12日(日)メインは3歳以上オープン馬による芝2400m戦「第2回パンジー賞」、10頭立て。
ボスアミーゴがOROカップの雪辱を晴らし、主役の座を奪回する。
(ボスアミーゴ 写真・佐藤到)
今季は水沢戦(ダート)を2度使って栗駒賞6着、シアンモア記念8着と凡走。以降は芝路線1本に絞ったローテーションに組み直したところ、それが吉と出てあじさい賞から芝4連勝をマーク。盛岡ターフ王の座を磐石のものとし、OROカップへも自信を持って駒を進めた。
相手もほぼ勝負づけが済んだメンバーで、負ける要素はほとんどなし。当然のように圧倒的な1番人気に支持された。
しかし、競馬はやってみないと分からないとつくづく思った。4番手インの経済コースをぴったり進んだクルセイズが、直線でも最内を突いてスルスルと抜け出して先頭。4コーナーでカネショウエリート、サクラエキスプレス、ボスアミーゴが外へ進路を取ったのに対し、ただ1頭クルセイズだけがインを選んだ戦法がズバリ的中。盛岡芝の特性を最大利用した沢田騎手の絶妙のプレーで大外強襲したボスアミーゴをハナ差封じて快勝。大金星をあげ、初の重賞タイトルを手に入れた。
一方、2着に敗れたボスアミーゴ=菅原勲騎手は「いつもは追い出しに素早く反応するタイプなのだが、前回・桂樹杯からちょっと鈍くなった。折り合いがついた半面、ズブくなったのが気がかり」と敗因を語った。
この一戦に、盛岡芝グランドスラムの夢を賭けていたボスアミーゴ陣営。やはりショックを隠せなかったが、今度の舞台は3戦3勝の2400mが舞台。現状ベストの条件ですっきり勝ち、次走・きんもくせい賞に繋げたいところだろう。
相手はクルセイズにするか、カネショウエリートにするかで迷ったが、OROカップ優勝を素直に評価してクルセイズを上位に採ってみた。芝ダートを問わず最後の詰めに甘さがあるのがネックだが、毎回上位に食い込んでくる堅実派。また前回のように前半で楽をさせる競馬ができれば再度、大物食いもあり得る。
一方のカネショウエリートはOROカップ6着に敗れたが、これはモエレフェニックスが作った超ハイペースを追走して末をなくしたため。脚質を考えるとこれは仕方なしだったが、今度は2400m戦でスローペース必至。決め手勝負になると見劣るが、いい脚を長く使えるカネショウエリートには打ってつけの流れとなるだろう。
マツリダワルツは小柄な牝馬でダートでも目の覚めるような決め手を時に披露するが、本質的には芝でより真価発揮すると見ている。事実、昨年9月、3歳芝2400m戦・サファイア賞で2着に0・4秒差をつけて完勝。
またメンバーはやや手薄だったにせよ、古馬挑戦した昨パンジー賞でもサイレントグリーンのタイム差なし2着と芝適性を十分にアピールした。問題は持ちタイムでボスアミーゴ以下に大きく劣る点だが、何度も書いてきたようにレースは生き物。展開次第でタイムは大幅に変わるだけに、決して軽視はできない。
コスモアンファングはOROカップ8着に凡走したが、芝2400m戦で僅差2、4着にまとめ、距離適性は高く、またハイフレンドトライは転入2戦とも振るわなかったが、中央時、芝長距離をメインに使われてきただけに芝で一変の可能性もある。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?クルセイズ
▲ ?カネショウエリート
△ ?マツリダワルツ
△ ?コスモアンファング
△ ?ハイフレンドトライ
3連単は1を1着固定に6、4の折り返し本線。あとは2、5、10を3着押さえ
馬複は1−6、1−4、1−2、1−5、1−10
<お奨めの1頭>
9レース フジノマンゲツ
今季1勝は前々走の芝1600m戦。ダートでは反応ひと息だが、芝に替わると一変の動きを披露する
13日、岩手競馬最大の祭典「第21回マイルチャンピオンシップ南部杯」(盛岡ダート1600m)決戦の日が刻一刻と近づいている。それを祝して当日は様々な企画が盛りだくさん。前回、マーキュリーカップで好評だった「3連単予想 WEB DERBY」で10万円旅行券(JR東日本提供 全国共通券)をゲットしよう!!を今回も実施します。
詳細は岩手競馬サポーターズネット『テシオ情報局』南部杯スペシャルサイトをご覧になってください。
11日(土)メインはC1級馬による盛岡ダート1600m戦・八幡平賞。人気を分け合うのはイッキイチユウ、マンハッタンナイトの2頭。
イッキイチユウは昨年11月、中央6戦0勝から転入し5戦2勝2着3回の成績でシーズンを終了。今年も活躍を期待された1頭だったが、脚部不安が発生して7ヶ月ほどリタイアし8月にようやく戦列に戻って2戦2着。
休み明けだったにもかかわらず、マズマズの再スタートを切ったが、復帰3戦目4着に敗退。初めて馬券の対象から外れたが、その後は気分を一新し目下3連勝中。完全に本来の動きを取り戻し今回の一戦に臨む。
一方のマンハッタンナイトは今年6月に転入。初戦を鮮やかに逃げ切って2着に9馬身差をつける圧勝劇を演じ、衝撃の岩手デビューを飾った。その後は取りこぼし、凡走もあり、初戦の印象は薄れつつあるのは否定できないところ。
それでもコースの広い盛岡戦に限れば4戦2勝2着2回と連対パーフェクト。前回も痛恨の出遅れを喫しながら、強烈な差し脚を披露して2着を死守した。
勢いを重視するか、コース実績を重視するかでちょっと迷うところだが、決め手となったのは前回タイム。イッキイチユウはC2・姫神賞を快勝したときの走破タイムが盛岡1600m1分43秒6。対してマンハッタンナイトはケンタッキーハットに離された2着だったが、1分42秒7。レース日は違うが、ほぼ同じ馬場状態と見てよくこの1秒のタイム差は大きいはず。
もちろんレースは生き物ゆえ、単純な時計比較はできないが、現時点ではマンハッタンナイトが一歩リードしていると判断した。
この2頭のラインに割って入るのがジェドバトラー。前回が再転入初戦で4着。これは生涯初の芝レースだっただけに、4着も仕方なしと解釈すべきだろう。ダートでは上のクラスB1級で2勝マークの実績を誇り、このメンバーでは格上の存在。2頭をまとめて負かすシーンも十分に考えられる。
クレドは目立たないが、着実に力をつけている。荒尾遠征後の今季、着外に沈んだのはJRA条件交流の2戦のみ。それ以外は全て入着を果たし、古馬編入初戦の前回も2着を確保と堅実ぶりを発揮した。盛岡コースは2着1回が最高だが、それが前走。今の好調度を持ってすれば好勝負も決して不可能ではない。
あとは距離1600mがネックだが、岩手3勝マークの上がり馬トーセンステージ、大崩れないエビスレッドキングを連下少々。
◎ ?マンハッタンナイト
○ ?イッキイチユウ
▲ ?ジェドバトラー
△ ?クレド
△ ?トーセンステージ
△ ?エビスレッドキング
3連単は2、10の1、2着折り返しから8、5へ。あとは9、1を押さえ
馬複は2−10、2−8、2−5、2−9、1−2
<お奨めの1頭>
9レース リバーサイド
前回はオープン馬相手に加え、いきなり重賞・青藍賞へ挑戦。さすがに歯が立たなかったが、自己の条件・B1へ戻れば当然の主役
今週の盛岡競馬では『M&Kジョッキーズカップ』が行われています。秋は岩手で、冬は九州で行われるこの騎手交流戦は今年で8回目を迎えました。
2001年に初めて行われた時には東北は岩手だけでなく新潟や上山の騎手も出ましたし、九州側には荒尾競馬の騎手が加わっていました。時の流れを痛切に感じますね。
以前に比べれば規模が小さくなったM&K交流ですが、また冬になれば岩手の騎手が九州に行く事になるでしょう。地道なこういう交流が続くからこそ、以前行われていた若手騎手の期間限定騎乗とか、今年の冬に行われた岩手から荒尾への大遠征が実現したわけですし、いまや岩手の騎手で九州で騎乗した事がない人はほとんどいなくなったほど。岩手の関係者の意識の中で九州は、金沢や園田・高知あたりよりもよほど身近に感じる所になっています。
やっぱりこういう人の交流は一見地味に見えても長く・途切れさせずに続けるのが一番なんでしょうね。
そんな前振りをしつつ本命は(11)ダンストンジールとしました。父ウイングアローという血統ながら芝で2戦2勝。前走は芝マイルの特別戦・若鮎賞を勝ち、それもジュニアGPよりも速いタイムで決めている点は非常に魅力的です。
まあ、こういう血統だけに恐らくは本当の芝巧者ではないのでしょう。しかしそれは他の馬も同じ事。であれば楽勝だった前回の戦いぶりを高く評価したいですね。
対抗は(4)カミノフジ。前走は鞍上曰く「少し脚を余してしまった」という4着。しかしそれでも2着争いではタイム差無しの横一線に食い込んでおり、“今度こそ”を狙っています。距離が伸びるのもプラスでは。
ジュニアGPでは4番人気5着だった(1)ワタリシンセイキ。走りはやはり芝向きでは無い印象ですが、それでも5着まで来ている点は評価。明日は雨の予報、パンパンの良馬場ではなさそうなのも有利でしょう。
(8)イシノイングランドは芝でこそ活きるタイプの模様。前走を単に展開に恵まれただけとは思いたくない。
穴で狙ってみたいのが(6)センリグランピー。前走は外々を回らされつつそれなりに脚を使っていました。今度の枠ならもう少し積極的に戦えそうです。
●買い目
馬単(11)=(4)、(11)=(1)、(4)=(1)、(11)→(8)、(11)→(6)
◆お奨めこの一頭
10R:カツイチヴィーナス
1200mがちょっと短いかなとは思うが、それは他も同じ事。むしろ短距離の差し馬かもしれない。
5日(日)メイン10レースは「第25回プリンセスカップ」(2歳牝馬 盛岡ダート1400m)、12頭立て。
(アイビー 写真・佐藤到)
キャリアを重視するか、素質を重視するかで大きく分かれるところだが、アイビーを主軸に抜擢する。8月31日、水沢850mで行われたフューチャー競走を鮮やかに逃げ切って快勝。51秒3の抜群のタイムで駆け抜けた。
今回、いきなり1400mへ距離延長、初の盛岡輸送などを考えれば常識的には苦戦の見方が妥当だろう。しかし父がサクラバクシンオー、母父がアレミロードは魅力たっぷりの配合。恵まれたスピードはその血統からきたもので、1400mもおそらく守備範囲だし、中間の追い切りでも絶好の動きを披露。先物買いで狙ってみたい。
フジフーフーはいまだ未勝利ながらビギナーズカップ2着、りんどう賞3着(2レースとも優勝はワタリシンセイキ)。芝1600m戦・若鮎賞はハイペースに巻き込まれて5着に沈んだが、ここでは実績面で一歩リード。それを考えれば相手有利は明らかで、特別制覇のチャンスが巡ってきた。
ただ対抗評価としたのは堅実な半面、詰めに課題を残しているから。このタイプは案外、突き抜けられないケースも多い。
ダンストングランの評価が難しい。デビュー戦の芝で上がり35秒1の強烈な差し脚で快勝。続くビギナーズカップ(水沢1400m)は2番手追走から3着に粘り、若鮎賞(盛岡芝1600m)では当然のように1番人気に支持されたが、7着に凡走。
敗因は出遅れを喫したことに求められるかもしれないが、それでも1・6秒差は離されすぎ。ここが真価問われる一戦となりそうだ。
芝2戦とも着外に沈んだフェニックスクインだが、調子落ちはまったくない。レース展開に恵まれなかっただけとも解釈でき、ダートでもりんどう賞4着入って適性がないわけでは決してない。
あとは前回快勝で弾みがついたテンショウスズラン、ダート向き血統ロスチャイルドスキーを連下に押さえたい。
◎ ?アイビー
○ ?フジフーフー
▲ ?ダンストングラン
△ ?フェニックスクイン
△ ?テンショウスズラン
△ ?ロスチャイルドスキー
3連単は2、10、4のボックスが本線。あとは12、6、1を3着押さえ
馬複は2−10、2−4、2−12、2−6
ダブルメイン9レース「M&Kジョッキーズカップ(第2戦)」は目下4連勝中と破竹の進撃?ケイジーウォリア=菅原勲で単不動。焦点はヒモ捜しに絞られ、こちらは3連勝中?ロックエモーション=尾林、決め手強烈?サンワードグロー=佐々木忍を上位に採ったが、1800mの距離合う?センリオー=関本淳、本格化?コロンザエンジェル=小林、格上?スウィープザボード=権堂も侮れず、激戦必至。
3連単は6を1着固定に10、4、2のフォーメーション本線。あとは3、7を3着押さえ
馬複は6−10、4−6、2−6、3−6
<お奨めの1頭>
8レース タイキサファリ
近走の安定度が目を引く。盛岡カースにも自信を持っており、強豪不在の今回はチャンス
4日(土)メインはB2級馬による盛岡芝1700m戦「M&Kジョッキーズカップ(第1戦)」、12頭立て。4日を皮切りに5日、第2戦(B2級・盛岡ダート1800m)、6日、第3戦(B2級・盛岡ダート1200m)と3日間にわたって九州vs岩手のジョッキーバトルが繰り広げられる。
毎年この時期恒例となったM&Kジョッキーズカップ。今年の参加騎手は九州・佐賀競馬から吉田順治、権堂学。荒尾競馬から尾林幸彦、佐藤智久。迎え撃つ岩手は6回盛岡終了時(9月29日まで)のリーディング上位8名、菅原勲、村上忍、小林俊彦、阿部英俊、高松亮、関本淳、佐々木忍、沢田盛夫利の計12名。
ただ総合ポイントなどによる優勝システムはなし。せっかくの企画だからシリーズ制にして総合優勝を決めた方がファンの興味も倍増する。今後は是非、導入してほしい。
しかし今年の条件を見て、これはおもしろいと思った。第1戦が芝1700m、第2戦はダート1800m、第3戦がダート1200mとすべて走る舞台が違う。これこそオーロパークの特性を生かした番組だと言える。
第1戦の主役はダイショウルシアン。デビュー2戦目の芝1000m・認定競走を勝ったが、その後は未勝利でシーズンを終了。ちょっと肩透かしの印象があり、今季も当初は精彩を欠いていたが、3戦目の特別・ガーベラ賞(盛岡芝1600m)でウィンエヴリーの3着に食い込み、ようやく上昇ムード。
続く盛岡ダート1600戦を快勝してJRA福島・織姫賞に挑戦。結果は後方から差を詰めただけの11着に終わったが、帰郷後は2、3着から前々走1着。通算3勝目をマークした。古馬編入の前走・B2戦は5着止まりだったが、元A級馬などがそろって仕方なしの結果。
今回は適性高い芝に替わって能力全開。しかも岩手リーディング2位の村上忍騎手を引き当てたのも心強く、古馬をまとめて蹴散らす格好の舞台となった。
軸はすんなり決まったが、他のメンバーも芝巧者がズラリ。こうなってこそおもしろくなり、相手筆頭はマイネルソルダネラ。芝1700m戦は2戦1勝2着1回とパーフェクト連対。5走前には荒尾から単騎免許で来県した牧野騎手とのコンビで見事1着。今回の鞍上・佐藤智久騎手は芝コース初経験だが、ここは適性を重視したい。
マルケイゴールドもステイゴールド産駒らしく盛岡芝<3.2.1.4>と絶対の自信を持っている。盛岡ダート戦では3着が精一杯だが、芝に替わると別馬のようにスイスイ走り、しかも鞍上はトップジョッキー・菅原勲騎手。
タカノグラディウスは芝1700m戦1勝3着3回と安定している半面、最後の詰めがちょっと甘い。加えて今季1勝のみとひと息のレース続きだが、今回は願ってもない1枠をゲット。盛岡芝は内でじっと我慢をし、直線で馬群が開いたところを突き抜ける戦法がはまるケースが多々。戦列復帰した阿部騎手はそれを十分承知しているだろう。
以下、前走・芝1000m戦セプテンバーカップを快勝して波に乗るオンワードリリカ=高松亮、単騎逃げ明白マルワグランディ=尾林が連下。
◎ ?ダイショウルシアン
○ ?マイネルソルダネラ
▲ ?マルケイゴールド
△ ?タカノグラディウス
△ ?オンワードリリカ
△ ?マルワグランディ
3連単は3を1着固定で勝負。2、3着は8、11の折り返しを本線に1、6、4を押さえ
馬複は3−8、3−11、1−3、3−6、3−4
<お奨めの1頭>
9レース ヨコハマボーイ
大型馬が今シーズン、ついに本格化。目下8戦連続で連対を継続し前回も完勝。このタイプは追いかけて損なし