、2年越しでついに重賞を取ることができた。次走はOROカップ。一昨年3着だったので、距離にも対応できると思います
ゴールドギアは中央5勝オープンから一昨年転入。あすなろ賞2着から芝準重賞・かきつばた賞を快勝。続いて交流(今年は地元重賞)・せきれい賞2着、OROカップ3着。昨年は芝走路が悪化したため早々とダート変更で実施。ゴールドギアもダート路線を歩んだが、みちのく大賞典で3着などダートでもそこそこの結果を出してきた。冬場は名古屋へ移籍して転入前の一戦を快勝。好ムードでせきれい賞を迎えることができた。今年10歳だが、元気一杯。OROカップでも健闘を期待したい。
2着・ギャレットは昨年、古馬では唯一の芝重賞・いしがきマイラーズを優勝。今年は6着に終わったが、今回は距離を意識して前半は貯める競馬に徹したのが奏功。2着に突っ込み、盛岡芝巧者ぶりを発揮した。
今週の岩手競馬
8月3日(日) メイン12R「第39回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡ダート1800m)
8月4日(月) メイン12R「オーガストカップ」(B2級 盛岡ダート1400m)
8月5日(火) メイン12R「第26回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)