
9月7日(日) 「第51回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
逃げが想定されていたザオが出遅れを喫し、4番手外に押し上げる。各馬がけん制し合いながらクイーンカードが先手を取り、2番手に1番人気ミニアチュール、3番手外にローリエフレイバー。マテリアルガールは5番手、2番人気ラブラブパイロは7番手を追走した。
残り1000mでクイーンカードが一杯となって失速。替わってミニアチュールが先頭に立ち、その外をローリエフレイバーがぴったり追走。終始、プレッシャーをかけ続け、4コーナー手前で外に並び、直線入り口でクビ差ほどリード。ミニアチュールも渋太く粘ったが、ローリエフレイバーがラスト1ハロンで振り切り、外から伸びてきたザオ、ラブラブパイロの追撃を封じた。
1着・ローリエフレイバー=野畑凌騎手
「理想の競馬ができたが、最後まで分からなかった。気難しい女の子なので機嫌を損なわないようにレースを進めた。相手はミニアチュールだけ。それを相手にレースを進め、4コーナーで突き抜けると思っていたが、最後は後から詰め寄られました。今日もまだ力を出し切っていない。出し切ってくれれば、もっと強い競馬ができると思います」
月岡健二調教師
「ここ2走はいい競馬ができなかったから、今回勝ててホッとしました。前々走(エンプレス杯)はグレードレース、前走(中原オープン)は男馬が相手。その後はビューチフルドリーマーカップに合わせて北海道のファンタストクラブで休養。リフレッシュして臨めたし、馬はできていた。この馬は切れるというより長くいい脚を使えるタイプ。次走はレディスプレリュード。再度、強豪と戦うが、どのような競馬ができるか楽しみ」
ミニアチュールはトライアル・フェアリーカップを2秒差で圧勝。今季初勝利を飾り、Bドリーマーカップ2連覇を狙って出走。1番人気に支持されたが、ローリエフレイバーに徹底マークされる展開。さすがにラスト1ハロンで一杯となったが、終始プレッシャーをかけられたのは貴重な経験になったはず。次走以降への糧としてほしい。
今週の岩手競馬
9月14日(日) メイン11R「セプテンバーカップ」(B2級 水沢1600m)
9月15日(月) メイン12R「第45回若駒賞」(2歳 水沢1600m)
9月16日(火) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 水沢1600m)
9月2日(火) 「第57回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)
メイショウズイウンが若干つまづいたが、ほかは一斉。各馬がけん制し合う中、大外からナルカミが馬なりで先頭に立ち、2番手にルヴァンユニベール、3番手外にハグ、4番手にメイショウズイウン。先団4頭から5馬身ほど離れてロードラビリンスが追走。
スタートからハロンタイムは12秒0-11秒5-11秒6-12秒8-12秒9-12秒4-12秒7-11秒8-10秒6-12秒9。リケアカプチーノは経験がなかったハイラップ競馬にとまどい7番手につけるのがやっとだった。
残り3ハロンからピッチが上がり、ハグ、メイショウズイウンがナルカミに接近を図ったが、4コーナーまで持ったまま。直線を向いて鞍上・戸崎騎手がゴーサインを出すと、ナルカミが鋭く反応。10秒6の脚を使い、あとは余裕でゴール。2着ハグに2馬身半差をつけて初重賞を獲得。ダート三冠目・ジャパンダートクラシックの優先出走権を獲得した。
1着・ナルカミ=戸崎圭太騎手
「この馬はフットワークが大きい馬。ごちゃつくと心配だったが、今回は大外だったので問題なかった。ポジションはゲートを出てから。ほかの様子を見ながら併せる形よりもリズムを優先させたら、いいペースで行けた。道中の手応えが良かったし、仕掛けてもまだまだ余裕があったので、強いレースだったと思う。まだ揉まれた経験がないのでそこだけが未知だが、左回りも2000mも特に問題ない。次走も楽しみです」
田中博康調教師
「デビュー2戦後にうちのきゅう舎に来たが、左右のバランスが気になった。それが左回りでパフォーマンスを出せなかった要因だったのではないかと思った。不来方賞を選んだのは左回りでも走りやすいだろうと考えたから。思った以上にしっかり応えてスタミナ、ストライドとも最後まで力尽きなかった。新馬戦をあれだけに勝ち方をするのだから、ポテンシャルが相当高いと思っていた。今回はジャパンダートクラシックから逆算して臨んだローテーション。無事に権利を取りましたから、大井へ行きたいと思っています」
6着・リケアカプチーノはJRAの壁が厚かったが、自身の走破タイムは2分2秒9。気になって調べてみたら2014年、JBCクラシックでコパノリッキーが樹立した2分00秒8の盛岡2000mレコード時、ナムラタイタンがマークした2分2秒6が岩手所属馬での最高タイム。それを考えれば3歳時点でリケアカプチーノは破格タイムで走ったことになり、一條記念みちのく大賞典優勝も納得。入着は果たせなかったが、大健闘といっていいだろう。
9月7日(日) メイン11R「第51回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
9月8日(月) メイン12R「白露特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
9月9日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)
8月24日(日) 「第26回OROカップ」(オープン・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
昨年は芝走路の悪化、視界不良のために取り止めしたが、今年は予定どおり実施された。好枠を引き当てたリュウノアンが逃げ、2番手にマンダリンヒーロー、その外にグレートキャンベラ。1番人気に支持されたシャイニーロックは5番手インの絶好ポジションでレースを進め、ゴールドギアは中団7番手を追走。一昨年のせきれい賞馬ヴィゴーレは出遅れて最後方からの競馬となった。
ペースが落ち着いた向こう正面からゴールドギアが徐々に前へ進出。シャイニーロックを射程圏に入れ、それを見てシャイニーロックもスパート。直線入り口でマンダリンヒーローが先頭に立ち、その外にシャイニーロック。残り100mまでマンダリンヒーローが渋太く粘ったが、そこで一杯。シャイニーロックが力強く抜け出し、2馬身半差でゴール。2着争いは写真判定へ持ち込まれ、ハナ差でゴールドギアが先着した。
1着・シャイニーロック=渡邊竜也騎手
「前走よりレースが流れそうなメンバーだったので、内の3~4番手あたりを取るイメージでいった。仕掛けどころのタイミングが難しいかなと想像していたが、自分が思っていたとおりに進んでくれたし、反応してくれた馬を一番ほめてあげたい」
佐々木由則調教師
「1700mになったが、流れが速くなるんじゃないかと考えていたので、うまく射程圏に入れて進めてほしいと伝えた。中間はオーバーワークにならないように気をつけてうまく調整できたから、力を出せればいいレースをしてくれるとは思っていたが、最後まで安心して見ていることができた。鞍上がうまく乗ってくれたし、馬も9歳だけどよく頑張ってくれる。芝だけでなくダートでも走っているから、この先はダートでもマイルくらいまでなら戦えると思っている。まずはひと息入れてからだね」
シャイニーロックは中央ダート2勝後、芝路線へ変更して3勝。昨年3月、大井を皮切りに門別、名古屋と転籍したが、未勝利に終わって岩手入り。C2編入に恵まれで条件クラスで6戦5勝。前々走・いしがきマイラーズはB2からの挑戦だったが、ハイタイムで完勝。以降はOROカップ1本に絞って調整を進め、芝重賞2連勝。今後は中央遠征も視界に入れながら次走を決めるという。
今週の岩手競馬
8月31日(日) メイン11R「第43回ビギナーズカップ」(2歳 盛岡ダート1400m)
9月1日(月) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 盛岡ダート1600m)
9月2日(火) メイン10R「第57回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)
8月19日(火) 「第27回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)
昨年は芝走路の悪化によりダート1600mで実施したが、今年は年度の予定どおり芝1600m行われ、北海道3頭、岩手10頭の計13頭で覇を競った。好スタートを切ったイタズラベガが先手を取り、2番手外にトゥーナスタディ、3番手外にラブコラージェン、その内に1番人気セイクリスティーナ。2番人気ブルーメンガルテンは6番手外、クラウニングカップは後方4番手を追走した。
ペースは明らかにスロー。先行馬有利の流れで淡々と進み、直線へ突入。先行2頭が渋太く粘り、内を追走セイクリスティーナの出場所が一瞬なくなったが、最内を突いて一気に抜け出す。外からトゥーナスタディもいい脚で伸びてきたが、半馬身差をつけてセイクリスティーナが快勝。トライアル・若鮎賞に続いて芝重賞2連勝を飾った。
1着・セイクリスティーナ=山本聡哉騎手
「返し馬でテンションが上がっていたし、ゲート内でも騒狂したのでヒヤッとした。スローだったので理想的なポジションが取れたが、逆に団子状態だったので厳しいポジションになった。ハミがかかっていたが、前で逃げていたのが乗っていたイタズラベガだったので、この馬の後ろだと大丈夫だと思った。中間、すごく具合が良くて掛かる予感はあった。周囲を囲まれていたが、小柄で小脚を使えるタイプですから(狭くても)迷わず行けました。前の2頭がスローで脚が貯まっていたので意外に渋太かったが、最後まで脚を使ってくれた。デビュー2戦目で勝った時、牝馬路線ではこの馬が一番と思っていたが、ジュニアグランプリを勝ったので岩手を代表する馬になると思います」
佐々木由則調教師
「パドックで最初は落ち着いていたが、周回を繰り返すごとにテンションが上がっていた。その影響もあってゲートで暴れていたのが心配だったが、うまくスタートを切ってくれた。今後は遠征も考えていない訳ではないが、この後は少し休ませて疲れを取ることに専念したいと思っている」
セイクリスティーナはデビュー戦の盛岡ダート1000mで出遅れを喫して2着に敗れたが、2戦目の水沢1300m戦を1秒6差で圧勝。続いて芝重賞・若鮎賞へ駒を進めて0秒3差で完勝。レースレコードとなる盛岡芝1600mで1分39秒1の好タイムをマークした。これで芝2連勝だが、ダートも問題ないことが2戦目で証明済み。今後の選択が注目される。なお2着に敗れたトゥーナスタディはJRA・芙蓉ステークスへ挑戦する予定だという。
今週の岩手競馬
8月24日(日) メイン10R「第26回OROカップ」(オープン・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
8月25日(月) メイン12R「御所湖賞」(C1級 盛岡ダート1400m)
8月26日(火) メイン12R「初秋特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
8月11日(月) 「第30回クラスターカップ」(JpnIII 盛岡ダート1200m)
ハナを主張したのは内枠からエイシントルペード、サンライズアムール、アドバンスファラオの3頭だったが、枠差を利してサンライズアムール、アドバンスファラオ、3番手インにエイシントルペード。その外にキャンディドライヴがつける。
ハロンラップに注目してほしい。12秒3-10秒8-11秒3-11秒4-11秒0-12秒4。鞍上・高松亮騎手が正確なラップを刻んで逃げ、ラスト1ハロンも12秒4でフィニッシュ。絶妙のペースで逃げ切り、外から伸びてキャンディドライヴの追撃をクビ差で封じた。
1着・サンライズアムール=高松亮騎手
「今日は幸騎手の替わりで急きょ、騎乗依頼が来たので手放しでは喜べないが、代役を果たすことができてホッとしている。調教師さんからゲートをしっかり出して揉まれない位置などを取ってほしい。でも出しすぎるのと掛かるところもあるなど細かく教えてくださったので乗りやすかった。ですから腹をくくって最高のレースをしたいと思って臨んだ。ゴール前で後ろから来た音が聞こえたが、最後は鈍っていたので勝てたかなと思った。まだ優勝した実感はないが、サンライズアムールはいい仔でしたし、スタッフもいい雰囲気で送り出してくれましたから、勝ててとてもうれしいです」
小林真也調教師
「爪の問題などがつきまとうが、重賞を勝てるだけの馬だと思っていた。1週前の追い切りはしっかりできたが、そのあと気にするようなところが出て不安もあった。今回、無事に使うことができたし、ゲートもうまく出してくれた。中央のオープンですと斤量を背負うので、クラスターカップしかないと思ってレースを選んだ。まずは一度休みたいと思っているが、今後はGII、GIを進むことができればいいなと考えています」
サンライズアムールはモーリス産駒でデビュー3戦目、芝からダート路線へシフト。ダート1200m7勝、ダート1400m1勝をマークしたが、近走はリステッドレースで重い負担重量を背負って出走。しかし今回は54キロの軽ハンデで出走できたのも奏功。重賞挑戦2度目で初タイトルを獲得した。また高松亮騎手は盛岡で行われたダートグレードでは2023年、マイルチャンピオンシップ南部杯以来の騎乗依頼。その時は最内枠に入り、5着に終わったが、見事雪辱。岩手競馬所属では史上4人目のダートグレード優勝騎手となった。
今週の岩手競馬
8月17日(日) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 盛岡ダート1200m)
8月18日(月) メイン12R「秋桜賞」(B1級 盛岡ダート1400m)
8月19日(火) メイン10R「第27回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1600m)