21日(日)メインは2歳馬による地方競馬全国交流「第10回テシオ杯ジュニアグランプリ」(盛岡芝1600m)、12頭立て。このレースの1着馬には朝日杯フューチュリティステークス・トライアルの優先出走権を獲得でき、また優勝馬主には社台スタリオンステーションから種牡馬オンファイアの配合権利が提供される。
今年の遠征馬はエイブルインレース1頭のみだが、過去最強馬といっても過言ではない。ホッカイドウ競馬で3戦1勝2着1回3着1回。すべて逃げの手に出て豊かなスピードをアピール。
そして前回、JRA札幌・クローバー賞へ挑戦し、終始2、3番手のインをキープ。いつでも抜け出せる態勢だったが、4コーナーで外から被せられて行き場所をなくす不利。それでも馬群がバラけたところから抜け出し、いい感じで伸びてきたが、4コーナーでのロスが響いて惜しくも3着。2着との着差はクビだっただけに、札幌2歳ステークスの権利を何としても取りたかった陣営にしてみれば、悔しい一戦だったに違いない。
この結果から方針を変更し、今回のテシオ杯ジュニアグランプリに駒を進めてきた。陣営の本気度合いは同僚フレンチマリーを帯同させ、18日に早々と盛岡入りしたことでも明らか。
長距離輸送、環境の変化に大きく影響される2歳馬。特に交流厩舎で1頭だけで滞在する場合、飼い葉を食べなかったケースは数知れず、帯同馬を連れてきたことは間違いなくプラスとなる。
しかも盛岡の芝に慣れさせるべく翌19日には馬場入れをしてスクーリング。認定厩舎・社台ファームで追い切りを済ませ、仕上がっているので2周のダクと直線軽いキャンター。また20日はダートコースで併せ馬を消化し、万難を排してレースに臨む。
迎え撃つ岩手勢はマーチボーイに期待が集まる。デビュー戦で2着に1・8秒差をつけて圧勝。続いて水沢1400m・りんどう賞へ駒を進め、ワタリシンセイキには完敗を喫したが、逃げて2着を死守した。850mからいきなり1400mへ距離延長された場合、凡走するのが普通なのだが、2着でも逆に評価は上がる一方。
マーチボーイは一本調子の逃げ馬ではなく、鞍上の指示に素直に従うタイプ。しかもダートより芝でこそ本領発揮のマイネルラヴ産駒なら今回の芝1600mはおそらく大歓迎。なおかつラッキーなことに、逃げたい馬が絶好の1枠を引き当てたことも好走を後押しするはず。相手は強いが天性のスピードで押し切る可能性もある。
ワタリシンセイキは特別2勝を含め、目下ダートで3連勝中。同世代で1歩抜けた存在であることは誰もが認めているが、ネックは芝を克服できるかどうか。デビュー2戦は芝1000mで4、10着。タイム差は1・1秒、0・7秒なら悲観することでもないが、印象はビワシンセイキ産駒からも適性は芝よりダート。
三野宮調教師は「芝の成績は1000mの距離が短かったから。今なら勢いがあるし、1600mならば芝も十分克服できる」と判断してジュニアグランプリにぶつけてきた。繰り返すがダートでの強さはお墨付き。焦点は芝が本当に合わないのかどうかに尽き、その意味での▲印となった。
カミノフジの評価が難しい。芝ダートで2連勝を飾り、JRA新潟・マリーゴールド賞へ挑戦。レコード決着は不運だったにせよ、追走するのが一杯で大差しんがり負け。完成度の高さが売り物だっただけに、この結果に関係者はショックを隠せなかった。しかも中間にちょっと順調さを欠いた時期もあり、ここは連下止まりに落ち着く。
トライアル・若鮎賞で2着に食い込んだハイメリー。小柄な牝馬ながら均整の取れた馬体、そしてバネの良さがセールスポイントだ。あとは若鮎賞で3、4コーナー大外を回ってロスが大きかったセンリグランピーの巻き返しも軽視できない。
◎ ?エイブルインレース
○ ?マーチボーイ
▲ ?ワタリシンセイキ
△ ?カミノフジ
△ ?ハイメリー
△ ?センリグランピー
3連単は10を1着固定に1、5の折り返し本線。あとは6、7、12を3着押さえ
馬複は1−10、5−10、6―10、7−10、10−12
<お奨めの1頭>
11レース アルディ
前回は惜しくも2着に敗れたが、これは勝った相手を誉めるべき。今回はメンバー的にも負けられない一戦だ
13日土曜のメイン「三陸リアス賞」はフォーナインミダス号とセレナガール号とが大接戦を繰り広げ、長い長い写真判定の結果、軍配はセレナガール号に上がりました。
写真はこの時のゴールを一部拡大した物。高松亮騎手と山本聡哉騎手はこの時、「あーっ!俺が負けた〜」「いやこっちが負けた〜!」と二人で言い合っていたそうです。
僅差でも明らかに勝っていれば、乗っている騎手にはどっちが前でどっちが後ろかはっきり分かるそうなのですが、同着になりそうなくらいの僅かな差だとさすがに分からない模様。
結局1着7番、2着5番で決まったわけですが、もし同着だった場合、2頭優勝で表彰式も2頭の関係者が一緒に、という形になるのだそうです。賞金は1着賞金を2頭分・・・というわけにはいかず1着賞金と2着賞金を足して2で割った金額になります。
馬券を買っていたファンの方から見てみましょう。7→5→4の3連単は105万1,880円となりましたが、これが5→7→4だったら、配当は95万6,260円。約10万円違っていました。
この3連単の的中票は10票。ボックスで買っていた方にとっては、セレナガールの頑張りのおかげで約10万円のおまけが付いた事になりますね。
本命は(6)ヤマニンエグザルト。今季は1200mから2000mまで幅広い範囲で活躍。重賞勝ちこそ無いものの特別を2勝、それもレコードかレコードに匹敵する好タイムで優勝しており、8歳にして絶好調ぶりをアピールしています。
昨年のこのレースでは7着でしたが、状態面では昨年以上、相手関係も昨年の上位馬がごっそりいなくなって大幅に楽になっています。ここは重賞タイトルを手に入れる絶好のチャンス。
対抗は(8)ブラーボウッズで。人気の逆を行く馬であてにし辛いですが、この距離は決して苦手ではないし調子も悪くない。ここでも展開ひとつでしょう。
(9)ソーユアフロストをどう見るか。前走がキャリア初のマイル戦、2着に纏めはしたものの、末脚の爆発力を見せつけた一方で距離不足・不器用さを感じさせもしました。盛岡の長い直線が味方になるかどうか?嵌れば勝ち負け、そうでなければ・・・という怖さはあります。
あとは(10)サイレントエクセル、(2)マンジュデンコウベ、(7)トーホウライデンあたりを狙ってみたい所。(10)は馬体に悪いところはなく仕上がりも上々、あとは気持ちの問題のみ。(2)は勝ちきれないまでも常に上位に食い込む力があり、こういう力差のない時こそ押さえておきたいですね。
●買い目
馬単(6)=(8)、(6)=(9)、(6)=(10)、(6)=(2)、(6)=(7)
◆お奨めこの一頭
7R:ケンタッキーハット
前走の圧勝ぶり見事。ここも黙ってもう一丁に期待だ。
14日(日)メインは3歳以上オープン「第31回桂樹杯」(盛岡芝1600m)、12頭立て。このレースの1、2着馬には9月28日、地方競馬全国交流「第10回OROカップ」(盛岡芝1700m)への優先出走権が与えられ、岩手在籍の芝巧者がズラリ顔をそろえた。
その中でも断然の芝実績を誇っているのがボスアミーゴだ。これまで盛岡芝9戦7勝2着2回と連対パーフェクト。すでに芝重賞で4勝マークし、今年は盛岡芝で行われた重賞・特別すべて1着とターフ王の座を磐石のものにしている。
芝1600mは1勝2着1回で2歳時にテシオ杯ジュニアグランプリ優勝。そして2着は昨年の桂樹杯でナイキアヘッドに逃げ切られた時だが、ボスアミーゴは直線で進路が狭くなる不利。その影響を受けたためで芝1600mが決して合わなかった訳ではない。
今は道中の折り合いもしっかりつき、距離不問のオールラウンドホースに成長したが、本質的にはマイラー。血統もそれを裏付けており、今回の1600m戦はむしろ望むところ。
陣営も芝1本に絞って水沢4開催を自重。暑い夏をジックリ休養にあて、態勢も万全とくればボスアミーゴが負ける要素はほとんど見当たらない。
単不動。興味は相手捜しに絞られ、一番手にカネショウエリートを指名。昨シーズンまで活躍の場が芝に限られ、異色のメイセイオペラ産駒と言われていた。同産駒の傾向は父と同様、ダートが主流なのだが、カネショウエリートは昨年までダート戦1勝のみ。それも2歳時、融雪剤がまかれて芝と似た馬場になった不良の寒菊賞だけで、他は勝ち切れないか凡走かの連続に終始していた。
ところが今年、大変身を遂げた。6月、盛岡ダートで今季初勝利をあげるや、芝・水沢戦と圧巻の5連勝をマーク。ダートは苦手と言われていたのが信じられないほどの強さを誇っている。
これはカネショウエリートを管理する畠山調教師と一致した意見だが、メイセイオペラ産駒は晩生型。古馬になってから本格化を迎える―の傾向がはっきりある。そう考えればカネショウエリートの快進撃も納得が十分でき、パワーの要るダートもこなしてきたのだと思う。
しかも今回は元々が適性高い芝が舞台。ターフ王ボスアミーゴ相手にどんなレースで挑むのか楽しみでならない。
クルセイズはB・ドリーマーカップで2番人気に支持されたが、5着止まり。しかし、牝特・フェアリーC優勝のほか、芝2400m戦・かきつばた賞、せきれい賞3着。当然だがカネショウエリートを上回る実績があり、円熟したレース運びで2着に食い込み可能性は十分にある。
以下は芝1700m戦・あじさい賞で2着サクラエキスプレス、盛岡芝6戦5勝2着1回と驚異の適性誇るタイキランデヴー、久々を叩かれたマツリダワルツも押さえが必要だろう。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?カネショウエリート
▲ ?クルセイズ
△ ?サクラエキスプレス
△ ?タイキランデヴー
△ ?マツリダワルツ
3連単は6を1着固定に12、1の折り返し本線。あとは7、2、4を3着押さえ
馬複は6−12、1−6、6−7、2−7,4−7
<お奨めの1頭>
11レース コスモスパングル
盛岡芝1勝2着3回と連対パーフェクト。好気配を引き続きキープし、軸の信頼度は高い
13日(土)メインはC1級「第11回三陸リアス賞」(盛岡ダート1600m)、11頭立て。
パラダイスオピウムで中心は動かない。園田1勝、金沢0勝C3から今年6月に転入。最下級C2へ編入され、いきなり盛岡で4連勝をマーク。C1昇級初戦はカヤドーブランの2着に敗れたが、わずかハナ差に敗れたものでその後は気を取り直して目下3連勝中。これで岩手通算8戦7勝2着1回とほぼパーフェクトの成績を誇っている。
懸念材料は盛岡ダート1600mが今回初めてという点だが、すでに水沢で1800m、1600m戦を勝っており決定的な死角にはなり得ない。しかも先行力もある馬がベストとも言える2枠も引き当て、逃げ、もしくは2番手の競馬から連勝をさらに伸ばすに違いない。
何故、これほどまでパラダイスオピウムが一変したか。理由ははっきりしている。爪に持病を抱えていたが、それが完全に解消したからだ。園田デビュー2戦目に初勝利をマークしたように能力はお墨付き。また490キロ台の馬体重をずっとキープしていることも好走要因となった。
今回は格上馬、盛岡巧者、好調馬がそろったが、充実一途のパラダイスオピウムを持ってすればここも軽く突破できるはずだ。
逆転候補は決め手上位のサージェリー、クードゥフードル。サージェリーはかつてA2でも勝ち負けの実力馬で今季はC2へ降格。典型的な追い込みタイプだけにコンスタントな結果を出せないが、それでも2勝2着3回。ここ2戦も連続2着にまとめ、直線の長い盛岡戦を迎えたのが心強い。
クードゥフードルは水沢2500m戦・夏油賞4着後、調子を落として5、8着。これは小回り水沢も本質的に合わなかったとも解釈でき、今度は4戦2勝2着2回と連対100%の盛岡戦。サージェリー同様、エンジンがかかってからのシャープな伸びが身上とし、4回盛岡の再現も十分に考えられる。
以下、休み明け3戦目と走り頃のシュガーピュア、前回の水沢マイル戦でパラダイスオピウムを上回るタイムで逃げ切ったフォーナインミダス、スンナリ逃げの手を打てれば強さを発揮ジャッキードリームが連下。
◎ ?パラダイスオピウム
○ ?サージェリー
▲ ?クードゥフードル
△ ?シュガーピュア
△ ?フォーナインミダス
△ ?ジャッキードリーム
3連単は2を1着固定に10、3の折り返し本線。あとは8、5、1を3着押さえ
馬複は2−10、2−3、2−8、2−5、1−2
<お奨めの1頭>
9レース ジュリア
前回、待望の重賞タイトルを手にしたジュリア。その後も乗り込み順調で一気逃げ切り有望
日曜日に行われた不来方賞。勝ったピンクゴールドに騎乗していた小林俊彦騎手がゴール時に大きなガッツポーズをした事が話題になっています。
普段はよほどの大レースでもガッツポーズをしない方。ご自分では12年前に不来方賞を勝ったマツリピロリットの時もガッツポーズをしたとおっしゃってましたが、その他は、モリユウプリンスでみちのく大賞典を勝った時くらい?これだって15年くらい前で、最近は記憶にないですからね。
今年は菅原勲騎手もみちのく大賞典を勝った時にガッツポーズをして周りを驚かせました。菅原勲騎手もよほどの大レースを勝った時くらいしかやらない方なので、こうしてベテラン2騎手が揃ってガッツポーズを披露した年というのは、もしかしたら今まで無かったかもしれません。
派手なガッツポーズは馬に負担をかけるから、と嫌がるむきもありますが、勝った嬉しさをストレートに見せてくれるガッツポーズというのは、やっぱり競馬というショーの中の華だと思います。“ここぞ!”という時に決めてくれれば、見ているファンの皆さんの気持ちも盛り上がるのではないでしょうか。
さて本命は(10)マイネルソルダネラに期待。同馬は水無月賞でこの条件を経験しており、その時は2番人気の支持で結果は勝ち馬から0.1秒差の3着でした。負けたとはいえ僅差、ここはその時の経験が活かせる舞台になりました。
岩手の芝では4戦して3着以下がない好成績。また、最近はダート1800m戦でも崩れなくなって力強さが増してきました。大外枠がややマイナスかという印象ですが芝での先行力はいうまでもなく、これならさほど不利にはならないでしょう。
対抗は(8)ジェド。JRAデビューの馬ですがJRA時代には芝経験無く、その後南関−佐賀と転じて結局岩手に来るまで芝は未経験でした。しかし岩手に来て初めて走った芝で2戦2勝、それもほぼワンサイドといっていい内容で、いまや芝は得意の舞台といってもいいくらい。
父スターオブコジーンという血統ならこの距離でも決め手を活かせるでしょう。ただ、時々全く走る気を出さずに凡走する事があるのでその点には注意。
3番手は(5)バルクで。芝1000mはデビュー戦以来。早い時期から上の方のクラスで走っていたせいか短距離は未知数ですが、実績からは十分こなせるはず。むしろ短い距離で一気に押し切る方が戦いやすいかも。
これ以外となるともうみな互角という印象ですが、まず一頭選ぶなら(7)オンワードリリカでしょうか。1000mは若干距離不足のきらいがありますが、このメンバーならさほど追走に手間取るとも思えません。夏頃の不調から脱してきている点もプラス材料。
一発なら(4)マルケイゴールドでしょうか。この距離は追走に苦しむかもしれませんが、末脚を披露するチャンスはあるはず。混戦歓迎のタイプも魅力です。
●買い目
馬単(10)=(8)、(10)=(5)、(10)=(7)、(10)=(4)
◆お奨めこの一頭
11R:ケイジーウォリア
この条件はマイナスにならないはず。脚質も自在性あり、よほどの出遅れでもない限りは。相手は好調(1)で